企画/総合管理センター危機管理センターバイオハザード狂牛病・BSE第2ステージの考察
          BSE/第2ステージの開始  
 

                〔新展開〕  肉骨粉・禁止以後新型・異常プリオンの出現!
  
  
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 トップページHot SpotMenu最新のアップロード                           担当 :    里中  響子 

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プロローグ   2003.11.17
No.1 BSE/肉骨粉の輸入禁止以降の新展開 2003.11.17
No.2 【新型/未知のプリオン】 2003.11.17

  

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「ええ、響子です...

  新設したBSE・狂牛病掲示板でも言いましたが、“BSE/狂牛病”が、新し

い展開を見せ始めています。 そこで、私たちも、新たに掲示板を準備しました。また、

ここに、“BSE/狂牛病”の第2ステージを開設し、今後の考察に備えて行こうと考え

ています。今後どのような展開になるか、まだ実態は分らないわけですが、しっかりと

ウオッチして行きます。どうぞ、よろしく...」

 

「“異常プリオン”については、“狂牛病・変異プリオンの考察”で詳しく考察していま

す。是非、そちらの方も参考にしてください...」

 〔1〕 肉骨粉輸入禁止以降の新展開   house5.114.2.jpg (1340 バイト)

 

「掲示板でも言いましたが、広島県の食肉処理場で処理されたホルスタインが、牛海

綿状脳症(BSE/狂牛病)の疑いがあった問題で、厚生労働省は、11月4日夜、専

門家会議を開き、“従来型の感染牛”と判定を下しました。

  この“国内9頭目の感染牛”は、生後わずか21ヶ月(1歳9ヶ月)で、世界的に見て

も異例の若さといわれます。10月に茨城県で見つかった“8頭目の感染牛”は、生後

23ヶ月であり、これよりもさらに若いことになります...

  国内で、8頭目から9頭目の感染牛の確認は、わずか1ヶ月ほどの間です。これ

を、どう見たらいいでしょうか?それから、西日本におけるBSE感染牛の確認は、こ

“9頭目の感染牛”が、初めてということになります...」

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「ええと...高杉・塾長...」響子は、ノートパソコンのデータから顔を上げ、高杉の

方に体を向けた。「ええ、高杉・塾長は...“狂牛病・変異プリオンの考察”で、ずっ

とこの問題を担当して来ました。当時のアシスタントは、緊急テーマの浮上ということ

で、手のあいていた白石夏美が行ったわけですが、今回は“危機管理センター”

整備も進み、私が担当することにしました。どうぞ、よろしくお願いします」

「うむ、」高杉は、小さくうなづき、コブシを口元に当てた。

「塾長は、この新たに発生したBSE感染牛を、どう思われているのでしょうか?」

「そうだねえ...」高杉は、静かに腕を組んだ。「国内で“8頭目の感染牛”は、生後

23ヶ月...“9頭目の感染牛”は、生後21ヶ月...いずれも、世界的に見ても、異

例の若さだ...これは、一体、どういうことなのかねえ、」

「はい...

  しかも、“8頭目の感染牛”は、“異常プリオン・タンパクの構造パターン”が、従来

のものとは違う“新型”だったということです。国内で、再びBSE問題が拡大してい

くのでしょうか?」

「うーむ...しかし、“9頭目の感染牛”の方は、“従来型”というからねえ、」

「はい。そのあたりも、非常に不思議な展開になって来ています。それから、8頭目か

らわずか1ヶ月ほどで、9頭目が確認されたというのも、気になりますわ...」

「うーむ...そういうことだねえ...しかし、ともかくデータが不足しているね、」

「ええと...」響子が、ノートパソコンのキイボードを叩いた。「少し、経過説明をしてお

こうと思います...」

「うむ、」

「まず、牛の飼料に、“肉骨粉”が使われていたということですね。これは、屠殺した牛

の不要部分を、“肉骨粉”として処理し、再び牛に食べさせていたということです。経

済効率性を追求したのでしょうが、これはこれで、ひどいシステムだと思います...

ニワトリなども、そうなのでしょうか。私たち、“人類文明の倫理”が問われる大問題だ

と思います」

「うむ...文明社会の陰の部分だな...」

「確か...前回、塾長は、“人類文明の霊的な進化”に影響するとおっしゃられてい

たと思うのですが、」

「うむ、今もそう思っている...」高杉は、自分の掌を見つめた。「いいかね...“知

る”ということは、いわゆる“情報”や“知識”として知るのと、“直観力”として直接そ

のものを知るのと、2つのルートがある。まあ、突き詰めて言えば、結局はひとつのも

のかも知れないが、ともかく、見かけ上は2つある...」

「はい。理屈ぬきの“直観力”ですね!」

「そう...牛は、おそらく直観力で、あるいは“種の共同意識”として、この事実を認

識しているのだと思う。

  “種の共同意識”というのは、種として進化し、存続していく戦略を立てている“上

位・意識のステージ”だ。例えば、イワシなどは、他の魚の餌になりやすいわけだが、

数を多く産むことで生き残る戦略をとっている。あるいは、珍しい所では、口の中で子

育てしている魚もいるだろう?あるいは、荒地や高山で、自分の居場所を確保してい

る動植物もいるだろう。

  こうした戦略的な進化は、個体レベルの知恵ではない。しいて言えば、その上位ス

テージにある“共同意識体”によるものだ。膨大な生態系の中で、このあたりは“種”

が、淘汰圧力環境圧力と戦っているステージだ。まあ、私は専門家ではないので、

詳しいことは知らないが、この程度の推察は出来る」

「あ、はい!」

「そうした、“種としての戦略”をつかさどるあたりの意識では...“家畜の牛”は、人

類社会の“肉骨粉システム”の事実を、確かに認識しているだろうということだ。ま

た、そのぐらいの情報能力と知恵が無ければ、“種の戦略”などというものは練れる

はずもない...

  そうしたヒエラルキー(階層性)の最上位に、私は“36億年の彼”を設定している。し

たがって、“種の生き残り戦略”の風景が、どのあたりまで広がり、どの程度の多面

性を持っているのかは知らないが、そうしたステージは確かに存在するのだろう」

「はい、」

「BSEというような...いわゆる“狂気”の発現は、そのあたりから、やむにやまれ

ず、絞り出されて来たように思う...家畜である“牛という種”に、他にどんな救いの

道があるというのか...ニワトリや、豚もまた、しかりだがね...」

「はい...」響子は、目をおとした。

「もっとも、これは、“科学的根拠”のある話ではない。科学を超えた話です。だから、

“人類文明の霊的な進化”などと言ったわだがね、」

「はい、分ります...」響子は、目尻に溜まった涙を、小指でおさえた。

「まあ、こんなかわいそうなことは、いいかげんに止めて欲しいね。それに、本当に、

この“生態系の霊的な進化”を、“邪悪なものに変質”させてしまう危険が大きい」

「はい..ええ、話を進めます。

  ともかく、“外国から輸入されていた肉骨粉”が、日本国内でBSEを広げる主要感

な染源とされてきたわけですね。それで、この肉骨粉の輸入が禁止になったのは、い

つ頃だったのでしょうか?」

「ああ、それは、国内で1頭目の感染牛が見つかった直後です。その時点で、肉骨粉

“輸入”“国内製造”も、全面的に禁止になっています。

  時期としては、2001年の10月頃になるかね...ともかく、今回確認された、8頭

目と9頭目の感染牛は、いずれも全面禁止になった後で生まれた牛だと確認されて

います」

「はい...すると、いったい、感染源は何だったのでしょうか?」

「うーむ...日本中の鯉が、コイ・ヘルペスに感染したのも、そのルートがよく分って

いないようだが...どうも、おかしな時代になってきたねえ、」

「はい、そうですよね...」

「ま、いずれにしても、今後の調査を待つしかないわけだ...

  “農水省のBSE技術検討会”は、やはり感染ルートとしては、飼料を重視している

ようだ。異常プリオンを持つ肉骨粉が、何らかの形で、紛れ込んでいないかということ

だな。これは、“交差汚染”というそうだ。ま、だいぶ古い話だがね...」

「はい、」

「これは、イギリスの研究者の指摘らしいがね。しかし、そのあたりで、押さえ込める

なら、苦労は無いんだがねえ...」

「うーん...」

「その、BSE発生国のイギリスでは、1988年に肉骨粉を禁止しているわけだ。しか

し、その後で生まれたBSE感染牛は、実に“5万頭以上”という。

  したがって、日本でも、“肉骨粉の全面禁止”で、全てが完了というわけではないと

いうことだ。だから、今でも、“全頭検査”を実施しているわけだから、」

「うーん、それが実態なんですね」

「うむ。ともかく、もう少し様子を見ていくしかないだろうね」

「はい」

 

   【新型/未知のプリオン】         house5.114.2.jpg (1340 バイト)

「あの、塾長...“8頭目の感染牛”は“新型”といわれますが、これは、どういうこと

なのでしょうか?」

「ともかく...日本では、BSEに関しては、例外なしということで、全頭検査を実施し

ています。そして、“8頭目の感染牛”は“新型”、“9頭目の感染牛”は、“従来型”

確定診断されています。

  さて、そこで、この8頭目の“新型”の感染牛ですが、これは“厚生労働省の専門家

会議”で、6日の夕刻、“これまで感染牛の検出パターンと異なる、非定型的なBSE

感染牛”と確定診断されたわけです」

「うーん、厚生労働省の、確定診断ですかあ、」

「そうです...

  まあ、BSE問題では、先ほど話した農政の側の、“農水省のBSE技術検討会”

関与しているわけで、いわゆる縦割り行政になっているわけです。まあ、“食の安全

を守る”ということで、一日も早く、スッキリと一本化して欲しいですね」

「はい、」

「さて、と...“新型”の感染牛ということですが、この経緯を、少し話しておきましょ

う」

「はい」

これは“ウエスタンブロット法”による二次検査データについて、“(病原体の)異常

プリオン・タンパクが検出された”と判定されたわけです。

  この方法は、牛の脳内のタンパク質を、大きさや構造の違いで電気分解し、分布

状況を見るわけです。これで、異常プリオンが分布する場所に、複数の影が出たもの

の、影の出方が、これまでの感染牛とは、明らかに違っていたようです。

  このため、専門家会議は、“伝達性など、生物学的性状を確認するため、動物実

験をする必要がある”としています。それから、この牛は、まだBSEを“発症”してい

ません。いわゆる、“感染牛”であって、“将来、発症する牛と考えられる”ということで

すね」

「はい。それで、この新型の異常プリオンの、構造はどうだったのでしょうか?」

「うむ...

  この“8頭目の感染牛”は、“異常プリオンのタンパク質の構造パターン”が、従来

のものとは違う“新型”だったといわれています...

  そもそも、“正常・プリオン・タンパク“異常・プリオン・タンパクはどう違うのかと

いうと、タンパク質の立体構造だけが異なるのです。つまり、タンパク質を形成するア

ミノ酸の鎖の、たたみ込まれている立体的な形が、多少異なるのです。したがって、

今回の新型というのも、“異常・プリオン・タンパク”の、立体構造の違いだと考えられ

るわけですが...ともかく、今後の解明を待ちたいと思います...」

「はい!BSEの新展開のステージは、これからだということですね!」

「はい!まさに、その通りです!」

                                     

 

「ええ、響子です...

  今回はこれで終ります。今回は、問題提起だけでおしまいになりますが、今後の展

開に、注目しています。どうぞ、ご期待ください!」

                     参考文献: 東京新聞/2003.11.05/“肉骨粉禁止後になぜ” house5.114.2.jpg (1340 バイト)

                                  東京新聞/2003.11.07/“国内8頭目/未知のプリオン”