エコロジー
      
今年のような夏の渇水期になると、琵琶湖の水の恩恵をうけている京阪神に住んでいる者はいつでも感謝しています。
琵琶湖が合成洗剤で汚れかけたときに琵琶湖周辺の人たちが洗剤の自粛を住民運動でしていただきました。
今年は7月はじめに琵琶湖で泳ぎましたが、水はきれいでした。
あの住民運動がないと渇水期には、特に水道水に臭いがついていましたもんね。
           
もう昔話になりますが、原発みなおしを求める会議にでかけますと、真夏なのに参加者が背広とネクタイで、冷房をきかせたピカピカの豪華会議場、それもタバコの煙が渦巻いている会場でした。
こんなところでの綺麗事にあほらしくなって、早々に帰ったことがあります。
でも、考えると僕たちってこんな矛盾をしていることって多いですね。
アメリカのスリーマイルで、原発事故が起こったあとで原発反対の市民運動が組織されました。
このときの参加者には自宅の電灯を蛍光灯にすることを求めたそうですね。
まあ、点滅の多い廊下とかの電灯はべつにしてのことでしょうが。
           
ところで、原発のことですが、原子力にたずさわる人たちって「絶対安全神話」の信奉者がおおいですね。
科学オンチの私でも、「安全が絶対」だなんていうのを聞くと、この人何を考えているのか?と思ってしまう。
だって、安全に絶対なんてありえない。
          
こんな原発を、これからまだ数十個新設しなければならないらしい。
原発の増設は、こわいけど、火力発電は常時地球温暖化の元凶ですしね。
水力発電なんてのも考えるけど、ダムを作るのに故郷を追われた人たちをみると、もうこれ以上ダムを造るところがないって話にも納得してしまいますしね。
太陽電池も作るのに、そうとうのエネルギーを消費するらしいし、耐久性が乏しいから廃棄するときにでる問題も深刻らしいですね。
風力発電は日本のように常時風の吹く土地の少ない国では器具の製造に要するエネルギーからすると、自然保護の効率はあんまり高くないそうですね。
          
そうなると、僕たち庶民も電力消費をおさえるようにささやかでも努力しなければなりませんね。
ぼくは、それこそささやかですが、自宅は蛍光灯にかえました。
でも、冷房なしではつらいし、電力消費の大きいテレビのナイターも見たいしね。
一番の反エコロジーをやっていて忸怩たるおもいで、これを書いています。
ところで、テレビで紹介される「理想の家屋」をみていますとシャンデリアをつけた家がでてきますね。
シャンデリアって白熱灯ですから、たいへんな電力消費量でしょう。
それにテレビにでてきて、エコロジーを論じる文化人はみんな背広にネクタイですね。
アナウンサーも、キャスターもね。
あの人達って何をかんがえているのかなぁ。
忸怩たるものがないのかなぁ。
         
兵庫県の貝原(元)知事はノーネクタイ、上着なしでした。
ぼくはこれだけで、兵庫県政に好意をもってきました。
こんどの井戸知事もノーネクタイ、ノー上着で初登庁していましたね。
でも、選挙中はネクタイ背広でしたよ。
ノーネクタイ、ノー上着だと「人を舐めている」とか「品位がない」なんて思う人がおおいんでしょうね。
             
ところで、「品位」って難しい言葉ですね。
品位とか品格って、優しさとか思いやりに限りなく近い言葉だと思うけど、ひとによっては冷淡とか傲慢と同意語だと思っているひともあるしね。
もう20年も前のことですが、「人権擁護」を標榜する、ある会(もう僕の本職はバレでいます?)で会館をたてることになりまして、玄関の階段について意見を言う機会がありました。
人権擁護を標榜する会ですから身障者のことを考えてスロープを設けることにしました。車椅子用スロープを1台だけ通れるような幅で、隅に設けるのが原案でしてね。
僕は「反対ヤ、正面全部を車椅子用スロープにして、どうしても階段を登りたいひとのために、人ひとりとおれる幅の階段を隅に設けるべきだ!」っていったら、「正面が階段でないと品位がない」って、あっけなく否決されましたもんね。
           
これから昼食会に出かける高級人種(?)の会でも、今度の会長が「夏期はノーネクタイ、ノー上着でいきましょう」ってきめましたが、いまだにノーネクタイ、ノー上着の人は数人にすぎませんね。
ホテルの支配人は「ほとんどの人がネクタイ、背広ですから、室温はゆるめられません」っていっています。
そらそうでしょうね。室温を緩めたらネクタイ背広族からは苦情がでるでしょうね。
        
この会が今度「環境保護委員会」を設けることになりまして、いえいえ、自主的に設けるのではなく、アメリカの本部から言われてのはなしですが。
この委員会にでて、僕は「せめて、会員は大型車をやめることにして、今度入れ替える時には5ナンバー車にしよう!」って言ったら「運転手付きの社用車が、5ナンバーでは格好がつかない」って顰蹙をかった。
そりゃあ、3ナンバーに乗っているヤツが言っても迫力ないよね。
ヤツって僕のこと。
まあ、いままでのように会員有志が「環境保護」のタスキをかけて、バス停の吸い殻拾いを一回やるだけでお茶を濁すことになるんでしょうね。
社会的に影響力のあるひとたちですから、超大型車だけでも自粛したらいいのになぁ。
             
言行不一致っていうと、エコロジーを標榜する地方自治体の自転車へのつめたさ。
自転車って最高のエコロジーでしょう?
自転車通勤って健康にもいいし。健康にいいってことは健康保険金の支払いも助かるよね。駅前の放置自転車っていうけど「放置」ではないよね。
置き場所がないから、しょうことなしに置いている。
だのに、「放置」自転車の取り締まりに人手とカネをかけてね。
         
それでも、すこしづづ自転車置き場をつくりはじめたけど、有料でしょう。
エコロジーと市民の健康を考えたら、駅前には無料の自転車置き場を増設すべきではない?
駅前に何階建てもの自転車置き場ができるのは駅前景観の「品位」を下げることになるなんてことになるのかなぁ。