イソップの宙返り・49
     
ビーバー
「ビーバーの生殖器は婦人病に効果があると言われており、ビーバーも知っているから、人間に追われると一目散に逃げますが、追いつめられると、生殖器を切り取って投げて逃れるそうです。」
寓意・財産ゆえにねらわれた時には、命をかけるよりも財産を見切る人こそ賢明なのだ。
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極東の凡俗といたしましては・・・
まず、この寓話は北方の遊牧人ブディノイがビーバーの生殖器を婦人病の薬にしたことからギリシャでも薬にした、と伝えています。
まあ、あなたの物知りの種になるかも知れないので、わざわざ掲げました。
       
命と財産の見切りの話ですが、医療費はついに年間35兆円に達しようとしていますね。
今までの増加経緯からすると2007年には倍増して70兆円になるかもしれないようですね。
国民1人あたり60万円ですか?
国家予算と同額になるんでしょうか?
医療保険料は税金とは別口になりますから、国民が負担しなければならない医療費は保険料とか自己負担分の合計が60万円になることになりますね。
          
今、病気でもないのに健康診断をしてもらうと、原則は全額自己負担です。
これは、健康保険は病気を治すためにしか負担しないのが立て前ですから、そうなるらしい。
そうすると、延命治療は病気を治すためとは言えないから、健康保険外の自己負担にするしかないように思えますね。
        
あの医療費はすごいからね。
それに、若い良心的な医師は、患者に苦痛をあたえるだけの延命治療に虚しさを感じている、とよく言われますね。
まあ、こんなことを言えば「貧乏人は見殺しか?」なんて言われそうですが、苦痛をあたえるだけの延命治療に意義があるのかなぁ。
ボクは両親とも、本人らが前から希望していたので、「安らかに最期を迎えさせて欲しい」と頼んで、延命治療をやめてもらいました。
       
でも、1分でも永く生きていて欲しいと思うのも人情でしょうねぇ。
          
苦痛にさいなまれていてもいいから、「1分でも永く」と望む人には、自己負担をしてもらうしかないように思えるんですがね。
それ以外にいい知恵ある?
         
でも、インフルエンザには最近抗ウイルス薬もでて来たし、遺伝子治療も本格的になりそうだし、こんなことを心配しなくても、2007年頃には医療費総額は70兆円にもならないかも知れない。
あんまり、先のことを心配しないでおこう。
あんまり、先のことを心配しないのも、生きる知恵かもしれない。
ケ・セラセラ