イソップの宙返り・114
      
ハエと蟻
ある時、ハエが蟻に向かって、「何と、蟻君。小さい虫の仲間でハエほど果報な者はあるまいよ。何故なら、どんなご馳走でも食べられるんだからね。
例えば、どんなに尊い人に差し上げる食べ物でも、まず、オレ達が試食を楽しむんだからね。それどころか、雲上人の冠、衣装の上を畏れはばからず、飛び歩くんだよ。
それに引きかえ、蟻は、何と情けないことであることよ」
と言って、あざ笑いました。
           
蟻はこれを聞いて、
「ハエさんは、羨ましいことですね。でもねぇ、ハエは人に嫌われ、煩がられるているんですよ。だからこそ、五月蝿い喩えにまでされているんだ。
夏になれば、ハエを避けるために蠅帳を使い、ハエ取りモチを棕櫚帚の毛につけて、子供に叩き殺される、はかない悲しさ。
それだけでなく、春がすぎ、夏が去って秋風が立つと、たちまち衰えて、羽を叩き頭を撫でて、手を擦るようになり、寒くなると羽も腰もぬけて、飛び歩きもならず、見苦しい様になるよ。
私はつたないけれど、春秋の移り変わりにもかまわず、雨だれの水に流されぬようにさえ用心すれば、ほかに心配もない。食べ物だって、余分に食べなければ豊かに暮らせます」
と蟻に言われて、ハエは逃げ去りました。
寓意・慢心して、ひとをあなどると、このハエのように恥をかくものである。
☆     ☆
このイソップ寓話とは、少し離れるかもしれまんが、内職サギ商法の話。
育児だけでも大変なのに、少しでも、収入を増そうとする主婦をダマして稼ぐ、内職サギ商法ってヒドイですよね。涙が出る。
あれ、業者が付き添って、サラ金からカネを借りさせるンでしょう?
サラ金業者の方は、振込先から考えて、カネを得る業者・業種はわかっているはず。
これからすると、サラ金業者とサギ業者がツルんでいるんだから、サラ金からの請求は拒否できると思うんですがね。
ええ、たしか判例もあったと思いますよ。
法律家は形式的に考える石頭ではありませんよ。
裁判所も、何とかダマされた被害者を救ってやうろと、智恵をだしてくれますとも。
まわりの人がアドバイスしてあげてほしいなぁ。
せめて、府県の消費者センターに相談するとかの、アドバイスをね。
        
話がかわるんですが、中国からの密航船が捕まると、「捕まって、良かった」なんてボクらは思ってしまうけど、いくら密航は犯罪だと言っても、あの人達は、貧しい一族のために稼ごうとして、命がけで日本にやって来てたんでしょう?
密航費って数十万円らしいから、一銭も稼がないうちに、水際で捕まった、あの哀れな人達の気持ちを思うと、涙がでる。
貧しい、一族から数十万円をかき集めて、密航してきた人達は、何のカンバセあって故郷に帰れるのかなぁ。
           
こんな話を、内職サギ商法に続けて話しはじめたのは、密航に成功しても、この不況の日本で、まともに働けるチャンスなんて、あるようには思えないのですがね。
日本人でも、ドヤ代も払えないで、野宿しているホームレスが何万人もいる時代でしょう?
あれ、「日本に行くと、大金が稼げる」なんて、ダマして密航費を巻き上げている組織があるようですねぇ。
ええ、犯罪組織がね。
あの手錠をはめられて連れて行かれている密航者は、たしかに日本の法律では犯罪者ですが、彼等は別の見方をすると、ダマされた被害者ではありません?
だから、ボクは涙がでる。
             
こんな風に、ダマされて肉体奴隷に売られた哀れな女でも、一攫千金の玉の輿に乗った成功者は、チリのアニータちゃん。
日本人に横領させて、カネを巻き上げたガイジンを、成功者呼ばわりするのなんて許せない?
でも、チリだけではなく、世界中の肉体を売るしか、資本(?)のない貧しい女達にとっては、夢のような話でしょうねぇ。
世界中の女衒(ゼゲン・肉体奴隷の売買業者)は、「日本に行けば、10億円儲かる」なんて、商売をしているだろうあぁ。サギ商売をね。
公社のカネを10億円もチョロマカして、貢いでくれるようなアホ男なんて、そう沢山はいないのにね。