MenuMy Assistant Deskマチコ・in・永田町/(真剣勝負)/2012=妖怪憑依説・VS・漫才定数説
        ミッション/永田町・考   <第1部>   
  
 
   妖怪憑依・説 VS  漫才定数・説  

              
 (ようかい)    (ひょうい)                               (ていすう)

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プロローグ        ミッション/永田町・考          2012. 7.12 
No.1        川柳・・・/永田町 2012. 7.12
No.2 〔1〕 永田町/妖怪憑依・説とは・・・   2012. 7.12 
No.3       <マチコ in 永田町> 2012. 7.12
No.4        永田町の・・・地理> 2012. 7.12
No.5       <太陽系大航海と・・・/妖怪憑依・説> 2012. 7.12 
No.6       <アインシュタイン方程式> 2012. 7.12

 
      


プロローグ  

        ミッション/永田町考・・・破局点  


  政治ストーリイ漫才化の怪・・・結界の破れか?/情報の海

                       



               政治家のお仕事は?                

                                     《真剣勝負・・・第1弾》      

       妖怪憑依・説 VS 漫才定数・説 

                                                《真剣勝負・・・第2弾》 


 

「マチコです...“永田町/妖怪憑依・説”...は長らくお待たせしました。

  このテーマは、長年研究を続けてきたのですが、私の力不足/多忙のために、まとめ上げることが

できませんでした。申し訳なく思っています。

  そこで、今回...【茜・新理論研究所】秋月茜さんと... シンクタンク=赤い彗星

工学・理論派/関三郎さん...それに、My Weekly Journal政治・部長/青木昌一さん

力を結集し、何とかまとめようと思っています...ええ...皆さん、そういうわけで、よろしくお願いし

ます!」

 

「難しい複雑なミッション(任務・使命/・・・義務・タスク)ですが...」秋月茜が、白い歯を見せた。「頑張って

みますわ...大変そうですが、楽しい仕事になりそうですね」

「ハッハッハッ...」関三郎が、陽気に笑った。「“永田町/妖怪憑依・説”ですか。いいですねえ。私

の方は、“漫才定数・説”ということですが、一応、そのラインで考察しておきました」

「はい!」マチコが、元気よく頭を下げた。「ありがとうございます!」

「ま...」青木昌一が、破願し、眼鏡に手をかけた。「ひとつ、よろしくお願いします...

  永田町には...国会議事堂があり、心霊スポットもあるらしいですから、全く的外れということはあ

りません。ともかく、このエリアは、いろいろな意味で、妖怪の巣窟とも言われます。

  魑魅魍魎(ちみもうりょう/人に害を与える化け物の総称)跋扈(ばっこ)し...百鬼夜行(ひゃっきやぎょう/色々な化け物

が、夜中に列をなして出歩くこと)があらわれ...残留思念の渦巻いている所です。

  ここに新しい、まったく別の角度から、探求の光を当てるのは、大いに意味のあることかも知れませ

ん。政治が、ここまで漫才化してしまってたのは、もはやただ事ではないのは確かです」

「うーん...」マチコが言った。「そういわれると、真実味を帯びて来るわよねえ...」

「ハッハッハッ...」関三郎が、また大笑いをした。「そうですね...

   SPring-8 (スプリングエイト/Super Photon ring-8 GeV/・・・兵庫県・播磨科学公園都市にある大型放射光施設・・・和歌山毒入

りカレー事件で、亜ヒ酸の分析に用いられたことで有名・・・)シンクロトロン放射光を当てれば、何かが見えて来るか

も知れませんねえ...ハッハッハッ...」


                  

 青木 昌一                               関 三郎                  秋月 茜     折原 マチコ


「ええ...」マチコが、コブシを握った。「ともかく...

  この国家の中枢エリア異常事態は、以前から注目してきました。それが、昨今の、崩壊寸前

田町/立法府・風景と相まって...緊急を要する事態になってきたわけです。

  うーん...“漫才劇場”として、笑って眺めていられる状況ではなくなったということですよね。そこ

で、《企画室》の方から、“永田町/妖怪憑依・説”白羽の矢が立った次第です...ええと、まず、

これまでの、“関連する・・・永田町川柳”を紹介しておきます。これは、時間的経緯にもなります、」

 


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   永田町 ・・・ 川 柳  
(選者/星野支折)


面白うて やがて哀しき チルドレン             .....(一風/・・・ ボスの俳号

面白うて やがて哀しき 漫才劇場     .....(一風

古時計 隣は何を する党ぞ        .....(一風

清濁を あわせ呑み過ぎ 腹下し       .....(投句/折原マチコ ) 

下痢の国 漫才劇場 拍手なく      .....(投句/折原マチコ )

満月に 民の離船や 総選挙        .....(投句/秋月 茜 )

永田町 ぬらりひょんと 連れ小便     .....(投句/折原マチコ )

 
 
             

******************************************************************

 

「ふーん...」マチコが、しみじみと頭をかしげた。「これまでの...経緯を説明すると...

  多士多彩な...学者/評論家/勤勉な日本国民も...現状の永田町(国会議事堂を中心に・・・首相官邸、

衆議院議長公邸・参議院議長公邸、諸政党の本部が立地)/霞ヶ関(永田町と隣接する官庁街・・・日本の行政中枢機能が集中

状況は、まさに...“理解不能/対処不能”...になっていますよね。

  最近/5月7日...ゴールデンウイーク明けに...そのあたりを歩いてみたのですが...やはり、

 “何か変だ!”...という感覚がありました。ゲゲゲの鬼太郎さんが、髪の毛をピンと立てて妖気

感知するように、私もただならぬ妖気無気力充満しているのを感じました。

  このことを、すぐに、《企画室》の響子さんに報告した経緯があるわけです。そのことで、《企画室

/企画・会議》の方で、“永田町/妖怪憑依・説”がピックアップされました。新・理論の角度から、

理論的・解明を急ぐということになりました。長年の懸案でしたので、いよいよ、解明に着手です...」

 

「うーん...」マチコが、モニターをスクロールした。「この解明は...

  正当セオリー(理論、学説)からのアプローチでは、 解析不能となっているわよね...やはり、真に

“霊的/超常現象”...が深く関与しているのでしょうか?

  最悪の場合...妖怪等/百鬼夜行が...永田町・霞ヶ関を、すでに完全支配していることも、十分

考慮する必要もあると思います。

  あ、それから...《真剣勝負・・・第1弾/政治家のお仕事は?》...で私たちは、もう1つ別の

仮説...“永田町/漫才定数・説”...も提唱しています。それは、以下のような経緯です...

 

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                                                         (マチコ談)

アインシュタインはさあ...

  宇宙論に、“宇宙定数(/真空エネルギーと考えられる)を導入したり、それを引っ

込めたりして、迷ったと言われるけど...今の日本の政治は、“漫才定数”

導入すれば、スッキリと理解できるのかしら...?」

***********************************************************

 

  ええ...ここから...《永田町/漫才定数・説》...の考察も開始したわけです。でも、多忙もあ

り、私の両手に余るものでした。そこで今回、新・理論を専門とする、【茜・新理論研究所】秋月茜

さんと、 シンクタンク=赤い彗星工学・理論派/関三郎さんに、理論的考察展開

お願いしました。あ、もちろん、理論・提唱者としても頑張ります。

  形式としては...《真剣勝負・・・第1弾/政治家のお仕事は?》に続き...《真剣勝負・・・第2

弾/妖怪憑依・説 VS 漫才定数・説...ということにしました。よろしくお願いします。

  メンバーもそろいましたし、面白い展開になりそうです。どうぞ、今後の展開にご期待ください!」

 

〔1〕  永田町/妖怪憑依・説  とは・・・                     

 
 
 
    
         

 

<マチコ in 永田町> 


「うーん...」マチコは、梅雨空の雨の中で、永田町道路標識を見上げていた。「永田町かあ...

  ゲゲゲの鬼太郎さんがいなくなって...もう、久しくなるし...ビビビのねずみ男さんも、最近は

すっかり姿を見ないわよね...

  小泣きジジイも、姿を消したし、淋しくなったわねえ...あ、もちろん、砂かけババアネコ娘は健

在だけどさあ...」

ネコ娘はよう...」雨に濡れそぼって立つ、ポン助が言った。「仲間を増やしているよな。そんな小娘

が多くなったようだぞ...一反もめんもよう、似たような女とつるんでるよな...」

「うん...」マチコが、小さくうなづく。

  マチコは、妖気の漂う...雨で光るアスファルト舗装を眺めていた。黒い車が1台、濡れた車道を

流して行く。誰が乗っているのかしら、とマチコは窓を見た。が、白いカーテンがあって中は見えなかっ

た。

「うーん...」マチコが、コウモリを大きく上げ、雨空を見上げた。「今...永田町元気なのは、誰か

しら...あ、妖怪で...だけど...」

「やっぱり、よう...」ポン助が言った。「民主党の...

  八百八狸(はっぴゃくやだぬき/『松山騒動八百八狸物語』)と...ボス刑部狸(ぎょうぶだぬき/伊予・松山に伝わる化

け狸)だよな...未曾有大反乱を引き起こしてるぞ...

  自民党では...神棚へ引っこんでいたぬりかべ/親分(ミスター神の国)と...たんたん坊が元気だ

よな...ラッキョは、口に放り込んで終わりだけどよう...公明党小泣きジジイは、引退したよう

だよな...

  国民新党シーサー(沖縄の獅子の妖怪/沖縄では、建物の門や屋根などに据え付けられ、悪霊を追い払う)も、元気だ

ぞ。ゲゲゲの鬼太郎子分でよう、オレの友達だよな...いい奴だぞ、」

「あ、そうなんだ...ポンちゃんの友達なんだあ」

「おう...」

  また1台、黒い車が通った。マチコとポン助は、人通りのない濡れた歩道を歩いた。

「うーん...」マチコが、コウモリを両手で持った。「問題は、刑部狸反乱よねえ...本当に、予想

クーデターだったわねえ...あ、この場合、クーデターとは言わないのかしら...」

小泉・政権は...」ポン助が、濡れた樹木を見上げた。「“民意を背景にして・・・自民党をぶっ壊し

た”けどよう...野田・政権は、“官僚を背景にして・・・民意をぶっ壊した”よな...こんな、民主党

は、国民支持した覚えはないよな、」

「そうなのよね...やっぱり、この大混乱は、妖怪大戦争の始まりなのかしら...?」

刑部狸は...」ポン助が、雨に濡れ、うなだれて言った。「手ごわいよな...」

「そうかあ...ポンちゃんは狸だもの、よく知ってるわよね...」

刑部狸は...八百八狸大軍勢を動かしてよう...妖怪獣をあやつってよう...実力日本を

制圧して、国民を奴隷化してしまうよな...」

「うーん...鬼太郎さんも、かつて苦戦した相手よねえ...」

「そうだよな...」ポン助が、濡れた頭に手を当てた。「民主党はよう...

  八百八狸に乗っ取られたのかも知れないよな...何処かの・・・シロアリ軍団と、手を組んでいる

かも知れないよな...」

  ザーッ、と雨が強くなッた。ポン助はマチコのコウモリの下に入った。すると、ピカッ!、と天空の一

角が激しく光った。直後に...ガラ、ガラ、ガガーン!...と割れるような雷鳴が、一帯の天空に轟

いた。それに続いて、雨空に巨大な雷鳴が渦巻き始めた。雲の中から、竜/ドラゴンが下りて来るの

かと思われた。

  凄まじい雷鳴威圧の中で...マチコが、かろうじて議事堂のてっぺんを見た。かつて...2003

年9月3日/夕刻...国会議事堂のてっぺんに、“ 天の雷 ”(てんのいかずち)直撃していた。また、そ

の、“ 天罰の雷 ”かと思った。が、白い雨糸にかすんで...議事堂はそこに静まっていた。 

 

                        

永田町の・・・地理>      

 

  マチコが、突っ立ったままコーヒーを飲んでいる...自分たちの、永田町・ルポ(/仏語・・・ルポルタージュ

/現地からの報告・・・)の映像を見ていた。マチコが、コーヒー・カップを、カチャリと受け皿に置く...

「うーん...」マチコが、腰に手を当てた。「くり返しますが...

  今回の《真剣勝負》は...“永田町/妖怪憑依・説”(ようかいひょうい・せつ))VS(ver sus/対))“漫才常

数・説”(まんざいじょうすう・せせつ)...というテーマです。難しいテーマですので、あらためて、背景を説明

します」

「はい...」青木昌一が、口を開き、ツイと眼鏡を押した。

 

「ええと...」マチコが、茜の横の椅子に掛け、スクリーン・ボードを見上げた。「皆さんは...もちろん

承知していると思いますが、あらためて、地理的関係を説明します。

  いわゆる...“永田町”は...東京都/千代田区/永田町のことです。ここには、国会議事堂

立地しているわですね...日本の政治の中心地/心臓部...です。

  その南側は...大きく下っていて、霞が関官庁街があります。その向こうは、日比谷公園がです

ね。霞が関・・・と呼ばれる官庁街エリアは、日本の行政組織の中枢になります。警視庁/特徴の

あるビルも、この一角/桜田門にあります。

  それから、最高裁判所は、“永田町”をはさんで、北側の・・・お堀端/隼町になります。“隼町・永

田町・霞が関”は...東側内堀/桜田濠(さくらだぼり)に面しているわけですが...お濠(ほり)の向こ

うは、旧・江戸城の森《 皇 居 》が、広がっています。

  つまり、ここは...地理的にも、政治・行政的にも、シンボル的にも...《日本の権力中枢/司法

・立法・行政府・・・シンボルの中枢/千代田の森》...となっています。そして、周辺にも、《様々

な・・・国家中枢機関》集中しています。

  ええと...秋月茜さん、関三郎さん、そして、青木昌一さん...どうなのでしょうか?本格的・解明

は、今後、徐々に進めて行くとして...まず、一言づつ、コメントをお願いします...」

「そうですね...」青木昌一が、秋月茜の方を見た。

 

太陽系大航海と・・・ /妖怪憑依・説                     

               

 
「はい...」茜が、難しい顔で、青木とマチコにうなづいた。「本当に...

  この...《先進的/文明国/日本の・・・中枢エリア・・・千代田区/永田町》で...一体、何が

起こっているのでしょうか?世界中が、目をみはり、耳を傾けている...ところだと思います。

  ともかく...“悪霊”“妖怪”“残留思念”“精霊”...などと表現されてる何者かが...“文明

の第3ステージ/意識・情報革命”という、次世代・パラダイムにおいて...本格的に、学問化/構造

が、試みられて行くとになるのでしょうか...?」

「すでに...」関三郎が言った。「人類文明は...

  こうした問題を、“分析/統合的に扱える・・・文明の第3ステージ”...に突入しているのでしょう。

その自覚が必要ですね...もはや、“食物連鎖の喧噪/弱肉強食のパラダイム”には、いないという

ことです...その野蛮から、離脱していくということです。その情熱は、残しつつ...」

「はい...」茜が、関三郎にうなづいた。「その難しい課題は、後で考察していくとして...

  かつて...“太陽系の中には・・・ニュートン力学で、説明のきないものはない”...とまで言われま

した。イギリス/ロンドン/王立研究所で、ケルビン卿(イギリスの物理学者/多方面で活躍)が講演したことで

知られていますが...

 

“物理学をおおう雲は・・・今や黒体輻射の問題と、マイケルソン=モーレーの実 

 験の問題の、2だけしかなくなった・・・その雲も、疑いなく、やがてなくなるだろう”

 

  ...と豪語したそうですね。でも、この“黒体輻射の問題”から、“プランクの定数”(h=6.626×10-34

が引き出され、量子仮説が、掲げられたわけです。これは、マックス・プランク(ドイツの理論物理学者/

ノーベル物理学賞を受賞)業績です。

  また、“マイケルソン=モーレーの実験の問題”の方は...アインシュタインの、最初の論文/

電効果に関する論文が、その暗雲を取り除いたわけですね。これは、プランクの、電磁波の量子

モデルを、光に適用したものです。つまり、光量子/光子という概念登場です。 

  そして、同年(1905年/日露戦争の日本海海戦の年、後を追うようにして発表されたのが、特殊相対性理

であり、一般相対性理論が提唱されるのが、1916年です。さらに、1925年には...ハイゼ

ンベルク(ドイツの理論物理学者/ノーベル物理学賞を受賞)“行列力学”と...シュレーディンガー(オーストリアの理

論物理学者/ノーベル物理学賞を受賞)“波動方程式/波動力学”から...量子力学が、誕生しています」

「うーん...」マチコが、うなった。「それが、量子力学なんだあ...」

「そうですね...

  ええ、そういうわけで...20世紀初頭に、“物理学のパラダイムシフト”があったわけですが、そ

れが、“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”という...科学技術・文明時代を、創出してき

たわけです。

  そして、20世紀は...反面“戦争の世紀”でもあり...“原子爆弾”“核融合爆弾”、も創ら

れました。エネルギー革命でしたが、それは主に...“粗野な・・・熱運搬エネルギーの段階”

した。現在、存続大問題になっている“原子力発電”も...そうした“20世紀の負の遺物”です、」

「はい...」マチコが、うなづいた。「“核兵器”もその範疇(はんちゅう)かあ...」

「そうです...」茜が、うなづいた。「“原発”は、超大型“原子爆弾”を、非常にゆっくりと爆発させ、

その熱お湯を沸かし、蒸気の力タービン発電機を回しているものです...」

「うん...」マチコが、短くうなづいた。

 

「さて...」茜が言った。「私たちは...

  コンピューター技術イノベーション(技術革新)と、ヒトゲノム・解読イノベーションを経て...徐々

に、“文明の第3ステージ/意識・情報革命”の時代に...足を踏み入れて来ているようです。そこで

は...“微細な・・・情報運搬エネルギー・・・の発達段階”...に到達しているということです。

  生命体/生態系システムは、こうした幾層もの、膨大な情報エネルギーによって構成され...流さ

...その“情報の海/・・・遺伝子の海”で...調整され、進化しているということですわ...様

々な新興感染症も、そうした全体制の、ホメオスタシス(恒常性)セクション(部門)から生み出されて来

ると考えられます」

「まあ...」関三郎が、手をひらいて上げた。「宇宙・物理空間にしても、そうです...

  物理法則支配しているのは、その関係性であり...それを繋ぐのは情報なのです。ブラックホー

は、“事象の地平面”と言われますが、それを観測するコトそのものが、情報なのです。CERN(欧州

合同原子核研究機構)ヒッグス粒子が発見されたようですが...そうした、未知の法則性・関係性を結ん

でいるのも...いわゆる...情報の相互作用存在しているからです...」

「はい...」茜が、かすかに微笑して、うなづいた。「そして...今...

  “永田町問題/・・・永田町・妖怪憑依・問題”から...“物理学を超える・・・巨大なパラダイム

シフト”...が起こるかも知れないということですね...それが...“ニュートン力学を打ち破る・・・

残った2つの問題”...になるかも知れないということですね。うーん...大変なことになりました、」

「はい!」マチコが、コクリとうなづいた。

 

                  

 

     

   小惑星探査機/はやぶさ・・・想像図                 ボイジャー1号              ボイジャー1号の構造図

<Wikipedia より・・・パブリックドメインの画像を借用>            <Wikipedia より・・・NASAの画像/パブリックドメイン/著作権フリー>

  


「さて...」茜が、スクリーン・ボードを眺めた。「では...

  現在人類文明の状況を見てみましょう...太陽系の版図(はんと)は、望遠鏡で眺めていた時代

から、太陽系空間への大航海時代に入りつつあると言えます...日本“小惑星探査機/はやぶ

さ”も、このことに大きく貢献しています...」

「うーん...」マチコが言った。「“はやぶさ”かあ...アレは、感動したわよね...」

「そうですね...

  日本“小惑星探査機/はやぶさ”は...2003年/5月に、鹿児島県/内之浦・宇宙空間観測

より...M−Vロケット5号機で打ち上げられました。

  この内之浦・宇宙空間観測所は...JAXA(ジャクサ/宇宙航空研究開発機構)施設1つで...種子島

宇宙センターとは別に、九州本土にあるロケット打ち上げ施設ですね。おもに、科学観測用衛星の打

ち上げと、追跡・管制を行っているようです」

「あ、そうなんだあ...」マチコが言った。「同じ所じゃないんだあ...」

「そうです、」関三郎が、短い髪をパラリとなでた。

「この方面は...」茜が、口をすぼめた。「三郎さんが、詳しいのですね」

「ハハ...拝聴します」

「はい。お株を取って、すみません。間違っていたら、訂正してください」

「はい...」関三郎が、うなづいた。

 

「ええ...

  “小惑星探査機/はやぶさ”は...“小惑星/イトカワ”から表面サンプルを採取...次々と、

大トラブルに遭遇しつつ...予定外7年に及ぶ太陽系・大航海を終え...2010年6月13日/

22時51分...約60億Kmに及ぶ大冒険旅行を終えました。

  小惑星サンプル・リターン計画任務を全うし...地球大気圏再突入しているわけですね。地球

重力圏(/月)以外の天体での...“固体表面に着陸・・・サンプル・リターン”...は、世界初快挙

いうことです。

  “はやぶさ/本体”は...地球/大気圏で燃え尽きてしまいました。これは予定どうりですね。そ

して、“はやぶさ/サンプル容器”の収められたカプセルの方は...パラシュート南オーストラリ

ア/ウーメラ砂漠に、無事着地しています。これは、つい2年前のことですから、記憶も新しいと思い

ます...」

「うん...」マチコが、大きくうなづいた。    

 

「それから...」茜が、自分のモニターに目を落とした。「太陽系空間大航海といえば...

  最も遠くへ到達しているのは、惑星探査機/ボイジャー1号です。2005年/5月/24日...ボイ

ジャー1号が、太陽系の果てにある...“末端衝撃波面”に到達しています。

  太陽から...太陽系外縁部に到達する、球形高速度太陽風は...最終的には星間物質

(/恒星間・宇宙空間に分布する、希薄物質の総称・・・)との衝突や、星間磁場によって減速され、“末端衝撃波面

/球形”を形成しています」

「うーん...」マチコが、頭をひねった。「それは、さあ...シャボン玉のような形かしら?」

としては...」関三郎が言った。「3次元球形です。歪んでいるかも知れませんが...

  その“末端衝撃波面”外側は...低速度太陽風星間物質とが混ざり合う、“ヘリオシース”

いう広大衝撃波領域で...その外側“ヘリオポーズ”で、完全に星間物質に溶け込んでいるよう

です。ここが、太陽系の最果てになります。ボイジャーは、ここに到達しているようです...」

「三郎さん...」マチコが言った。「ボイジャーは、いつ地球を、出発したのかしら?」

「うーむ...

  ボイジャー1号は...ええと...1977年/9月5日に打ち上げられていますね。故障の関係で、

ボイジャー2号の方が...半月ほど前の、1977年8月20日に打ち上げられたようです。したがって、

2号の方が、兄貴分なわけです。製作されたのは、後になるのでしょうが...」

「双子でもさあ、先に生まれた方が、兄よね、」

「そうです...

  それから...茜さんが言ったように、このボイジャー1号は、地球から最も遠い距離に到達した人工

物体となっています。現在、太陽の影響圏/“ヘリオポーズ”から、星間空間へ入りつつあります。ボイ

ジャー2号の方は、ボイジャー1号パイオニア10号に次いで...地球から3番目に遠い位置にあり、

別の方向へ遠ざかりつつあります」

「もう、太陽系から、出たのかあ...」

「そうですねえ...

  ええと...今年/・・・2012年6月18日/現在...ですが...太陽から約180億kmの距離

を、時速/約6万kmで遠ざかっているようです。2012年/年末には...“ヘリオポーズ”を突き抜

け、太陽系外探査へ踏み出すようです。

  ま、詳しいことは...NASA(アメリカ航空宇宙局)ホームページで確認してください...」

「はい...」マチコが、うなづいた。

 

                                  

<ボイジャー2号・想像図・・・NASA/パブリックドメイン>

「うーん...」マチコが、腕組みをした。「“ヘリオポーズ”かあ...そこが、私たちの、太陽系の果て

んだあ...」

「そうです...」関三郎も、腕を組んだ。「“ヘリオポーズ”(Heliopause)とは...

  太陽から大量に放出された太陽風が...星間物質銀河系磁場衝突して完全に混ざり合う、い

わゆる“境界面”のことです。太陽風の届く範囲を、“太陽圏/太陽系圏/ヘリオスフィア(Heliosphere)

などと呼ぶわけです。その外側宇宙空間/局所・恒星間雲との、“境界面”を表す用語です」

「はい...」マチコが、スクリーン・ボードを見た。

「ええと...」茜が、続けた。「いいですか...

  くり返しますが...現在、ボイジャー1号は、地球との通信に、片道/約13時間を要する距離まで

遠ざかっています。こちらのデータでは、2010年12月には、太陽風速度/ゼロ領域に到達してい

ます。NASAの計算によれば、約4年後には、“ヘリオポーズ”を超えると推定しています。

  これは...三郎さんのデータの方が、新しいというわけですね。1ヶ月以内データですから...」

「はい...」関三郎が、口を押さえた。「そういうことですが...

  すると...“ヘリオシース”/衝撃波領域を、2年ほどで抜けた計算になるのかな。4年ほどかかる

推定されていたものが、」

  マチコが、無言でスクリーン・ボードを眺めた。

「ちなみに...」茜が、モニターを見ながら言った。「ええと...

  ボイジャーは...原子力電池出力低下にともない...全ての機器電源を入れておくことが出

来なってきています。ボイジャー完全・稼動停止になるのは、ボイジャー1号2020年以降...

イジャー2号の方は、2030年以降だそうです。

  でも...地球との、通信/情報交換は途絶えても...ボイジャーはその後も、星間旅行は続けて

行くわけです。ホモ・サピエンス象徴として...

  そして、そう遠くない時期に...ホモ・サピエンス超高速・探査機が、ボイジャー追い抜いて行

ことも、可能性大なのかも知れません...」

「そうです...」関三郎が、ゆっくりとうなづいた。「100年は、ほんの一昔ですからねえ...」

 

「ええ...」茜が、作業テーブルを見回した。「人類文明は、このように、いよいよ太陽系空間を越え、

星間空間に突入しつつあります...

  でも、一方...“人類文明の・・・内なる探求の荒野”も...物理的・宇宙空間をはるかに凌ぐ、

“複雑な幾層もの深遠世界・・・複雑系/開放系システム・・・心の領域への統合・・・”...へと、

向けられて来ています。

  今回の...ミッション/永田町・考・・・<永田町/妖怪憑依・説...の考察は、そうした文明

の未開領域へ踏み込んで行く、序章なのかも知れません。

  “先人の残した文献”なども、山のようにあるわけですが、まずは、私たちの推理を展開したいと思

います。力不足重々承知していますが...どうぞ、ご期待下さい!」

 

〔2〕 永田町/漫才定数・説とは・・・     


             

 

「さて...」関三郎が、ドン、と両手をテーブルに置いた。「今度は、《永田町/漫才定数・説》という

ことですね...」

「はい...」マチコが、うなづいた。「私の両手に余るものでした...よろしくお願いします!」

「ハハ...」関三郎が、陽気に顔を和ませた。「うーむ...

  アインシュタインが、一般相対性理論(重力理論)/重力場方程式= アインシュタイン方程式 に導

入した“宇宙項”の、“係数・・・宇宙定数”を持ち出して来た...いうことですか。

  このエネルギーは、知りうる限りの、莫大なものです。これは...“物理的・宇宙空間の・・・空間

自体が持つ・・・莫大な真空エネルギー”...のことを指しています。まあ、現在、そのように推定

れている、と言うことです」

「あ、ええと...」マチコが言った。「三郎さん...

  まず、確かめたいんだけど...“何も存在しない空間・・・完全な真空”でも、ものすごいエネルギー

を持っている、ということなのかしら?」

「そういうことです...」関三郎が、コクリとうなづいた。「ただし...

  これは、“負のエネルギー”と考えられています。電気的に、負の電荷というのではありません。エネ

ルギーそのものが、マイナスのと考えられるのですが、実態はよく分かっていないようです。現代科学

では、捕捉されていないエネルギーです」

「でも...理論的には、予測されているんだあ...」

「そうです...

  “ディラックの海”(/真空での負エネルギーの電子の海・・・ディラックの海の空孔は、正のエネルギーを持ち、反粒子に対応する)

という言葉ありますが...これは、ディラック(Paul Dirac /1902年 〜 1984年/イギリスの理論物理学者/量子力学及び

量子電磁気学の基礎づけについて多く貢献。1933年に、波動力学のシュレーディンガーと共にノーベル物理学賞を受賞)が、仮定した

概念です。まあ、後に...概念の拡張解釈の見直しが行われているようですね...

  ともかく...“真空”というものが、観測のできない...“負のエネルギーを持った・・・電子で満た

されている”...とする概念のようですね。

  つまり...宇宙空間という無限の空間が...膨大負のエネルギーで・・・ギッシリと満たされ

...と考えればいいようです。いずれにしても、このあたりのことは、まだよく分かってはいないの

です。これから、本格的な研究が始まっていく領域になるようですね」

「うーん...でも、そういうことなんだあ...」

「ま...おいおいと説明しますが... 

  ええ...その意図から類推すると...“漫才定数”というのは...“永田町/政治ストーリイ・結

晶化の・・・強大な変動要因・・・”...具体的には...“ボケ/ツッコミ・エネルギーの・・・ストー

リイの偏向動因・・・?・・・”...その強烈干渉・エネルギーということになるのでしょうか...?

  しかし、この、“新しい・・・情報科学・・・の力学系”創設には、幾つもの基盤的・条件整備が必

要になりますねえ...そう簡単にはいかないものがあります。ま、そのために、私や茜さんが、呼ば

れたのでしょうが、」

「うーん...」マチコが、腕組みをして、コクリとうなづいた。「そうかあ...あ、もちろん、そうなんだけ

どさあ...」

「ハハ...」

「私は...

  ただ直感的にそう思ったわけだけど...分析的考察すれば、そういうことになるのかしら。漫才

だから...“ボケ/ツッコミの・・・エネルギー”かあ...でも、確かに、不思議現象よねえ...ど

うして、政治の流れの中に、こうもはっきりと...“ボケとツッコミの現象”...が現れるのかしら?」

「ホホ...」茜が、口に手を当てた。「そうですね...

  確かに...誤差偶然として、無視できるレベルではありませんね。実に、不思議ですを。これに

は...伝統的・日本文化や...上位レベル・意識...“霊魂”超越的・思念エネルギー”...と

いうものが、不可分関与しているようです...それを、これから見ていきましょう...」

「うーん...」マチコが、大きく肩をかしげた。「あ、そうそう...

  ヒッグス粒子発見されたようだけど...“ボケ/ツッコミの・・・エネルギー”もさあ ...“ファイ

ンマン・ダイアグラム”(場の量子論において、摂動展開の各項を図示したもの・・・リチャード・P・ファインマン/ノーベル賞受賞/量

子電磁力学の創始者の1人/提唱されたファインマン・ルールにのっとって計算すると、素粒子の振る舞いを記述できる)表現できる

のかしら...?」

「ハッハッハッ!」関三郎が、テーブルを叩いて笑った。「だから...それには...幾つもの条件クリ

が必要です!」

「うーん...」マチコが、ポン助の方を見た。「分からないエネルギーよねえ...

   意識エネルギーかあ...大関/琴奨菊(ことしょうぎく)イナバウアー(/フィギュアスケート・金メダリストの荒川

静香さんの得意技)はさあ...すごいエネルギーを感じるんだけど、そのエネルギーとも違うわよねえ。

太郎さんなら、髪の毛ピンと立てて...妖気(怪しい気配)を感じることができるのかしら...?」

「しかし...」関三郎が、真面目な顔で言った。「いいですか...コトは、重要で、深刻ですね...」

「うん!」マチコが、大きくうなづいた。

 

「ともかく...

  永田町...未知の変動値というものが高まり、“危険領域”突入している、ということは確か

です。それが、何者によるもので...どういう意図/構造/背景を持っているか...既存の概念/

常識を超えた...新しい視点から調べてみる必要があるようですね。国家の一大事と思われます」

「はい!」マチコが、テーブルの上で、両手のコブシを握った。

「が、しかし...

  ともかく...単純構造ではないですねえ。それに、時間的熟成されて来た...まがまがしい

モノ を感じます...」 

「うん...」マチコが、素直にうなづいた。「そうよね...

  それが...ミッション/永田町・考/・・・<永田町/妖怪憑依・説...の原点だけど、それを

現代・物理学的解釈すると...<永田町/漫才定数・説>になるのかしら...?自分で言ってお

いて、何なんだけど、そういうことなのかしら?」

「うーん...」茜が、かしこそうに頭を傾げた。「そういうことなのかしら...?

  【量子力学】成立時(/1925年)のように...当時、ハイゼンベルク“行列力学”と...シュレー

ディンガー“波動力学”同等のものであり...それぞれが、別々の側面を表現していたように、で

すか?

  うーん...<妖怪憑依・説<漫才定数・説>は...“永田町/政治力学の・・・/漫才項

を加えた・・・新/政治力学”の...別の表現ということかしら...???...どちらのアプローチ

も...2つ正しい表現/側面だと...?」

                    


「うーん...」マチコが、うなった。「そういうことなのかしら...

  2つ仮説統合して...1925年(/量子力学の成立)のように...“永田町・・・政治力学”という、

新学問が成立できないかしら...

  隣には...マニアック(ある事に、極端に熱中しているさま)だけど...“霞ヶ関・文学”という、新文学の息吹

も、いよいよ認知され始めて来たしさあ...」

「ハハー ...」関三郎が、口をあけて宙を見た。「ウーム...

  最近は...“永田町・文学”というのも、台頭してきたようですねえ...衆議院解散をめぐり...

首相・発言(野田・首相)の、“近い将来”“近いうちに”政治・文学的/解釈で、各幹事長コメント

でそろい...意気盛んな様子ですね...」

「でも...」マチコが言った。「本気で...“永田町/政治力学”の...解明は進むのかしら?」

「進めます!」茜が、キッパリと言った。「もちろん、本気で考えてみましょう」

 

肝心なのは...」マチコが言った。「日本中枢エリアで、“何か・・・異常事態が起こっている”、と

いうわけなのよね、」

「そうですね...」茜が、唇の指を当て、宙を見た。「本当に、不思議なことに...

  “日本の政治が・・・何故か漫才化して行く・・・奇病/難病にかかっている”...という現象/

病理が...観測されているのは、まぎれもない事実です。ただ、これを定量化し、測定して...再現

のある科学という方法論的・学問として構築して行くのは、非常に難しいということですわ」

「そうです...」関三郎が、うなづいた。

「もちろん...」茜が、続けた。「そうではあっても...

  次世代の...“文明の第3ステージ/意識・情報革命”時代には...こうした境界領域の問題

そ、学問的解明焦点に浮上してくるのかも知れません。つまり、“意味の世界・・・情報の海”へ切

り込んで行く、突破口となるのかも知れません」

「はい...」マチコが言った。

「そもそも...

  “私たちは・・・何所にいて・・・何を成し・・・何所へ消えていくのか?”...という大疑問がある

わけですわ。“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”軌道上にあるような、便利なロボット

作ることに価値を見出すのではなく...新しい価値観のもとでの解決策を探ります...」

「うーん...」マチコが、肩を揺らした。 



                    


「それでさあ...」マチコが言った。「私が調べたところでは...

  江戸/東京結界(霊的バリヤー)は...調べてみると...明治・政府が、新たに東京の守護を、

将門(たいらのまさかど/平安中期の武将/下総を本拠とした、関東の最強豪族)霊力ではなく...明治維新で・・・

偉業を成した人々の霊” によって...新たに取り行おうとしたらしいのよ。

  でもさあ...新しい結界は、関東大震災で破られた様子よね。真偽のほどは分らないんだけど、

以後、B−29 (第二次世界大戦末期から朝鮮戦争期における・・・アメリカの戦略爆撃機)侵入を許して、東京大空襲

ども受けている、と言うわよね...

  あ、でも...結界が破れていても...戦後復興期勢いの旺盛な時代は、大丈夫だったようよね。

それが、衰えて来た頃から...うーん...ちょうど、バブルの絶頂期頃かしら...そのあたりからさ

あ、百鬼夜行棲家(すみか)が復活したようです。あ、これは、“妖怪憑依・説”の方なんだけど...」

「はい...」茜が、ゆっくりと、冷めたコーヒーに口をつけた。

「うーん...」マチコが、肩を大きく沈めた。

< ヒッグス粒子?  宇宙定数? >               


               


「ええ...」関三郎が言った。「さて...難しい問題ですが、考察に踏み込んでみましょう...

   “宇宙定数”導入する、宇宙論/重力場方程式とは...誰もが納得する、宇宙物理学という

問領域での話です。ええ...物理的・宇宙には、“大きく分けて・・・4つの力”観測されていますね。

  いわゆる...“電磁気力”...“弱い相互作用の力”...“強い相互作用の力”...そして、

“重力”...の4つですね。また...素粒子【標準理論】によれば、前の3種類の力は、統一的

扱えるのですが、よく知られているように、“重力”統合されてはいません。

  統合されるなら...アインシュタイン【一般・相対性理論】より導かれる重力波を媒介する粒子

として、重力子(Graviton/グラビトン)という、スピン2/質量0/電荷0/寿命無限大の、ボース粒子が発

見されるはずです...」

「まだ、統合されていないのに...」マチコが言った。「分るのかしら...?」

「まあ、【標準理論】では、こうやって新粒子が次々に予想され、発見されてきたわけです」

「あ、そうかあ...」

“重力”統合は...

  これは...【量子力学/標準理論】と、【重力理論/一般・相対性理論】との統合になるわけで

すが...実は、もっと大きなもので、統合されていないものがあります。

  それは...〔物理学・・・の枠外〕問題になるわけですが...この世のもう半分を占める、〔心の

領域/精神世界〕と、〔物の領域/物理世界〕との統合ですね。

  デカルト分離した...“物の領域”“心の領域”統合されなければ...この世真理に到達

することはできません。

  マチコさんの持ち込んだ...永田町/<妖怪憑依・説>VS<漫才定数・説>は実は...“物と

心の・・・2つの領域”に関わる次世代型問題の側面を持つのです。したがって、これは、“文明の第3

ステージ/意識・情報革命”の時代において...主要テーマに発展して行くものかも知れません」

「うーん...」マチコが言った。「でもさあ...

  こうした問題は、すぐ私たちの横に転がっている問題よね...常に、私たちと一緒にあって...」

「その通りです...」関三郎が、うなづいた。「しかし、難しすぎて、これまで手がつけられなかった問

題だったのです...

  心の問題...心の力学...文化的遺伝子脈動経路は...力学系数量の学問としては扱

われてこなかったわけです。

  文化として...感情芸術快感などの系譜で...完全分離して扱われてきたわけですね。しか

し、いよいよ、そこへの切り込みが始まるのでしょうか...」

「うーん...」マチコが、頭を横に沈めた。

 

「それは...」茜が言った。「“霊魂の問題”とも、結びついてくるわけですね...?」

「そうですね...」関三郎が言った。「が、当面は、目先の問題を考察しましょう...

  【量子論/標準理論】と、【重力理論/一般相対性理論】の統合ですが ...この問題は、まさ

に、“相性の悪い夫婦のようだ”と言われます。誰が仲立ちしても、どんなに説得しても、しっくりと丸く

収まることがないわけですねえ。仲立ち・説得とは、つまり、“4つの力を統一” する、ここ数十年間

全試行錯誤です。

  この現代物理学基盤となる...ダブル・スタンダードと言われるこれらの2つの理論は、そもそも

基盤とする時間・空間そのものが、根本的違う思想で組み立てられているのです。【量子論】では

“絶対的・時空間”で記述し、【相対性理論】では、文字道理に、“相対的・時空間”になるわけです。

  それは、どのように違うのかというと...古典力学/ニュートン力学では空間を、“物質の存在か

ら独立した・・・空虚な容器”...すなわち“三次元・ユークリッド空間として記述しました。時間も同様

に、“絶対的な・・・時の流れ”として、理論構築されているわけです。しかし、【相対性理論】では、

時間不可分であり...“物質の存在の仕方により・・・変化するもの”...としているわけです。

  つまり、【相対性理論】では、“四次元・リーマン空間が導入されたわけですね。しかし、【量子論】

の方は、“絶対的・時空間”で記述しているわけですねえ...波動関数時空間というものは、そうし

た背景のもとに記述されているわけです...」

「はい...」茜が、冷めたコーヒーで、口を湿らせた。

「まあ...」関三郎が言った。「最近は...

  かつての、統一理論/“超重力理論”計算が...新しい計算法アプローチが可能となり、見

直される向きもあるようです。素粒子散乱を、“ファインマン・ダイヤグラム”表現していたものを、

“ユニタリー性の方法”とか呼ばれるもので、飛躍的簡略化できるようになったも言われています」

「はい...」茜が、胸元に手を置いた。「そんなことが、雑誌に載っていましたわね...」


      wpe89.jpg (15483 バイト)    wpe8B.jpg (16795 バイト)

              <参考文献: 日経サイエンス/2012.09/・・・特集・ヒッグス粒子・・・>


「うーん...」マチコが、ミミちゃんの耳を揺らした。「それで、【標準理論】はどうなるのかしら。“ヒッグ

ス粒子”も発見されたというのに...」

「ああ、はい...」関三郎が、満面で顔を崩した。「それは、全く問題はありません...

  そうですね...先日、最後の...“未発見粒子・・・ヒッグス粒子”、が発見された様子です。しか

し、基本的スタンスは変わりません。【標準理論】体系が、より完璧に近づいたということでしょう。

  ただし...【標準理論】も、究極の理論ではないかも知れないということです。その場合、それを超

える【超対称性理論】が...現実味を帯びてくるということです...」

「うーん...【超対称性理論】というのは、何かしら?」

「そうですねえ...

  “ヒッグス粒子”については、あと数カ月もすれば、正体がはっきりしてくるでしょう。その時に、《別

のページ》を設け、あらためて考察することになると思います。企画の響子さんも、ニュースを見なが

ら、そんなことを言っていましたから、」

「ふーん...」マチコが、うなづいた。「そうなんだあ...」

「が...」関三郎が、白い歯を見せた。「せっかくですから、少し説明しましょうか...ハハ...予備知

も必要でしょうから...」

「あ、はい...」マチコも、にっこりと笑い、髪をしぼった。

 

「ええと、ですねえ...

  “ヒッグス粒子”を発見したのは...スイス/ジュネーブの郊外/レマン湖の近くにあり...スイス

とフランスにまたがって位置する、CERN欧州合同原子核研究機構/)LHC(Large Hadron Collider/大型ハド

ロン衝突型加速器です。

  LHCは...まず中型加速器(PS)と、スーパー陽子シンクロトロン加速器(SPS)で...陽子“光

速の・・・99.999997%”まで加速します...

  この針のように細くした、“陽子バンチ・・・濃密な細長い塊”を...周長27km/東京の山手線

どの超大型加速器に取り入れ...それぞれ別々の方向へ、さらにエネルギー10倍ほど高め...

約10時間...正面衝突を起こすわけです。

  双方のエネルギーを合わせて、衝突エネルギー2倍になるわけですね。これが、今回の発表

段階で4TeV(/TeV=テブ/テラ・電子ボルト・・・1兆電子ボルト)...衝突エネルギー2倍8TeVになるわけ

です。

  もう一度、別の角度から言うと...逆向き加速した、40億個の陽子の塊/ビーム・バンチを...

正面衝突させるわけですね。リング内では、光速近くまで加速された陽子は...相対論的効果

行方向に沿って縮むので...球形ではなく、平たい円盤のようになっているそうです。その円盤

濃密に、“検出器”のところで激突し、陽子破壊されるわけです...

  この陽子どうしの激突で、陽子破壊されるわけですが...陽子というのは、3個のクォーク/陽子

は2個のアップ・クォーク と1個のダウン・クォーク・・・中性子は、1個のアップクォークと2個のダウンクォークからなる が、グルーオン

で結ばれている複合粒子なわけですね。したがって、実際の衝突は...クォーク同士や、クォーク

反・クォークグルーオン同士など、様々なケースがあって...ここから、“ヒッグス粒子”も生み出され

ると、予測されて来たわけです...」

「はい...」マチコが言った。

「それで...」関三郎が、モニターの方に目を投げた。「発見されたわけですが...

   “ヒッグス粒子”は...約10−21という非常に短時間の間に、“質量の小さな・・・別の粒子”へと、

崩壊して行くわけです。

  そして...この“検出器/巨大検出器”には...オール・ジャパン体制で参加している“ATLAS

(総重量約7000トン/総工費約600億円)と...“CMS(鉄を大量に組み込んであるため、総重量は約1万2500トン)がある

わけですね。これらは、違う方法で、同じものを追いかけているわけですが、性能的には互角のようで

す...それぞれに参加している大学も均等で、双方とも3000人ほどが従事しているようです」

「あ、そうなんですか...」茜が言った。

「そうです...ま、詳しいことは、関係ホームページ等で、確認してください」

「はい...」茜が、頭を下げた。

「さて...

  この“ヒッグス粒子”崩壊には...幾つかのパターンがあると予想されて来ました。まあ、その

想/予測に沿って...崩壊エネルギー・レベル周辺にあたりをつけ、調べていたようです。

  ちなみに、“ヒッグス粒子”は...次の5つのパターンに、崩壊して行くと予想されています...

 

**************************************************************************

 
< ヒッグス粒子の崩壊パターン ・・・ 予測 >   

 


  @  光子2個に崩壊・・・      光子 ガンマ線で、安定している。

  A  Z粒子2個に崩壊・・・    Z粒子は、さらに、電子 陽電子のペア...または、ミュー粒子

                       反ミュー粒子 のペアに崩壊する。

  B  W粒子2個に崩壊・・・       

                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <ボーズ粒子への崩壊>

                 ボーズ粒子・・・素粒子の間の相互作用を媒介する粒子/力を媒介する粒子・・・スピンが0か、正の整

                       数の粒子。光子は・・・電磁力を担うボーズ粒子Z、W、Wは・・・弱い相互作用を担うボーズ粒子

 

  C  ボトム・クォークと、反ボトム・クォークに崩壊・・・

   D  タウ粒子と、反タウ粒子に崩壊・・・

                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <フェルミ粒子への崩壊>

                 フェルミ粒子・・・物質を構成する粒子。スピンが 1/2の粒子電子、ニュートリノ、クォークがある

                       陽子や中性子は・・・クォークやグルーオンからなる複合粒子 )

                       (ボトム・クォークと、タウ粒子は・・・いずれも、負の電荷をもつ )

 

**************************************************************************

 

   ...ということですね。そして、この陽子/・・・素粒子崩壊観測するのが...“巨大検出器”

“ATLAS”“CMS”です。それから、この5つの崩壊パターンは、大きく2つに、分けられるとい

うことです。

  1つは、@ A B で...これらはいずれも、“ボーズ粒子への崩壊”です。そして、もう1方は...

 C D で、これらは、“フェルミ粒子への崩壊”であり...このボトム・クォークタウ粒子は、いずれ

も、“負の電荷をもつ”...ということです。何故、こうなのかということですね...今後の研究課題に

なるのでしょうか...」

「うん...」マチコが、うなづいた。

「そして、いいですか...

  2012年7月4日に発表された“新粒子/h”は...“ATLAS”“CMS”とも、@ A 崩壊パタ

ーンに関するデータなのだそうです。そして、今年末までの実験で、世界中研究者注目している

のは、検出器シグナルを得るのが難しい... C D崩壊パターンデータなのだそうです。この

崩壊確認したい、というわけですね...

  ああ、そうそう...“ヒッグス粒子”は...“h” の他に “H“H“H予想されています。

詳しいことは、これから話題になってくると思います」

「うーん...そうかあ...」

「ま...

  結果どの方向へ向くとしても、これが確認されれば、“ヒッグス粒子”というものの実態が分かって

来るそうです。【標準理論】完全なものにするか...【超対称性理論】向うものになるかが...

はっきりして来るのだそうです...ま、近々分るわけですから、これぐらいにしておきましょうか...」

「あの、三郎さん...」茜が言った。「【標準理論/素粒子の標準モデル】が、予言している“ヒッグス

粒子”は、1種類ではなかったかしら?」

「そうです...」関三郎が、うなづいた。「だから...

  それを超えるものが、【超対称性理論】に向うわけです。そもそも、CERN欧州合同原子核研究機構/)

LHC(Large Hadron Collider/大型ハドロン衝突型加速器は、その“超対称粒子”発見することが、建設

目的の1つにあるようです」

“ヒッグス粒子”ではない、他の“超対称粒子”をも探していると...」

「そのようですね...

  今後、2013年改修工事を行い、2014年からは、これまでの衝突エネルギー/8TeV(8テブ/8

兆電子ボルト)から、14TeVに引き上げ、実験して行くていくそうです...まあ、いずれにしても、“はっき

りする”と言いながら、ますます複雑化して行くのが科学です...ハハ...」

「はい...」茜が、大きくうなづいた。「“ヒッグス粒子”は...そんなことになっているのですか、」

「まあ...ザッと、論文に目を通しただけですが...」

「うーん...」マチコが、頭をかしげた。「あ...

  重力子(グラビトン)も...まだ見つかっていないのではなかったかしら...?」

「うーむ...」関三郎が、頭をツルリと撫でた。「これも、微妙な問題です...

  重力量子化できるものなら...重力子(グラビトン)発見できるということです。そして、これも“ヒッ

グス粒子”と同様に、力を媒介する粒子であり...ボーズ粒子ですね。

  現在、重力子を補足するための、重力波・望遠鏡稼動しています。“大型低温・重力波望遠鏡

計画/KAGRA計画”が...岐阜県/飛騨市/神岡町/・・・神岡鉱山地下深くで動き出していま

す。したがって、むろん、グラビトン(重力子)を補足するつもりでしょう。

  ここはニュートリノで有名な、“カミオカンデ”“後継/スーパー・カミオカンデ”のある所ですね」

                                           .......<詳しくは、こちらへどうぞ>

「あ、そうなんだあ...」マチコが、手を打った。「前に、そんなことを言っていたわよね、」

「ともかく...

  “ヒッグス粒子”についても、これから研究活発化してきますから、詳しく考察して行きたいと思い

ます。が、ここでは、ともかく...“宇宙定数”について、考察しましょう」

「うん!」マチコが、コクリとうなづいた。「そういうことよね...」

<宇宙定数・・・宇宙項の係数とは・・・?>     wpe89.jpg (15483 バイト)   wpe8B.jpg (16795 バイト)

            


「いいですか...」関三郎が言った。「最近宇宙観測によれば...

  いわゆる...現在の人類/人類文明に見えている物質は...全宇宙質量/エネルギー組成

の、わずか4% にすぎないのだそうです。したがって...96%は、肉眼で捕捉可能な可視光におい

ても、科学/技術を総動員した観測装置を使っても、見えていない状態と言うわけです。まあ、現在、

未知のエネルギーを補足する、幾つものプロジェクト大車輪で動き出している様子ですが。

  ええ、ともかく...96%のうち23% は...いわゆる、“暗黒物質”(ダークマター/dark matter/光学的に観

測されず・・・人間が見知ることが出来る物質とは、ほとんど反応しない・・・)であり...あとの73% は、“暗黒エネルギー”

(dark energy/・・・真空のエネルギーが、有力候補の1つとされていると呼ばれるもので...これが、“宇宙定数”に相

当する質量のようです」

「ふーん...」マチコが、「ミミちゃんの頭に指を置いた。「そうかあ...」

「いずれも...正体はまだよく分っていません...

  【特殊・相対性理論】で...質量エネルギー等価(/同値)であることが導かれているので...

これは同じ意味なのです。“暗黒物質”“暗黒エネルギー”は、日本語では極めて似ていますが、

では、“dark matte”“dark energy”となるわけで、明確に違う分類です。これは、日本語訳ネー

ミング(名前付け)が、少々ややこしかったわけですね...ま、それを承知していればいいわけです」

「ねえ...」マチコが言った。「三郎さん... 

  そもそも...“宇宙定数”というのは、何なのかしら...?自分から言い出して置いて、何なんだけ

ど...どうも、よく分からないわけよね...詳しく説明してもらえないかしら、」

「ああ、はい...」関三郎が、2度うなづいた。「詳しく説明するには、計算式が必要ですが...まあ、

計算式抜きで、分かりやすく説明してみましょう」

「はい、」マチコが、いすを引いて座り直した。

「これは...」関三郎が、モニターのマウスを動かした。「そもそも、分からないモノなんです...

  アインシュタイン喝破し...さんざん迷った“宇宙定数”(うちゅうていすう/cosmological constant)というの

は...【一般・相対性理論】“重力場方程式”の中に導入した“宇宙項”(うちゅうこう)の...“係数/

比例定数”なのです。

  つまり...粘性率膨張率弾性率などの係数と同様です。宇宙空間に関わる、係数なのです。

したがって、これは...いわゆる、スカラー量(スカラー: 大きさのみを持つ量のこと・・・大きさと、向きを持つベクトルに

対比する概念です」

「ふーん...」

「いいですか...」関三郎が、椅子の背に片腕を掛けた。「【一般・相対性理論】は、1916年発表

されたわけですね...

  そして、1917年論文では...アインシュタインは、“宇宙項・・・を新たに導入した・・・重力場

方程式...を発表しているわけです。

  ここでは、“宇宙定数”をわずかに“正”とし...“万有・斥力”導入することで...質量が持つ

“万有・引力”拮抗させ...“= 定常宇宙 =”を導いています...」

“= 定常宇宙 =”...?」

「そうです...“静かな宇宙/変動のない静的宇宙”のことです...

  【一般・相対性理論】“重力場方程式”は、よく知られているように、“アインシュタイン方程式”

とも呼ばれています。この方程式を、素直に解くと、“宇宙は・・・膨張している”、という結果が導か

れます。これは、現在では、ごく普通に受け入れられている、一般的概念ですね...

  ところが、当時...アインシュタインはこの結果仰天したそうです。“方程式の解は・・・信じが

たく・・・受け入れがたい”...ものだったようです。

  アインシュタイン科学者ですから、むろん天動説ではなく、地動説を信じていたのでしょう。しかし、

さしずめ...天動説の中で暮らしていた、中世/ガリレオ時代教皇のような、驚天動地(きょうてんどう

ち)だったのでしょうか...ハハハ...」

「うーん...天動説かあ...」

「そこで、アインシュタインは...

  自ら作った“重力場方程式”に...“宇宙項”と呼ばれる“項”を付け足すという、改造を加えたので

す。そうやって、“膨張しない・・・静的な宇宙・・・定常宇宙・・・”“重力場方程式”を、再度発表

たわけです。下に示すのは、その2つの...“重力場方程式/アインシュタイン方程式”です...」
  


    ********************************************************************

           アインシュタイン方程式        

 

    最初のアインシュタイン方程式          

    宇宙項を加えたアインシュタイン方程式    

    ********************************************************************

 

「ええ...

  つまり......“宇宙項”...になります。この“項”“係数/比例定数”が、“宇宙定

数”...ということですね。

  くり返しますが...これは、粘性率膨張率弾性率などと同様の、係数になります。したがって、

大きさのみのスカラー量で表現されます。ベクトル量のように、方向を持つ量ではないわけです。

  では、この正体は何かということになると...それほど膨大なエネルギーとなると...空間自体

持つ...“真空のエネルギー”...に相当すると推定されるようです。しかし、観測・科学実験・科

で、捕捉されているものではないわけです」

「うーん...」マチコが、コクリとうなづいた。「重力子(グラビトン)/重力波と、同じなんだあ...」

「そうですね...

  【量子論/標準理論】は...エネルギーというのは、無限に分割できる滑らかなものではなく...

“量子/粒子”のように...具体的には電子光子のように...“1個づつ数えられる・・・集合体”

らなっている、とする理論です。

  電気エネルギーは...“粒子性”という立場から細かく見ていけば...電子光子集合

であり...相補性“波動性”の立場から眺めれば、波/電磁波とも見えるわけですね...ただ

し、その両方を、同時には、観測できないという...」

「はい...」

「そして、いいですか...

  “真空のエネルギー”...真空のもつ“マイナスのエネルギー”というものを考える時...まあ、こ

れれは、“量子重力理論”から来るようですが...空間そのものの、量子化/空間の最小単位/プ

ランク・スケールプランク長:10−33/cmというものも考えられるようですねえ。

  さらに...時間量子化すると...時間子などという時間粒子想定でき、最小の時間単位

ンク時間:10−43/秒...というものも、考えられるとか言います。

  つまり、物理学の背景となる...時間空間量子化すると...最小スケール時間空間とい

う概念がでて来るようです...参考のために、こういう概念もあるということを、頭に入れておいてくだ

さい」

「でも、さあ...」マチコが言った。「空間時間最小単位なんて、あるものなのかしら...?」

「私も...」茜が、うなづいた。「思いますわ...

  時間空間というものが、プランク・スケール粒子のようなものと言われても、違和感があります

わ。ここは、その方向へ行くのではなく...“心の領域との・・・親和性”...に向かうべきではない

のかしら...」

「さあ...」関三郎が言った。「面白い所かも知れません...」

 

「ともかく...」マチコが言った。「“= 定常宇宙 =”というのは、さあ...昔からの...静かな宇宙

だったわけかあ...アインシュタインは、それを求めていたわけね、」

「まあ...」関三郎が、椅子の背に体を引き、うなづいた。「そういうことです...

  現在は...“ビッグバン理論/ビッグバン仮説”有力になっていて...こっちの方が、【標準的・

宇宙論モデル】、になっています。

  したがって、現在は、“= 定常宇宙・論 =”は、“非/標準的宇宙・論”1つとなっています。こ

んな主張を通すために、アインシュタイン“宇宙項”を加えたわけです。おそらく彼の心には、美しく

深遠な静的宇宙が、確固たるものとして描かれていたのでしょう。

  アインシュタインは、そうした思いが非常に強かったように思います。そして、若い頃はそれが良い

方へ作用したようですが、その後は、それが仇役(かたきやく)の方向へ作用したようですね。あ、このこ

とについては、“漫才定数・説”とも関わってきますので、後で考察します」 

「ふーん...」マチコが、ミミちゃんの背中をなでた。

“= 定常宇宙・論 =”というのは...」関三郎が言った。「ええ...

   “初期の・・・単純な静的宇宙観”から...天文観測的観測事実と突き合わせ、時代と共に定義

変化して来ています。最近では、“宇宙の・・・膨張加速”という予想外観測結果を受けて、“= 準

/定常宇宙・論 =”というものも、構築されているようです...」

  茜が、静かにうなづいた。

「ともかく...」関三郎が言った。「“= 定常宇宙・論 =”というのは...

  “宇宙は膨張しているが・・・無からの物質の創生により・・・任意の空間の質量は、常に一定に保

たれ・・・宇宙の基本的構造は、時間によって変化する事はない・・・”、とする宇宙モデルになります」

「うん、」マチコが、うなづいた。

「この...」関三郎が、続けた。「“= 定常宇宙・論 =”は...

  【一般・相対性理論】のもとでは...“= 定常宇宙/静的宇宙 =”は、存在できないという理論

計算があり...

  また、“宇宙膨張/動的宇宙”を示す...エドウィン・ハッブル(アメリカの天文学者: ハッブルの法則を発見。アメ

リカのハッブル宇宙望遠鏡は、彼の業績にちなんで命名されたノーベル賞受賞の通知を受ける直前の1953年9月28日に死去。ノーベル賞

は存命者のみに与えられるため、ハッブルは受賞できなかった。死後、受賞者に内定していたことが彼の妻に知らされた。これ以前は、天文

学はノーベル賞の対象外だった・・・)観測・結果などを受け...新たに考案されたものですね。

  それでも、なお、アインシュタインは、“= 定常宇宙 =”を、主張したかったわけでしょう...また、

観測的に・・・きわめて平坦に近い・・・宇宙空間”...ということも、あったわけですね。“心という

ものが・・・分割・排除された・・・物理的・宇宙空間”...では、そういうことになったのでしょうか、」

「うーん...」マチコが、首をかしげた。

 

「ええ...

  アインシュタイン没年1955年です...ハッブルよりは、2年ほど先まで生きたわけですかね。

ともかく、物理学的にも天文学的にも、“原子爆弾を創出したという意味でも、まさに、〔激動の・・・

20世紀〕でした...また、“2つの世界大戦”があり、戦争の歴史集大成された、20世紀でした。

  そして今、その時代が終わりを告げ...“文明の第3ステージ/意識・情報革命”の時代が...幕

を上げようとしています。今回の、“ミッション/永田町・考”“永田町/妖怪憑依・説” VS “漫才

定数・説” は...そうした意味でも、新時代を切り開いていくテーマかも知れません...」

「はい...」茜が、口にコブシを当てた。「“霊魂”を...学問の俎上(そじょう/まな板の上)に上げていくと

なれば...当然、そうかも知れませんね」

「その通りです...」関三郎が言った。

 

「ええと...」茜が、モニターを見上げた。「あまり、話を拡散させないでおきましょう...」

「ハハ...さうですね、」

「つまり...」茜が言った。「宇宙膨張しているのは認めても...

  から...有/物質創生が常にあり...膨張はしていても、空間質量常に一定に保たれて

いて...“= 定常宇宙/静的宇宙 =”は、それでも、ここに、存在している、ということですね?」

「そうです...」関三郎が、宙を見て、つるりと頭を丸く撫でた。「“= 定常宇宙・論 =”では...

   宇宙膨張にもかかわらず...“宇宙は・・・時間とともに変化しない”...と主張するわけです。そし

て、この主張が成り立つためには...“宇宙・密度を・・・不変に保つ必要”があり...そのためには、

“新しい物質が・・・時間ととも・・・絶えず生成されている”...という必要があるわけです...」

「うーん...」マチコが、肩を揺らした。「複雑なことを言うわよねえ...

  アインシュタインは...ともかく、“= 定常宇宙 =”を導くために...“宇宙項”を、“重力場方程

式”に入れる必要があったわけかあ...」

「ま、そういうことです...

  最初は、1917年のことですから、20世紀・初頭宇宙観です。ところが、その後、クエーサー(準星

/準恒星状天体/大きな赤方偏移を持つ・・・これはクエーサーが、地球から高速で遠ざかっていることを意味する)などの観測によっ

て、宇宙膨張明確になってきました。

  アインシュタインは...“重力場方程式”“宇宙項”導入したことを...“生涯で・・・最大の過

ちだった・・・と痛烈に後悔した”...いう有名エピソードがあります。相当に悔しがったのでしょう。

ところが、ハハ...この話には、続きがあるのです。

   【標準ビッグバン・宇宙モデル】初期条件を説明する...“宇宙インフレーション・モデル”、と

いうものが考案されました。一度は、耳にしたことがあると思います。これは、“宇宙初期に・・・時空

が指数関数的な・・・大膨張を遂げた”、とするものです。

  ところが、その原理は、“宇宙項に相当する・・・莫大な真空エネルギー・・・巨大斥力”、を背景

としているわけです。つまり、ここで再び、“宇宙項”復活して来るわけです...ハハ...」

「うーん...どういうことかしら...?」マチコが、聞いた。

「つまり...」関三郎が、頭の後ろに手を当てた。「アインシュタインが...

  “生涯で・・・最大の過ちとして・・・痛烈に後悔した”...と表明したコトが...今度は逆の方

ひっくり返り、さらに裏目が出たということです。つまり、“宇宙項”導入は、“先見の明があった”

なったわけですね。が...アインシュタインは、それを大いに後悔していたわけです、ハハ...

  後半生アインシュタイン業績は、まさにこうした...“ボケ/ツッコミ・・・のエネルギー”...

強大かつ典型的に作用していた様子です。ま、これは、あとで考察します...」

“宇宙定数”ではなく...」茜が、アゴを上げて、宙を見た。「...“漫才定数”の方ですか...?」

「うーん!」マチコが、感動して、同意した。

「ハハ...ま...本当に、どうしたものですかねえ...

   【量子論】生みの親でありながら...【不確定性原理】疑って、まだ発見されていない、“未知

の変数”があると信じ...あるいは、非局所性“量子もつれ”を嫌い...【ベルの定理】という数学

的/科学的深淵を、結果的に導き出しているわけですね、」

「そうですね...」茜が言った。「あ...【ベルの定理】は、ええと...アインシュタインが没して、9年

1964年の発表ですね」

                                          .......<詳しくは、こちらへどうぞ>

「うーん...」マチコが、椅子の背に上体を倒した。「何を...やっていたのかしら、」

「そこに...」関三郎が言った。「“漫才定数”が作用していたとしても...

  ともかく、アインシュタイン功績でしょう...ハハ...彼がいなくては、【相対性理論】も、【量子

】も、ここまでの発展はなかったでしょう。仇役がいて、主役が引き立つわけです。アインシュタイン

の場合は、最初圧倒的な主役を演じ...それが確立されると、圧倒的な仇役に回り...現代物理

を盛り上げたわけです」

「ふーん...面白いキャラクターよね、」

「そうですね...」茜が、顔をくずした。「人類の、文明史の上でも...」

「うん!」マチコが、大いに納得した。

 
               


「ええ...」関三郎が、スクリーン・ボードを見上げた。「さて...話を戻します...」

「はい!」マチコが言った。

「近年...

  遠方の超新星観測結果や...宇宙マイクロ波背景放射(CMB=cosmic microwave background/ 宇宙背景

放射/3K背景放射)観測結果から...宇宙は、加速度的膨張していることが明らかになって来てい

ます。

  この加速・膨張を説明するメカニズムとして...また、“宇宙項”存在支持されています。そし

て、“宇宙定数”有力候補として...“真空のエネルギー”が挙げられているわけです...」

「ふーん...」マチコが、トン、トン、とテーブルをたたいた。「...“真空”かあ...」

「そうです...」関三郎が、口の上に手の平を当てた。「“真空”です...

  宇宙空間は、“超真空”などとも呼ばれますが、“宇宙定数”導入で...物質の存在しない宇宙

空間にも、“空間自体が持つ・・・莫大な真空エネルギー/dark energy/負のエネルギー”...

充満していることになっています。

  膨張している宇宙空間は、膨張そのものが莫大なエネルギー創生しているわけです。まあ、当

然、【エネルギー保存の法則(熱力学第1法則/ある孤立系の中のエネルギーの総量は変化しない)には反している

わけですが...こうした宇宙論は、孤立系が破れているのかも知れません...」

「ふーん...」マチコが、首を揺らした。「...そういうことかあ...でも、何となく...ヘンよねえ、」

 

「ええと...」関三郎が、モニターに目を落とした。「ともかく...話をもどしますが...

  “暗黒物質”(dark matterではなく...見えていないエネルギー73% に当たる、“暗黒エネルギー”

(dark energyの方が...“宇宙定数”エネルギーに相当すると考えられます。しかし、こんなものを、

宇宙論/【一般・相対性理論】“重力場方程式”=アインシュタイン方程式 導入しては...

 

  wpe1D.jpg (34276 バイト)   

    
      
自然は・・・シンプルに構成されていて・・・

    
               
法則は・・・シンプルな方が美しい・・・

 
                                          


  ...という、アインシュタイン信念に、反したわけです...」

「それで...」マチコが言った。「アインシュタイン自身が...自分が導入した“宇宙項”を、否定した

わけかあ...」

「うーむ...そのようですね...

  アインシュタインは、ユダヤ人で...“神の存在”...を深く信じていたようです。いずれにしても、

我々よりも何倍も深く...“大宇宙の深淵を見つめ・・・神を信じ・・・大自然の中の美しい秩序

を見つめていたわけです...軽々に笑うわけにはいきません...」

「うーん...」マチコが、うなづいた。「何倍も深く...かあ...」

 「そして...」茜が、腕組みをし、脚を組み上げた。「このストーリイには...奇妙な所がありますわ」

「というと...?」マチコが、茜の方に肩を向けた。

ストーリイが...」茜が、額に手を当てた。「アインシュタインの...

  “霊魂・・・人格・・・人間的ストーリイ”が...【人間原理ストーリイ】標準関係性の中で...

高いポテンシャル・エネルギーを示しているということです。それが、間違った方向であっても、

いポテンシャル・エネルギーが、人類文明大きな影響を与え続けているということです」

「それが...」マチコが言った。「つまりさあ...

   “漫才定数”から来る、“ボケ/ツッコミ・・・のエネルギー”...の、1つの実証ということなのかし

ら...?」

「いえ...」茜が、首を振った。「もちろん、確証などありません。そうした検証が、始まっていくというこ

とです」

アインシュタインは...」関三郎が言った。「悩んだ末...

  確信的に...反対方向反対方向へと、を切って行ったということです。面白いですねえ。これ

は...アインシュタインの、宗教性や、人間性や、人格特殊性によるものかも知れません。ともか

く、面白いです...」

「そうかしら...」マチコが行った。

「ここは...」関三郎が言った。「茜さん...

  新理論創設する立場/【茜・新理論研究所】としても...ただ単に、笑い過ごせる話ではありま

せんね。この“ストーリイの・・・創生”は、【人間原理ストーリイ】の大局から、再検討してみる必要が

ありそうです」

「はい...」茜が、うなづいた。「それは、次の課題になりますわ、」

「うーむ...そうですね...」

アインシュタイン人格かあ...」

 

「ハハ...」関三郎が、顔を和ませた。「アインシュタインは...

   “神は・・・サイコロを振り給わず”と言って...【量子論】不確実性 ...つまり、【不確定性原

理】や...局所原因性否定する“量子もつれ”を、非常に批判したわけです。しかし、どうも“神様”

は、ギャンブルをも嗜(たしな)むし...漫才も好きな...砕けた人格のようでした...ハハ...

  あ...しかし...これはあくまでも、“現・パラダイム”では...アインシュタインにとっては分が悪

いということです。“神の懐”は...もっと、もっと...“はるかに深い”のでしょう...」

「それでさあ...」マチコが言った。「三郎さんは、どう思うのかしら...?」

「ああ、はい...そうですねえ...

  私の見解は...【人間原理ストーリイ・・・今の領域の・・・開放系ストーリイ】 は、“過去・現在・

未来の方向から・・・また別の次元からも・・・多方面の衝撃を受けている”...と、おぼろげに、

感じています。まあ、そう考えているということですね、」

「ふーん...」マチコが、肘を抱いた。

「ハハ...

  今頃...アインシュタインは、天国でどう思っているのでしょうか...頑固なようですから、おそら

くは、自説は変えてはいないのでしょうか...?」

「うーん...それは、ありうるわよね、」

「ええと...」茜が言った。「それでは...次は、“漫才定数”の方ですね、」

「はい!」マチコが、うなづいた。「その背景にある風景として...

  “霊魂が介在する座標系の・・・共時性/意味のある偶然の一致・・・過不足のない真理空

間”...を考察します」

“共時性”(英語: Synchronicity/シンクロニシティ) は...」茜が言った。「ユング心理学に出て来る言葉です

ね...

  したがって...本来なら、シンクタンク=赤い彗星心理学担当/綾部沙織の守備範

囲なのですが、表面的なことですので、私が説明します...」

「はい...

  沙織さんは、響子と一緒に《軽井沢基地》にいるわよね。私の代わりまに、《万葉集の考察》に参

加しています」

「そうですね...」茜が、コクリとうなづいた。「ええと...

  “共時性”とは...非因果的複数の事象の生起を決定する法則原理として...これまで知られて

いた“因果性”とは異なる原理として...カール・ユング(スイスの精神科医・心理学者/1875年 〜 1961年/深層心

理について研究・・・フロイトを師とし、ユング心理学を創設)によって提唱されたものですね。

  つまり...複数の事象が、“意味・イメージ”において...“類似性・近接性”を見せる時、このよう

複数の事象が...従来の因果性では、何の関係も持たない場合でも、これを、“共時性/シンクロ

ニシティの作用”と見なす...わけですね、」

「うーん...」マチコが、うなった。「よく分りませんが、分りました...

  ともかく...そういう方向で、考察開始します。あ、ページが長くなってしまったので、 新しいペー

ジを作成し、<第2部>とします。ご期待下さい!」

 

 

                       


 

 

   

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