魂を貪るもの外伝編

私の家族

七瀬家の秘密より


 

 

 

琴美「…もう!!」

琴美「新年そうそう買出しってどういうことなの!?」

夏美「お姉ちゃん…怒らないで……」

琴美「怒っていないよ」

夏美「それなら…いいわ」

 

 

私、七瀬夏美と琴美お姉ちゃんで新年そうそうに商店街に買出しにいっています。

未成年に御酒を買いにいかせるのはどうかとも思いますが……。

お父さんはその辺あたりをどう思っているのかな?

琴美お姉ちゃんはぶつぶつと文句を言いながら辺りのゴミ箱に蹴りをいれている。

…スカートなのに…いいのかな?

 

 

夏美「…いつも元気でうらやましい」

琴美「具合悪いの?」

夏美「ううん…今日は平気よ…」

琴美「私と友姉で元気を奪い取りすぎているのかな……」

夏美「ふふ…そんなことないよ」

 

 

と他愛のないお話をしながら商店街に歩いていた。

私とお姉ちゃんは猫ヶ崎の商店街沿いを歩いている。

途中に大きな川が見えてくる。

よくそこで小さいころ遊んだ記憶がある場所だ。

そこを通るたびにいつもそのときの情景が蘇る。

 

 

夏美「…お姉ちゃん覚えている?」

琴美「なに?」

夏美「やっぱりいい……」

琴美「そんな気になる言い方をされたら気になるの!!」

夏美「ふふ…小さいときに一緒に遊んだときのこと」

琴美「覚えているけど…それが?」

夏美「小さいときからお姉さんたち凄かったよね」

 

 

そう…それは小さいころのお話。

 

 

夏美「琴美お姉ちゃん…」

琴美「またあんたたち私の妹いじめているでしょう!!」

男1「やばいよ…またあの姉が……」

男2「逃げたほうがいいぞ!!」

琴美「男の癖に何回も逃げるな!!」

 

 

小さいころの私はいつも苛められていた記憶がある。

体が弱くていつも倒れていたことも関係があると思う。

中学に入ってからは体が少しづつだが丈夫にはなっている。

しかし一般的とはいえない。

よく親戚からお姉ちゃん達に元気を奪われたのねとか言われているのだった。

現実的にそうだと思う。

友美姉ちゃんはこの前、憂さ晴らしだ!!とかいって瓦を70枚割っていた。

積み上げるのが大変だと思うけど…ジャンプして一刀両断できるのはすごいなと感じる。

琴美姉ちゃんは空手部の副部長とかになっているし。

それに人によく信頼されていて相談されてもいるし……。

 

…私は…なんだろう?

何がしたいのかもわからないし……。

特技もなにもない。

ただできるのは勉強だけ?

それも社会に役に立てるかもわからないのが現実だし……。

 

川の橋を渡るときに一人の男性がこちらに向かってくるのを見る。

その人は歩きながら橋の上の光景を見ているようだった。

姉さんはそれを見ていぶかしげに見ている。

 

 

琴美「…京?!」

京「…琴美?」

 

 

あれ…この人…どこかで見たことある。

たしか…琴美姉さんの恋人だったような……。

 

 

夏美「こんにちは」

京「こんにちは」

 

 

とりあえず挨拶をする。

やはり挨拶は基本だとお父さんに教えられているからだ。

 

 

琴美「何しているの?」

京「神社のお参りの帰り」

琴美「またあの胸大きいお姉さんの所に?」

京「…そんな言い方しなくてもいいだろう…はぁ……」

 

 

琴美お姉さんが意地悪そうに言い合っている。

普段はそんな喋りはしないのだが…どうやら京という人だけには変化する?

新たな一面を見たような気がする。

 

 

夏美「……」

琴美「そうだ!!」

京「頼むから新年そうそうに嫌なことを押し付けるのは却下」

琴美「買出しに付き合って♪」

京「却下!!」

琴美「ねっ♪」

京「嫌」

琴美「私の晴れ着が見れるよ?」

京「……」

 

 

姉さん…家に連れて行くつもりなのかな?

…お父さんがいるんだけど。

それに…友美姉ちゃんも……。

 

 

数分後、説得された京さんが泣く泣くついていくところを見ることになる。

ぶっきらそうに見えても結構やさしい人なんだなとこのとき感じる。

最初会ったときは怖そうな印象だったし。

なんか今でもこちらに向かってきそうな…鷲?

 

 

京「そういや…いつ以来かな?」

琴美「う〜ん…あのときはたしか…誰もいないときだったような」

夏美「……」

琴美「あのときは…友美姉ちゃんが帰ってきて死にかけたんだよね」

京「…思い出したくない」

夏美「友美姉ちゃん…何をしたの?」

琴美「う〜ん…とりあえずいつもどうりにこと」

夏美「…あの力をもっと別のことに使えたらいいのにね」

京「それは同感するよ」

 

 

友美姉ちゃんの恐ろしさ。

琴美姉ちゃんに助けてもらったことはある。

だが友美お姉ちゃんに助けてもらうと…それは凄い結末だったな……。

 

例えば私がある有名な会社の御曹司にいじめられたときのこと。

そのことに気づいた友美姉ちゃんは相手を半殺しにした。

当然、その仕打ちに怒ったその御曹司の父親は家に抗議しにくるのだった。

裁判にかけてやる!!

とかいっていたのを覚えている。

 

 

夏美「でも…友美お姉ちゃんの恐ろしさは……」

琴美「あのときのことね……」

 

 

完全に怒った友美お姉ちゃんは御曹司の父親の会社を調べ上げる。

そしてその上司の家に圧力をかけたのだった。

…政治家や弁護士など…いろいろな国家権力を使って(汗)

ありとあらゆる手段を使って相手の立場をどんどん狭くしていくのだった。

はっきりって友美お姉ちゃんは顔が広い。

いったいどこまで知り合いが多いのだろうか……。

 

 

京「…そ…そんな姉だったのか!?」

琴美「その御曹司の父親は最後は泣いてあやまったんだから」

琴美「頼む!!私の家を返してくれ!!と」

京「……」

夏美「…でも頼れるお姉さんです」

琴美「だから怒らせないでよ」

京「いや…誰も怒らせたくないと思うぞ」

 

 

私たちは用事を済ませてから数分後に自宅へ帰りついた。

さぁ玄関を開けたときに何か飛んでいくのを気づく。

とっくり?

がちゃん!!と大きな音をたてて玄関に響いた。

 

パジャマ姿の女性が一升瓶ととっくりを持って玄関に……。

さすがに京さんはびっくりしている。

 

 

友美「うぉら!!」

琴美「!?」

夏美「お姉ちゃん?」

友美「おお我が妹!!帝国軍人になれ!!」

琴美「飲んでいるの?」

友美「この不況の中飲むしかないだろうよ我が妹!!」

夏美「でも…他所様に迷惑が……」

友美「こいつは誰だ?」

 

 

パジャマ姿で飲んでいる姉はとっくりを京さんに向ける。

そして投げつける!!

器用に避けた京さんだった。

 

 

友美「お前は!!」

京「……」

友美「琴美の身体を奪おうとしたやつ!!」

京「なっ!?」

琴美「お姉ちゃん!!」

夏美「しょ…しょ……!?」

友美「ということで死ね!!」

京「どわっ!?」

 

 

友美姉ちゃんの蹴りが炸裂する!!

右腕でガードした京さんは一歩後ろに下がる。

それを見た友美お姉ちゃんは前に踏み込み正拳を繰り出す。

 

 

京「なっ?!」

友美「やるなこのいたずら男!!」

琴美「もう…酔っ払っているから…はぁ……」

 

 

左腕でその拳を受け止めて右足で足払いをしかける!!

バランスを崩れた友美お姉ちゃんは地面にキスをする瞬間に右手で支える。

そしてアリキック!!

それを寸前に避ける京さんだった。

 

 

京「やっぱ強い……」

友美「ほうやるなこのガキ!!」

琴美「いい加減にして!!」

友美「…冗談だ」

京「いや…あの蹴りは冗談じゃないと思うぞ」

夏美「お客さんですからちゃんと迎えて上げてください!!」

友美「ぬぅ…夏美に言われたらしかたがないな…まぁ上がれ客人よ」

 

 

騒動はなお続く……。

 

火に油を注ぐ以上に、友美お姉ちゃんは怖いBY七瀬夏美

 

INDEX 後編


後書き

 

新年企画として書いていたこの小説。

気がつけばもう一月も終わり!?

…こんばんわ♪

 

最近、影が薄いと言われ続けている七瀬一家がネタです(笑)

ここでおさらい♪

七瀬長女の名は友美。

次女は琴美。

で、三女は夏美といいます。

 

一番上の長女は凶暴♪

三女は気弱♪

二女はわがまま♪

 

と唄になりそうな感じもします(爆)

 

とりあえず後編に続くのでまた次回も見てください。

それでは!!