My Weekly Journal /第1編集室維新・戦略公共放送の再編成

      公共放送の再編成                      wpeA.jpg (42909 バイト)

                  ボトムアップ型ネット・公共放送の構築 

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    トップページHot SpotMenu最新のアップロード                     編集長 :   津田  真

   INDEX          wpe89.jpg (15483 バイト) wpe5.jpg (38338 バイト)         アンビシャスネット

プロローグ      ...国民主権発動の場   2005.10.20
No.1 〔1〕 ボトムアップ型の公共放送の再編成 2005.10.20
No.2    ≪インターネット上で、無数の公共放送を構築≫ 2005.10.20
No.3    ≪新・公共放送と既存のインフラのドッキング≫ 2005.10.20
No.4 〔2〕 地域社会に、“ネット公共放送”を組織する! 2005.11.18
No.5    動脈としての行政組織・・・静脈として新・公共放送 2005.11.18

  

   プロローグ                        index.1019.1.jpg (2310 バイト) 

My Weekly Journal 編集長の津田真です!

  いよいよ、“維新・戦略”が、流れ出しました。“政治の再編成”行政組織の再

編成”...そして、国民による“公共放送の再編成”です。

 

  これらは、人体の“骨格”“血液の循環”“全身の細胞”の関係にあり、全てが有

機的に連動しています。全てが健全になって、日本国家が一新し、21世紀型の新し

い社会にすることができます。

  政治主導行政主導では、どうにも“維新の大車輪”は回り出しません。そこで、い

よいよ国民主導による“維新”が試される時が来ました...まず、“主権発動の場”

して、“公共放送の再編成”が必要になります。そして、まさに今、その機運が最高潮

に高まってきました。

 

  “国民の覚醒/国民の参加”なくして、民主主義社会での革命は成立しません。

また、それさえ動き出せば、民主主義社会での革命は達成したも同然です。“政治・

行政・マスメディア”が、3拍子そろって信頼性を欠いている日本の現状では、公共放

送の再編成は、“主権発動の場”として、不可欠です。

  また、“充実した公共放送”は、透明な21世紀型の“新・民主主義社会”を創出

する上で、“必須のアイテム(小道具)であり、“主要な構成要素”になります...」

 

「 ええ...」津田は、唇を引き結び、作業テーブルを見回した。「今回は、“文芸”

当の星野支折さん、“旅シリーズ”担当の折原マチコさん...それから、新しく“基

地局・ロビー/掲示板”担当となった岩清水千春さんに参加していただきました。

  ええ...それと、私を加えた4人で、考察して行きたいと思います。“理論研究

員”秋月茜さんは、少し遅れて来るそうです。うーむ、千春さんは、今回が初めての

仕事になるわけですね?」

「はい!よろしくお願いします!」岩清水千春は、津田の方に頭を下げた。「マチコ先

輩から、しっかりと教育を受けています!」

「うん!」マチコが、太鼓判を押した。

「ま...よろしくお願いします。いい先輩が大勢いますら、しっかり教わってください」

「はい!」

「ええと...進行役は、いつものように、支折さんにお願いします」

「はい」支折がうなづいた。

  〔1〕 ボトムアップ型の公共放送の再編成 

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       新時代のカギを握る公共放送 

            ★ 国民主権発動の場

         ★ 国民主導の、文化形成の場

       ★ 多様な業種・地域社会での、“公共放送”の発信

  ★ モラルハザード社会からの脱出と、“新・慣習法”形成の場

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             wpe85.jpg (4903 バイト)      wpe4F.jpg (12230 バイト)wpe85.jpg (4903 バイト)

「ええ...星野支折です...

  私たち国民にとって、“公共放送”というものが、決定的に重要な時代になってきま

した。というのも、“国民主権の国家”でありながら、真に“主権発動の場”が、確立して

いない事が分って来たからです。

  このことが、未曾有の大社会混乱を招いた、“1つの原因”となっていた事も、判明

して来ました。今こそ、“この国の良心”“日本人の心”“サイレント・マジョリティーの

力”を結集し、発信する必要があります。

 

  私たちはこれまで、公共放送・NHKを、“浄財で運営”してました。“浄財”さえ出し

ていれば、“万事、事足りる”と思っていたからです。しかし、気がついてみると、NHK

“国民主権発動の場”の役割を、全く果たしていませんでした。かわりに、教育機関

や、報道機関や、娯楽機関になっていたのです...

  これは、“浄財”ですから、契約ではありませんが、“明確な約束違反”だと思いま

す。善意の募金で、その目的とは違う、好き勝手なことをやっていたわけです。その

上、際限の無い不祥事です...それで、“浄財”をストップしたら、裁判に訴えて、

的措置を取ると言います...

  むしろ、“約束違反/詐欺”で訴えたいのは、国民の方ではないでしょうか。公共放

送が設立当初の目的どうり、キッチリとその役割を果たしていたら、この未曾有の社

会混乱/前代未聞のモラルハザード社会は、回避できたのではないでしょうか...

  私は、NHKの責任は、非常に重大だと考えています。それに、NHKは、公共放送

と国民とを分離し、国民に対し法的措置をとると言っていますが、これも変な話です。

公共放送と国民は不可分のものです。

  逆に、国民の“主権発動の場”が、公共放送なのです。そのために、国民は“浄財”

を出しているわけです...まさに、本末転倒な話です...」

「そうよね!」マチコが言った。「毎日、“学生食堂”で昼食を食べていてさあ...味が

落ちたから行かなくなって、外の店で食べていても、お金だけ請求して来るようなもの

よね」

「それは、ひどいわよね、」岩清水千春が言った。「“学食”でもさあ、まずいのがある

わよ...ラーメンとか、」

「うん!」マチコがうなづいた。

「NHKは...」津田が言った。「必ず長い冠詞をつけて、こう言うわけです...“一連

の不祥事に端を発する”...聴視料の不払と...

  しかし、国民は“浄財”をストップしただけです。それで、国民を裁判の場に引きずり

出すというわけです。モラルハザードも、ここまで来たかと、感慨深いのがあります。

治家が国家のことを考えず、官僚は国民のことをまるで考えません。そして、NHKも

自らのことを省みず、“浄財”を出さない国民を訴えると言います...

  日本の国民は、まさに踏んだり、蹴ったりです...しかも、富の寡占化と、労働環

境の2重構造化で、“負け組”は生活にさえ事欠く状況です。とても、“浄財”を出すゆ

とりがないというのが、実態でしょう...」

「そうですね、」支折が言った。

 

「ともかく...

  “一連の不祥事”と言われる、公金横領などは犯罪行為です。論外のことです。ま

た、乱脈支出極端な非効率は、まさに組織が、悪い意味で官僚化しています。これ

らも、論外のことです。公共放送を議論する以前の、詐欺的・犯罪的行為です...」

「はい、」

「さて...

  国民は、公共放送の、本来の存在意義を問題にしているのです。それが、“聴視料

支払い拒否”の本質です。また、NHKが基本的に間違っているのは...国民は

“浄財”を出し、国民自身が公共放送を“運営”しているということです。NHKに依頼

し、公共放送を“経営”してもらっているのではありません。

  いつの間にか、“運営委員会”“経営委員会”にすり変わり...財界が介入し、

政治権力にすり寄り、国会で予算の承認を得るというようなことになっています。国民

は、そんなことは一切、頼んではいないのではないでしょうか...

  また、公共放送ともあろうものが、スポーツはアメリカの大リーグの、松井選手の

一本槍で騒ぎ立てています。こんなものは、とうてい公共放送ではないでしょう。国民

による、国民のための公共放送は、いったい何処へ行ったのでしょうか...この状

況を見れば、“浄財”をストップするのは当然です。その上、“詐欺”で告訴することも

考えるべきです」

「はい...」

「建国以来の“未曾有の国難”を克服するためにも、公共放送の運営を、もはやNHK

には任せて置けないでしょう...」

「うん!」マチコが、膝の上に抱いている、ミケの頭をを撫でた。「そうよね!」

「編集長、」支折が、ノートパソコンから顔を上げた。「NHKは、解体・再編成が急務と

なっていますが...具体的に、どのように再編成したら、“国民のための公共放送”

なるのでしょうか?」

「はい...

  まず、私たちは、NHKとは別に、インターネット上で、“多様な公共放送”を立ち上

げてはどうかと考えています...

  ≪インターネット上で、多様な公共放送を構築≫ 

“政治”に特化した公共放送

“文化”に特化した公共放送

“教育”に特化した公共放送

“産業・経済”に特化した公共放送

  ★ “消費生活”に特化した公共放送

  ★ “社会問題”に特化した公共放送

  ★ “福祉・厚生・健康”に特化した公共放送

  ★ “宗教一般”に特化した公共放送 

       ★ “医療関係”に特化した公共放送 

       ★ “ボランティア”に特化した公共放送

       ★ “スポーツ”に特化した公共放送

       ★ “レジャー”に特化した公共放送

                             ...等々

 

  まず...ボランティア的に、数人のグループで、“自称・公共放送”として始めても

いいと思います。また、今まで様々な形で存在していたガイドを、業界のバックアップ

で、“自称・公共放送”としてリニューアルしてもいいですね。

  ただ、ここで肝心なのは、国民のための、“公共放送としての役割”を担うというこ

とです。そして、それが真に国民に認知された時、“自称・公共放送”は、“新・公共

放送”にランクが上がります。そして、“浄財”による支援も可能...というのはどうで

しょうか...

  最初のうちは、同じ業界でも、多数“自称・公共放送”があっていいと思います。

また、非常に、専門的な分野の公共放送があってもいいわけです。後は、それを、し

だいに体系的に統合し、この国の“公共放送/文化の基幹ライン”として、社会的

地位を固めていけばいいわけです。

  様々な分野で、“日本文化”が再編成され“基幹ライン”新しいルールと、新し

い価値観が流れ始めて行くと思います。また、国民との相互作用で、新しい慣習法

構築していくことができます。

  そこに、おそらく、“国民参加型・評価システム”の構築と共に、21世紀型の透

明な、“新・民主主義社会”が実現できると思います...」

「はい!」

「インターネット上ですから、インフラの費用はほとんどかかりませんね。“自称・公共

放送”をジャンジャン作り、その質を高め統合して行く...それが、“情報革命”

中での、国民自身による公共放送の再編成になります。国民自身が、幅広く、層の厚

い公共放送を、創出して行くということです。

  それが、日本文化を再生させ、モラルを回復し、価値観を転換し、国民主導の形

で、日本を再生させて行きます。ともかく、まず歩き始めることです。

  リンク集を作り、“自称・公共放送”をまとめて行くのも、1つの仕事になります。とも

かく、国民参加こそが、“新・民主主義社会”を建設していくことになるのです...」

「はい、」

ネーミングも、“自称・公共放送”でなくてもいいのです。ここでは、説明のため、便

宜上こう言っていますが、もっとスッキリとしたものがいいですね」

「はい...」

≪新・公共放送と既存のインフラのドッキング≫ wpe89.jpg (15483 バイト) 

            wpe5.jpg (38338 バイト)

「さて...

  ボトムアップしてきた“新・公共放送”を、既存の“NHKのインフラ”とドッキングし

て行くことになります。当然NHKは、解体・再編成され、珠玉の中核組織にします。

  公共放送に携わるものは、最終的には、200万人とも300万人とも想定していま

す...“業態別の公共放送”とは別に、“地域社会のネット・公共放送”も想定し

ているからです。行政組織と並行する形で、市民の側の公共放送がボトムアップ型で

出来て行く事になります。これが、これまで社会に欠けていたものを補って行くことに

なりますね...」

「うーん...楽しみですね。どのようなものでしょうか?」

「それは、次のセクション(節)で考察します...

  ともかく、“情報のシャワー型公共放送”を解体し、国民に根ざした“ボトムアップ型

公共放送”を再編成して行くことになります。今、まさに“情報革命”の爆発の最中で

あり、“直接・民主主義”“間接・民主主義”の比率も必然的に変わって来ます。

  しかし、いかに“情報革命”とは言っても、放って置い全てが正しい方向へ行くとは

限りません。現に、大多数の国民も気付いているように、“日本丸”“舵取り”には、

非常に危ういものを感じる昨今です。そして、国民がそれと気付いていても、“主権発

動の場”は、非常に限られています。まず、国政レベルの選挙しかないのが、現状で

はないでしょうか。

  それも、間接的なもので、非常に曖昧です。曖昧という意味では、今回の“2005・

郵政選挙”は、まさにその典型的なものです。国民は、政治に“民意”の伝わらない

ことに、まさに“ホゾ(臍/へそ)をかむ”思いではないでしょうか。

  そして、政治は、行政は...またマスメディアさえも...その上で胡座(あぐら)をか

いているわけです。そしてそれは、“反動的政治”を呼び込み、“富の寡占化”を招き、

“新しい身分差別”を生み出し、“労働の2重構造化”を許しています。

  さらに、“政治と金の問題”にはフタをし、いよいよ大増税時代の始まりです。小泉・

自民党の圧勝で、益々その傾向を強めてく様相です...」

「そうですね、」支折が、深くうなづいた。「インターネット時代になっても、“民意”が反

映されるわけではないのですね、」

「そうです...

  だからこそ、憲法で保障された“国民主権発動の場”として、しっかりとした“国民

のための公共放送”を確立する必要があるのです。“新・公共放送”を、この国の“基

幹システム”として再編成することが...“未曾有の大社会混乱”からの脱出と、“日

本再生”の確かな道になります」

「はい!」

「こういう状況下では、テレビでの公共放送においても、娯楽番組の入ってくる余地は

無いと思います。国民参加型の新システムが育ち、それが機能し、ゆとりが出てくれ

ば、多少の娯楽番組もいいかも知れません。

  しかし、原則は、“キッチリ”と、“フォーマル”に...権力ではなく“権威”を確立して

行くことが大事です。国民の総意が生む、透明な未来社会の姿...【情報公開】

【国民参加型・評価システム】【正しい公平な富の再配分】の実現する、“新・民主

主義社会”...これを、是非、実現したいですね」

「はい!

  ボトムアップ型で、本来の純粋な公共放送に、立ち返るということですね。“情報革

命”の中で、その“理想の原型”を創出するということでしょうか?」

「まさに、そのとおりです!

  高杉・塾長が、“グランドデザイン”で指摘していたように...まさに“文明の第3

ステージ”が幕を開けた今、その“ステージの原型”が、分水嶺の雨水によって彫刻

されつつある時代なのです」

「うーん...そうですか、」

「ともかく...

  NHKのやっていた、教育や文化の関係は、本来は文部科学省の管轄です。そう

いうものは、その官庁に移管したらいいと思います。

  ニュースや報道番組は...良いものは残していいわけですが...こっちの方は、

本来はマスメディアの範疇に入ります。国民が、巨大なマスメディアを、“浄財”で運営

する必要はないでしょう。民間でも、キッチリと運営できているわけですから」

「そうですね」

“社会の安全・安定”“慣習法の確立”“文明の巨大なターニンポイント”に備え

て、国民を正しい方向へ導く...“新・公共放送”には、この仕事をしっかりとやって

欲しいものです。そのために、我々は、“浄財”を出してきたのですから...」

「今は...」支折が、髪を揺らした。「マスメディアも、すっかり国民の信用を失っていま

すよね、」

「そうですねえ...

  マスメディアも、今は“経済の原理”で動いています。また、投機資本統の対象

にもなっています。しかし、本来は、“文化の原理”“社会規範の原理”で動くもの

でしょう...ましてや、私物化などは論外です。私は、そう思っています...

  現在の日本の状況では...“新・公共放送”は、その方面もカバーしなければな

りません。肝心の、“政治”“官僚組織”“マスメディア”が、トータルで“壮大なモラル

ハザード”に陥っています。ともかく、玉石混合の世界ですが、およそ足の引っ張り合

いで、“自浄作用”はありません。

  民間の企業でも...“堂々と悪事を為す...”などは、“清浄なサイレント・マジョリ

ティー”から見れば、言語道断です...国家織全体が“清・濁”を併せ呑んでいて、国

家が立ち行かなくなっています...」

「そうですね、」

  〔2〕 地域社会で     wpeA.jpg (42909 バイト) 

     “インターネット・公共放送”を組織する

      wpe4F.jpg (12230 バイト)     index.1019.1.jpg (2310 バイト) 

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  秋月茜が作業テーブルへやって来て、トンとノートパソコンを置いた。髪と赤いブレ

ザーの肩が、大粒の雨で濡れていた。

「遅れてすみませんでした」茜が言った。

「軽井沢は、もう寒いだろう」津田が、ゆっくりとコーヒーカップを口に運んだ。

「はい...でも、黄葉がきれいでしたわ。楽しいドライブでした」

「ふむ、」

「とうとう、本降りになってきたかしら...」マチコが、雨の当っている窓を眺めた。遠く

のケヤキの巨木が、雨に霞んでいた。

「本降りになったわね」茜が、ノートパソコンを開きながら、マチコに言った。「車から降

りる時に、すっかり濡れてしまったわ。雨に濡れた白樺林が、きれいだったわね...

  支折さん、これ...ネット・オークションから届いた荷物を持って来ました」

  茜は、紙袋から、小さな箱を取り出した。

「あら、ありがとう」支折が言った。「カシミヤのセーターなの」

「それと、芋羊羹」茜は、それをマチコに渡した。

「芋羊羹かあ...ひさしぶりね」

「どうぞ、」千春が、茜のノートパソコンの横に、コーヒーを置いた。

「ありがとう、千春さん...千春さんは、今回が、初参加ね」

「はい!」

  茜は、立ったままでコーヒーカップを取り上げ、それを口に当てた。窓を見ながら、

コーヒーを飲んだ。雨が一段と強くなり、ザッ、ザッ、と吹き付けてきた。茜はほつれた

髪を、指先で耳の後ろへ撫で上げた。

「あたしの車はどうだった?」マチコが聞いた。

「快調だったわよ」茜は、ニッコリと笑った。

「うーん、車検が終ったばっかりなのよね。明日、リンゴ狩りに行こうか」

「いいわね」支折が言った。

                            

******************************************************************

             

 

「ええと...」支折が言った。「では、始めていいかしら...」

「どうぞ...」茜が言った。「私は、大丈夫です。ドライブインで昼食を取り、休んできま

したから、」

「はい...

  では、地域社会における“インターネット・公共放送”について、茜さんの方からお

願いします」

「はい...では、私の方から、内容を報告します...

  その前に、先日、皆さんがまとめた“ボトムアップ型/新・公共放送”について、要

約しておきたいと思います。それは、こういうことでしたね...

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  ボトムアップ型の“新・公共放送”を、既存の“NHKのインフラ”とドッキ

ングして行くことになる。NHKは、解体・再編成され、珠玉の中核組織にな

る。公共放送に携わる者は、最終的には、200万人〜300万人と想定。

  “新・公共放送”は、“業態別のインターネット公共放送”と、“地域社

会型のインターネット公共放送”を想定し、これを統合する...これら

は、行政組織と並行する形で、市民の側の情報発信システムに育てて行

く...この“新・公共放送”は、これまで社会に欠けていたものを、強力に

補完して行く...

**********************************************************

  ...こういうことでしたね...」

「はい...」支折がうなづいた。「茜さんには、その“地域社会型のインターネット・

公共放送”について、説明をお願いします、」

「はい...

  2つの形態の公共放送をあわせて、200万人〜300万人...と推定しています。

実はこの数字は、全国の行政組織の人員に匹敵するものです」

「あ、そうなんですか...」支折が、二度うなづいた。

「相当に、膨大な人数です...

  そこで、肝心なのは、財源です...でも、運営費は、それほど膨大なものにはなり

ません。インターネットの世界ですから、インフラの費用はほとんどかかりません。それ

と、インターネットのホームページでの運営となるわけですから、各部門での“質のい

い広告収入”で、相当部分がまかなえるはずです。それと、多少の“浄財”を集めても

いいわけです...

  このあたりの収支バランスは、実際に動かしてみないと分りません。ともかく、NHK

のように、“潤沢な資金で放漫運営”するのではなく...“ボランティア”“NPO(民間

の非営利組織)“連合体”のようなものがいいですね。それぞれ“独立性”の高い、

放型組織”が望ましいですね」

「はい...

  “母体となるもの”は、すでに存在すると言っていましたが...地域社会の“インタ

ーネット・伝言版”のようなものでしょうか?」

「そうです...

  私は、そうしたものの実態は詳しくは知らないのですが、地域によってはかなり発

達しているようです。すでに“回覧版”を廃止し、“インターネット・伝言版”で広報活動

をしている所も、相当あるように聞いています。

  つまり、“母体となるもの”は、昔からあるわけです。すでに“回覧版”から“インター

ネット・伝言版”に進化しているのです。これをNPO(民間非営利組織)法人に格上げし、

“地域密着型の公共放送”にリニューアルするわけです。すでに市民社会にに根付い

ているわけですから、ボトムアップ型の“新・公共放送”として、システム化するのは

容易です」

「はい...費用も、ほとんどかかりませんね」

「はい。逆に、良質な広告を、かなり取り入れることができます。費用の点は、それほ

ど心配は無いと思います。それで、相当数の専任スタッフをまかなえると思います。

  また、ガッチリと専門職で固めてしまうのではなく、社会と一体感のある開放型

組織”が望ましいですね...ただし、中央組織は、しっかりとした芯になるものが必

要です」

「行政組織や一般社会との、人事交流も大事だと思いますが、」

「そこは、大事な所ですね、」

「こうしたものを、ボトムアップ型に、全国組織としてまとめて行くことになるわけです

ね」

「はい...この情報爆発の時代ですから、ベクトルはそういう方向に動いています。

肝心なのは、そこに魂を入れることですわ...政治のように、時代錯誤は困ります」

「そうすればさあ...」マチコが、ミケを膝の上に抱きながら言った。「日本の文化も、

かなり変わってくるわよね」

「その通りです!」津田が、マチコにうなづいた。「まさに、そこが大事なところです!

今、“情報革命”の中で、情報技術が爆発的に進化しています。また、大量の情報

津波のように、私たちの周囲に押し寄せて来ています。

  この大量の情報を、“信頼性の高い良質な情報”にシステム化できるかどうか...

“信頼性の高い情報ハイウェイ”が構築できるかどうか...それで、“第3ステージ/

情報革命”の将来が決まってきます。今は、まさに、分水嶺の雨水によって山が削ら

れ、谷が彫刻され、その“原型”が出来つつある大事な時なのです。

  “ボトムアップ型の新・公共放送”ができれば、既存のNHKとは格段に違う、“良質

で信頼性の高い”“社会的な情報基盤”ができます。情報や文化に、信頼性が加わ

るということは、非常に大事なことなのです...」

「はい!」茜が、津田の方にうなづいた。

「現在、個人情報の保護といって、情報が隠され、非常に陰湿な方向に向かっている

ように思います。私たちは、“新・民主主義”という【情報公開】を原則とする社会を目

指しています。

  したがって、私たちは、個人情報についても、原則公開にすべきだと考えていま

す。また、インターネット社会も、情報公開型にすべきだと考えています。公開した上

で、ガッチリと犯罪防止をして行くということです。

  “新・公共放送”も、そうした明るい社会に、大いに貢献できるはずです。これを隠

す方向へ向かうと、“情報革命”そのものが、迷路のような犯罪型社会を生むことに

なってしまいます」

「うーん、そうよね、」マチコが言った。

  “動脈”としての行政組織...   

                 “静脈”としての新・公共放送...   

         wpe4F.jpg (12230 バイト)wpe85.jpg (4903 バイト)

 

「私たちは、」茜が言った。「“新・公共放送”を、いわゆる“行政組織”とは違う、別の

意味で権威あるものに育てたいと思っています。“行政組織が動脈”だとしたら、

“新・公共放送は静脈”のように機能したいわけです。それで、全身に血液が回り、

細胞が活性化し、フレッシュな、明るい、民主主義社会ができると考えています...

  これまで、私たちの社会には、何かが欠けていると感じていました。それは、つま

り、“行政組織という動脈”だけで、いわゆる“主権が反映する静脈の機能”が、存在

していなかったからです。

  そのために、憲法で“国民主権”がうたわれながら、それが形骸化していたので

す。それは、NHKの仕事だったわけですね...いずれにしても、“慣習法”が機能し

ていた頃には、ともかく“世間の目”というものが、暗黙の了承のうちに、高い権威を

持っていたわけです。

  ところが、“上からのモラルハザード”で、それさえもなくなってしまったわけです。

色々な要素はありますが、自民党・長期政権”が、様々な形で社会を蝕んできた弊

害だと思います

「他に、“新・公共放送”には...何を期待されますか?」支折が、聞いた。

「そうですね...

  特に、モラルハザード社会の中で失われた、“慣習法の確立”“地域社会での教

育の確立”“地域文化の確立”、それから“新・民主主義の普及と啓蒙”...です

ね。全ての年齢層に受け入れられる、“アカヌケした公共放送”を、確立して欲しいと

思います...」

“ロードマップ”で考察してきた、【国民参加型・評価システム】との関係は、どうな

るのでしょうか?」

「当然、そうしたものは、“新・民主主義社会”の中で統合され、有機的に結合して行

くものと思います...【情報公開】【富の正しい公平な再配分】と合わせ、それは

“新・民主主義社会”の基本理念です。このことに、“新・公共放送”は、大いに貢献

できると思っています...

  具体的なことでは、“ロードマップ”でも少し触れましたが、“基本ソフト”統一的

に管理できれば、さらに有機的な結合できます」

「何か、問題点は?」

「日本は、規制社会です」津田が言った。「何かをやろうとすると、すぐに法律の規制

にひっかかる...しかしまあ、国民全体がそういうことで、ボトムアップ型で盛り上が

ってくれば、問題は無いと思います。

  それに、インターネットの世界ですし、そうした母体となるものは、昔から存在して

いました。そうした“情報の交通整理”と、“情報の信頼性”を高めていくことが、“新・

公共放送”には求められています。今、そうした“文明の第3ステージ”“原型”が創

られている時です」

           wpe85.jpg (4903 バイト)   

「はい!

  ええ...星野支折です。今回は、ここまでとします。“維新・戦略”は、これから本

格的に動き出します。どうぞ、今後の展開にご期待ください...」