MenuMy Assistant Deskマチコ・in・永田町/(真剣勝負)/ミッション永田町・考=第2部
           ミッション/永田町・考   <第2部>  
  
 
    妖怪憑依・説 VS  漫才定数・説    


        
ヒッグス粒子 ・・・ (アンド)  アインシュタイン方程式 ・・・
  

  
                 
 トップページHot SpotNewPageWavMenu最新のアップロード             担当 : 折原 マチコ

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No. 〔1〕 永田町/漫才定数・説とは・・・ 2012. 9. 3
No.2 〔2〕 【相対性理論】 と 【量子論】 は・・・ 2012. 9. 3
No.3        <ヒッグス粒子・・・に王手・・・?> 2012. 9. 3
No.4        < ヒッグス粒子の崩壊パターン ・・・ 予測 >  2012. 9. 3
No.5        <宇宙定数・・・宇宙項の係数とは・・・?> 2012. 9. 3
No.6        <アインシュタイン方程式> 2012. 9. 3
No.7                                                                                                         推敲完了  2012. 9. 8 
  〔3〕 真理空間における

          
意味ある偶然の一致・・・共時性/シンクロニシティの衝撃!
   準備中

 

              ミッション永田町・考=<第2部>

                                                     <第1部>・・・より続く・・・      
                                                        
       
   参考文献>  
 
                   日経サイエンス /2012 - 09   

                                       特集/ヒッグス粒子         

  

 

〔1〕 永田町/漫才定数・説とは・・・     


                


「さて...」関三郎が、両手をテーブルに置いた。「今度は...《永田町/漫才定数・説》ということ

ですね...」

「はい!」マチコが、うなづいた。「私の両手に余るものでした!よろしくお願いします!」

「はは...」関三郎が、陽気に顔を和ませた。「...うーむ...これは...

  アインシュタインが...【一般・相対性理論】(/重力理論)/“重力場方程式”= アインシュタイン

方程式 に導入した...“宇宙項・・・の係数・・・宇宙定数”を持ち出して来た...いうことですか、」

「...」マチコが、黙ってうなづいた。

「この“宇宙定数”相当するエネルギーは...

  おそらく、人類文明が知る...そして物理学の計算式に入れられた...最大エネルギーでしょう。

これは...“物理的・宇宙空間の・・・空間自体が持つ・・・莫大な真空エネルギー”...を指して

います。つまり、“全宇宙空間のエネルギー/宇宙空間の・・・比例定数となるエネルギー”...と考

えられています。

  まあ...現在、そのように推定されているわけですが、その実態は、必ずしも分かっているわけで

はありません。と言うより...推定だけで...全く分からない、と言っていいのかも知れません...」

「あ...」マチコが、頭に手をやった。「ええと、三郎さん...

  まず、確かめたいんだけど、“何も存在しない空間・・・完全な真空”でも...ものすごいエネルギー

を持っている、ということなのかしら?」

「そういうことです...」関三郎が、コクリとうなづいた。「ただし...

  これは、“負のエネルギー”と考えられています。電気的に、負の電荷というのではありません。エネ

ルギーそのものが、マイナスと考えられるのですが、実態はよくは分かっていないようです。現代科学

では、いまだに捕捉されていないエネルギーです」

「でも...理論的には予測されているんだあ...」

「そうですね...

  “ディラックの海”(/真空での、負エネルギーの電子の海・・・ディラックの海の空孔は、正エネルギーを持ち、反粒子に対応する)

という言葉ありますが...これは、ディラック(Paul Dirac /1902年 ~ 1984年/イギリスの理論物理学者/量子力学及

び量子電磁気学の基礎づけについて多く貢献。1933年に、波動力学のシュレーディンガーと共にノーベル物理学賞を受賞)が、仮定

概念です。

  まあ、後に、概念の拡張解釈の見直しも行われているようですが...いずれにしても、確認はこ

れからのようです」

「はい...」

「まあ、ともかく...

  “真空”というものは...“観測のできない・・・負エネルギーを持った・・・電子で満たされてい

る”...とする概念のようです。つまり、宇宙空間という無限の空間が、膨大負エネルギー・・・

でギッシリと満たされる...と考えればいいようです。それが、宇宙定数”エネルギーです...

  まあ...このあたりのことは、まだよく分かっていないというのが実態ですね。これから、本格的な

研究が始まって行くようです」

「うーん...でも...そういうことなんだあ...」

「ま...おいおいと説明しますが...」

「はい...」マチコが、両手を組んだ。

「ええと...

  その“宇宙定数”から類推すると...マチコさんの指摘した“漫才定数”というのは...“永田町

/政治ストーリイ・結晶化の・・・強大な変動要因”...具体的には...“ボケ/ツッコミ・エネル

ギーによる・・・人間原理ストーリイの偏向動因・・・?”...その強烈な、干渉エネルギーというこ

とになるのでしょうか...

  しかし、この...“新しい・・・情動科学/情報科学・・・の力学系”創設には...幾つもの基盤

的・条件整備が必要になります。そう簡単には行かないものがあります。

  ま...そのために、 シンクタンク=赤い彗星の私や、【茜・新理論研究所】の茜さんが召

集されたのでしょうが...」

「うーん...」マチコが、腕組みをして、コクリとうなづいた。「あ...もちろん、そうなんだけどさあ、」

「はは...」

「私は...」マチコが言った。「ただ直感的にそう思ったわけだけど...

  分析的考察すれば、そういうことになるのかしら。うーん...漫才だから、“ボケ/ツッコミ・エネ

ルギー”かあ...でも、確かに、不思議現象よねえ...どうして政治の流れの中に、こうもはっきり

と、“ボケ/ツッコミ・・・現象”が現れるのかしら?」

「ほほ...」茜が、口に手をやり、顔を崩した。「本当に、そうですね...

  確かに...誤差偶然として...無視できるレベルではありません。実に、不思議なことですわ。

これには、伝統的日本文化や...上位レベル意識...“霊魂・・・思念エネルギー”...というもの

が、不可分関与しているとも思われます...さあ、それをこれから、見て行きましょう...」

「うーん...」マチコが、大きく肩をかしげた。「あ、そうそう、三郎さん...

  “ヒッグス粒子”発見されたようだけど...“ボケ/ツッコミ・エネルギー”もさあ ...“ファイン

マン・ダイアグラム”(場の量子論において、摂動展開の各項を図示したもの・・・リチャード・P・ファインマン: ノーベル賞受賞/量子

電磁力学の創始者の1人/提唱されたファインマン・ルールにのっとって計算すると・・・素粒子の振る舞いを記述できる)表現できる

のかしら...?」

「ハッハッハッ!」関三郎が、テーブルを叩いて笑った。「だから...ハッハッハッ...それには...

幾つもの条件クリアが、必要なんです...ハハ...」

「うーん...」マチコが、ポン助の方を見た。「“分からないエネルギー”よねえ...

   ええと...“情動科学/情報科学のエネルギー・・・?意識エネルギー・・・?・・・”かあ...

関/琴奨菊(ことしょうぎく)イナバウアー(/フィギュアスケート・金メダリストの荒川静香さんの得意技)はさあ...すご

エネルギーを感じるんだけど、そのエネルギーとも違うわよねえ...

   鬼太郎さんなら、髪の毛ピンと立てて...妖気(怪しい気配)を感じることができるのかしら...?」

「ま、しかし...」関三郎が、真面目な顔で言った。「コトは、重要で...深刻ですね...

  場合によっては...日本“国家中枢部/永田町・霞ヶ関”が、大崩落しかねない状況です。いよ

いよ、そのレッド・ゾーン/“危険領域”に入ったようですね、」

「うん!」マチコが、大きくうなづいた。「“永田町”が、大崩壊してしまうわよね...いよいよ、妖怪大

戦争になるのかしら?」

「ともかく...」関三郎が言った。「“永田町”界隈(かいわい/付近、近辺)に...

   “未知の変動値”が極度に高まり...“危険領域”突入している...ということは確かです。そ

れが、何者によるもので...どういう意図/構造/背景を持っているか...既存概念/常識を超え

た、新しい視点からの解明が必要のようですねえ...国家の一大事と思われます...」

「はい!」マチコが、テーブルの上で、両手のコブシを握った。「その、“ミッション/永田町・考”にな

ります!」

「ともかく...

  単純構造ではないですねえ...それに、時間的熟成されて来た、まがまがしいモノ を感じま

すねえ...」 

「うん...」マチコが、素直にうなづいた。「そうよね...

  それが...“ミッション/永田町・考”<永田町/妖怪憑依・説...の原点なんだけど、それ

を、現代・物理学的解釈すると...<永田町/漫才定数・説>...ということになるのかしら?

自分で言っておいて、何なんだけど...そういうことなのかしら?」

「うーん...」茜が、かしこそうに頭を傾けた。「そういうこと、なのかしら...?

  【量子力学】成立当時(/1925年)のように...当時...ハイゼンベルク“行列力学”と、シュレ

ーディンガー“波動力学”同等のものであり...それぞれが、別々の側面を表現していたように、

ですか...?

  うーん...<妖怪憑依・説<漫才定数・説>は...“永田町/政治力学の・・・漫才項

加えた・・・新/政治力学”の...別の表現ということかしら...???どちらのアプローチも...

正しい表現/側面だと...???」


                                            


「うーん...」マチコも、うなった。「そういうことなのかしら...

  2つ仮説統合して...1925年(/量子力学の成立)のように...“永田町・・・政治力学”という、

新学問が成立できないかしら?

  隣には...マニアック(ある事に、極端に熱中しているさま)だけど...“霞ヶ関・文学”という、新文学・ジャン

息吹(いぶき)もあるし...これは、全国的認知され始めて来たわよね...」

「ハハー ...」関三郎が、大口をあけ、宙を見た。「...ウーム...」

「でも...」マチコが言った。「本気で...“永田町/政治力学”解明は、進むのかしら?」

「進めますわ!」茜が、キッパリと言った。「もちろん...本気で考えてみましょう...」

 

肝心なのは、」マチコが言った。「日本中枢エリアで...“何か・・・異常事態が起こっている”、と

いうコトなのよね...コレは、何なのかと...?」

「そうですね...」茜が、唇に指を当てた。「本当に...不思議なことです...

  “日本の政治が・・・何故か漫才化して行く・・・奇病/難病に罹患(りかん)している”...という

象/病理が...観測されているのは、まぎれもない事実です。

  ただ、これを定量化し、測定して...再現性のある科学という方法論的・学問として構築して行くと

いうのは...非常に困難ですわ...」

「その通りです...」関三郎が、うなづいた。「今までのセオリー(理論、学説)では...無理でしょうね、」

「でも...」茜が、続けた。「そうでは、あっても...

  次世代の...“文明の第3ステージ/意識・情報革命”時代には...こうした境界領域の問題

そが...学問的解明焦点に浮上してくるのかも知れません。つまり、“意味の世界/情報の海”

へ切り込んで行く...突破口となるのかも知れません...」

「はい...」マチコが、コブシを握った。

「そもそも...

  “私たちは・・・何所にいて・・・何を成し・・・何所へ消えていくのか?”...という大疑問がある

わけですわ...

   終局の見えてきた、現パラダイム...“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”軌道上

あるような...便利ロボット価値を見出すのではなく...新・価値観のもとで、解決策を探ります」

「うん...」マチコが、ゆっくりと肩を左右に揺らした。 

 

                    


「それでさあ...」マチコが言った。「私が調べたところでは...

  江戸/東京結界(霊的バリヤー)は...調べてみると...明治・政府が、新たに東京の守護平将

(たいらのまさかど/平安中期の武将/下総を本拠とした、関東の最強豪族)霊力ではなく...明治維新で・・・

業を成した・・・新しい時代の人々の霊” ...によって、新たに取り行ったらしいのよ...

  うーん...でも...新しい結界は、関東大震災で破られた様子なのよね。真偽のほどは分らない

んだけど、以後...B-29 (第二次世界大戦末期から朝鮮戦争期における・・・アメリカの戦略爆撃機)侵入を許し、

京大空襲なども受けている...と言うのよね、」

「はい...」茜が、小さくうなづいた。

「でも...結界が破れていても...

  戦後復興期勢いの旺盛な時代は、大丈夫だったようです。それが、衰えて来た頃から...うー

ん...ちょうどバブルの絶頂期頃かしら...そのあたりからさあ...まさに百鬼夜行棲家(すみか)

になって来たらしいのよね...あ、これは、“永田町”“妖怪憑依・説”の方なんだけど...」

「はい...」茜が、ゆっくりと、カキ氷にスプーンを突き刺した。


〔2〕 【相対性理論】 と 【量子論】 は・・・        
 
            

 

「ええ...」関三郎が言った。「さて...難しい問題ですが、考察に踏み込んでみましょう...

 

  マチコさんの言った、“宇宙定数”導入する宇宙論/“重力場方程式”とは...誰もが納得する、

宇宙物理学という学問領域の話です。ええ...物理的・宇宙には、“大きく分けて・・・4つの力”

されています。

  いわゆる...“電磁気力”...“弱い相互作用の力”...“強い相互作用の力”...そして、“重

力”...の4つです。

  また...【素粒子の標準理論/・・・標準模型・・・標準モデル】によれば...前の3種類の力は、

統一的に扱えるのですが...これもよく知られているように、“重力”はまだ統合されていないわけで

すね。

  もし、統合されるなら...アインシュタイン【一般・相対性理論】より導かれる、重力波媒介

粒子として...重力子(Graviton/グラビトン)という...<スピン 2、質量 0、電荷 0、寿命無限大>

の、ボース粒子が発見されるはずです。つまり、【標準理論】によって、この粒子予想されています」

「うーん...」マチコが言った。「まだ、統合されていないのに、どうして分るのかしら...?」

「いいですか...

  【標準理論】では、こうやって新粒子が次々に予想され、そして発見されてきたわけです。“超ひも

理論”では、【標準理論】のようには...新粒子予測が、なかなかできないようですねえ。まあ、詳

しいことは分りませんが...」

「うーん...そうなんだあ...」

「ええ...」関三郎が、モニターから顔を上げた。「いいですか...

  4つ目の力...“重力”統合は...これは【量子力学/・・・標準理論】と、【重力理論/・・・

一般・相対性理論】との統合になるわけですが...実はもっと大きな存在が...統合されずに残っ

ています。

  それは...〔物理学の枠外〕問題になるわけですが...〔自我/精神/私たち・・・1人称の

主体〕です。〔世界の半分を占拠する・・・心の領域/精神世界〕と...〔物の領域/物質世界〕

との最終統合です。

  デカルト分離した、“物の領域”“心の領域”関係性がつながれなければ...〔真理〕に到達

することはできません。【量子力学】において、“参与者”という言葉が考案され、観測座標/主体

いうものが俎上に上って来たのですが...理解が難しく、一般的には放置されているのでしょうか。

  ああ...これは、【ベルの定理】も同様ですね...“ベルの不等式”は...“科学における最も

深遠な発見”、とされていますが、難解なのです。そもそも、“局所原因の原理・・・が間違っている

・・・世界の中で、孤立的な部分というものは、成立しない”...と証明されても、扱いに困るわけ

ですね、」

「それで、どうなっているのかしら?」マチコが聞いた。

「まあ...

  “ベルの不等式”数学的証明されても...実際に、“局所原因性”がどのように間違っている

かを、示していないと言われます。したがって、ほとんどの科学者は、今もなお還元主義的スタイル

で研究し、“ベルの不等式”無視されているようです。これは、後でもう一度、説明します...」

「はい...」マチコが、うなづいた。「そうかあ...無視しているんだあ...」

 

「マチコさんの持ち込んだ...

   永田町/<妖怪憑依・説>VS<漫才定数・説>は...実は、“物と心の・・・2つの領域”に関わ

次世代型・問題の側面を持つわけです。

  したがって...これは、“文明の第3ステージ/意識・情報革命”の時代において...主要テーマ

として、新たに展開して行くものかも知れません」

「うーん...」マチコが、首を横に沈めた。「でもさあ...

  こうした問題は...すぐそこに...“私たちの横に・・・転がっている問題”よね。常に、私たちと

にあってさあ...」

「その通りです...」関三郎が、うなづいた。「しかし...難しすぎて、これまで手がつけられなかった

問題だったのです...

  心の問題...心の力学...というものは非常に繊細です。また、それゆえに...文化的・遺伝子

脈動経路は...力学系数量的・学問としては、扱われてこなかったわけです。

  大雑把文化としてとらえ...感情芸術快感などの系譜で...完全に分離して扱われてきたわ

けです。しかし、いよいよ、そこへの切り込みも、始まるのでしょうか。しかし、どう切り込んで行けばい

いのかということですが...はは、」

「うーん...」マチコが、横に頭を振った。      

「それは...」茜が言った。「“霊魂の問題”とも...結びついてくるわけですね...?」

「そうですね...」関三郎が言った。「が、当面は、目先の問題を考察しましょう...」

「うん!」マチコが、コクリとうなづいた。

 

「では...」関三郎が言った。「話を進めましょう...

  【量子論/・・・標準理論】と、【重力理論/・・・一般相対性理論】の統合ですが ...この問題

は、まさに、“相性の悪い・・・夫婦のようだ”...とも言われます。誰が仲立ちしても、どんなに説得

ても、しっくりと丸く収まることがないわけです。仲立ち・説得とは、つまり、“4つの力を統一” する、こ

数十年間全試行錯誤です。

  【現代物理学の基盤・・・ダブル・スタンダードの両理論】 はそもそも...物理的・基盤とする

空間そのものが...根本的異なる思想のもとで組み立てられているのです。【量子論】では、

“絶対的・時空間”のもとで記述し...【相対性理論】では、文字どうりに、“相対的・時空間”影響

での記述になるわけです。

  それは、どのように違うのかというと、古典力学/ニュートン力学では...空間“絶対的な空間”

つまり...“物質の存在・・・から独立した・・・空虚な容器”...すなわち、“三次元・ユークリッド空間”

として記述しています。時間も同様に...“絶対的・時の流れ”として、理論構築されているわけです」

「うん...」マチコが、コクリとうなづいた。

「しかし...

  【相対性理論】では、ご存じのように...“時間と空間は・・・不可分”であり...“空間は・・・物質

の存在の仕方により・・・曲がるもの/変化するもの”...という概念で構築されているわけです。だ

から...大質量/太陽の近くを通過して来るは...空間の歪みを反映します。

  つまり、【相対性理論】では...“四次元・リーマン空間”...“相対的・時空間”が導入されている

わけですね。しかし、【量子論】の方は...“絶対的・時空間”のもとで、波動関数記述されている

ということでしょう。当然、統合は難しくなるわけです。

  まあ...専門家ではないので、これ以上の言及は避けますが...両方とも正しいのです。【相対

性理論】なくしては、天文学宇宙技術は語れないし...【量子論】なくしては、電子工学光工学

は語れないわけです。つまり、コンピューターも、組み立てられなかったということです...」

「そうかあ...」

「まあ、しかし...

  “統合されない・・・正しい基盤的理論が2つある/ダブル・スタンダード”...そのものが、非常に

困ったことなのです」

「うーん...」マチコが、膝に手を置いた。「どちらかが、間違っているかというと...そうでもないわけ

かあ...」

「まあ...

  “ナノ・テクノロジー”という言葉がありますが...大雑把に言って、そのサイズよりもマクロの側は、

【相対性理論】威力を発揮するようです。

  そして、ミクロの側は...【量子論】適応しているということのようです...ま、その棲み分け

完璧なら、それでいいわけですが、そもそも“時空間のとらえ方”が違うわけで、丸く収まらないようで

すね...はは、」

「はい...」茜が、カキ氷のカップを、そっと手で押した。

「そうですねえ...」関三郎が、椅子の背に体を引き、脚を組み上げた。「最近は...

  かつての、統一理論/“超重力理論”計算が...新しい計算法アプローチが可能となり、見直

される向きもあるようです。素粒子散乱を...“ファインマン・ダイヤグラム”表現していたものを、

“ユニタリー性の方法”とか呼ばれるもので、飛躍的簡略化できるようになったと言われています」

「ああ...」茜が、口元をゆるめ、微笑した。「はい...

  そんな論文が、雑誌に載っていましたわ...計算時間爆発回避され、かつての“超重力理論”

が見直され、再計算されているとか...」

「そうです...はは...どうなるのでしょうか...」

 

<ヒッグス粒子・・・に王手・・・?>           


            wpe89.jpg (15483 バイト)      


「うーん...」マチコが、ミミちゃんの耳を、手で揺らした。「それで、三郎さん...

   【標準理論】はどうなるのかしら...先日...“ヒッグス粒子”も発見されたというわよね...」

「ああ、はい...」関三郎も、カチャリと、かき氷りのスプーンを置いた。「それは、全く問題はありませ

ん...

  そうですね...先日、最後の、“未発見粒子・・・ヒッグス粒子” 発見された様子ですね。しか

し、基本的スタンスは変わりません。【標準理論】体系が、より完璧に近づいたということでしょう。

  ただし...【標準理論】も、“究極理論”ではないかも知れないということです。その場合、それを超

える、【超対称性理論】が、現実味を帯びてくるということです...この期待が、大きいようです...」

「うーん...」マチコが言った。「【超対称性理論】というのは...何かしら...?」

「そうですねえ...

  “ヒッグス粒子”については、あと数カ月もすれば、正体がはっきりしてくるでしょう。その時に、《別

のページ》を設け、あらためて考察することになると思います。企画の響子さんも、ニュースを見なが

ら、そんなことを言っていました」

「ふーん...」マチコが、うなづいた。「そうなんだあ...」

「が...」関三郎が、白い歯を見せた。「せっかくですから、少し説明しましょうか...ハハ...予備知

も、必要でしょうから...」

「あ、はい...」マチコが、顔を崩し髪をしぼった。「お願いします...予備知識として...」

 

「ええと...」関三郎が言った。「そうですねえ...

  “ヒッグス粒子”発見したのは...スイス/ジュネーブ郊外/レマン湖の近くにあって...スイス

フランスにまたがって位置する...CERN (欧州合同原子核研究機構LHC (Large Hadron Collider/大型

ハドロン衝突型加速器です。

  LHCは...まず、“中型加速器群”(/建設から数十年がたつ古い施設)の、“陽子・シンクロトロン加速器”

(PS/Pはproton=陽子、Sはsynchrotron=円形加速器の一種)と、“スーパー陽子シンクロトロン加速器”(SPS)で、

陽子“光速の・・・99.999997%”まで加速します。

  こののように細くした、“陽子バンチ・・・陽子の濃密な細長い塊”を、周長27km(/東京の山手線の

周長は34.5km)ほどの、“超大型加速器”に取り入れ...それぞれ別々の方向へ、さらに10倍ほどエネ

ルギーを高めて...約10時間...正面衝突を起こすわけです。この全体を、LHCと呼ぶようです。

  ええ...逆回り衝突エネルギーは、2倍になるわけですね...これが、今回の発表の段階では、

4TeV(4テブ/4テラ電子ボルト=4兆電子ボルト)...そして衝突エネルギーは、2倍8TeVになるわけです。

 

  もう一度、別の角度から説明すると...逆向き加速した...“40億個の陽子の塊/ビーム・バ

ンチ”を...正面衝突させるわけです。リング内では...光速近くまで加速された陽子は、相対論的

効果進行方向に沿って縮むので...球形ではなく、平たい円盤状粒子になっているそうです。そ

円盤群円盤群が...濃密“検出器”のところで激突し、まさに陽子大破壊されるわけです。

 

  この“陽子バンチ”どうしの激突で...陽子がまさに破壊されるわけですが...実は、陽子という

のは、3個のクォーク陽子は2個のアップ・クォーク と1個のダウン・クォーク・・・ついでに、中性子は1個のアップ・クォークと2個

のダウン・クォークからなる が、グルーオンという粒子で結ばれている、複合粒子なわけですね。

  したがって、実際の衝突は...クォーク同士や...クォーク反・クォーク...グルーオン同士

ど、様々なケースがあって...ここから“ヒッグス粒子”も、生み出されると予測されて来たわけです」

「うーん...」マチコが言った。「LHCというのはさあ...ものすごいことをやっているんだあ...」

「そうです...」関三郎が、モニターの方に目を投げた。「それで...

  まあ...“ヒッグス粒子”発見されたわけですが...約10-21という、非常に短時間で、“質量

の小さな・・・別の粒子”へと、崩壊して行くわけですね...」

「うーん...」

「そして...

  このLHCの、“検出器/巨大検出器”には...オール・ジャパン体制で参加している、“ATLAS”

(アトラス/・・・総重量約7000トン/総工費約600億円・・・日本は約110人が参加し、全体の約10パーセントは日本グループが作った。

世界38カ国、174の大学・研究機関の3000人が参加)と...“CMS(鉄を大量に組み込んであるため、総重量は約1万2500ト

ン。世界40カ国、172の大学・研究機関の3000人が参加)があるわけですね。これらは、違う方法で、同じもの

しようとしているようですが...まあ、性能的には互角と言われています...

  それぞれに、参加している国の数大学の数ほぼ均等で、双方とも3000人ほどが従事している

ようです。まあ、純粋な学術研究ですから、経済競争のようなエゲツなさはないと思います。双方

ことによって...“より高みを志向”...する、ということなのでしょうか...」

「ふーん...」茜が、うなづいた。

「いや、そのように見えるということです...詳しいことは、関係ホームページ等で確認してください」

「はい...」茜が苦笑した。「そうですね...」

「さて...

  この“ヒッグス粒子”崩壊には...幾つかのパターンがあると予想されて来ました。まあ、その

想/予測に沿って...崩壊エネルギー・レベル周辺にあたりをつけ、調べていたようです。まあ、

予測していた140Gev(140ジェブ/1GeVは10億電子ボルトであり・・・1400億電子ボルト)よりも、重い方ではなく、

多少軽い方の...125GeV~126GeVあたりでの、発見だったようですが...

  ちなみに、“ヒッグス粒子”は...次の5つのパターンに、崩壊して行くと予想されています...」

 

 

       ************************************************************************

 
   < ヒッグス粒子の崩壊パターン ・・・ 予測 >  

 


     光子2個に崩壊・・・      光子 ガンマ線であり、安定している。

     Z粒子2個に崩壊・・・    Z粒子はさらに、電子 陽電子のペア...またはミュー粒子

                          反ミュー粒子 のペアに崩壊する。

     W粒子2個に崩壊・・・       

                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <これらは、ボーズ粒子 への崩壊>

                ボーズ粒子・・・素粒子の間の相互作用を媒介する粒子/力を媒介する粒子・・・スピンが0か、正の整

                            数の粒子。光子は・・・電磁力を担うボーズ粒子。 Z、W、Wは・・・弱い相互作用を担うボーズ粒子

 

    ボトム・クォークと、反ボトム・クォークに崩壊・・・

     タウ粒子と、反タウ粒子に崩壊・・・

                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ これらは、フェルミ粒子 への崩壊>

                フェルミ粒子・・・物質を構成する粒子。スピンが 1/2の粒子。電子、ニュートリノ、クォークがある

                      陽子や中性子は、クォークやグルーオンからなる複合粒子。ボトム・クォークとタウ粒子は、いずれも、

                      負の電荷をもつ・・・ )

 

  *************************************************************************

 


「 ...ということですね...

  そして...この陽子/複合粒子崩壊観測するのが、“巨大検出器”“ATLAS”“CMS”

です。それから...この5つの崩壊パターンは、大きくは2つに分けられるということです。

  1つは、① ② ③ で、これらはいずれも、“ボーズ粒子への崩壊”です...そして、もう1方は...

 ④ ⑤ で、これらは、“フェルミ粒子への崩壊”であり...このボトム・クォークタウ粒子は、いずれ

も、“負の電荷をもつ”...ということです。何故、こうなのかということは...今後の研究課題になる

のだそうです...」

「うん...」マチコが、うなづいた。

「そして...いいですか...

  2012年7月4日発表された、“新粒子/h”は...“ATLAS”“CMS”ともに...

壊パターンに関するデータなのだそうです。そして、今年末までの実験で、世界中研究者注目

ているのは、検出器シグナルを得るのが難しい... ④ ⑤崩壊パターンデータなのだそうで

す。この崩壊確認したい...というわけですね。いずれも、確定ではなく、推定です...

  ああ、そうそう...“ヒッグス粒子”は...“h” の他に “H“H“H予想されています。

詳しいことは、これから話題になってくると思います...一応、予備知識として、小耳にはさんでおい

て下さい...」

「うーん...」マチコが、耳に手を当てた。「はい...小耳にかあ...」

「ま...結果どの方向へ向くとしても...

  これが確認されれば...“ヒッグス粒子”というものの実態が分かって来るそうです。【標準理論】

完全なものにするか...【超対称性理論】向うもの、になるか...はっきりして来るのだそうです。

ま、面白くなるのは、【超対称性理論】方向理論が展開していくことのようです。いずれにしても、

近々分るわけですから、これぐらいにしておきましょうか...」

「あの、三郎さん...」茜が言った。「【標準理論/素粒子の標準モデル】予言している“ヒッグス

粒子”は...1種類ではなかったかしら?」

「そうです...」関三郎が、大きくうなづいた。「だから...

  それを超えるものが、【超対称性理論】方向へ向うわけです...そもそも、CERN欧州合同原子核

研究機構/)LHC(Large Hadron Collider/大型ハドロン衝突型加速器は、そうした...“超対称性粒子・・・普

通の粒子の、超対称性パートナー”、を発見することが、建設目的1つにあるのだそうです...」

「すると...」茜が言った。「“ヒッグス粒子”ではない...他の“超対称性粒子”をも探していたと?」

「そのようです...

  ええと...LHCは、今後...2013年改修工事を行い...2014年からは、これまでの衝突エ

ネルギー/8TeV(8テブ/8兆電子ボルト)から、14TeVに引き上げて、実験をして行くていくそうです。

  まあ、いずれにしても...“はっきりする”と言いながら...“ますます複雑化”して行くのが...

学の常道ですが...世界中物理学者たちも、間違いなくその方向期待しているのでしょう...」

「はい...」茜が、大きくうなづいた。「“ヒッグス粒子”は、そんなことになっているのですか...」

「まあ...」関三郎が、マウスでモニターをスクロールした。「ザッと、論文に目を通しただけです...

  ああ...ここにデータがありますね...今回新粒子は、“ATLAS”で、“質量=126.5GeV”

あたりに存在する確率が、“99.99998%”で...“CMS”では、“質量=125.3±6GeV”あた

りに存在する確率が、“99.99995%”ということですね。これは予想されていたよりも軽いようです。

ここに、また...何故か...という疑問も出てくるのだそうです。理論家の、活力源ですね...」

 

「うーん...」マチコが、頭をかしげた。「あ、三郎さん...

  重力子(グラビトン)も...まだ見つかっていないのではなかったかしら...?」

「うーむ...」関三郎が、頭をツルリと撫でた。「これも、微妙な問題ですねえ...

  重力量子化できるものなら...重力子(グラビトン)発見できるということです。そして、これも“ヒッ

グス粒子”と同様に...力を媒介する粒子であり...ボーズ粒子であり...ゲージ粒子ですね...」

「あ...」マチコが、何かを見つけたように、笑った。「ゲージ粒子というのは、何かしら?また、おかし

な粒子が出てきたわよね、」

「はは...はい...」関三郎が笑い、うなづいた。「自然界には...

  今の所...大きく分けて、4つの力観測されると言いました。これは、“ビッグバン”膨張

する中で、今後、さらに細かく分裂して行くのかも知れません。しかし、大きな分類では、この4つの

体制は変わらない、とも考えられています。今の宇宙観では、です...

  それが、つまり...“電磁気力”...“弱い相互作用の力”...“強い相互作用の力”...そし

て、“重力”...の4つです。

  そこで、4つの力があるわけで...それを媒介するゲージ粒子も...4つ考えられるわけです。ち

なみに、“電磁力”を伝えるのが、光子(1種類)...“弱い力”を伝えるのが、ウィーク・ボソン(W粒子・・・

粒子、W粒子、Z粒子の3種類)...“強い力”を媒介するのが、グルーオン(にかわ粒子・・・8種類)...です。

  それから、問題の“重力”媒介するのが、重力子(グラビトン)と想定されるわけです。つまり、こうした

ゲージ粒子が、4種類あるというわけです。そして、マチコさんの言うように...重力波/重力子は、

まだ観測はされていません...」

「うん...」マチコが、納得した。

「そこで...この重力子ですが...

  現在、重力子を補足するための...重力波・望遠鏡稼動しています。“大型低温・重力波望遠

鏡計画/KAGRA計画”が...岐阜県/飛騨市/神岡町/・・・神岡鉱山地下深くで動き出してい

ます。したがって...むろん...グラビトン(重力子)補足するつもりなのでしょう...

  ここはニュートリノで有名な、“カミオカンデ”“後継/スーパー・カミオカンデ”のある所です」

                                           .......<詳しくは、こちらへどうぞ>

「あ、そうなんだあ...」マチコが、手を打った。「前にさあ...そんなことを言っていたわよね?」

「さあ、私は担当していなかったのですが、そうかも知れません...

  ともかく、“ヒッグス粒子”についても、これから研究活発化してきますから、詳しく考察して行きた

いと思います。

  が、しかし...ここでは、ともかく...“宇宙定数”について考察しましょう。話を元の軌道に戻しま

しょうか、」

「うん...」マチコが、コクリとうなづいた。「そういうことよね!」

 

<宇宙定数・・・宇宙項の係数とは・・・?>       wpe8B.jpg (16795 バイト) 


            


「ええ、いいですか...」関三郎が言った。「最近宇宙観測によれば...

  いわゆる...現在の、人類/人類文明に見えている物質は...全宇宙質量/エネルギー組成

の、わずか4% にしかすぎないのだそうです。つまり96%は、肉眼で捕捉可能な可視光においても、

科学技術を総動員した最新の観測装置を駆使しても、見えていない状態と言うわけです。まあ、現在、

未知のエネルギーを補足する、幾つものプロジェクト大車輪で動き出している様子です。

  ともかく...96%のうちの23% は...いわゆる、“暗黒物質”(ダークマター/dark matter/光学的に観測され

ず・・・人間が見知ることが出来る物質とは、ほとんど反応しない・・・)であり...あとの73% は...“暗黒エネルギー”

(dark energy/・・・真空のエネルギーが、有力候補の1つとされている・・・と呼ばれるもので、これが“宇宙定数”に相当

する、見えない質量のようです」

「ふーん...」マチコが、ミミちゃんの頭に、指先を置いた。「そうかあ...」

「いずれも、正体はまだよく分っていません...

  【特殊・相対性理論】で...質量エネルギー等価(/同値)であることが導かれているので...

質量エネルギー同じ意味であり...物理的にもしい...ということです。

  そこで...“暗黒物質”“暗黒エネルギー”ですが...これは、日本語としては極めて似ています。

まあ、もとの英語でも、“dark matte”“dark energy”であり、よく似ています。したがって、ネーミング

(名前付け)が少々ややこしかったようです。ともかく、別々に分類した概念、と承知しておいて下さい」

 

「ねえ、三郎さん...」マチコが言った。「そもそも...

  “宇宙定数”というのは、何なのかしら...自分から言い出しておいて、何なんだけど、どうも、よく

分からないわけよね...ここで、詳しく説明して置いてもらえないかしら、」

「ああ...」関三郎が、うなづいた。「はいはい...

  詳しく説明するには、計算式が必要ですが...まあ計算式抜きで、何とか分かりやすく説明してみ

ましょう」

「はい、」マチコが、椅子を引いて座り直した。

「これは...」関三郎が、モニターのマウスを動かした。「そもそも、分からないモノなんです...

  したがって、分かるはずもないのです。アインシュタイン喝破し、さんざん迷った、“宇宙定数”(う

ちゅうていすう/cosmological constantというのは...【一般・相対性理論】“重力場方程式”の中に導

入した、“宇宙項”(うちゅうこう)の、“係数/比例定数”なのです...」

“係数/比例定数”...ですか?」

「そうです...

  つまり...粘性率膨張率弾性率などの、係数と同様のものです。“宇宙定数”は、宇宙空間

に関わる“係数/比例定数”なのです。したがって、これは、いわゆるスカラー量(/スカラー: 大きさのみを

持つ量のこと・・・大きさと、方向を持つ、ベクトルに対比する概念です」

「ふーん...」

「いいですか...」関三郎が、テーブルに両肘を立てた。「【一般・相対性理論】は、1916年発表

されたわけです...」

「あ、うん...」

「そして、1917年論文では...

  アインシュタインは...“宇宙項を導入した・・・重力場方程式、を発表しているわけです。ここで

は、“宇宙定数”をわずかに“正”とし...“万有・斥力”導入することで...質量が持つ“万有・引

力”拮抗させ...“= 定常宇宙 =”を導いているのです...」

“万有・斥力”...?」マチコが、肩をかしげた。「“= 定常宇宙 =”...?」

「説明します...

  まず...“= 定常宇宙 =”とは、“静かな宇宙・・・変動のない静的宇宙”のことです。実は、つい

近年までは、皆がそう思っていたのです。大宇宙無限の広がりを持つ...“ロマンあふれる・・・静

かな世界”、だと思っていたわけです。それ以前は...“天動説”の時代さえ、長く続いたわけです」

「うーん...」マチコが、腕組みをした。「“神様”が、支配していた世界よね...」

「そうです...

  そんな時代に、“地動説”提唱したコペルニクス(ニコラウス・コペルニクス/1473年 - 1543年/ポーランドの天文学

者・・・教会では律修司祭(カノン)であり・・・知事、長官、法学者、占星術師であり・・・医者でもあった/地動説は、天文学史上で最も重要

な再発見と言われるは、その大き過ぎる影響を恐れ、主著/天体の回転について販売を、1543年

死期を迎えるまで、絶対に許さなかったようです。

  そして、後に...自作の望遠鏡天体観測を行い...“地動説”を支持したガリレオ(ガリレオ・ガリレイ

/1564年~1642年/イタリアの物理学者、天文学者、哲学者・・・パドヴァ大学教授/その業績から天文学の父・科学の父とも言われる

・・・キリスト教会から異端者として幽閉されたは...狂人あつかいだったわけです」

「うーん...」マチコが、頭に手をやった。「ガリレオさんは、大学教授だったわけかあ...」

 

「ええと...」関三郎が言った。「いいですか...

  【一般・相対性理論】“重力場方程式”は、よく知られているように、 アインシュタイン方程式

とも呼ばれています。

  この方程式を、素直に解くと、“宇宙は・・・膨張している”...という結果が導かれるそうです。こ

れは、現在ではごく普通に受け入れられている、一般的・概念ですね。“天動説”の頃とは、雲泥の違

いです。

  ところが、1916年・当時...アインシュタインはこの結果仰天した様子です。“宇宙は膨張して

いる・・・という方程式の解は・・・信じがたく、受け入れがたいもの!”...だったようです。

  アインシュタインは、20世紀の科学者ですから...もちろん、“天動説”ではなく“地動説”を信じて

いたのでしょう。しかし、さしずめ...“地動説”を耳にした中世の教皇のような...驚天動地(きょうてん

どうち)だったのでしょうか。それほど...“膨張する・・・宇宙”、は受け入れがたかったのでしょう」

「うーん...」マチコが言った。

に...」茜が言った。「量子の概念を導入し...初めて、光量子/光子の概念を打ち出した、アイ

ンシュタインでも、ですね...」

「そ...」マチコが、うなづいた。

「いいですか...」関三郎が、言った。「そこで、アインシュタインは...

  自ら作った“重力場方程式”に...“宇宙項”と呼ばれる“項”を付け足すという...改造を加えた

のです。そうやって、“膨張しない・・・静的宇宙/= 定常宇宙 =”、の“重力場方程式”を、再度提

したわけです。下に示すのは、その2つ“重力場方程式”/ アインシュタイン方程式 です...」


  


    ********************************************************************

           アインシュタイン方程式         

 

    最初のアインシュタイン方程式          

    宇宙項を加えたアインシュタイン方程式    

    ********************************************************************

 

「ええ...つまり...

  ...が“宇宙項” になります。この“項”“係数/比例定数”が...“宇宙定数”というこ

とです。

  くり返しますが...これは、粘性率膨張率弾性率などと同様の、係数になります。したがって、

大きさのみの、スカラー量で表現されます。ベクトル量のように、方向を持つような量ではないわ

けです。

  では...この正体は何か...それほど膨大なエネルギー相当するものは何か...となると、

間自体が持つ、“真空のエネルギー”該当すると推定されるわけですね。しかし、それは現在まで、

捕捉されたことはないわけです...」

「うーん...」マチコが、コクリとうなづいた。「重力子(グラビトン)/重力波と...同じなんだあ...」

「そうです...

  【量子論/・・・素粒子の標準理論】では...エネルギーというのものは、無限に分割できる滑ら

かなものではなく...“量子/粒子”のように...具体的には光子電子のように...“1個づつ数

えられる・・・集合体”からなっている...とする理論です。だから、【量子論/素粒子論】なのです」

「はい...」

「これは、前にも言ったように...

  プランクが...“黒体輻射の問題”で...エネルギー連続しものではなく...“量子”という、ま

とまった単位を持つ、と考えたことから始まっています。これは深い洞察というより、たまたま、基本公

から、 を引いてみたら適合したというような、偶然の発見だったようです。それで、プランク自身

半信半疑だったようです。

  しかし...当人/マックス・プランクが...半信半疑で提出した『電磁波の量子モデル』を...アイ

ンシュタインに対して応用したわけです。この、アインシュタイン最初の論文/『光電効果に関

する論文』で、は初めて...“光量子/光子”...になったわけです。

  ここを起点とし...ハイゼンベルク“行列力学”と、シュレーディンガー“波動方程式/波動力

学”が展開し...それが統合されて、一応、1925年ということになっていますが...ニュートン力学

とは全く異なる、新しい力学/量子力学誕生となるわけです...」

「うーん...そういうことかあ...」

「ああ、そうそう...」関三郎が、頭に手を当てた。「それ以前に...

  多くの学者が、強さというものが...計算とうく合わずに、苦労していたようです。そこで、プラ

ンクは、光のエネルギー振動数比例するのではないか、と考えたようですね。

  まあ、それは正しかったわけで...“光子/量子一般のエネルギー値と・・・振動数の関係

は...【プランクの定数】/(h= 6.626×10-34という...“係数/比例定数”が用いられます。

これは、プランク業績にちなんで、命名されたものだそうです...」

量子一般というと...」マチコが言った。「電子なんかも...そうだということかしら?」

「まあ、そういうことです...

  この【プランクの定数】は...量子の関わる広範な現象に登場する、“普遍的な定数”です。まあ、

【量子力学】基礎となる単位を示す、“物理定数”です...覚えておいてください」

「うん...」マチコが、小さくうなづいた。「【プランクの定数】かあ...」

「あ、いいかしら...」茜が、指を立てた。「一言...」

「ああ、はい...」関三郎が、体を引いた。

“量子”、という概念と...」茜が言った。「“プランクの定数”、が使われるようになってから...

  物理学では...それ以前古典・物理学と呼びますわ。そして、それ以後を、現代・物理学と分け

るようになったようです。したがって、【相対性理論】も、古典・物理学に含めることが多いようです」

「そうですね...」関三郎が言った。「まあ...

  【特殊・相対性理論】は...古典・物理学完成した、という意見もあるようです...まあ、この話

は、また別の機会にしましょう」

「そうですね、」茜が、うなづいた。「一言、コメントを入れておきました、」

 

「ともかく...」マチコが言った。「“= 定常宇宙 =”というのはさあ...

  昔からの、“静かな宇宙観”だったわけかあ...アインシュタインは、その姿を追い求めていたわけ

かしら、」

「まあ...」関三郎が、ため息をつき、大きくうなづいた。「それを、信じていたようですね...

  現在では...【ビッグバン理論/ビッグバン仮説】の方が有力になっていて...こっちの方が、

【標準的な・・・宇宙論モデル】、となっています。

  したがって...“= 定常宇宙論 =”は...現在“非/標準的宇宙論”1つとなっています。

1917年当時...アインシュタインは、“重力場方程式”“宇宙項”を加えたわけですが、おそらく彼

の心には、“美しく深遠な・・・静的宇宙が・・・確固たる情景”...として描かれていたのでしょう。まる

で、のような...」

「はい...」茜が、目をしばたいた。

「特に...」関三郎が、宙を見た。「アインシュタインは...そうした思い、が強かったのでしょう...

  若い頃は、それが、“パラダイムシフト・・・の良い方向へ作用”したようですが...その後は、ど

ういうわけか、“仇役(かたきやく)・・・の方向へ作用”したようです。まあ、この、“仇役も・・・物理学に

とっては・・・必須の有用な作用”...だったことは、万人が認めるところです。

  しかし、この“仇役”に関しては、“漫才定数・説”との関連で、後でさらに深く考察して行くことにし

ましょう」 

「ふーん...」マチコが、ミミちゃんの背中をなで下した。「もしかして...

  “ボケ/ツッコミ・エネルギー”...が作用していた、ということかしら?アインシュタイン自身も、さ

らに、受け入れがたいような...ビツクリ仰天するような...“未知のエネルギー”が...」

「ハッハッハッ...」関三郎が、開けっ広げに笑った。「まあ、ともかく...

   “= 定常宇宙・論 =”というのは...“初期の・・・単純な・・・静的宇宙観”から、天文観測的・事

と突き合わせ...時代と共に、定義変化して来ているようです。最近は、“宇宙の・・・加速膨張”

という予想外観測結果を受け、“= 準/定常宇宙論 =”というものも、構築されているようです」

  茜が、小さくうなづいた。

 

「ええ...」関三郎が言った。「ともかく...

  現在の、“= 定常宇宙・論 =”というのは...“宇宙は膨張しているが・・・無からの物質の創生

により・・・任意の空間の質量は、常に一定に保 たれ・・・宇宙の基本的構造は、時間によって変化す

る事はない・・・”、とする宇宙モデルになります」

「うーん...」マチコが、大きくうなづいた。

「いいですか...」関三郎が、続けた。「【一般・相対性理論】のもとでは...

   “= 定常宇宙・・・静的宇宙 =”は、存在できないという理論計算があり...また、“宇宙膨張/

動的宇宙”を示す...エドウィン・ハッブル (アメリカの天文学者:  ハッブルの法則を発見/アメリカのハッブル宇宙望遠鏡

彼の業績にちなんで命名/ノーベル賞受賞の通知を受ける直前の1953年9月28日に死去。ノーベル賞は存命者のみに与えられるため、

ハッブルは受賞できなかった。死後、受賞者に内定していたことが彼の妻に知らされた。これ以前は、天文学はノーベル賞の対象外だった

観測・結果などを受け、新たに構築されたものです...」

「うん...」

「それでも...」関三郎が言った。「なお、アインシュタインは...

   “= 定常宇宙 =”を、主張したかったわけでしょう。また...観測的に・・・きわめて平坦に近

い・・・宇宙空間”...という、観測事実もあったわけです」

「うん...」

「まあ...」関三郎が、言った。「ここらあたりで...

  “この世・・・情報を映す鏡/自我という1人称的鏡・・・”にも...いよいよ、メスを入れる時期に

来ているのかも知れません。“何のために・・・こんなものが・・・ここにあるのか?”...ということ

です。それを、“1人称/自我以外の座標から・・・観察することは、可能なのか?”...ということ

です」

数学...」マチコが言った。「ということかしら...?」

「それも...結局は、“1人称/主体”を通すわけです...

   “心/精神/霊魂というものが・・・分割・排除された、物理的/宇宙空間”...では、どうにも、

超えられない矛盾が噴出してきているようにも思いますねえ...【量子力学】という最先端学問には、

さすがにそれが、顕著に現れているようです...」

「そうかしら...」

「うーむ...

   “霊魂”を持ち出してくると...話が非常にややこしくなるわけですが、門外漢の我々が持ち出す

のであれば...文句も出ないでしょう...はは、」

「うん...」マチコが、肩を左右に揺らした。

 

               


アインシュタインの...」茜が、髪を耳元に絞り、モニターを眺めた。「没年は、1955年です...

  エドウィン・ハッブルよりは、2年ほど後まで存命だったわけですね。ともかく、〔激動の20世紀〕

した。〔物理学〕においても、〔天文学〕においても...そして、〔原子爆弾を創出〕 したという意味

おいても、“文明のターニング・ポイント・・・折り返し点”...に到達していたわけです。

  そして、今...その時代が終わりを告げ...“文明の第3ステージ/意識・情報革命”の時代が、

開幕しつつあります。今回の、“ミッション/永田町・考”・・・“永田町/妖怪憑依・説” VS “漫才

定数・説” は...そうした意味でも、新時代を切り開いていく、恰好のテーマかも知れません...」

「そうですねえ...」関三郎が、うなづいた。「“霊魂”を、学問の俎上(そじょう/まな板の上)に上げていくとな

れば...当然、そうかも知れません」

「うん...」マチコも、うなづいた。

「ええと...」茜が、モニターをチラリと見た。「でも、あまり話を拡散させないでおきましょうか、」

「ハハ...そういうことです」

 

「ええ、そういうことで...」茜が、また耳の後ろへ髪を撫でた。「話を、少し戻します...

  “= 定常宇宙 =”では...宇宙膨張しているのは認めても...から物質創生が常にあり、

空間質量一定密度が保たれている、ということです。“= 定常宇宙/静的宇宙 =”は、それでも、

まさに...“ここに・・・存在している”...ということですね」

「その通りです...」関三郎が、頭を丸く撫でた。「宇宙膨張にもかかわらず...

   “宇宙は・・・時間とともに変化しない”...と主張するわけです。そして、この主張が成り立つため

には...“宇宙・密度を・・・不変に保つ”...必要があり、そのためには、“新しい物質が・・・時間とと

もに・・・絶えず生成されている”...という必要があるわけです」

「うーん...」マチコが、大きく肩を揺らした。「でもさあ、複雑なことを言うわよねえ...

  アインシュタインは、それでも“= 定常宇宙 =”を導くために...“宇宙項”を、“重力場方程式”

に入れる必要があったわけかしら?」

「ま...」関三郎が、腰を動かした。「そういうことですが...

  最初は、1917年のことです。20世紀・初頭宇宙観です。ところが、その後、クエーサー準星/準・

恒星状天体/大きな赤方偏移を持つ・・・これはクエーサーが、地球から高速で遠ざかっていることを意味する)などの観測によって、

宇宙膨張明確になって来たわけです」

「うーん...」

 

「ところで...」関三郎が、言った。「アインシュタインは...

  “重力場方程式”に、“宇宙項”導入したことを...“生涯で最大の過ちだった・・・と痛烈に後

悔した”...という有名エピソードがあります。うーむ...相当に悔しがったのでしょうか。ところが、

ハハ...この話には、続きがあるのです」

「はい...」マチコが、頭を傾げた。

「続きの話は...こうです...

  まず...【標準/ビッグバン・宇宙モデル】初期条件を説明する、“宇宙インフレーション・モ

デル”、が考案された経緯があります。一度は、耳にしたことがあるのではないでしょうか?」

「はい...」マチコが、コクリとうなづいた。

「まあ、そういうことですねえ...

  これは、“宇宙初期に・・・時空間が指数関数的な・・・大膨張を遂げた”...とするものですね。

 ところが、その原理は...“宇宙項に相当する・・・莫大な真空エネルギー・・・巨大斥力”、を背景

としているわけです。つまり...ここで再び、“宇宙項”復活して来るわけです...はは、」

「うーん...」マチコが、頭を横に沈めた。「どういうことかしら...?」

「つまり...」関三郎が、椅子の背に体を倒し、頭の後ろに両手を当てた。「アインシュタインが...

  “生涯で最大の過ち・・・として痛烈に後悔している”...と表明したコトが...今度は逆の方

ひっくり返ったわけです。つまり、それがまた、裏目に出たということです。要するに、“宇宙項”

は、“非常に・・・先見の明があった”、となったわけです。しかし、アインシュタインはそれを、“生

涯で最大の過ち”...と宣言していた、というわけです」

「うーん...“早とちり”(早合点をして、間違えること)かあ...」

「まあ...

  後半生アインシュタイン業績は、まさにこうした、“ボケ/ツッコミ・エネルギー”、が強大かつ

典型的に、作用していた様子です...」

“宇宙定数”ではなく...」茜が、アゴを上げてた。「...“漫才定数”の方ですか...」

「うーん!」マチコが感動して、関三郎に大きくうなづいた。

「はは...ま...本当に、どうしたものですかねえ...

   【量子論】生みの親でありながら...【不確定性原理】疑問を持ち...まだ未発見“未知の

変数”があると信じ...非局所性“量子もつれ”を嫌い...

  プリンストン高等研究所アメリカ/ニュージャージー州/プリンストン市にある世界で最も優れた学術研究機関の1つ・・・自然

科学・数学・社会科学・歴史学の四部門を持つドイツより亡命した、アインシュタインのために創設された研究所とも言われる。/プリンスト

ン大学とは直接の関係はない・・・)仲間共同論文を提出して...

  その中にある有名な、“E・P・R(アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼンの頭文字)の思考実験”で...論文の

主張とは逆の結果...【ベルの定理】という数学的・科学的深淵を...導き出すことになるわけです

ね...まあ、これは...アインシュタイン死後ということになるわけですが...」

「はい...」茜が、テーブルに立てた手を握った。「ええと...

   【ベルの定理】は...アインシュタインが没して9年後...1964年発表ですわ。CERN (欧州合

同原子核研究機構研究者の、ジョン・スチュワート・ベル(イギリス/北アイルランド/ベルファスト出身/・・・物理学者/

1928年 ~1990年)によって、提唱されたものです...」

「その...」マチコが言った。「【ベルの定理】というのがさあ...よく分からないのよね...」

ベルは...」茜が言った。「EPRパラドックスについてという論文で...現在、“ベルの不等式”

と呼ばれる結果を、導いたわけです...

  これは、いわゆる...“局所実在性と・・・量子力学は・・・本質的に、相容れない”...というこ

とを意味している、といいます。

  ええと...これは後に...アラン・アスペ(フランス/アジャン/1947年~ /物理学者・・・エコール・ポリテクニーク教

授)によって、実験的に証明されています。これは...1980年代初期に、共同実験者とともに“ベ

ルの不等式”を検証する実験を行ったものですね...

  この実験で、アスペは...“CHSH不等式”(ベルの不等式の一種)破られていることを示しました。アス

ペの実験は、多くの物理学者によって、“ベルの不等式”が成立しない...つまり、“局所実在論は

正しくない”...ということを決定づけるものとして受け入れられました。

  でも...“この実験には・・・不完全な点がある”、として...より完全な検証を求める物理学者もい

る、ということですわ。ともかく...【ベルの定理】数学的証明なのですが、自然界においても、“局

所実在性”成立しない、ということが示されたわけです...」

「うーん...」マチコが、頭をひねった。

「つまり...」茜が、マチコを眺めて言った。「...簡単に言ってしまえば...

  世界の中で...“そこだけで存在している・・・部分というものは・・・ありえない”...ということ

です。“世界は・・・巨大な1つの全体”...だと言うことです。高杉・塾長は、こうした巨大な全体は、

“禅的な・・・唯心”...に近いものだと言っていますわ...」

「うん...塾長はさあ、昔から、そんなことを言っているわよね...」

「ええ...」茜が、続けた。「したがって...

  【相対性理論】に反して...“光速を超える・・・情報交換”も...ありうるということになります。こ

れが、“量子もつれ”という...量子現象確認につながっていくわけです...」

                           .......<詳しくは、こちらへどうぞ//量子もつれとベルの定理>

「そうかあ...」マチコが言った。

アインシュタインは...特に...

  “非局所性”の、“量子もつれ”という現象を、嫌っていたようですわ。でも、最近のことですが、これ

が、量子現象1つとして、確認されたようです。それが、“量子情報科学”という新学問分野スタ

ートにつながったようです...門外漢ですので、詳しいことは分りませんが...」

                           .......<詳しくは、こちらへどうぞ//量子情報科学のスタート>

「うーん...」マチコが、椅子の背に上体を倒した。「本当に...後半生アインシュタインは、何を

やっていたのかしら」

「そこに...」関三郎が言った。「強力に...

   “漫才定数・・・ ボケ/ツッコミ・エネルギー”...が作用していたのではないでしょうか。まあ、い

ずれにしても...アインシュタイン功績でしょう...“仇役”としての功績です...

  ハハ...がいなくては、【相対性理論】も、【量子論】も、そして【ベルの定理】も...現在のよう

には、ここに展開していなかったわけです。まあ、その時はその時で、別の道というものがあったので

しょうが...現在のような文明形態ではなかったでしょう...」

「その方が...」茜が言った。「現在のような、危機的文明とはならなかったのかも知れませんし...

  あるいは...“第1次世界大戦”のような戦争拡大し... 別の形で、文明危機が訪れていたか

も知れませんね。いずれにしても、生態系は大きく破壊され、“地球温暖化”はやって来たのかもしれ

ません...

  私たちの選択は、長い目で見れば...間違いというものは無いのです。仮に、短期的には間違っ

ていたと見えても、長い目で見れば...その上に現象時代が紡がれ、それを基盤進化し、生命

潮流経歴して行くわけです...つまり、迷路の中の、どの道を選択するか...だけなのです...」

「うーん...でもさあ...短期的に見れば...勝った負けた、はあるわけよね、」

「その通りですわ...そこに、激しい感情や、達成感や、芸術性が紡がれていくわけですね...」

 

「ともかく...」関三郎が言った。「【量子力学】の歴史は...

   “仇役”がいて...“主役”が引き立ったわけです。演劇と同じですね...アインシュタインの場合

は、最初“圧倒的な主役”を演じ...【量子力学】確立されると...今度は“強力なな仇役”

回り...現代・物理学/現代・文明の礎(いしずえ)を、築いて来たわけです...はは、」

「ふーん...不思議キャラクターよね...」

「そうですね...」茜が、顔をくずした。「人類文明史の上でも...」

「うん!」マチコが、大いに納得した。


              


「ええ...」関三郎が、スクリーン・ボードを眺めた。「さて...話を戻しましょう、」

「はい!」マチコが、腰を浮かし、座りなおした。 

「近年...

  遠方超新星観測や...宇宙マイクロ波背景放射(CMB=cosmic microwave background/ 宇宙背景放射/

3K背景放射)観測から...宇宙は、加速度的膨張していることが、明らかになって来ています。

  この“加速・膨張”を説明するメカニズムとして、あらためて“宇宙項”存在支持されて来ている

ようです。そして、“宇宙定数”有力候補として、“真空エネルギー”が挙げられているわけです

ね...」

「ふーん...」マチコが、トン、トン、とテーブルを指でたたいた。「“真空”かあ...」

「そうです...」関三郎が、手で口をふさいだ。「“真空”であり...“空間自体”です...

  宇宙空間は、“超真空”などとも呼ばれますが...“宇宙定数”導入で...物質の存在しない

宙空間にも、“空間自体の持つ・・・莫大な真空エネルギー・・・dark energy/負のエネルギー/

万有・斥力”...が充満していることになっているようです。

  これが...空間/宇宙空間の、“係数/比例定数”という意味のようです。まあ、とりあえずは...

くり返しますが...膨張している宇宙空間は...膨張そのものが、莫大なエネルギー/“真空エネル

ギー”創生している、ということになるようです。

  当然...【エネルギー保存の法則】熱力学の第1法則/・・・ある孤立系の中のエネルギーの総量は変化しないには

反しているわけですが...こうした宇宙論では、孤立系が破れているわけですね...」

「ふーん...」マチコが、首を揺らした。「そういうことかあ...でも、何となく、ヘンよねえ...」

「はは...まあ、どう考えようと...考えるのは自由です...」

  茜が、ペン立からペンを取った。そして、メモ用紙に何かを書いた。

                                                       

「ええと...」関三郎が、モニターに目を落とした。「ともかく...また、話を戻しますが...

  “暗黒物質”(dark matterではなく...見えていないエネルギー73% に当たる、“暗黒エネルギー”

(dark energyの方が...“宇宙定数”莫大エネルギー相当するようです。しかし、こんなものを、

“重力場方程式”/アインシュタイン方程式  導入しては...

 

  wpe1D.jpg (34276 バイト)                                   

    
     
自然は・・・シンプルに構成されていて・・・

    
                      
法則は・・・シンプルな方が美しい・・・

 
                                                    



  ...という...アインシュタインの信念に反したようです...」

「それで...」マチコが言った。「アインシュタイン自身が...

  自分で導入した“宇宙項”を、また否定したわけかあ。“生涯で・・・最大の過ち”...とか言って」

「うーむ...」関三郎が、脚を組み上げた。「まあ、そのようですねえ...

  アインシュタインユダヤ人であり...“神の存在”...というものを、深く信じていたようです。い

ずれにしても、我々よりも何倍も深く...“大宇宙の深淵を見つめ・・・神を信じ・・・大自然の中の

美しい秩序...を見ていたのでしょう。こうした彼の行動を、軽々に笑うわけにはいきません...」

「うーん...」マチコが、深くうなづいた。「...何倍も...深く...かあ...」

「そうです...」

「そして...」茜が、胸元に指を置いた。「このストーリイには...非常に奇妙な所がありますわ...」

「というと...?」マチコが、茜の方に、体ごと肩を寄せた。

ストーリイが...」茜が、額の髪を撫で上げた。「アインシュタインの...

  “人格・・・霊魂・・・人間原理ストーリイの形成場”が...“特別に高い・・・ポテンシャル・エネ

ルギー”を持っているようだ...ということですわ」

「それが...」マチコが言った。「つまりさあ...

   “漫才定数”から来る...“ストーリイの・・・ボケ/ツッコミ・エネルギー”...だということかし

ら?」

「もちろん...」茜が、首を振った。「確証など、ありません...

  ただ、そうした検証が...いよいよ始まって行くのでしょうか...“文明の第3ステージ/意識・情

報革命”の時代の中で...」

アインシュタインは...」関三郎が言った。「悩んだ末に...

  “確信的に・・・自ら意図することなく・・・反対方向へ、反対方向へ”...を切って行ったということ

です。面白いですわ。これは...アインシュタインの、宗教性人間性人格特殊性によるものか

も知れません。ともかく、何とか、解明の糸口が見つけられないものかしら...」

「うーん...そうかしら...」

「ここは...」関三郎が言った。「茜さん...」

「はい...?」

新理論創出する、セクション(部門)担当者として...

  また...【茜・新理論研究所】としても...笑い過ごせる話ではありませんね。この、“ストーリイ

の・・・創生/偏向”は...【人間原理ストーリイ】大局から、再検討してみる必要がありそうです」

「はい...」茜が、微笑を浮かべて、うなづいた。「次の、課題になりますわ...」

「そうですねえ、」

アインシュタイン人格かあ...」マチコが、大きく口をあけた。

「はは...」関三郎が、宙を見た。「アインシュタインは...

   “神は・・・サイコロを振り給わず”と言って...【量子力学】不確実性 ...つまり、【不確定性

原理】や、“相補性”や...局所原因性否定する“量子もつれ”を、非常に嫌ったわけです...

  しかし、どうにも...“神様”は...“ギャンブル”も嗜(たしな)むし...“漫才/ボケ・ツッコミ”も好き

な、“砕けた人格”のようです。ハハ...これはまだ分りませんね...もっと深い領域に、アインシュ

タインの言う...“未知の変数”(ヒドゥン・パラメーター)が、隠されているのかも知れません...」

「うん...」マチコが、うなづいた。「“奥には奥がある”、というわよね...」

「そうです...」関三郎が言った。「これはあくまでも...

  “現・パラダイム”では、アインシュタインにとっては分が悪いということです。“神の懐”は、もっと、

もっと、“はるかに深い”のは...周知の事実です。

  私たちもまた、さらに大きな、“物の領域/物質世界”“心の領域/精神世界”の...再統合に言

及しているわけですから、」

 

「それで、さあ...」マチコが言った。「三郎さんは、どう思うのかしら?」

「ああ、はい...

  そうですねえ...私自身見解は、【人間原理ストーリイ・・・今の領域の・・・開放系ストーリイ】

は...“過去・現在・未来の方向から・・・そして、別次元からも・・・多方面の衝撃を受けている”

と、おぼろげに感じています。まあ...そう考えているということですね、」

「ふーん...」マチコが、肘を抱いた。「私たちの...“日常/今のストーリイ”というのはさあ...そ

んなに、複雑なものなんだあ...」

「まあ...複雑かどうか...

  ともかく...全体構造が分からないということです。分からないという意味では...まさに、複雑系

の塊かも知れません。分かっているのは、全てが...“1人称・・・自我の鏡”投影され...認識

が始まっているということです。

  “最大の疑問は・・・私自身/自我のメカニズム・・・であり自我の座標系”...ということかも知

れません」

「ふーん...」マチコが、頬に手を当てた。「つまり...“ヒッグス粒子”質量を獲得したようにかあ、」

「そうですね...

  その...“主体/1人称が集まり・・・相互主体性世界を形成”...しているようです。そして、そ

れはボーズ粒子のように、“1点に・・・幾らでも入り”...“ホモサピエンスの・・・種の意識体”

中に...“文明社会を・・・言語的/シンボル的に形成し”...し“ベクトル/力と方向”を持ってい

る、ということです。それが、物理世界ジオグラフィック(地理)補完し...リアリティー(迫真)接近

するようです。

  まあ、そこで...一応、“時間軸に沿うように”...“ストーリイ”開示されて行くのでしょう。何故

こんな現象が、発現しているのかは分かりませんねえ...

  私たちから見た場合...問題は、その【人間原理ストーリイ】形成の...“偏向/バイアスの

問題”です...“何故・・・漫才化”、して行くのか...

  うーむ...今頃、アインシュタイン自身は...天国で、どう思っているのでしょうか?頑固なようで

すから...おそらくは、自説は変えてはいないのでしょうか...はは...」

「うーん...それは、ありうるわよね...」

「ええと...」茜が、手を立てた。「それでは...次は、“漫才定数”の方ですね、」

「はい!」マチコが、コクリとうなづいた。「そして、その背景にある風景として...

  ええと...“霊魂が介在する座標系の・・・共時性/意味のある偶然の一致・・・過不足のない

真理空間ストーリイの揺らぎ・・・”...を考察するわけですね、」

“共時性”(/英語: Synchronicity・・・シンクロニシティ) は...」茜が、モニターに目を投げた。「ユング心理学

に出て来る言葉ですね...

  したがって、本来なら...シンクタンク=赤い彗星心理学担当綾部沙織守備範囲

となっています。でも...ここでは表面的なことですので、私が説明します...」

「はい...

  ええと...沙織さん響子と一緒に、《軽井沢基地》にいるわよね...私の代わりに、《万葉集

の考察》参加しているはずです」

「はい、そのようですね...」茜が微笑し、コクリとうなづいた。「あ、一言だけ説明しておきますと...

  “共時性/シンクロニシティ・・・意味のある偶然の一致”とは...非・因果的な...複数の事象

生起決定する法則原理として...これまで知られていた因果性とは異なる原理として...カール・

ユング(スイスの精神科医・心理学者/1875年 ~ 1961年/深層心理について研究。フロイトを師とし、ユング心理学を創設)によって

提唱されたものです。

  つまり、複数の事象が...“偶然の一致・・・意味・イメージにおいて・・・類似性・近接性を見せ

る時...従来の因果性では何の関係性も持たない場合でも...これを、“共時性・・・シンクロニシ

ティの作用”、と見なすわけです」

「うーん...」マチコが、うなった。「ともかく...そういう方向で、考察開始します...

  あ、ページが長くなってしまったので、 また新しいページを作成し第3部とします。ええ、どうぞ、

期待下さい!

 


                                 


第3部・・・ 新ページを作成

〔3〕 真理/時空間における          


意味のある偶然の一致・・・共時性/シンクロニシティの衝撃!      

                     

 

 

MoMA(ニューヨーク近代美術館)コレクション         

                          

                                          こちらにも、別のもの がございます

 

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