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          塾長・高杉光一の担当は、このページのみです。以後は、外山陽一郎が担当します

 

                        

 トップページHot SpotMenu最新のアップロード    担当: 高杉 光一  <開始: 1998.2.6>

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プロローグ                                                  (高杉 光一) 1998.2.6
<1> DNAシステムの概略                     (高杉 光一) 1998.2.6

  

 


   プロローグ                       

 

   単純な塩基配列の、底知れない深淵.....

           この英知の結晶を、原始地球の上に置いたのは誰か.....

                     この美の結晶を、“神”以外の何者が創出でき得たか..... 

       

  DNAシステムは、知れば知るほど、複雑かつ精巧な深淵へと踏み込んでいきま

す。いったいこれほどの英知が、原始地球の海で、偶然の産物として生み出され

て来たのでしょうか。また、仮にその偶然が奇跡的に起り得たとして、それを保存

し、増殖させ、有機生命体システムにまで飛躍させたもの、これも偶然だと言うの

でしょうか。およそ起り得ないような偶然が、幾重に発現し、同じ時空間の針の先

で合体したというのでしょうか。

 しかし、では、どうなのかと言われると、まったく見当もつきません。そこで、この

分子生物学という科学畑の中で、“神”の存在を議論しなくてはならない次第です。

 

  さて、アインシュタインをはじめ、最も優れた科学者たちは、殆ど例外なく、“神”

の存在を信じていたと言われます。何故でしょうか。彼等はまさに、この世界の深

淵をのぞいたからではないでしょうか。その崇高な科学者たちは、この世界の無限

の複雑さ、無限の完璧さ、底知れない美しさに対し、“神”の名を口にする以外に

説明のしようがなかったのではないでしょうか。そしてまた、この存在世界への畏

怖、神への畏怖をも感じていたのかも知れません。

 しかし、このページで、神学論争をするわけにもいきません。そこで私としては、

いつものように生命の発生を、宇宙の初期条件に還元します。そしてそこに、何者

かの“意図”が介在したと仮定します。それにしても、他にどのように考えたら良い

のでしょうか.....

 

 さて、本題は、“大戦略・DNAの攻防”となっていますが、とりあえず、DNAの全

体風景を俯瞰します。あまりにも広大で、専門的で、未知の荒野であり、私などに

むは踏み込みようもありません。しかし、専門的なこと、技術的な膨大な作業を振

るい落とせば、そこにはおのずと、核心的なものが残るはずです。

 

  いつものように、私自身も学習しつつ、少しづつページを作成していきます。間違

いや勘違いもあろうかと思います。ご指摘のほど、よろしくお願いします。

 

 <1> DNAシステムの概略            

 

 (1) ヒトゲノムとは      

 

   ご存知のように、現在ヒトゲノム(ヒトの全遺伝子情報)の解読が、世界中で進行

しています。いったいこのDNAとは、どのようなものなのでしょうか。このページで

は、最新情報を交え、DNAの全体像を“人間原理空間”の立場から考察します。

 

 人体には、およそ10万種類のヒト遺伝子があると言われ、それらは約30億個の

塩基配列によって書かれています。それが、いわゆるDNAの二重螺旋構造と言

われるものです。この塩基配列の二重螺旋は、ヒストンというタンパク質を巻き込

み、ヒモ状になっていて、糸くずのように染色体の中に納っています。ヒトの場合、

細胞の核の中に...

 

   染色体が46本(23対)あります。そのうち、22対は常染色体、残り1対は性染色体です。

 

そして、これらには、それぞれ別々の情報が書き込まれてあります。

  繰り返しますが、これらがワンセットで、1個の細胞核の中に納められています。

これが、いわゆるヒトゲノムと言われるものです。そして、これらの細胞という単位

は、有機生命体の中ですさまじい速度で発生と消滅を繰り返し、人体、人格、意識

というようなプロセスを映し出していくのです。

  ところで、DNAの納められている細胞とは、骨、肉、血液と、およそ人体を形成

している全てです。そのミクロ単位のすべてに、固有の全遺伝子情報が書き込ま

れてあり、爆発的にコピーされ、生滅を繰り返します。ただし、生滅しない細胞も幾

らか有ります。それは、記憶等をつかさどる細胞です。せっかく学習したものが、新

陳代謝によって消されていっては困るわけです。