コラム・51
  
コピー食品の話
コピー食品の傑作はカニカマ(カニ味カマボコ)でしょうね。わが家では、レタス・サラダに乗せて、よく食べています。おたくもですか?
あれはスケソウダラの練り身にカニ殻の粉末をくわえたものらしいから、骨粗鬆症の予防になるような気もしますしね。
それに、味にうるさいフランスでも、よく食べられているそうですね。
     
身近なコピー食品といえば、ガンモドキ。雁擬(もどき)とも書きますね。この宛字から「味がガンの肉に似ているのでこの名がある」なんて言う人がありますが、ガンモドキがガンの肉とかカモ肉の味に似ているとは、とうてい思えませんね。
あの説は、宛字間違いからおこったものらしい。ガンモドキのモドキには、挑き(もどき)と宛てる別の宛字があり、これはガンの肉とかカモ肉の味に劣らない、と言う意味になります。
いやー、味も似ていないし、味が劣らないとも思えないけど、まあ、たいした工夫であることはたしか。
京阪神では、ガンモのことを、ひりょうず、ひろうすといいます。さらに、飛竜頭とか飛竜子と宛字しますので、ほかの土地の人が見たらとまどいますよね。
語源は、ポルトガル語のフィリオースっていう揚げ団子からきているらしいですがね。
      
コピー食品の雄はキャビアですね。
旧ソ連時代に中央アジアを旅したことがありましたが、まあ、本場だから、ことあるごとにキャビアがでできました。でも、全部、色を付けた模造品。まあ、安いパック旅行だったセイもあったんでしょうがね。
でも、その中でキャビアの親魚チョウザメの酢ジメはおいしかったですがね。卵を採ったあとの廃棄物かもしれませんが、魚は新鮮だと旨いですもんね。
      
輸入されているキャビアのほとんど、或いは全部は、コピー食品だそうですね。
上等(?)でもデンマークのホウボウの仲間のランプフィッシュの魚卵からつくった模造品だそうですよ。そう言えば、カナッペのパンに色が滲んでいるもんね。
これ以外に、ドイツ・キャビアと呼ばれるものがありますね。あれはコイとか、タラなどの卵を使っているらしい。
まえに、高級食材をあつかうスーパーに置いてあったビン詰めキャビアを、しげしげと眺めると「原産地アメリカ」と明記してありました。最近の食品の原産地表示は正直なんですね。
それにしても、キャビアは模造品もキャビアと称し、チョウザメの姿を描いてもいいことが国際的に認められているらしいですね。
以前もらったドイツ土産のキャビアには、ハッキリとトビウオの卵と書かれていました。
あわい紅色に染めてありましたが、500グラム瓶に入れてあったので、ケチンボのドイツ人の常食食品であったらしいですが、いい味付けで、それなりにおいしかったですがね。
結局、ボクは本物のキャビアは食べていなかったことになります。特に食べたいとも思わないけど。