イソップの宙返り・104
         
塩を運ぶロバ
重い塩を担がされたロバが、川を渡っていて、足を滑らせ水にはまりました。
積み荷の塩が水にとけて楽になりました。
これに味をしめて、今度は海綿を担いでいるときに、わざと川で足を滑らしました。
積み荷の海綿が水を吸い、溺れてしまいましたとサ。
寓意・浅はかな企みで、身を誤る人がいる。
☆     ☆
極東の凡俗といたしましては・・・
ボクのような凡人は、水に浸かると何時でも身軽になれるとかに似たような、こうすれば何時でもこうなる、なんて凡庸なことを考えてしまいます。
20世紀は科学技術を中心として、今までにない変革の世紀でしたのにね。
21世紀は20世紀を越える変革の世紀になるんでしょうにね。
何時までも、明日も昨日と同じなんて考えいるのを、きっと「ロバの浅智恵」って言うんでしょうねぇ。
             
ボク達凡人は、どうしても守旧主義になりますよね。
明日も昨日と同じって思うと心が安らぐ。
新しい物は、何となく不安。
         
新しい物は不安って言うと、輸入肉も不安がる人が多いですねぇ。
いま、輸入牛肉には35%の関税がかけられています。
それでも国内産の和牛より安いですねぇ。
ええ、国産牛とは、そんなに差はありませんがね。
           
ところで、失礼ですが国内産の牛肉に、国産牛と和牛って区別があるのをごぞんじですか?
和牛は食肉牛ですが、国産牛と呼ばれているものは乳牛の牡の肉です。
日本では牡の乳牛は廃棄しないで、育てられます。
で、これを食肉にしたのを表示法で国産牛と呼ぶことになっています。
         
味の好みは、人それぞれでしょうが、輸入牛肉はすべて食肉牛の肉ですが、牡の乳牛の肉は食肉種ではありませんから、味は、とても食用肉のものではありません。
まあ、和牛は食用肉ですから、輸入肉よりも好きだ、と言う人の味の好みを、とやかく言うつもりはありませんが、オス乳牛である国産牛の肉はどうかなぁ。
       
守旧主義のことですが、食べているとスギ花粉症(pollinosis)とか糖尿病が治るゴハンが研究段階にありますねぇ。
ええ、遺伝子組み換えイネです。
遺伝子組み換えで、アレルギー反応を起こすB細胞エピトープ・ペプチドを含まないものを作ることができます。
          
いまスギ花粉症は対症的治療だけですが、これに使われる対症治療薬にはおそろしい物があります。
鼻内噴霧する化学伝達物質遊離抑制剤や抗ヒスタミン剤。
それに、副腎(ふくじん)皮質ホルモン剤と、注射するヒスタミン加ヒト免疫グロブリン剤なんてね。
あれコワイですよね。
だから、ゴハンがワクチンになってくれるイネなんて理想的。
           
でも、これには根強い反対があります。
いまだに遺伝子組み換え食品を研究することまでも反対の人達がいるんですねぇ。
組み換え食品反対派なのに、組み換え食品のチーズ酵母のキモシンを使ったチーズケーキは平気で食べているし、遺伝子組み換えのダイズ、ナタネを絞ったサラダオイルは使っているのにね。
遺伝子組み換えの除草剤耐性イネ、多収穫イネの研究まで反対のクチバシを入れている人がいますねぇ。
除草剤耐性イネ、多収穫イネがないとジイチャン・バアチャン農家は成り立たないのにね。
自分は食べないのは勝手ですが、ひとが食べるのにまで反対するのは、どうかなぁ。
民主主義の基本は多様性の許容ではないの?
             
スギ花粉症ワクチンのコメとか、糖尿病を救ってくれるご飯が研究されることまで、反対する守旧主義者は、明日も昨日と同じように生きるつもりなんでしょうねぇ。
でも、考えてみると、守旧主義者はインターネットなんてやらないんでしょうねぇ。
だから、このホーム・ページも読んでくれることはないのかも知れない。
いまだに、紙に印刷した活字でないと信用しないなんて守旧主義者が多いからね。