Lobby特集シリーズ物理学地震・噴火/地震・噴火の黒幕・・・深部流体Ⅱ
        地震・噴火の黒幕 
 
 
 深部流体/第Ⅱ部 

             
トップページNew Page WaveHot SpotMenu最新のアップロード   担当: ボス= 岡田 健吉 

           
有馬温泉       (/ネットより画像借用) 

   <1>

プロローグ

   <2>

中部日本は・・・世界的にも稀な、深部流体の豪雨地帯

   <3>

有馬温泉の・・・地下世界の様相

   <4>

有馬鳴動/・・・六甲鳴動・・・

   <5>

西日本の・・・地下世界とは?

   <6>  

 

2026年 3月 

        上から ・・・下へ    

 6月  9日  


地震・噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ  (1)

【プロローグ】 (1)


   
兵庫県/有馬温泉の天神泉源   (/ネットより画像借用)

“参考文献”

『日経サイエンス・・・2026/01』

<特集>

= 深部流体に迫る = /・・・2つ目の、論文記事

深部流体の “豪雨” がもたらした、有馬・能登・松代の群発地震

    <大地を鳴動させる群発地震や、大きな被害をもたらす直下地震は、地下深部

      から上昇してくる大量の水によって、その引き金が引かれているようだ。>

                              中島林彦(編集部)

                                 協力

                                 山中勤(筑波大学)

                                岩森光/内田直希(ともに、東京大学地震研究所)

                                 中村仁美(産業技術総合研究所)

                                北佐枝子(建築研究所)

                                中島淳一(東京科学大学)

                                藤江鋼(海洋研究開発機構)

 

《地震・噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (2)    

【プロローグ】 (2)


「ええ…」響子が、スクリーンボードの方を、振り返った。「再度…

[第Ⅱ部] の、“参考文献”表示しました。

では、中西さんお願いします!

「はい…」中西卓が、スクリーンボードの横で、小さく頭を下げた。「[第Ⅱ部] は…

フォッサ・マグナ (Fossa magna/ラテン語: 大きな裂目/・・・日本列島の中央部を南北

に分断する、巨大な地溝帯/大地の裂目。この西辺が、”糸魚川静岡構造線” です。)

 

を含む、日本列島・・・中央部におけ

る・・・深部流体の考察> になります。



左側の青線糸魚川静岡構造線赤線中央構造線。青線に囲まれたオレンジ色の部分はフォッサマグナ

                                                           (/ネットより画像借用)


近年
の…

<有馬 ・ 能登 ・ 松代の・・・群発地震> も、<深部流体・・・地下からの豪雨

が、深く関与している様です」

  
  有馬型の、温泉や炭酸水                                (/ネットより画像借用)


《地震・噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (3)  
                                     秀吉は有馬温泉がお気に入りだった  (/ネットより画像借用)

中部日本は・・・世界的にも稀な、深部流体の豪雨地帯 (1)


「さて…」中西が言った。「世界で初めて、雪の結晶を作った、中谷宇吉郎は…

地表に落ちてくるが、上空気象状態を知る手掛かりになることを、こう言っています。

 


★ 雪は・・・天から送られた・・・手紙である


 


…と。

そうだとすると…

地表に、湧き上がる


 


<★ 温泉と、マグマは・・・地の底からの・・・手紙である


 


…と、
言えるのかも、知れません。

各地の…

温泉と、火山岩 (/マグマが冷えてできた岩石)分析すれば、日本列島地下深く沈み

込んでいる、太平洋プレート と、<フィリピン海プレート> から上昇して来る、水の

振る舞いが、分かるからです。

この <深部流体> は…

いわば、<★ 地下から・・・地上に降る雨 とも、言えるわけですね。

日本は…

世界的に見ても、がよく降る地域です。そして、<地下からの雨 も、よく降っ

ている、様です。

特に

<★ 中部日本は・・・世界的にも稀な、豪雨地帯 であることが、<地底からの手

紙> を、読み解くことで、分かって来た、と言う事ですねえ。

それは…

時には、“洪水の様な・・・現象 も、地下で起こっていて…

<大地を轟かせる・・・群発地震や、<災害をもたらす・・・直下地震をも、

発生させる様ですね。

 
   
沈み込むプレートのイメージ                             (/ネットより画像借用)


                  

 6月  13日  

《地震・噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (4)    
                                        有馬温泉       (/ネットより画像借用)

【中部日本は・・・世界的にも稀な、深部流体の豪雨地帯!】 (2)

 
ええ…

“温泉” は…

地面に染み込んだ、由来する、天水(てんすい)が…

火山や、地下深部高温で熱せられたものが、かなりの割合を占めます。しかし、<深部

流体> 由来する、熱水もあるわけですね」

「はい…」夏美が、を当て、うなづいた。「それも、混ざっていると?」

「そうです…」中西が、スクリーンボードを投げた。「<深部流体> は…

上昇する過程で、周囲岩石反応して、マグマに転じ、<マグマの・・・1成分> として、

地表に出てくる事も、多い様ですね」

「あ…」夏美が、をやった。「そうかあ…

に、<深部流体> は、マグマ含まれる事がある、と言っていたけど、マグマ1部

も、なるわけですね?」

 

《地震・噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (5)   
                                     秀吉は有馬温泉がお気に入りだった  (/ネットより画像借用)

【中部日本は・・・世界的にも稀な、深部流体の豪雨地帯!】 (3)


「まあ…」中西が、口元を緩めた。「そのまま…

マグマ一緒に、噴火する事もあるわけです。噴火は、水蒸気火山ガスも伴っています。

また…

マグマ上昇する過程で、水を放出することもあります。この水も、<深部流体の・・・1

種> です。<★ マグマ水> と言います。これも、温泉の1部構成しています」

「はい…」夏美が、小さくうなづいた。

<深部流体> は…」中西が、スクリーンボードをやった。「構成する…

水素/Hと、酸素/O、そして地球原始的な成分である、ヘリウム/He安定同位体

(/ヘリウムの同位体は8種類が知られている。3Heと 4Heの2種類のみが安定。地球の大気中には、 3Heと 4Heは、1対

100万の割合で、存在する。)が、天水とは異なります。

また…

同じ <深部流体> でも、<太平洋プレート> 由来のものと、<フィリピン海プレート>

由来のものでは、やはり、異なる様ですね。


 
 <太平洋プレートは・・・年/8cm 移動 >  <フィリピン海プレートは・・・年/3~5cm 移動 >    (/ネットより画像借用)


あ…

ええと、安定同位体とは…

原子番号が同じですが、重さが異なる原子ですね。原子核中性子数が、異なるわけで

すが、これが自然界長期安定しているタイプです。2種類あります。そして、この存在比

は、環境によって、異なります」

 

             wpe7.jpg (10890 バイト)

 6月  15日  

《地震・噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (6)   
                                     秀吉は有馬温泉がお気に入りだった  (/ネットより画像借用)

【中部日本は・・・世界的にも稀な、深部流体の豪雨地帯!】 (4)


「はい…」夏美が言い、を結んだ。「そうしたものが…

天水と、<深部流体> では異なり…

同じ <深部流体> でも、<太平洋プレート> 由来と、<フィリピン海プレート> 由来

では、異なるわけですかあ、」

「そういう事です…」中西が、うなづいた。「こうした知見をもとに…

<地底からの手紙/・・・温泉水や、火山岩> を、読み解けば、どちらの海洋プレート

由来<深部流体> が、どれほど上昇して来ているのかが、分かるそうです」

夏美が、無言で、うなづいた。

「さて…」中西が、スクリーンボード画像スクロールした。「<深部流体> が…

長年研究されて来た、特別場所があります。

兵庫県/神戸市街地の、背後に…

六甲山がありますが、その向こう側に、有馬川が流れる渓谷があります。その渓谷沿い

あるのが、<★ 有名な・・・有馬温泉> ですね。


 
六甲山天覧台/ ・・・昭和天皇が行幸したことに由来。神戸・・・そして、背後の渓谷に有馬川。  (/ネットより画像借用)


古くは

奈良時代日本書紀 にも、その名が記されているそうです。それから、戦国時代

者/豊臣秀吉が、通った事でも、<有馬温泉> は知られていますね。まあ、現在でも、

国の内外から、多くの観光客が訪れています。

ええと…

<有馬温泉> の、賑やかな温泉街坂道を通り、脇道を少し上ると、<天神社の境内

に立つ・・・高い櫓(やぐら)が、見えて来るそうです。それが、<有馬温泉の・・・源泉の

1つ/・・・天神泉源の櫓・・・> だ、そうです。

その手前にある…

給湯施設煙突からは、湯気が立ち上り、ゴーゴーと、お湯が出る音が聞こえるそうてす」

 

《地震・噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (7)  
                                          有馬温泉 (/ネットより画像借用)

【中部日本は・・・世界的にも稀な、深部流体の豪雨地帯!】 (5)


「ほほ…」響子が、をやった。「温泉らしく、なって来ましたね…」

「はは…」中西も、を崩した。「ええと…

この、 天神泉源の泉源は・・・99.4℃> であり、ほぼ沸騰しているそうです。給湯

から漏れ出ている、温泉水に運ぶと、“海水並みに・・・塩辛い そうです。

湧き出た直後は…

無色透明ですが、大気に触れると、豊富に含まれる鉄分酸化して、茶褐色になるそうで

す。それで、“金泉” と、呼ばれているそうですね。茶褐色ではなく、金色だという事です。

ええ…

有馬温泉には、<天神泉源> の他にも、幾つか金泉があるそうです。中には、塩分濃

が、海水2倍に達している泉源も、ある様です。

それから…

<天神泉源> から、5分ほど、歩いた所に…

炭酸ガス(/COに富む、 約18℃の・・・冷泉/炭酸泉源> が、あるそうです。

こちらの方は…

”銀泉” 、総称される、有馬温泉の、泉源の1つで、“日本初の・・・サイダー” が、作

られたそうです。有馬温泉・土産“炭酸せんべい” に、使われている事でも、知られて

いる様です。

 

      
 炭酸せんべい/有馬せんべい本舗    (/ネットより画像借用)

 6月  21日  

《地震・噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (7)   
                                        兵庫県/神戸市/有馬温泉  (/ネットより画像借用)

【中部日本は・・・世界的にも稀な、深部流体の豪雨地帯!】 (6)


<有馬温泉> は…

付近には、火山も無く、からも、神戸市街 ・ 六甲山を越えて遠いのに…

何故

“高温 ・ 高塩分の・・・温泉”や、“サイダーの様な・・・冷泉” が、湧き出ているのか、です

ねえ」

「はい…」夏美が、うなづいた。「何故、なんでしょうか?」

「まあ…」中西が言った。「近代科学黎明期(れいめいき)である…

明治時代以来数多く地球科学者が、この謎に挑んできました。それぞれ、その時代

方法で、です」

「うーん…」夏美が、腕組みをした。「何故、なんだろう、という事ですよね、」

「ま…」中西が言った。「そうした研究の、結果

有馬温泉の、“金泉の・・・かなりの割合” は…

地下/60kmよりも、深く沈み込んだ<フィリピン海プレート> から放出されて来た…

<★ 超高温の・・・深部流体> が、断層や、岩盤割れ目を通って、上昇して来たもの、

分かって来たという事です。

”泉源” によって、<深部流体と、天水の・・・混合比率> は、かなり異なる様ですね。

ちなみに…

“金泉の・・・高塩分” は…

<フィリピン海プレート> が、陸側プレートの下に沈み込む前に、太平洋から取り込ん

海水に、由来する様です。

それから…

“金泉の・・・高い鉄成分” は、<深部流体> 上昇する過程で、周囲岩石反応する

ことによって、獲得された様ですね。

一方…

”冷泉・・・炭酸泉源” の方は…

<深部流体> から放出されたガス成分が、地表近くにある、 <天水の・・・帯水層>

流入し、生じたものと考えられています。

<フィリピン海プレート> には、海水中生成された、炭酸塩鉱物などが含まれていて、

これが <深部流体> に含まれる、二酸化炭素(CO起源になります」


     
                                                 (/ネットより画像借用)


「はい…」夏美が、大きくうなづいた。

「ええと…」中西が、ボード画像を覗(のぞ)き込んだ。「<フィリピン海プレート> は…

“年/6cm弱 (年/3~5cm)ペースで、沈み込んでいるわけですね。

有馬温泉は…

“フィリピン海プレートの・・・沈み込み域から・・・約250km離れている” わけですが…

“温泉 ・ 冷泉” に、含まれる塩分や、二酸化炭素(COは、400万年~500万年以上前

に取り込まれた、海水成分になります。まあ、そこから、地表まで上昇する歳月考慮

れば、さらに古くなります」

「ふーん…」夏美が、を揺らした。「それを、現代私達が、温泉サイダーにしているわ

けですかあ…」

「そういう事です…」中西が言った。


 


《地震・噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (8)  
                                    秀吉は、有馬温泉がお気に入りだった  (/ネットより画像借用)

【有馬温泉の・・・地下世界の様相】 (1)


「ええ…」中西が言った。「を進めます…

一体…

<有馬温泉の・・・地下世界> は、どの様な事になっているのか、ということですねえ、」

「はい…」響子が、うなづきを結んだ。

大雨で…」中西が言った。「川が氾濫する事がありますが…

<★ 地下世界から・・・地上に降る雨/湧き上がる水・・・> の方も…

時には<★ 豪雨となり・・・洪水のように・・・地表近くに上昇 して来る様ですね。

有馬温泉でも、そうした <地下からの・・・洪水が、起こっている様です。

ええ…

筑波大学/山中勤・教授は、この様に話しています…


 

「有馬温泉の直下で起きた・・・<深部流体> による洪水が・・・

“阪神 ・ 淡路大震災” をもたらした、”兵庫県南部地震” の引き金となった可能性が

高い。」

 


…と。

山中・教授らは…

<天神泉源> など、<有馬温泉の・・・7つの泉源> について…

温泉水に占める <深部流体> 割合が、時代によって、どう変わって来たのか、水素

/H酸素/Oの、安定同位体などから、調べた様ですね。

うーむ…

その結果

<深部流体> 占める割合は、<兵庫県南部地震/阪神・淡路大震災が起きた・・・

1995年前後> に、“一時的に、急上昇し・・・その後、急低下・・・” していた事を、突き

止めた様です。

この時期

有馬温泉直下には、<★ 26万~42万立方メートルの・・・深部流体が、押し

寄せた、と推定しています」

「うーん…」響子が、を、押し当てた。「それは、どれぐらいのものかしら?」

「さあ…」中西が、を傾げた。「ちょっと、想像がつきませんね…

ともかく、膨大な量でしょう…

山中・教授が…

注目したのは…

<有馬温泉の・・・7つの泉源の内・・・3つ> だ、そうです。”3つ泉源” が、<兵庫県

南部地震> 先行して、<深部流体の・・・流入が、増加していた 様ですね。


 
                                              (/ネットより画像借用)


      

 6月  23日  


《地震・噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (9)
  

【有馬温泉の・・・地下世界の様相】 (2)


ええ…

山中・教授は、この様に、話しています…

 


「<フィリピン海プレート> から、急激に放出されたのか・・・

地表に至る、流路の根詰まりが、破壊されたのかは分からないが・・・

いずれにしろ・・・

洪水の様に、上昇して来た <深部流体> が、震源断層に入り込んで、水圧(/間隙

流体圧) が高くなって、断層が滑りやすくなり・・・

これが・・・

<兵庫県南部地震 (/阪神・淡路大震災)> の、引き金となった様だ。」


 


…と。

ただ…

<兵庫県南部地震> 震源は…

有馬温泉位置している <★ 有馬 ・ 高槻断層帯> ではなく…

それに隣接した…

<★ 六甲 ・ 淡路島断層帯に属する・・・ ★ 野島断層> だと、いう事ですねえ。有馬

温泉との、直接的なつながりは、無い、という事です」

「はい…」夏美が、神妙に、うなづいた。

「ええ…」中西が言った。「この点について…

山中・教授は、この様に話しています…


   

「有馬の方が・・・

<深部流体の・・・本流筋> で、そこから氾濫した水が拡散し、<★ 六甲・淡路島断

層帯> を伝わって、<★ 野島断層> に至った、と見られる。」

   


…と。


     
                       (/ネットより画像借用)


ええ、山中・教授は…

そう考える、理由の1つを、こう話しています… 

 

 

「有馬では・・・

突発的な洪水以外に、<定常的な・・・深部流体の上昇> が見られるのに対し・・・

<★ 六甲・淡路島断層帯> では、そうした動きが、顕著ではないこと。ある程度の

流れが、常にある方が、大規模な洪水が起こる可能性が高い。」


 



…と。



 有馬 ・ 高槻断層帯   六甲 ・ 淡路島断層帯/・・・野島断層       (/ネットより画像借用)

 

《地震・噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (9)
                                        有馬温泉/・・・炭酸せんべい  (/ネットより画像借用)

【有馬温泉の・・・地下世界の様相】 (2)



そして…

もう1つの、理由として、こういう事が言えるそうです。

<有馬温泉> では…

<深部流体の、急増が・・・泉源によっては・・・地震の、約1年前から始まった

これに、対し…

<★ 六甲 ・ 淡路島断層帯> 地域で…

地震前兆となる、地下水変化が捉えられたのは、地震数カ月前~半年前だった事、

だそうです。

ええと、ちなみに…

地震発生の、2日前には…

明石海峡(あかし・かいきょう/本州と、淡路島に挟まれた海峡)において…

“ 海底から・・・高圧地下水が、噴出して生じたと見られる・・・海水の変色 

…を、航行中の、フェリーの船長らが、目撃している様ですね」

「ふーん…」夏美が、うなづいた。「毎日航行しているから、そうした海水変化も、分か

わけですね。“ 阪神・淡路大震災の・・・2日前 ですか、」

「その様ですねえ…」中西が言った。「しかし…

では、何故

<深部流体の・・・洪水の本流筋/・・・有馬温泉/有馬 ・ 高槻断層帯> の方は、

震の発生には、至らなかったのでしょうか?」

「うーむ…」大川が、腕組みをした。「そうですな、何故ですか…?」

「ええと…」中西が言った。「それについては…

山中・教授は、この様に言っています…

   

「有馬温泉は…

<深部流体の・・・効率的な出口> と、なっていると考えられるので・・・

洪水が起きても、それほど <間隙流体圧> が、高まらなかった、可能性が高い。

逆に・・・

<★ 野島断層> は・・・

断層が滑り始める、臨界点ギリギリの状態にあったとすれば、<少量の・・・深部流

体の・・・流入> でも、地震は起こり得る。」
   


…と。」

「なるほど…」大川が、アゴ髭を撫でた。「そう、考えるわけですか…

ふーむ、科学者として、それが整合性のとれる推理、という事ですな。確率高い推理を、

選ぶと、」

「そうです…」中西が、を結び、うなづいた。「最も、可能性の高い推理、という事です。実

際には、そうではない、かも知れませんが、」


   
        
国指定天然記念物  野島断層          
(/ネットより画像借用)

 

         

 6月  28日  


《地震 ・ 噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (11)

【★ 有馬鳴動/・・・六甲鳴動・・・】 (1)


「ええ…」中西が、画像編集したスクリーンボードから、離れながら言った。「時代を、遡る

と…

<兵庫県南部地震/・・・阪神・淡路大震災> の、約100年前に…

有馬温泉の、ほぼ直下震源とする、地震活動が起きています。

<★ 有馬鳴動/・・・六甲鳴動・・・> と呼ばれた…

“明治時代/1899年7月に、始まった・・・局所的 ・ 群発地震・・・” です。

その、発生当時模様を…

地元紙/神戸又新(ゆうしん)日報 は…


 

「遠雷または砲声のごとき鳴響ある由(よし) と、報じ…


「浴客
(温泉客)、畏怖し、帰去するもの多く、町内60余両の人力車出尽くし、やむを

えず籃輿(らんよ/・・・山道などに用いる簡単な竹作りの駕籠(かご)、または歩行(かち

にて帰途につくものあり・・・」 と、記している。             ( ・・・途中一部略

    
 籃輿(らんよ)                            (/ネットより画像借用)

 


…という事です。

ええ…

この <明治の・・・群発地震> では…

日本地震研究パイオニアである、<★ 東京帝国大学の・・・大森房吉 、今村明恒

も、現地調査(おもむ)いたそうです」

「うーん…」夏美が、微笑して、を見たた。「日本の、地震研究パイオニアですかあ…

江戸時代から…

文明開花明治時代に入り、そういう学問研究も、始まったわけですね。二本差し帯刀

・ チョン髷(まげ)から、近代日本スタートしていたわけですね…」

そういう事ですねえ…」中西も、を見た。「明治時代は…

そうした学問創始という意味でも、明るいですね。まさに、日本黎明期(れいめいき/暗い

夜が明け始める頃。新しい時代・文化・技術などが始まろうとする時期。まだ未成熟だが、将来の発展の兆しが見え始めた

段階を指す。)です。


  
<日本の地震研究のパイオニア・・・東京帝国大学の  左/今村明恒  右/大森房吉>   (/ネットより画像借用)


まず…

今村明恒 は…

当時模様を、後に 、次の様述懐しています…


 

「鳴動の末尾のブルブル(…という振動)は、ともかく、初めの、ドンという鳴音は実に

すごい。

その後、経験した、<★ 名草地震(/…1920年代に、和歌山県北部で頻発した小地

震の総称。)<★ 伊東地震(/…1930年代に、静岡県伊東付近で起きた、群発地

震。) 、のごとき、全然比較にならない。(鳴動の)数においても、はるかにこちらが

超越していた。」
                         
  (今村明恒の著書地震の国 による…)

 

 

《地震 ・ 噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (12)   

【★ 有馬鳴動/・・・六甲鳴動・・・】 (2)


一方…

大森房吉 が…

震災予防調査会提出した報告書 : 有馬温泉 温度変化ニ就キテ

…などによると、

群発地震最盛期 鳴動1日200回に達し、屋根瓦落下や、山腹からの岩塊

転落なども、起こった様です。

1年後には…

ほぼ終息しましたが、数は少ないながらも、数年間鳴動が続いた…との事ですね。

<有馬温泉> の…

<★ 泉温(せんおん/温泉の温度)は…

群発地震発生当初の…

1899年8月は…

発生前と同じく、37℃でしたが、同年11月から、上昇し始め…

翌年/1900年10月には、47.9℃に、達していた、と言います。

群発地震発生から…

半年後の、1899年12月には、発生前1.5倍に、なっていた、そうてすね。

ええ…

こうした状況から…

<この群発地震/・・・有馬鳴動> も、<★ 深部流体の・・・洪水・・・> によって、生じ

たもの、と見られています。

しかし、<有馬鳴動/・・・六甲鳴動・・・> では、<有馬 ・ 高槻断層帯の・・・大地震

・・・> には、至らなかったわけですね。

ええと、先ほどの…

山中・教授は、この様に、話しています…


 

「ただ・・・

<★ 能登半島の・・・群発地震(/…後述) の様に、大地震の発生に至るケース

ある。群発地震のまま、終息するかどうかを、予見するのは難しそうだ。」

 


…と。」

「はい…」夏美が、うなづきを絞った。

「ええと…」中西が言った。「ちなみに…

<★ 有馬 ・ 高槻断層帯> で起きた…

直近大地震は…

<1596年の・・・★ 慶長伏見大地震> ですね。天下分け目<関ヶ原の合戦</

1600年10月21日) の、4年前の大地震です。その頃はまだ、有馬温泉を愛した、

白/豊臣秀吉天下だった頃です。

この、”慶長の・・・大地震” では…

<★ 六甲 ・ 淡路島断層帯も・・・連動・・・> して…

京阪神から淡路島に至る広域で、甚大被害発生し、落成したばかりの、秀吉伏見

も、倒壊しています。

はは…

”勿体(もったい)ない話” ですが、天下人秀吉は、そんな損得勘定などは、気にしなかっ

たのでしょう。


ええと…

大森房吉 の、報告書によると…

この時/慶長の大地震では…

有馬温泉では、湯屋民家大破 大地震直後温泉急上昇し、熱湯になったため、

入浴できなくなった。その後四半世紀に及んで、高温状態が続いた…と、言います。

これも…

<★ 深部流体の・・・大きな動きがあった・・・> と、見られていますね。

ええ…

有馬温泉の…

”泉温の・・・上昇 は…

<江戸時代の末期/1854年の・・・★ 安政南海地震> と、

<大正時代の前半/1916年の・・・★ 明石海峡地震> でも、起きたと…大森房吉

は、記している、様ですね。


つまり…

<★ 有馬温泉は・・・地下深部の、広域の動きを覗く・・・窓・・・> に、なっている様で

す」

「ふーん…」夏美が、を当てた。「“覗き窓“ ですか…」

「まあ…」中西が、を傾げた。「“溶鉱炉の・・・覗き窓/監視窓” に、例えられるのかも

知れません」

「はい…」夏美が、うなづいた。


   
沈み込むプレートのイメージ                             (/ネットより画像借用)

 

                

   
 7月   2日  

《地震 ・ 噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (13)   

【西日本の・・・地下世界とは?】 (1)


を進めます…」中西が言った。「<有馬温泉> では、ないにしろ…

<★ 深部流体> が、多少なりとも含まれている温泉は、それなりに存在します。

また…

火山は、マグマが生じている場所なので、そこでも、<深部流体> 上昇して来ていま

す。

そうした…

<深部流体の・・・振る舞い> を…

<全国規模で調べているのが・・・産業技術総合研究所/地質調査総合センター>

…ですね」

「うーん…」夏美が、うなづいた。「“総合” という言葉が、重なるわねえ…」

「はは…」中西が、口元を緩めた。「そういう言葉が、好きなのでしょう。格好がイイですか

らね。まあ実際、その言葉が、当てはまるのかも、知れませんが。

ええと…

<深部流体> は、地震火山活動と、結びつきが強いので、“防災の観点からも・・・

研究が重要” に、なっている様です。

そして…

<原発/原子力発電所> の、“放射性廃棄物” を、地下深く埋設する、“地層処分の

・・・観点・・・” からも、研究が求められている様です」

「はい…」響子が、うなづいた。「“防災の・・・観点” からと、“放射性廃棄物の・・・地層

処分の観点” から、ですね。この2つ目的で、調査を進めているわけですね?」

「そうですね…」中西が、うなづいた。

「はい…」響子が、を当て、うなづいた。「ええ…

<産業技術総合研究所の・・・地質調査総合センター ・・・> は…

その2つの、目的で…

<深部流体の振る舞いを・・・全国規模で調査・・・>  しているわけですか。大学

究所中心とした研究機関とは、肌合いが違う様ですね。ハッキリとした、目的を、持って

いるわけですね?」

「まあ…」中西が、を撫で上げた。「その様ですね…

私は、テクノクラートtechnocrat/技術官僚)官僚組織や、大学附属研究機関等

ついて、詳しいわけではありません。しかし、そうした業界では、予算配分などで、違いが

大きい、のかも知れません。

東北日本の…

<日本海溝> <千島海溝> 、そして <前弧地震帯> の、周辺展開している、

<★ Snet> にしても、これは、“防災科学技術研究所/防災科研NIED/・・・本部

は、茨木県つくば市 という所が、整備している様ですねえ。

そして…

大学研究機関等が、そのデータを、大いに活用しているわけです。逆に、そういう所/

テクノクラートは、純粋自由、学問的研究は、していないわけです。

ま、ともかく…

<産業技術総合研究所/地質調査総合センター ・・・> の…

研究成果、1つが…

各地温泉火山岩の、”安定同位体” などの分析結果を元にまとめた、<★ 深部流

体に関わる・・・各種の全国マップ> ですね。

これらも…

<★ 地下世界/地底からの・・・手紙> として、読み解くことが、出来るわけです。

ええと…

その1つが…

<深部流体が・・・天水に混じって湧き出している・・・温泉の分布> を、示した地図

/マップです。  ”参考文献” の地図/マップを、ネットで探したのですが、同じものは

見つかりませんでした。それで、似ている画像を、2つ掲載して置きます。)


  
                                             (/ネットより画像借用)

 


                                                            (/ネットより画像借用)

 
これらの地図を、見ると…

そうした温泉は、各地にかなり存在していることが分かります」

「はい…」響子が、深呼吸し、スクリーンボード地図を眺めた。「これは、見応えがありま

すね…」

 

《地震 ・ 噴火の黒幕・・・深部流体/Ⅱ》 (14)     

【西日本の・・・地下世界とは?】 (2)


「そうですね…」中西も、地図を眺めながら言った。「まあ…

興味深いのは、<深部流体> が湧き出している温泉分布は、一様ではない、というこ

とです。“北海道を含む・・・東日本” と、“四国を含む・・・西日本” 、そして “九州” とで

は、それぞれ、構造的異なっている、という事です」

「はい…」響子が言った。「うーん…そうですね…」

”東日本” では…」中西が言った。「温泉は…

<★ 火山フロント> と、<★ 背弧> 分布していて、<★前弧> には火山そのもの

が、ほとんど存在していません。

一方…

”西日本” では…

山陰地方/・・・島根県 ・ 鳥取県が、<★ 火山フロント> になっていて…

近畿地方/・・・大阪府 ・ 京都府 ・ 滋賀県 ・ 兵庫県 ・ 奈良県 ・ 和歌山県には、そもそ

も、火山存在しませんね。

まあ…

この区分は、人間勝手線引きしたもので、火山温泉対応したものではありませ

ん。しかし、大雑把に言えば、そういう事の様ですね。

つまり…

”西日本” 大部分は…

<フィリピン海プレート> <★ 前弧・・・になる と、言われていますすが…

東日本 <日本海溝> <★ 前弧/・・・前弧地震帯> と違って、<深部流体の

湧き出す・・・温泉> が、各地にありますね。有馬温泉も、その1つです。しかし、火山

無いわけです」

「うーん…」夏美が、地図を眺めながら、うなづいた。「そうですね…

<同じ・・・前弧> でも、まるで違うわけですね。<太平洋プレートが沈んで行く・・・東

北の日本海溝・・・> と、<フィリピン海プレートの沈んで行く・・・近畿の南海トラフ ・

相模トラフ> とでは…」

「ま…」中西が言った。「大雑把に見て、そういう事です…

そして…

”九州” では…

温泉、<★ 前弧>  <★ 火山フロント> <★ 背弧> の、全ての領域分布

しています。

東北 ・ 中部 ・ 九州の…

3通りの地域での、温泉分布の違いは、それぞれの地域に沈み込んでいる、<海洋プレ

ートの・・・温度の違い> に、起因していると言います。そして、温度の違いとは、その地

の、<海洋プレートの・・・歴史に由来> している、と言います」

「はい…」響子が、ユックリと、うなづいた。


「まず…」中西が、参考文献  を取り上げて言った。「<太平洋プレート> は…

<東太平洋の・・・中央海嶺> 形成され、約1億3000万年かけて、日本列島までやっ

て来ています。つまり年齢1億3000万歳の、古いプレートという事になります。


 
                                                                                                                   (/ネットより画像借用)