My Weekly Journal/第2編集室/大川・平和戦略研究所/日米安保・50年/核戦略・戦争ゴッコの終焉 |
<日米安保・50年> 【大川・平和戦略研究所】
= 覇権主義は20世紀の遺物 = |
トップページ/Hot Spot/Menu/最新のアップロード 軍事担当 : 大川 慶三郎 |
プロローグ | ・・・2010年は、日米安保50年の節目の年・・・ | 2009.10.28 |
No.1 | 〔1〕 戦争の玩具化・・・ 20世紀/エネルギー・産業革命の遺物! | 2009.10.28 |
No.2 | <粗野な熱伝導エネルギーから ・・・微細な情報伝達エネルギーへ!> | 2009.10.28 |
No.3 | <地球生命圏における・・・ 過去5回の種の大量絶滅> | 2009.10.28 |
No.4 | 〔2〕 大軍事力による・・・戦争ゴッコ・・・ 終局 へ! | ******** |
・・・・・ 2010年は、日米安保50年の節目の年 ・・・・・
「お久しぶりで、北原和也です!
来年/2010年は、“日米安保・50年”という国家戦略の節目の年なります。1960(昭和35年) /1月19日、日米・新安保条約がワシントンDCで締結されてから、半世紀になるわけです。当 時の岸・首相は、その年の夏に退陣...伝説的な、“60年・安保闘争”が吹き荒れました。
しかし、結果的に見れば、日本はこの日米・新安保条約のもとで、かつてないほどの繁栄を達 成しました。また、〔平和憲法〕の日本は、専守防衛でしたが、東西冷戦構造の中でしっかりと 極東アジアの戦略拠点の役割を担いました。つまり、この軍事同盟は、双方にとって、大成功だ ったわけです...」 「さて...私の世代では、当時を知らないわけですが... “1945年(昭和20年)/8月15日/日本敗戦・・・/占領軍が進駐・・・/1952年(昭和27年)・・・ サンフランシスコ講和条約の発効により占領政策の終焉・・・/日本は国家として独立・・・”... と、一般的には言われているようです...
“無条件降伏・・・/天皇の戦争責任問題”等に関しては...当時を知らない私としては、コメ ントをさし控えます。このページでは、“日米安保・50週年”に当り、日米・軍事同盟の将来と、 〔日本の国家体制〕の行方、そして激動期に入った文明戦略を、長期展望してみます。
ええ...《当ホームページ》としての...〔明治維新以来の国家戦略〕を、試案してみると いうことです。“ホームページの基本路線”===“文明の折り返し/反・グローバル化/ 〔人間の巣のパラダイム〕”の中で...“世界/日本の・・・軍縮戦略” を展望します...」
「さて...」北原が、スクリーンを眺めた。「ともかく... 天皇の玉音放送・・・/敗戦/占領軍の進駐/マッカーサー元帥の統治時代(昭和20〜27年)を 経て...1960年(昭和35年)に、日米・新安保体制がスタートしたわけです。日本は、“朝鮮戦争 ・特需”、“ベトナム戦争・特需”を梃(てこ)に、奇跡的な経済復興を成し遂げて来たわけです...
それから...核抑止力下/共産主義・世界同時革命推進下で...東西冷戦構造が本格化 する時代がやって来ます。一方、そうした中で...1964年(昭和39年)/東京オリンピックが開催 され、日本はさらに、経済大国・技術大国への階段を登り始めた時代でした...
この時代は...まさに、パックス・アメリカーナ(アメリカ支配による平和)の時代であり、日本はアメリ カを目標に歩んできました。国際連合に参加し、アメリカの戦略核兵器の傘下で、日本は国内・ 国外ともに、“現在まで・・・65年間・・・戦火の全くない時代”を迎えました。これは、建国以来、初 めての経験です。
何はさておき...アメリカの深い友情に感謝し、“軍事同盟=日米安全保障条約・50周年” を祝いたいと思います。日米は、文化的にも価値観を共通のものとし、この半世紀間を歩んでき ました。この友情は歴史に記されることとなり...不滅のものものとなります...」 「さて...21世紀に入り... 世界は激変期に突入しました。すでに、東西冷戦構造も終結し、半世紀間つづいた日米・安 保条約も、大きな変質が迫られています。
これは膨大なアメリカ軍の...ヨーロッパ戦線から、“アジアの不安定な弧”へのスウィングや、 米軍事力の国家戦略的な再編成にも見られます。また、それに続き、世界経済の不安定化は、 アメリカ軍の世界展開に、さらなる激変をもたらすと推定されます。
日本においては...外国軍隊の組織的な侵入よりも、感染症パンデミックや自然災害の方が、 確実な脅威となって、目前に迫って来ています。自衛隊の機動力は、この方向へ向けてこそ、再 編成を急ぐべきでしょう。
存在しない敵に対し、戦車砲の訓練をするよりも...はるかに社会的脅威の大きい、感染症 パンデミックや、巨大地震被害に対してこそ、自衛隊の機動力を展開しておくべきです。仮想の “戦争ゴッコ”のお付き合いに、“国民の血税”を投入する時代は、すでに終わったと考えるべき です...」
「ええと...さらに大きな要素として... “人口爆発”と、“地球温暖化/海洋酸性化”の問題がります。また、その延長線上には、“文 明の折り返し/反・グローバル化”があります。また、そもそも論として...“巨大軍事力の存 在意義”...が、問われてくる時代になりました。
世界最強のアメリカ軍も...膨張が著しい中国人民解放軍も...世界有数の戦力である自 衛隊も...その“戦力の存在意義”が、問われて来ているのです。それが、真に不要なもので あるならば、兵器開発・軍需産業も含めて、閉鎖・終息に向かうべきだということです...
私たちは、まさに...“文明が大きく舵を切って行く”...その“ド真ん中”にいるようです。そ の“時代的な・・・軍縮戦略” を、これから軍事戦略・担当/大川慶三郎さんと一緒に、考察し て行こうと思います...」 〔1〕
戦争の玩具化・・・ 20世紀/エネルギー・産業革命の・・・ 遺物 !
「大川さん...」北原が言った。「さあ...いよいよ、“日米安保・50周年”の考察ですね。よろし くお願いします」 「ま...」大川が、笑って顎ひげをなでた。「いつまでも、放っておくわけにもいかんでしょう」 「そうです...」北原が、白い歯を見せて肩を揺らした。「では、始めますか...」 「まあ...壮大な文明戦略になります。ボツボツと考察して行きましょう...」 「はい...」 「うーむ...」大川が、灰皿にタバコの灰を落とした。「ともかく... はっきり言えることが、幾つかあるでしょうな...そうした“絶対条件”のもとで、今後の人類文 明は、歩んで行かざるを得ないということです。まず、誰もが納得する、その“絶対条件”を整理 しておきましょう」 「はい...」北原が、肩を回し、スクリーン・ボードを振り返った。「ええ、その“絶対条件”とは...
@ 不要物・・・ 核兵器の完全廃棄。そして、脱・原発・・・ A 反・グローバル化・・・ 地球が狭くなり、戦争は不可能の時代に・・・ B 環境破壊の猛烈な進行・・・ 人口爆発の克服。地球温暖化の克服・・・ C パラダイムシフト・・・ エネルギー・産業革命から、意識・情報革命へ・・・
...ということですね...他に何かあるでしょうか...?」 「うーむ...まあ、こんなとこですかな...」 「総じて...」北原が言った。「“文明の折り返し”が、必至という状況ですね... ご存じのように私たちは、“文明の折り返し/反・クローバル化”の実践・戦略として、〔人間 の巣のパラダイム〕を提唱しています。世界中が、この方向へシフトして行くのであれば、“覇権 主義=巨大軍事力”は、無用のものとなります」 「そうですな...」大川が、タバコの火をつぶした。「ふーむ... こうした状況下では、未来/戦場型に開発している、無人兵器、レーザー兵器なども、無用の 長物になりますな。生態系を撹乱する遺伝子兵器などの類も、論外ということでしょう。地球生態 系を大混乱に陥れるような代物(しろもの)は、“神”がそれを認めないでしょう...」 「はい...もしやるとしたら、全人類を敵に回す...“悪魔”の仕業ですね...」 「その通りです...」大川が、うなづいた。「また... 大量破壊テロ、ゲリラ戦等の比較においても...“巨大軍事力”というものは、存在意義を失 いつつありますな...これは、詳しい研究が必要なのかも知れませんが、私たちはそもそも“覇 権主義”は、“過去の遺物/20世紀までの歴史的遺物”と見ています」 「そうですね...」北原が言った。「必然的な流れとして... “文明の第1ステージ/農耕・文明の曙”から...“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革 命”を経て...現在、“文明の第3ステージ/意識・情報革命”への、パラダイム・シフトが進行し ています。この大河のような奔流は、そう簡単には変えられないと思います...」 「ふーむ...」 「そこで... 私たちは、今...“人間としての生活/文明種族としての生き方” そのものの...大転換 が迫られています。“文明の第1ステージ/農耕・文明の曙”には、農耕を中心とした生活スタイ ルがありました。“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”には、巨大エネルギーや、自動 車や飛行機の生活がありました。 そして、現在...“文明の第3ステージ/意識・情報革命”に突入していますが...ここでは、 おそらく、〔人間の巣のパラダイム〕が適合していると、私たちは考えています。このパラダイム は、“スローフード/スローライフ”であり、そもそも、軍事組織・軍需産業は、無用になります」 「そうですな...」大川が、スクリーン・ボードを眺めた。「その通りでしょう... “文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”の時代の...“覇権主義と戦争”から、“文明 の第3ステージ/意識・情報革命”へと...時代は、確実にシフトしつつあるようですな。巨大エ ネルギーも含めて、それらは“20世紀の遺物/20世紀のモニュメント”となって行くでしょう」
<粗野な熱伝導エネルギーから・・・微細な情報伝達エネルギーへ!>Ii 「はい...」北原が、うなづて、スクリーンボードの画像を切り替えた。「ええと... 高杉・塾長によると...“文明の第3ステージ”の、エネルギーの主流は...“微細で賢い情 報エネルギー”になるということです...“文明の第2ステージ”の、“巨大で粗野な熱伝道エ ネルギー”ではなく...生態系の中に流れる、“意識・情報のエネルギー”の操作になるそうで す」 「ふむ...非常に、コンパクトになるわけですな?」 「そうした側面も、あると思います... 化学工場なども、細胞をモデルとしたような、デスクトップ型・プラントに変わって行くのかも知 れません。そういう意味では、電気自動車もロボットも、“文明の第2ステージ/エネルギー・産業 革命”の軌道上にあるということです。 まだ、はっきりとは見え来ないといいますが...“文明の第3ステージ/意識・情報革命”では、 次世代テクノロジーの、“量子情報科学”が主流になって行くようです。“量子通信”や“量子テレ ポーテーション”などが登場すると言います。 それがどのように発展して行くのかは、“これからの楽しみだ”と、塾長が言っていました」 「壮大な風景ですねえ...」大川が、腕組みをした。「そうした時代の足音が、もうそこに聞こえて 来ているということですな、」 「はい、」
「まず...」大川が言った。「そういう... 大戦略的・視野/文明のパラダイムシフトの視野から...“日米安保・50週年”を考察して 行きましょう。宇宙空間に浮かぶ水の惑星/地球生命圏と、ホモサピエンス文明の現状を叩き 台とすれば...細かな問題/各論は...おのずとその方向性が定まって来ます」 「はい、」 「こうした... 文明戦略的・視野から見渡すことにより...米軍再編、自衛隊再編も、間違いのない方向へ、 大舵を切ることができるでしょう。瞬間的な激情に流されて、大局的な展望を見失わないことが 大事ですな... まあ、日本国民は...たまには怒りを爆発させることも、重要な局面に来ていますがね...」 「はい...」北原が、白い歯をのぞかせた。「ともかく... いきなり各論に入ると、己の座標を見失ってしまいます。まず、文明戦略の視野から、 “世界 軍縮” の話を進めて行きたいと思います」 大川が、窓の方を眺めて、大きくうなづいた。 「さて...」大川が、ポケットに手を突っ込み、ゆっくりと窓辺へ歩いた。「今...この地球生命圏 も、ホモサピエンス文明も、未曾有の危機の中にあります。 ホモサピエンス文明は...“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”のパラダイムのも とで...科学技術の暴走/化石燃料の大量消費/グローバル化/人口爆発により...地質年 代的な、“種の大量絶滅”の危機/破局点(カタストロフィー・ポイント)に沈みつつあります。 放置すれば...“新生代/第4紀の末期=6度目の大量絶滅”...が起こることは、必至 でしょう。これは、絶対に回避しなければならないわけです。マスコミでは、外交官や学者などが、 各論で議論を重ねていますが、そんなものは戦略的な合意ができ上がれば、おのずと答えが出 てくるものです。 肝心なことは...北原さんの示した、“4つの絶対条件”でしょう。そして、最も優先されるべき は、人類文明・由来の“6度目の大量絶滅”は、絶対に引き起こしてはならないということです。そ れは、〔人間の巣のパラダイム〕へシフトすることにより...容易に実現可能だということです」 「はい...」北原が、スクリーン・ボードの横に立った。「その通りです... ええ...この表は、《地球生命圏に・・・6度目の大量絶滅は近いのか》/・・・ 《〔1〕地球 生命圏が経験した、過去5回の大量絶滅》...より抜粋しました。過去5回の“地球生命圏の 大量絶滅の概略”です...
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《第1の絶滅》 ( 4億3900万年前/古生代・オルドビス紀の末期 )
《第4の絶滅》 ( 2億1000万年前 / 中生代・三畳紀の末期 )
推定原因: 活発な火山活動、地球温暖
(
“属”、“種”、(確認値)、(推定値)
は、参考文献のまま掲載しました。)
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...と...このような経緯ですね...」 「うーむ...」大川が、窓の方から戻りながら言った。「最大のものは...第3回目/古生代/ ペルム期の末期ですか...海生生物種の、95%が絶滅しているわけですね。壮大な風景だっ たでしょうなあ...継続期間は、不明ですか...」 「はい...原因は、気候変動や海水準の変動、小惑星・彗星の衝突、活発な火山活動、などが 推定されています。文明の暴走などは、論外ですね...」 「はは...」 「この5回以前にも... 先カンブリア時代(太古〜5億7000万年以前)において...大量絶滅は起こっているのかも知れませ ん。ただ、古生代/カンブリア紀(5億7000万年前〜5億1000万年前)に入ると、海中に多様な生物が、 それこそ爆発的に出現してきます。地球生命圏の様相が、まさに一変し、にぎやかになります。 そんな折に...最初の“種の大量絶滅”が...古生代/オルドビス紀の末期(4億3900万年前) に起こっています。これが、地層の中に記録されているわけです。そして、最後の5回目の“種の 大量絶滅”は、6500万年前です...地質年代では、中生代最後/白亜紀の末期です...」 「これは、継続期間が100万年未満と、最も短いですね...」 「はい... よくご存知だと思いますが...この時は、あの大繁栄していた恐竜が絶滅しています。その大 量絶滅後の、100万年未満の空ニッチ(空っぽになった生態的地位)/巨大な空っぽの地球表層に、現 在の哺乳類や、鳥類の先祖が出現してきます。また猿人や、原人も出現しています。そして、つ いに、我々/現生人類/ホモサピエンスに至っているわけです...」 「そして... ホモサピエンスの異常繁栄/文明の発祥・発達が...地球環境を、“6度目の種の大量絶滅” に沈没させつつあるわけですか。因果な話ですなあ...」 「そうですね...」北原が、髪に手を当てた。「ちなみに... 6500万年前の“種の大量絶滅”の前...中生代/ジュラ紀〜白亜紀は...地球の生命史 の上でも、最大級の恐竜などが闊歩(かっぽ)し、最も野性味の溢れた時代だったと考えられていま す。もし、ここで、恐竜が絶滅していなければ、人類の出現はなかったとも言われています... いずれにしても、中生代はこれで終り...地球の生物風景は、人類が存在する、現在の風景 に一変するわけです。 そして、今、この現在の風景が、“6度目の種の大量絶滅”により、一変し ようとしています。 それが、つまり...“人口爆発/環境破壊/地球温暖化/海洋酸性化”の、大問題なのです」 「まあ...」大川が、作業テーブルに両手をついた。「この上... 核兵器を使用したり、世界大戦のようなことをやれば、環境破壊は間違いなく破局点に突入し ますな...そうなれば放射能汚染による、“新生代/第4紀の末期=6度目の大量絶滅”は 必至でしょう...ホモサピエンス文明は今、こんな所で、“綱渡り”をしているわけですな...」 「はい... オバマ米大統領が、ようやく核兵器廃絶へ、大きな1歩を踏み出した所です。日本も、これに 呼応し...“平和憲法による・・・絶対平和主義”/“日本独自の国際平和戦略”/〔人間の 巣のパラダイム〕による...“文明の第3ステージ/意識・情報革命”へと...時代を大きくシフ トさせて行くべきです」 大川が、無言でうなづき、クリーン・ボードを振り返った。
〔2〕 大軍事力による・・・戦争ゴッコ・・・ 終局 へ! |