My Weekly Journal 第1編集室 OPINION2000年

       wpe5A.jpg (45859 バイト)     OPINION       2000年

  

  wpe73.jpg (32240 バイト)      wpe7.jpg (33769 バイト)                            

   トップページHot SpotMenu最新のアップロード/         担当:   津田 真  / 青木 昌一

   wpe5A.jpg (45859 バイト)   INDEX                                          

No.14  特集・ミレニアム総選挙)政治の荒廃 ・ 政党主体の選挙体制の確立を! 2000. 4.18

 

                                         No.14        (2000.4.18)

                              特集・ミレニアム総選挙)

 

   政治の荒廃 ・ 政党主体の選挙体制の確立を!

     執筆 : 青木 昌一 <政治、経済、軍事方面の評論家>    house5.114.2.jpg (1340 バイト)

 

  現在、この国の社会体制全体が危機的状況にあるのは、誰もが感じていることと

思います。頼りにならない警察...相変わらずの天下り...国家を食い物にしてい

る官僚...学校教育の荒廃...社会全体のモラルの低下...数え上げたらきり

がありません。

 

  さて、そこで総選挙もまじかになった今、政治の荒廃 について考えてみるいい

機会なのではないでしょうか。与野党の議員が広く関与しいてたと言われる、“交

通違反もみ消し疑惑”に象徴されるように、議員全体の質が著しく低下しています。

  他の議員もやっているから、このぐらいの法律違反/悪事はかまわないと思って

いるなら、まさに該当する与野党議員は、自らが極めて質の低下した議員であるこ

とを自覚すべきです。

 

  社会のリーダーであることを認められている代議員が、このように日常的に法律

を破っていて、国家が正常に保てるはずがありません。まさに、あらゆるレベルでの

こうした積み重ねで、国家は瓦解の危機に瀕しています。

 

  社会はそれを構成する上層から腐敗し始め、今は末端の中学生や小学生にまで

信じられないような法律違反が広がっています。中学生による5000万円恐喝など

は、その象徴的事件だと思います。

  一方、私たちは、そうした凶悪ともいえる事件を起こした若者を、批判するのは簡

単です。しかし、彼らもまたこうした社会状況の被害者であり、深く傷ついていること

を、肝に銘じておくべきです。覚醒剤等の薬物で傷つき、金銭的欲望風景の中で傷

つき、夢のもてない人生の中で更に傷ついているのです。これらは全て、私たち大

人の責任であることは明白です。

  そして、特に、人の上に立つことを求められた、代議員の責任は極めて大きいの

ではないでしょうか。まして、率先して法律を侵し、税金や交付金を無駄遣いし、弱

いものいじめをしているなどは言語道断です。代議員は、この日本国家を真に指導

していく立場を自覚し、社会を21世紀対応の未来型に大改造していってほしいもの

です。

  

<政治家の質を高めるには、どうしたらいいのか...>

 

  私は、これは難しいことではないと考えています。それにはまず、うまく行っている

外国を参考にすることです。例えば、イギリスはどうか...労働党と保守党が競い、

極めて厳正な選挙を行っています。それも、かっての大混乱の中から再生し、現在

の厳しいシステムを築き上げたと言われます。また、政党内では、新しい指導者を

育てていくというシステムも機能しているようです。これは当たり前といえば当たり前

なのですが、残念ながら日本では機能していません...

 

  では、具体的に、日本は何処から手を付けたらいいのでしょうか。それは、まず、

 

《1》 しっかりとした政党を育てること

《2》 政党が、システムとして、優秀な人材を吸収し、選抜し、育てていくこと

《3》 選挙は政党が中心になり、政党の顔と、責任において実施すること

 

  これだけで、日本の政治風土はガラリと変わってくると思います。

 

  例えば、二世議員の問題... 私は、実は二世議員は居てもいいと思うのです。

ただし、人物は上記のような政党でしっかりと選抜し、党務の中で力をつけた人を党

の推薦で、世襲ではない別の選挙区から送り出せばいいのです。むろん、ここでの

選考が厳しくなれば、かなりの二世候補はカットされると思います。しかし、それはこ

の国の指導者たちを選考していく過程ですから、当然の難関です。そして、ここら辺

りがはまさに、各政党の真価が問われる所だと思います。

  (現在の各政党は、この最低ラインの国民の信頼に答えるシステムになっているのでしょう

か...)

 

  政党が公的に推薦し、特定の人物を国民の前に提示するからには、最低でもこ

のぐらいの審査や条件は必要なのではないでしょうか。また、そうでなければ、その

政党自体が信頼できないか、国民を愚弄していることになりはしないでしょうか...

 

  それにしても、日本の各政党は、今だに何故こんな簡単な条件さえも作成できな

いのでしょうか。これはもはや、主権者である国民を愚弄しいるとしか思えません。

また、こうした条件さえもクリアしていない現在の日本の代議員は、政治家としての

質と能力が著しく低下しているのではないかと心配しています。

   (すでに、その心配が的中し、国家が空洞化しているわけですが...)

 

  日本で唯一、こうした党運営の選挙を実施しているのは、日本共産党でしょう

か...私は日本共産党のことは、テレビや一般新聞で知リ得る程度の理解しかあ

りませんが、一貫した党運営ということでは、他の政党も学ぶべき所は多いのでは

ないでしょうか...

  ただし、その日本共産党に、一言いたいことがあります。それは、他の人々が真

剣に憲法や法案を議論しているのを、頭から“改悪”という言葉で一蹴するというの

は、悪い印象を与えているということです。言葉としては、確かにインパクトがありま

すが、同党にとっても日本の政治全体にとって、決していいこととは思えません。

 

  さて、政党助成金という多額のお金が政党に交付されています。この政党助成金

は、まさにこの名前の示すように、政党を助成し、育てていくための資金だと思いま

す。そうであるならば、この資金を個人に分け与えることは、全面的に禁止すべきな

のではないでしょうか。そしてまさに

 

政党が、システムとして優秀な人材を吸収し、選抜し、育てていくこと

 

に、使われるべきではないでしょうか。それを現職議員の選挙に当てると言うのは

趣旨に反するように思います。ましてや、個人のマンションの費用(政党助成金で有罪になっ

た、元自民党衆議院議員の事件)に当てるなどはあってはならないことですし、クラブや焼肉店

の支払い(上記事件が問題になっていた当時の新聞記事)に当てるなども論外です。

 (そもそも、こんなことに使っていることが信じられません...)

 

  いずれにしても、この現在の停滞した日本の社会を大改革するには、やはり政権

交代という伝家の宝刀を引き抜く以外にないのでしょうか。たしかに、もはや小手先

の改革ではどうにもならない所まできています。

  そのためには、自民党の一部が割れるのもいいと思います。また、共産党の力

が必要だと言うのであれば、それもまたいいのではないでしょうか。ともかく、この国

がよりよい社会になっていくことを願っています。