旅行事情
        
ドライブ旅行の話ですが、駐車場とかに「ワゴン車お断り」とか、フェリーに「ワゴン車はトラックの入り口へ」なんて表示にであいますよね。
で、なぜ乗用車とかわらないワゴン車がトラック用入り口へまわらなければならないのかなあ?って思いますね。
自動車関係者ってワゴン車と、箱形のライトバンを取りちがえて呼んでいることっておおいんですよ。
だから、「ワゴン車お断り」と書いてあっても、尋ねてみること。
尋ね方も「これ(ワゴン車)、いいんでしょう?」って頭からきめつけるべき。
たいていOK。
           
次は立体駐車場。
初心者のうちは係員に「自信がないから、入れて!」って頼んでみるのもいい。
預かるほうも、壊されるのいやだから、しぶしぶでも応じてくれることが多いですよ。
僕なんか、40年以上も運転しているくせに、じゃまくさいと、この手を使う。
       
駐車場の話といえば、観光寺院とかで駐車場所を探すのには、はいり口の駐車場屋は必死に客引きするけど、奥の門前までとりあえずいってみて、Uターンしてから探すのがコツ。
運がよければ、地元の人が停める空き地があったりします。
法隆寺でも、正門右手の松林に駐車できるスペースがありますよね。
でも、この方法は土、日には無理なことがおおいですがね。
            
次は、駅弁。
普通電車で、お弁当を食べるのは行儀がわるいことになっているの?
快速電車でも近距離線では、どうもいけないらしい。
なんで、いけないのかな?
あれ不思議。
僕が普通電車の中で弁当をつかいはじめると、うちのカミサン、「私はこの人と関係ありませんからね」なんて顔をしている。
逆らって、「卵焼き、あげようか?」なんて言うと、怒るもんね。
              
とつぜん飛んで、海外旅行の話。
僕は海外旅行経験20回ぐらいですが、はじめの昭和40年代は外貨事情もあり、ディスカウント・チケットの少ない時代でしたから、パック旅行で行ってました。
ところが、パック旅行だと、旅行社はむりやり土産物屋へ連れ込むんですね。
観光時間の半分いじょうが、土産物屋への監禁。
        
僕は買い物をするのが苦手なんです。
ですけど、旅行をすると、おみやげって、やっぱり買ってくるべきなんですね。
日本人にとってお土産って、ただの『物』ではないんですね。
わたし好みの屁理屈を申しますが、日本古代語ではミアンゲとかの言葉があったようで、このミアンゲが土産の語源だといいますね。
ええ、例のアイヌ語が古代日本語をひきついでいるのではないかとの説では、土産はミアンゲから来た言葉ということになるらしい。
ミアンゲって「身を、あげる」って意味だといいます。
アイヌの信仰では、たとえば熊は天上から肉をもってきてくれたものですから、魂が天上に帰るにあたって丁重にお祭りをして送ると、また気をよくして肉をもってきてくれることになっているらしい。
このお祭りはイヨマンテ「それを、送る」っていうとか。
日本の古代信仰は、今につたわるアイヌ信仰とは少し違っていたとしても、土産はただの『物』でなかったことは、たしからしい。
         
僕みたいな平均的面倒くさがりでも、お土産をもらうと嬉しいですもんね。
この嬉しさは「僕のことを気にかけてくださっているんだなぁ」っていう嬉しさですよね。こういう意味で、この古代信仰はいまでも、脈々として生きています。
           
わかいころは、こんな思いやりに無頓着でしたから、一切土産を買わなかったけど、ある時パック旅行で土産物屋監禁にあって、もとめるはめになって買ってきたら、皆よろこんでくれましたね。
これからは心をいれかえて土産を買うことにしました。
ですから、パック旅行の土産物屋監禁もわるいことばかりではない。
でも、観光時間の半分以上を市価の倍額もする、旅行社へのリベートありありの土産物屋へつれこまれるのはたまりませんよね。
     
パック旅行がいやだと、個人旅行ってことになります。
個人旅行だと気楽。好き放題に行動できます。
でもね、荷物運びが大変。
旅のベテランって荷物が少ないですね。着替えもまともに持っていない。
すべて、宿泊先で自分で洗濯する。
着替えを持たないといっても、旅行先で訪問することがあって背広ぐらいは必要なことってありますよね。
カミサンが一緒だと和服まで持つことがあります。
          
荷物運びが大変なことが個人旅行のわずらわしさ。
僕はこんな目にあったことがあります。
パリから、南のスペインへ夜行列車に乗るのに、その直前、マルセイユ駅で夕食をたべることにしました。
持っていた荷物をロッカーに預けることになりました。
10台ほどを纏めて1台の機械がありまして、料金を投入しますと、カチャカチャと印字音がして、紙がでてきました。
気が焦るままに、暗証番号が印字されているものと決めてかかって大事に胸ポケットにしまいました。
ゆうゆうと食事を楽しんで、くだんのロッカーにやってきて、暗証番号が印字されているはずの紙を開いてみると、何と、白紙。
汽車の時間は迫っているし、あせりましたねぇ。
周りに係員はいないし、ひとけはなし。
カミサンもびっくりして、係員を捜しにいってくれました。
うろうろしていると、イギリス人の女性がやってきて、こともなげに隣のロッカーを開けるんですわ。
教えてもらうと、なんのことはない。白紙と思った紙が二重になっていて、剥がすと中に印字された暗証番号がでてきました。
フランス的厳格趣味。印字された番号が周りの人の目に触れないように工夫されているらしい。
この女性に教えてもらって、やっと、ことなきをえました。
でも、悪夢にうなされて見るのは、いつでも、この焦り。
         
荷物運びっていうと、もう一つ。
ロンドンのヒースロー空港から、市内へタクシーにのったことがあります。
たいていは、空港バスを利用するんですが、このときは衣装が多かったので、やむをえずタクシーにしました。
ロンドンのタクシーって、紳士的なことで定評がありますでしょう?
ところが、走るんですわ。
恐ろしい速度で。
さすが市内に入ると、ドンピシャ、名もない旅籠(イン)の前に連れて行ってくれましたがね。
ところで、余談ですが、ロンドンの地名って読み方がヒドイですね。
たとえば、タバコの名前にまでなっているPoll moll。あれ、ペルメールなんて読める?
目的地は、メモ帳を持っていて書くしかない。
大阪の地名でも四条畷のナワテなんて読めないもんね。地名なんて、日本でも、こんなのが、わんさかあるもんね。
        
パック旅行も勝手ができないから困るし、個人旅行も不便だとすると、滞在型団体旅行が便利ですね。
一カ所3泊以上なんてのが。
移動に国際線を使うと丸一日不愉快な目にあいますから、ヨーロッパ旅行では一カ国滞在型がいいみたい。
動きまわっても疲れるだけ。
パリ1週間なんてのがベストのように思える。