Menu//ボスのTwitter/Twitter・社会/Twitter ・危機管理センター/地球近傍小惑星・ベンヌ |
Emergency
Twitter/危機管理センター
地球近傍小惑星/ベンヌ ★ 米国版・はやぶさ/・・・ オシリス・レックス小惑星探査機 ★ はやぶさ・2/・・・小惑星/リュウグウへ飛行中![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
トップページ/New Page Wave/Hot Spot/Menu/最新のアップロード/ 担当: ボス= 岡田 健吉 |
2016年9月~ |
|
9月 19日 |
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ オシリス・レックス /米国版はやぶさの挑戦
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(2)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「ええ、折原マチコです! お久しぶりです! 今回…星野支折に変わり、私/マチコが、高杉・塾長と一緒に<地球近傍小惑星/ ベンヌ>を考察します。どうぞ、よろしくお願いします! うーん…塾長… この、<地球近傍天体/地球近傍小惑星/・・・NEO(Near Earth Object)>は、<地球 衝突コース>になるのでしょうか?」 「うーむ…」高杉が、唇に指を当てた。「おいおいと、説明しますが…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(3)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …その可能性が指摘されています。まあ、こういう小天体は、たまに地球に落ちて来て いるわけです。サイズによりますが、いわゆる隕石です。珍しいものではありません」 「はい!」 「<地球近傍小惑星/ベンヌ>は… 計算では、2135年に地球に最接近し…<月の内側/月よりも地球に近い軌道>を かすめると…予想されています。 この<最接近・・・通過>の際に、軌道が少し変わってしまい、<22世紀後半>に、 <地球衝突コース>に乗ってしまう…可能性があると指摘されています」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(4)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「うーん…」マチコが言った。「そもそも、<ベンヌ>はどんな小惑星なのでしょうか?」 「1999年に…」高杉が言った。「太陽系空間で、不安定な軌道をたどっている小惑星が 発見されました。その軌道は、周期的に地球の公転軌道と交差するものでした…」 「はい…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(5)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「それは…」高杉が言った。「恐らく… 既知の<地球近傍小天体>の中で、地球と衝突する危険性が最も高いものでした。 この、<直径約500mの小惑星>は、エジプト神話の不死鳥にちなんで、<ベンヌ >と命名された様です」 「うーん…<ベンヌ>かあ…」マチコが、宙を見た。
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(6)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「推定で…」高杉が言った。「<ベンヌは・・・有機物質と含水鉱物の塊>であり…もし 不毛の天体に落下した場合には…<生命のタネ・・・をまく可能性>があります。 それから… 地球に落下した場合は、<TNT火薬換算で・・・推定3000メガトンのエネルギー> …と計算されています」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(7)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「3000メガトンかあ…」マチコが言った。「1メガトンの核弾頭が3000発ぶんよね…日 本に落ちたら、どうなるのかしら?」 「まあ…」高杉が言った。「ここには、詳しいデータは無いのですが… <直接的な衝撃エネルギー>と…<間接的な気候変動>などの影響があり…環境 の激変も、起こるでしょうねえ…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(8)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「うーん…」マチコが言った。「まだ、<だいぶ先の事>でしょうけど…どうしたらいいの かしら?」 「まあ…」高杉が言った。「そうした事を、これから考察するわけですが… それは、<だいぶ先の事>ではなく、<別の・・・地球近傍天体>が、衝突する可能 性もあるわけです」 「あ、そうかあ…」マチコが、頭に手を当て、髪をしぼった。
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(9)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「1つ…」高杉が言った。「言えることは…」 「はい…?」マチコが、両手を組んだ。 「その頃には… 私たちが提唱している… 半地下式の…〔人類文明の万能防護力〕/〔人間の巣/未来型都市/千年都市〕 が…世界中で相当に普及展開していると思われます。人類文明が持ち得る、<最大級 の防御力>です…」 「うーん…」マチコが、大きくうなづいた。「その、巨大衝撃にも耐えられると…?」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(10)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「直撃でなければ…」高杉が言った。「耐えられるでしょう! 〔核弾頭にも耐える・・・人類文明が考えうる・・・最強の防御力〕 です…」 「うーん…」マチコが、コクリとうなづいた。「はい!」 「しかし、」高杉が言った。「ともかく… まず、<小惑星/ベンヌ>を知る事が第1です。そのための、<ベンヌ/サンプルリ ターン>のミッションが、アメリカの<オシリス・レックス小惑星探査機>の打ち上げ です…」 「それが、」マチコが言った。「今、始まったという事ですね!」
|
9月 20日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(11)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「塾長…」マチ子が言った。「2135年の、最接近・通過で… <ベンヌ>が<地球衝突コース>に入った場合、具体的にどういう事が、可能なの でしょうか?」 「大きく分けて…」高杉が言った。「2つの方法がとられます。 1つは、<巨大な衝撃に対する・・・防御の態勢>で…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(12)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …もう1つは、<ベンヌに対する・・・迎撃の態勢>です。この攻・防の体制は、古来か ら表裏のものです」 「はい、」 「私たちが提唱する… 〔万能防護力〕/〔人間の巣/未来型都市/千年都市〕の世界展開は、<防御の態 勢>の方に入るわけですね。 一方、<迎撃の態勢>の方は…SF映画/『アルマゲドン』の様に、<ベンヌを・・・宇 宙空間で・・・破壊・コントロール>する、アクティブ(活動的)な方法です。
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(13)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「直径500mの…」マチ子が言った。「小惑星なら、さあ… そのまま鉱物資源として、採掘してしまえばいいんじゃないかしら。せっかく、向こうから 地球のすぐ近くまで、来てくれるんだし…」 「まあ…」高杉が、満面で微笑した。「それにも… まず、<ベンヌ>の詳しい調査が必要です」 「うーん…」マチコが、うなづいた。「はい!」
|
9月 22日 秋分の日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(14)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「それに…」高杉が言った。「直径500メートルの、小惑星質量/3000メガトン級の運 動エネルギーの、処理が問題です」 「うーん…」マチコが言った。「どう処理するのでしょうか?」 「資源として利用するのなら…」高杉が言った。「地球が吸収するしかないでしょう、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(15)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「うーん…」マチコが言った。「でも、ダイレクトに受け止めたら、3000メガトンよね!」 「探査機を…」高杉が、脚を組み上げた。「加速するには、フライバイ/スイングバイ(/ 天体の万有引力を利用して、探査機の運動方向を変更する技術。)を使って加速しますが…それで、逆に 減速できます。 しかし、色々と課題が多いですね。今の宇宙技術では、無理でしょう」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(16)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「例えば…?」マチコが、顎に手を当てた。 「捕捉して…」高杉が言った。「次に、何処に置くかです… 落ちてきたら…非常に危険な大質量です。地球の衛星軌道に置くか、月に置くか、ある いは、月軌道上の重力バランスポイントに置くか、削って分散し、地球に降ろすか… それ以前に…それ相応の資源価値があるものかも、カギになりますね。地球の大気圏 下に降ろすにも、技術開発が必要です。」 「そうかあ…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(17)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「<核爆弾>で…」マチコが言った。「爆破したら…?」 「まあ…」高杉が言った。「それが、一番簡単で、経済的で、確実でしょう。相当に早い段 階で、処理に踏み切ることもできます。 <戦争ゴッコ>のために開発された、<嫌われ者の・・・核爆弾>ですが、はじめて “人類のために役立つ時”が来るわけです。 まあ…いずれにしても、まず<ベンヌ>を、詳しく知る事です!」 「はい!」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(18)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「小惑星というのは…」高杉が言った。「<太陽系形成・・・の名残り>なのです。 私たちの歴史の中で…<最も古い・・・闇の世界>を、現在に伝えてくれている使者… とも言えます。 <地球の・・・地質の記録>を…数億年遡ってデータ保存しているのは、小惑星だけ です。その、<小惑星のサンプル>を…
|
9月 23日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(19)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …入手すれば、太陽の誕生と惑星の形成…さらに地球生命の起源に関する手掛かり も…得られるかも知れないと言います。 しかも…こうした科学的好奇心に加え、<天体衝突回避・・・のデータ>も、収集する 必要があるという事です」 「うーん…そうですよね、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(20)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「日本の<はやぶさ探査機>や…」高杉が言った。「<オシリス・レックス探査機>は …小惑星のサンプルリターンを主目的としていますが… 実は、小惑星のサンプルと言うのは、隕石として頻繁に地球に降り注いでいます。ただ、 元々の状態を保っている隕石はごくわずかです」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(21)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「うーん…」マチコが、うなづいた。「<オリオン座流星群>(/10月中旬から下旬にかけて活動 する、オリオン座の方向から来る流星群。みずがめ座流星群とともに、ハレー彗星を起源とする流星群です。2006年に 突然活発化し、ここ数年流星数が多くなっています。全流星群の中で2番目に速度が速い流星群です。そのため、明る い流星が多くあります。)などは… 大量の流れ星となって、地球上に降り注いで来るわよねえ。でも、殆どは大気圏で燃え 尽きてしまうのよね…」 「そうです…」高杉が言った。「大きなものは、燃え尽きずに地球上に落下しますが…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(22)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …そうしたものも、大気圏突入の際の猛烈な熱で、表面が融けてしまっています。また、 発見されるまでに、数年 ~ 数百年、数千年にわたって地球の風雨に晒(さら)され、劣 化し、資料データはごくわずかです。 ただ最近…採集が活発になった<南極隕石>(なんきょく・いんせき)は、雪の中に落ちるた めに、風化や汚染から免れています」 (★ <南極隕石> /1969年に日本の南極地域観測隊が大量に発見したことから、他の国も採集を始めた。南極隕石は2010年の時点 で4万8000個あり、2010年の時点で見つかっている全隕石のおよそ77%を占めています。南極隕石に対し、南極以 外の場所で発見された隕石を、非南極隕石といいます。 南極隕石の特長は3つです・・・ <数が多いこと> <雪氷上にあるため発見しやすいこと> <風化や汚染がほとんど進んでいないこと> 南極隕石は、主に山脈の麓の裸氷帯で見つかります。これは南極に落ちた隕石が氷河や氷床によって特定の場所に集 積されるため、と考えられています。) (裸氷/らひょう・・・氷床や棚氷の上に、積雪・砂・砂利がない状態。強風などで表面が削られてむき出しになった氷。)
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(23)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「うーん…」マチコが、うなづいた。 「そして…」高杉が言った。「さらに、宇宙空間の小惑星は… <不活性環境の中で・・・何十億年も実質的に変化せず・・・太陽系形成当時の姿> …を保ってきたわけです。そうした資料を得るには、探査機によるサンプルリターンしか ありません」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(24)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「そうよね…」マチコが言った。 「そうした小惑星の中でも…」高杉が言った。「<ベンヌ・・・は特殊な惑星>です」 「あ、そうなんですか…?」 「博物館に展示されている隕石の大半は、石と金属からなるものです。そうしたものが、 大気圏で燃え尽きずに残って、隕石になるわけです」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(25)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「うん…」マチコが、うなづいた。 「一方…」高杉が言った。「<ベンヌ>は… デリケートな、<有機物質からなる・・・石炭の様な・・・真っ黒な塊>です。こうした <炭素質の物質>が元になって…<炭素を基本とする・・・地球生物の生化学>、 が生まれた可能性があるのです」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(26)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「うーん…」マチコが、宙を見た。「<有機物質/有機物>(/炭素を含む化合物の中で、炭素と 酸素からなるもの(/一酸化炭素や二酸化炭素を除く・・・)をいいます。有機物には、生物体内で作られる炭水化物、脂 肪、蛋白質等のほか、無数の人工的に合成された有機化合物があります。)かあ…」 「<地球近傍小惑星/ベンヌ>が…」高杉が言った。「もし… <NEO(Near Earth Object)/地球近傍天体>でなかったとしても… 科学者にとっては…調査したい、興味津々の小惑星だったわけですね。ともかく、<N EO/地球近傍天体>である<ベンヌ>のサンプルリターンは、生命起源を探究する 科学者にとっても、大きなチャンスになったわけです」
|
9月 24日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(27)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「もう1つ…」高杉が言った。「<ベンヌ>が<NEO/地球近傍天体>だという事は、 地球の非常に近くまでやって来る、という事です。 つまり、探査機を送り込みやすいのです。アステロイド・ベルト/小惑星帯(/火星と木星の 間にあり、小惑星が帯のように集中している太陽系軌道)まで行ってサンプルを持ち帰るのとは、異なり ます」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(28)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「ふーん…」マチコが、うなづいた。「最短コースで、送り込むわけかあ…」 「技術的な…」高杉が言った。「コースどりは後で考察しますが、そういう事でしょう。サン プルリターンには、非常に有利な条件です。まあ、具体的な事は、これから考察します」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(29)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「まず…」高杉が言った。「<ベンヌ>という小惑星ですが… この天体は…少なくとも10億年前…火星と木星との間(/アステロイド・ベルトの軌道)を漂って いた原始惑星から衝突で放り出された、<ラブルパイル天体/破砕集積体(はさい・しゅ うせきたい)>として誕生した時に遡ります」 「はい…」マチコが、うなづいた。
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(30)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「<ラブルパイル天体/破砕集積体>と言うのは…」高杉が言った。「<岩塊が・・・ 弱い重力の集積で・・・形成される天体>…と考えられています。SF映画/『アルマゲ ドン』の小惑星の姿です。 したがって…以前から存在は予想されていたのですが、日本の探査機/<はやぶさ> による、<小惑星/イトカワ>の観測によって、存在が実証された天体です」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(31)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「ふーん…」マチコが言った。「つい、最近なんだあ…」 「そうですね…」高杉が言った。「実証的な太陽系物理学は…その探査手段の獲得によ って、まさに始まったばかりです」 「はい…」 「小惑星の中には、<軌道要素の・・・よく似たもの>が存在します。そうした中で…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(32)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …特に似ているものどうしを、<族/小惑星族>と呼びます。 <族>の小惑星は…もともとの母天体が、他の天体との衝突によって破壊され、複数 の小天体となり、<小惑星族>を形成したと考えられています。 また…破片どうしの相対速度が小さい場合、<衝突・破壊・重力集積>が進み…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(33)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …新たな天体/<ラブルパイル天体>を誕生させた様です」 「うーん…」マチコが、うなづいた。「<イトカワ>も、この<ラブルパイル天体>と言う わけね?」 「そうです…」高杉が言った。「実証された第1号です。アステロイド・ベルト/小惑星帯 では…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(34)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …太陽系の誕生以後、こうした<ラブルパイル天体>の形成が現在も続いています。 現在、観測されている多くの小惑星は…こうした<衝突・破壊・重力集積>の過程を 経ているものと考えられる、と言います」 「アステロイド・ベルは…」マチコが言った。「案外と、活動的なわけなんだあ…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(35)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「さて、次に…」高杉が言った。「<オシリス・レックス/探査機>について、その開発 経緯を考察します」 「はい…」マチコが言った。「<はやぶさ/探査機>の様な…開発の経緯ですね?」 「そうです…」高杉が、うなづいた。「“参考文献”の著者/D.S.ローレッタ (Dante S. Lauretta) が、アメリカの…
|
9月 25日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(36)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …アリゾナ大学/月惑星研究所の助教になって、3年目に始まった様です。 その年…宇宙航空企業のロッキードマーチン社が、彼の上司/ドレイク(Michael J.Drakeに 接触してきたと言います。 そして、NASA(米航空宇宙局)が提案中の<小惑星サンプルリターン計画>の首席研 究者への…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(37)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …就任を打診して来ました。そして、ドレイクは、彼/D.S.ローレッタを補佐に指名しまし た」 「ミッションでは…」マチコが言った。「そんな風に、ヘッドハンティング(/経営者、経営幹部、そ れに準ずるミドル層などの優秀な人材を外部からスカウトし、自社に引き入れること )するわけなんだあ…」 「まあ… ミッションにおける彼の初期の仕事は、その<科学的意義・・・を明確化>する事でし た。彼は…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(38)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …10年以上にわたって隕石を研究し… <原初物質のサンプルを・・・相当量持ち帰ることによってのみ・・・問題解決可能 な未解決問題> …を熟知していました。 当時、サンプルリターンを計画していたのは、日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)による <はやぶさ>だけだったと言います」
|
9月 26日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(39)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「<はやぶさ>は…」高杉が言った。「1500個ほどの、微小な鉱物粒子を収集し、奇跡 的に地球に帰還できたわけですが…<イトカワ>は<石に覆(おお)われた・・・白っぽ い小惑星>です」 「はい…」マチコが言った。 「それに比べて…<ベンヌ>は、<黒い・・・石炭質の小惑星>です」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(40)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「そうですね…」マチコが、うなづいた。 「つまり…」高杉が言った。「2つの小惑星は、全く異なる歴史性と科学的意味を持ってい る、と言う事です」 「そうかあ…」 「<ベンヌ>のサンプルリターンは…いよいよ<有機物質・・・の新領域>に踏み込も うとしている、という事です」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(41)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「“参考文献”の著者/ローレッタは…」高杉が言った。「<ミッションの主要科学テー マ>の概略を起草し、<4つのキイワード>を作っています。 <origins/起源> <spectroscopy/分光法> <resources/資源>…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(42)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …<security/安全対策>…です」 「はい…」マチコが、うなづいた。「地球近傍天体だから、<security/安全対策>も入 っているわけですね」 「科学者として…」高杉が言った。「科学的探究心の事項が先に来て、資源・安全対策が 後回しになっている所が…面白いですねねえ、」 「うーん…」マチコが、口に手を当て、うなづいた。 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(43)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「<ベンヌ・・・の表土>…」高杉が言った。「つまり、<レゴリス/岩石の表面を覆っ ている堆積物>の組成を…<spectroscopy/分光法>で調べれば、科学的に有用 なサンプルを収集できる確率が高まります。 それによって、採掘可能な資源の有無も分かります…」 「はい…」マチコが言った。
|
9月 27日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(44)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「さらに…」高杉が言った。「<ベンヌの・・・軌道/組成/その他の特性>…につい て理解が進むほど…地球に衝突の見極めの精度も高まり…それを回避する方法も見え て来るわけです」 「<核爆弾>で、やみくもに爆破するのが、SF映画/『アルマゲドン』よね、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(45)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「はは…」高杉が笑った。「アメリカ人好みの活劇ドラマに仕上がっていますが、<ゆる い重力で保たれている・・・小惑星の姿>は、見所があります。 ただ…あんなドタバタ喜劇にならない様に、いよいよ、<NEO/地球近傍天体>に、 <人類初の探査機>を送り込むわけです」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(46)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「今度は…」マチコが言った。「<はやぶさ>の様に、<微小粒子が・・・約1500個> という事は、ないですよね?」 「<はやぶさ>の…まあ、失敗から学び…改良している様ですねえ。 <大量の・・・高精度の実地調査データ>は、これまでの望遠鏡観測や理論モデルを 超えて…
|
9月 28日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(47)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …それらの誤りを正すことも可能になり、太陽系内の様々な小惑星に関する研究も、大 きく前進します」 「うーん…」マチコが言った。「<はやぶさ/探査機>の場合は、サンプルリターンの実 質的な学術的成果よりも、ミッションが成功し、様々な困難を乗り越えて…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(48)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …<初めての小惑星探査/サンプルリターンに成功>した…という象徴的な功績 が大きいのかしら?」 「まあ…」高杉が言った。「最初というのは、何時も、そういうものかも知れません。話を 戻しますが… NASAは…<2011年5月25日・・・オシリス・レックス/探査機のプロジェクトを正 式にスタート>、しています」 「はい…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(49)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「残念ながら…」高杉が言った。「プロジェクトを率いて来た上司/ドレイクは…その年の 9月に死去し…“参考文献”の著者/ローレッタが、後を引き継ぐことになります…」 「うーん…」マチコが言った。「日本の<スーパーカミオカンデ>のミッションでもさあ…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(50)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …梶田隆章・所長(/東京大学宇宙線研究所長・教授/2015にノーベル物理学賞を受賞)の上司/戸塚 洋二さん(/1997年からは東京大学宇宙線研究所長。翌1998年、スーパーカミオカンデでニュートリノ振動を確認 し、ニュートリノの質量がゼロでないことを世界で初めて示した。2001年に起きたスーパーカミオカンデの光電子増倍管の 70%を損失する大規模破損事故の責任をとり、東京大学を辞職。)が、ノーベル賞受賞以前に、亡くなって いますよね、」 「まあ…」高杉が言った。「そうですねえ… そんな風に、科学や文化、そして文明と言うものが、引き継がれて行くわけです。 純粋学問(/素粒子物理学や天文学などは経済的な利潤とは縁遠く・・・逆に、医学や創薬は資本投下や経済のダイ ナミズムに直結しています。)や、純粋芸術(/お金や経済に関連する以前の、純粋な芸術活動)はいいですね え、」 「うーん…」マチコが、大きくうなづいた。「はい…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(51) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
すでに…2016年9月8日に、打ち上げに成功しています。 2018年に…探査目標の<小惑星/ベンヌ>に到着…サンプルを採取(/少なくとも、 60g のサンプルを収集)…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(52)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …3年以上周回(/地形を徹底的にマッピンク)…2023年に地球に帰還する予定です…」 「はい…」マチコが、うなづいた。「今月の9月8日に…すでに打上げられている、という 事ですね、」 「そうです…」高杉が言った。「アトラスVロケットによって、フロリダのケープ・カナベラル 空軍基地から、打ち上げらています」 「はい!」
|
9月 29日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(53)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
指し…2週間後には、搭載した科学観測機器をオンにしています…」 「その後は…?」 「うーむ…」高杉が、モニターをスクロールした。「太陽を周回飛行しながら…<ベンヌ> へと軌道を変更し…2017年9月に、<地球を・・・スイングバック>しますねえ…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(54)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
「はは…」高杉が、笑って頭に手を当てた。「ネットのニュース記事は…そうなっています が、これは<スイングバイ>の間違いですね。<スイングバック>は、ゴルフの話で しょう、」 「うーん…」マチコも、頭のてっぺんに手を当てた。「ゴルフのスイングバックかあ、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(55)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
われることが多い)/スイングバイ(/天体の万有引力を利用して、宇宙機の運動方向を変更する技術。天体の 公転運動を利用することで、宇宙機を増速あるいは減速することができる。<重力アシスト>あるいは<重力ターン>、 <近傍通過>とも呼ばれます。)>は、天体の引力を利用し、探査機の運動方向を変える技術 です。 その<スイングバイ>から得た運動エネルギーで、<オシリス・レックス/探査機> は加速し、2018年8月には<ベンヌ>に到達します」 「はい!」マチコが、大きくうなづいた。
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(56)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
太陽系が生まれる以前から・・・現在に至るまで>…非常に広範な時代が記録され ている、と言います」 「太陽系が…」マチコが言った。「生まれる以前からの記録/記憶も、ですかあ…」
|
9月 30日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(57)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「<ベンヌの・・・最古の鉱物>は…」高杉が言った。「死に行く星が発する<恒星風> (こうせいふう/恒星表面から吹き出すガスの流れ)の中で形成された、微小な粒で…太陽系よりも前 にできたとから、<プレソーラーグレイン>と、呼ばれるものです」 「うーん…」マチコが言った。「<プレ(以前の)・ソーラー(太陽の)・グレイン(穀物、穀類)>か あ…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(58)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「これらの粒は…」高杉が言った。「最終的に、太陽や惑星に取り込まれたわけですね」 「そして…」マチコが言った。「<ベンヌ>の様な小惑星の…ええと…<レゴリス/岩石 の表面を覆っている堆積物>にも…ですね?」 「そう、理論予測されています」 「はい!」マチコが、コクリとうなづいた。
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(59)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「逆に…」高杉が言った。「<ベンヌの・・・最も若い構成成分>は…微小隕石の衝突 や宇宙線、太陽フレアーによって変性した…鉱物や化学物質と想定されています。 <オシリス・レックス>は、こうした<宇宙風化作用>を、<ベンヌ>で初めて調査す るわけです」 「はい…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(60)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「<ベンヌ>を…」高杉が言った。「形作っている物質の大半は…有機分子と含水粘土 鉱物です。 これらはDNAやRNA、タンパク質など…地球生命の構成成分の、原材料と想定され る物質と同じです」 「うーん…」マチコが、両腕を組んだ。「そうなんだあ…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(61)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「<ベンヌ>の…」高杉が言った。「水の1部はかつて… 小惑星の中心部で…<アルミニウム26>や<鉄60>など短寿命の放射性同位体 の崩壊熱によって…液体の状態に保たれていました」 「はい、」マチコが、うなづいた。 「生命誕生以前の初期の地球には、無数の<ベンヌ>の様な炭素質の…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(62)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …小惑星が落下・衝突したはずです。しかし、それらの小惑星が本当に地球に生命を 誕生させたのか? これは地球を調べるだけでは、判断が難しいわけです。そうした太古の岩石が、そのま ま残っている例は、皆無だからです、」 「うーん…」マチコが言った。「そうかあ…」
|
10月 1日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(63)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「さて…」高杉が言った。「幾つかの企業や国家が、小惑星の資源採掘を真剣に研究し ている様です。 小惑星の稀少金属を抽出し、地球に持ち帰ること…あるいは、小惑星の氷/水を利用 し、ロケット燃料を生産する方法等です」 「あ、水素と酸素に分解するわけかあ…」マチコが言った。
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(64)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「それに…」高杉が言った。「3Dプリンターを使えば… 月や小惑星の資源で…宇宙空間での建設資材/部品が容易に作成できます。かなり 複雑な機械部品等も、宇宙空間で供給できるようになるはずです。 <巨大な・・・重力波望遠鏡>が、太陽系空間で展開する時代になれば、そうした事も 必要になります」 「うーん…」マチコが、うなづいた。「食料も、宇宙空間で生産できるのかしら?」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(65)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「水と光があれば…」高杉が言った。「容易です。両方とも、豊富にありますね。そんな未 来社会が近付いているわけですが…<戦争ゴッコ>に熱中すると、宇宙空間も<戦争 ゴッコのステージ>になってしまいますねえ、」 「絶対に…」マチコが言った。「そんな事には、したくないわよね!」 「そうです!」高杉が、コブシを握って、うなづいた。
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(66)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「宇宙を…」高杉が言った。「<戦争ゴッコのステージ>にはしないために、今が、非常 に重要な時です。 <宇宙空間イノベーションの・・・スタート・ダッシュ時>に、<科学技術の・・・軍事 転用/軍事協力は・・・厳しく監視して行く>のが…人類の英知です。 <戦争ゴッコ>は、“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”で卒業し…“文明の 第3ステージ/意識・情報革命”は…〔パラダイス/極楽浄土〕を、建設する時代です。」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(67)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「うーん…」マチコが、深くうなづいた。「<防衛目的なら・・・軍事協力も許される>、な んて言う人もいるけどさあ…それも、<しっかりと・・・戦争ゴッコ>よねえ!」 「そうです…」高杉が、うなづいた。「<攻と防の内の・・・防の方>ですから…そういう 事ですねえ。<そんな風に・・・軍拡がエスカレート>、して行くわけです。 もう…<人類文明は・・・戦争を必要としない時代>、に入っているのです。<食物連 鎖の野生の喧騒を超え・・・大自然の生命潮流の中に・・・さらに1歩深く踏み込むス テージ>…に入っているのです」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(68)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「はい!」マチコが、しっかりと、うなづいた。 「さて…」高杉が、モニターに目を投げた。「<オシリス・レックス>は… <ベンヌ>を3年以上にわたって周回し…<ベンヌ>を正確に、徹底的にマッピング (/① ある情報を1対1に、別の情報に対応させること。コンピューターではプログラム中の番地を、記憶装置の実際の番 地に対応させること。② 数学で・・・写像。)します。 これは将来、<小惑星の・・・採掘ミッション>の、先導役を果たす事になると、期待さ れています」 「はい…」
|
10月 2日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(69)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「塾長…」マチコが言った。「もう1度、聞くけどさあ… <ベンヌ>は、本当に地球に衝突するのかしら?」 「うむ…」高杉が、うなづいた。「<ベンヌ>は… <直径0.5kmの地球近傍小惑星>ですが、地球に衝突する可能性が、<わずか ながら・・・有る>という事です、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(70)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「うーん…」マチコが、顎にコブシを当て、うなづいた。 「<ベンヌ>は…」高杉が言った。「<2135年に・・・地球近くの軌道に進入>し… 月軌道/地球の上空約38万kmよりも内側の、<約30万km>の所をかすめる見込 みです。問題は、その<衝突エネルギーが・・・TNT火薬換算で3000メガトン>…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(71)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …と言います。これは現在アメリカが保有する、全核爆弾の爆発力に匹敵すると言いま す」 「3000メガトンかあ…」マチコが、口に指を当てた。 「<ベンヌ>は…」高杉が言った。「この接近遭遇の際に、<キーホール/・・・直径数 kmの領域>の、どれかを通過する可能性があるのです」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(72)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「<キーホール>ですか?」マチコが聞いた。「針の穴の様な…?」 「そうです…」高杉が言った。「これは、幾つかある様なのですが…その<キーホール> を通過した場合、地球の重力によって<ベンヌ>の軌道が少し変わり、将来の接近遭 遇で、地球に衝突する可能性が、出て来るのだそうです」 「うーん…地球の重力/引力の影響で、吸い寄せられるのかしら?」 「まあ、そうですねえ…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(73)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「ともかく…」マチコが、頭を傾げた。「可能性はあるんだあ…」 「その時の…」高杉が言った。「月軌道上の、月の位置によっては…月のわずか数万 kmの所をかすめるわけですが、その危険性の指摘はない様ですねえ。月には無数の クレーターがありますが…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(74)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …大きなクレーターは、そうした小惑星が衝突した跡でしょう。 月には大気や水の流れがが無いですから、そのまま衝突の痕跡が残るわけです」 「小惑星の衝突は…」マチコが言った。「そう珍しい事では無いと?」 「天文学的な時間の中では、そういう事です… まあ…<ベンヌ>の軌道は、これからさらに正確な、再計算がくり返されます…」
|
10月 3日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(75)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「塾長…」マチコが言った。「<キーホール>を通過すると、どうして軌道が変わるのか しら?」 「“参考文献”には…」高杉が言った。「詳しい説明はないのですが、<ヤルコフスキー 効果>という現象に言及しています」 「<ヤルコフスキー効果>…ですか?」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(76)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「そうです…」高杉が言った。「この効果は、自転する小惑星の表面に太陽光が当たると、 <温められた側から・・・放射される熱>により…小惑星の軌道を変える<推力>が 生じる他に…自転速度と自転軸の向きを変化させる、<トルク>が生まれる様です。」 「うーん…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(77)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「そんなに微妙な事で…」マチコが、宙を見て言った。「軌道が変わるんだあ…」 「小さな小惑星では…」高杉が言った。「という事ですね… <ベンヌ>の場合は…1999年の発見から、これまでに、軌道が160kmほどズレたと 言います。また同様の効果によって…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(78)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …<ベンヌ>の自転速度が上がり、形状は回転するコマの様に、赤道付近が膨らんだ 姿になった…と言いますねえ、」 「うーん…」マチコが、首をひねった。「直径500mの天体ならさあ…重力による結集力は 弱く…弱い回転でも、赤道付近は膨らむのかしら…?」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(79)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「ともかく…」高杉が言った。「<オシリス・レックス>は… これらの効果の、背景の要因を、これまでにない高精度で、計測して行く事になります。 1度、地球をスイングバイして、速度を上げ…2年かけて<ベンヌ>に向かいます。そし て、2018年に<ベンヌ>に到着し…
|
10月 4日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(80)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …3年以上にわたって<ベンヌ>を周回し、その形状・密度、表面組成を計測し、サンプ ル収集の適地を探し、実行します」 「ふーん…」マチコが言った。「時間は、タップリあるわけね、」 「そうです…」高杉が言った。「そうした過程で、<ヤルコフスキー効果>の観測も…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(81)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …必然的に行われるわけです」 「いつ…」マチコが言った。「サンプル収集を、するのかしら?」 「そうですねえ…」高杉が、顎に手を当てた。「早ければ… 到達の2年後、2020年の7月にも…候補地の内の1つで、<5秒間の・・・タッチ・アン ド・ゴウ>を実施します」 「はい…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(82)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「まあ…」高杉が言った。「<タッチ・アンド・ゴウ>の間に… 伸縮アームによってサンプルを収集するわけですが、日本の<はやぶさ>では1500個 ほどの微粒子しか、収集できなかったわけです。この辺りも、<はやぶさ>の経験をいか し、改良している様です」 「はい…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(83)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「うーん…」マチコが言った。「2020年7月は、東京オリンピックの直前ですよね?」 「まあ…」高杉が言った。「そうなりますねえ… 今度は、一定量のサンプルを収集できるでしょう。地球への帰還にも、2年半の飛行を要 します。サンプルを収めたカプセルは…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(84)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …今度はアメリカ/ユタ州の砂漠に着地し、回収されると言いますねえ、」 「うーん…」マチコが言った。「その、<大量の・・・有機物サンプル>は、貴重よね、」 「その通りです!」高杉が、うなづいた。「巨大な地球生命圏の、起源に関する情報を、含 んでいます」 「はい…」
|
10月 5日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(85) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ ★ <ベンヌ>・・・地球近傍天体としての危険性 ★
地球近傍天体の衝突回避のためのデータ収集という、2つの主要な目的を持ってい ます。その、どちらが主目的と言っても…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(86)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …片手落ちの気がします。 さて…その、<ベンヌの・・・危険性/脅威> について考察しましょう。<ベンヌ>が 地球に衝突するかどうかを見極めるには、その惑星軌道を極めて高精度に計測する必 要があります」 「うん…」マチコが、うなづいた。「<ベンヌ>の惑星軌道かあ、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(87)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「それって…」マチコが言った。「ハレー彗星の様な、楕円軌道かしら?」 「ハレー彗星は…」高杉が言った。「約76年周期で地球に接近する短周期彗星ですが、 そんな彗星の様な軌道の天体ではありません」 「はい…」マチコが言った。「あ、でも…短周期彗星と言うのは?」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(88)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「短周期彗星と言うのは…」高杉が言った。「公転周期が200年未満の周期彗星です。 これに対し、 公転周期が200年以上の彗星を、長周期彗星と言います。 まあ、彗星の話は、別の機会に譲るとして…<ベンヌは・・・1.2年で太陽を1周>し ます」 「はい…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(89)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「そして…」高杉が言った。「ええ… <軌道速度・・・毎秒28km超>、<6年ごとに・・・地球に接近>、<1回の公転で 移動する距離・・・10億km超>、<地球から最も遠ざかる距離・・・3億4000万k m>…ですね、」 「うーん…」マチコが、頭に手を当てた。
|
10月 6日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(90)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「<ベンヌ>は…」マチコが言った。「定期的に地球に接近するので、調べやすいのかし ら?」 「その通りです…」高杉が、うなづいた。「それ故に、危険な天体でもあり…小惑星の中で は最も詳しく、軌道が調べられています」 「<ベンヌ>とは、そういう天体なんだあ、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(91)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「<ベンヌ>の…」高杉が言った。「軌道長半径(/軌道上の2点間の、最大距離の半分)の不確 実性は… <全長/168,505,699・049kmに対し・・・わずか6mの誤差>、の精度です。 しかし、これでも不十分なのです。多くの外的な力で、軌道そのものが変化するからで す」 「他の天体の影響かしら…?」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(92)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「そうです…」高杉が言った。「<ベンヌ>の正確な軌道を描くために… <オシリス・レックス/チーム>は、高忠実度のコンピューター・モデルを用い、<ベン ヌ>の軌道に及ぶ全影響力を計算しています」 「うーん…」マチコが言った。「全影響力ですかあ…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(93)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「まず…」高杉が言った。「<太陽の重力効果>…そして、<太陽系の8つの惑星、 準惑星の冥王星、大型の小惑星、月などの衛生>…それから、<地球の扁平率> (/地球は自転しているため遠心力が働いています。このため、地球の形は<真球>ではなく<楕円球>になっていま す。つまり、遠心力で上から押しつぶしたように、やや扁平になっています。その扁平の度合いのことです。)も重要で、 <ベンヌ>が近くを通過する際に、軌道にかなりの変化を誘起すると言います…」 「うーん…扁平率も、ですかあ、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(94)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「こうした…」高杉が言った。「精密計算の結果… <ベンヌ>は、2135年に地球から30万km以内を通過する…と算出されているわけ です」 「ふーん…」マチコが、頭に手を当てた。「広大な、太陽系空間を公転している地球が… <小惑星軌道の・・・ベンヌ>と…ニアミスを起こす、という事よね…?」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(95)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「そうです…」高杉が、コクリとうなづいた。 「うーん…」マチコが、宙を見た。「北朝鮮の…ノドン・ミサイルを打ち落とすより、難しい わよね…」 「はっはっはっ…」高杉が笑った。「<ベンヌ>は秒速28kmです。地球の引力圏を脱 出するには、秒速11・2km(/第2宇宙速度)が必要ですし…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(96)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …衛星軌道へ打ち上げるには、一応、第1宇宙速度/秒速7・9kmが必要ですが、ノド ン・ミサイルは、衛星速度にも達していないでしょう」 「そうかあ…」マチコが言った。「でも、<はやぶさ>は、サンプルリターンに、成功したわ けよね」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(97)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「うーむ…」高杉が笑った。「だいぶ、話のレベルが下がってしまった様です。 ともかく… <ベンヌ>が…2135年の地球に接近通過の際に…<地球近傍領域にある・・・複 数の・・・キーホール>の、どれかを通過した場合、<累積の重力効果>によって22 世紀の終わり近くに、<地球衝突軌道>に乗るという事ですね…」 「うーん…」マチコが、腕組みをした。 「それで…<3000メガトン/・・・アメリカの保有する核弾頭・核爆弾の総量>…に 匹敵する、衝撃が襲うわけです…」
|
10月 7日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(98)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「<ベンヌ>が…」高杉が言った。「<キーホール>のどれかを、実際に通過するかど うか…現在は<ベンヌ>について十分には分かっていないので、予測はつかないので す」 「でも…」マチコが言った。「ニアミスする事は…分かっているんだあ、」 「そういう事です!」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(99)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「現在の…」高杉が言った。「計算では、<2196年に・・・地球に衝突する確率は・・・ 約1万分の1>です。そして可能性を全て合わせると…<2175年 ~ 2196年の間 に・・・地球に衝突する確率は・・・約2700分の1>…だと言います」 「うーん…」マチコが、うなづいた。
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(100)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「その確率で…」マチコが言った。「3000メガトン級の天体衝突かあ… 万馬券(/配当金が1万円以上の馬券)の4分の1の確率よね。あ…馬券は、1枚100円だから、 その100分の1か…でも、ひょっとして、馬連(うまれん/1着2着の馬を、順不同で当てる馬券)で当 たるかも…」 「うーむ…」高杉が言った。「<キーホール>と<地球衝突>の馬連というわけか…ま あ、<キーホール>が1着で、次に<地球衝突>の順ですがね、」 「うん!」マチコが…宙を見て考え込んだ。
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(101)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「ええと、それに…」高杉が言った。「<ベンヌ>が太陽系の内側(/太陽系の内惑星は、地球
突と同程度>にある、と言います」 「外に…?」マチコが言った。「弾かれるのかしら?」 「“参考文献”には…」高杉が言った。「説明はないのですが…ともかく、そうなれば、2度 と地球に接近する事はないでしょう」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(102)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「ふーん…」マチコが、うなづいた。「もし、<地球衝突>が無かった場合は…そういう事 になる、という事よね?」 「そうです…」高杉が言った。「そして… その両方が回避された場合は…最終的に、<太陽に落下>する確率も…やはり同程 度ある様です」 「その後、かあ…」マチコが言った。
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(103)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「また…」高杉が言った。「確率は、やや下がりますが、<金星に衝突>する可能性も、 あると言います。さらに、確率はずっと下がりますが、<水星や火星、そして木星>と の衝突も、あり得ると言います」 「うーん…」マチコが言った。「外惑星の木星ですかあ…」 「そうです…」高杉が、うなづいた。
|
10月 8日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(104)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「<ベンヌ>の…」高杉が言った。「地表、内部、軌道相互作用について…より優れた コンピューター・モデルができれば、予測精度も向上します。<オシリス・レックス>は、 そうしたデータも収集できるわけです」 「<はやぶさ>よりも、意欲的なわけですね?」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(105)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「当然です…」高杉が言った。「そうでなければ、2番手の意味が無いですし、評価もされ ません」 「はい…」マチコが、うなづいた。 「<NEO/地球近傍天体>の…」高杉が言った。「<地球衝突>に関して…<オシリ ス・レックス>の最大の貢献と予測されているのは…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(106)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …<ヤルコフスキー効果>の実地調査です。この現象は近年(/1900年頃に研究発表)に 発見されたものですが、<重力によらない・・・軌道への影響>です」 「あ…」マチコが言った。「そうかあ… これは、重力によらないわけかあ…これは、小さな小惑星の表面に太陽光が当たると、 その放射熱で、<軌道を変える様な・・・推力やトルク>が…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(107)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …うまれる、のだったかしら?」 「そうです…」高杉が、うなづいた。「<小惑星が太陽光を受け・・・そのエネルギーを 熱として宇宙空間に再放射する場合に・・・小惑星に働く力を記述したのが、ヤルコ フスキー効果>…です」 「はい…」マチコが、大きくうなづいた。
|
10月 9日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(108)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「小惑星表面の…」高杉が言った。「熱分布に偏りがある場合…熱放射がロケットエンジ ンの様な働きをして、小惑星の軌道が、しだいにズレて行くわけです…」 「ふーん…」マチコが、神妙にうなづいた。 「そして…」高杉が言った。「小惑星の自転が…順行/地球同様に…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(109)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ …西から東に回転している小惑星は…この推力を受けて太陽から離れて行きます。しか し、<ベンヌ>の様に…自転が逆行している小惑星は…太陽系の内側へ漂っていく様 です」 「うーん…」マチコが、うなづいた。「ともかく…軌道に影響を与えるという事よね…太陽光 が…」 「そうです、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(110)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「まあ…」高杉が言った。「<ベンヌ>に対する<ヤルコフスキー効果>は…地上望遠 鏡と宇宙望遠鏡の両方で、計測されていています。 1999年に…<ベンヌ>が発見されて以来、軌道はすでに160km以上ズレた様です」 「うん、」マチコ言った。「10数年で160km以上かあ…1年に10kmかしら?」 「うーむ…」高杉が、顎に手を当て、モニターに目を流した。
|
10月10日 体育の日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(111)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「これは…」高杉が言った。「おそらく… <ベンヌ>が、小惑星帯/アステロイド・ベルトよりも遠い場所…もっと木星軌道に近い 場所で生まれ…内側の現在の軌道まで移動してきた事を示している…と思われます」 「うーん…」マチコが言った。「そうかあ…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(112)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「不均一な…」高杉が言った。「日射と熱放射は…小惑星の自転にも影響を及ぼします。 回転するコマに似た<ベンヌの形状>は、これで説明ができると言います」 「うーん…」マチコが言った。「<ベンヌの形状>には、そうなる意味があった…と言うわ けかあ、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(113)
★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★ 「まあ…」高杉が言った。「それが、科学的推理というものです」 「はい…」マチコが、うなづいた。 「<ベンヌ>の非対称な地表に、太陽光が降り注ぐ事によって、長い間に自転速度が 上がり、地表の物質が極から赤道へ動かされた、という事です」 「うん、」マチコが、短くうなづいた。
|
10月13日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(114) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
の地表には、風化していない新鮮な物質が、露出している可能性があると言います。 <原初のサンプル>を取得する上では、好都合です」 「はい…」マチコが言った。
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(115) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
<自転・表面の状況・放射熱>を計測して…<ヤルコフスキー効果>を、詳しく調べ る予定です」 「そうかあ…」マチコが言った。「<ヤルコフスキー効果>を、間近で、実地調査をする わけよね、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(116) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
ヌの加速>も、直接計測します。 <ヤルコフスキー効果>が、詳しく分かれば、それによって…<ベンヌの・・・軌道を 変えるミッション>も、可能になるかも知れません」 「あ…」マチコが、口をあけた。「そいう事かあ…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(117) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
それが最良の方法かも知れません。熱効果の方法は、他にも考えられるわけですね、」 「核爆弾で…」マチコが言った。「破壊するよりも、簡単そうよね、」 「さあ…それは、どうですかねえ…」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(118) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
「<ヤルコフスキー効果>で…」高杉が言った。「<ベンヌの・・・軌道を変えるミッショ ン>を始めるには、ともかく、今回の<オシリス・レックス>のデータは不可欠です」 「うん…」マチコが、うなづいた。「それは、分かるわよね、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(119) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
せん。 SF映画/『アルマゲドン』の様に…核爆弾で特攻的に破壊するのは、いかにも<不確 実>ですからねえ、」 「うーん…」マチコが、ゆっくりとうなづいた。「そうよね、」
|
10月14日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(120) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
れば、<改善版/ヤルコフスキー効果>が…全ての<NEO/地球近傍天体>の 衝突危険性評価に組み込まれます」 「はい…」マチコが、うなづいた。「予測の精度が、上がるという事よね?」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(121) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
<ヤルコフスキー効果>が、<地球近傍小惑星の・・・軌道変更に有効>と分って 来れば…これは人類文明にとって、極めて重要なテクノロジーになります」 「うーん…」マチコが、深くうなづいた。「小惑星の軌道変更かあ…」
|
10月18日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(122) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
ずか、5秒間のパフォーマンス!>、だと言います」 「わずか、5秒間…?」マチコが言った。「<ベンヌ>への着陸かしら?」 「そうです…<ベンヌ>への、タッチ・アンド・ゴーです」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(123) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
探査機を小惑星に、タッチ・アンド・ゴーするものです」 「ふーん…」マチコが、大きくうなづいた。 「まあ…日本の<はやぶさ>の場合も、タッチ・アンド・ゴーですがね、」 「あ、そうなんだあ…」マチコが、腕組みをした。
|
10月19日 |
オシリス・レックスの・・・ベンヌからのサンプル採取/想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(124) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
=タグサム/Touch-And-Go Sample Aquisition Mechanism>を使用して行われま す」 「ふーん…」マチコが言った。「<はやぶさ>が…ほんの少ししか、サンプルを回収でき なかったシステムよね、」 「<はやぶさ>の場合は、初めての事ですからねえ、」
オシリス・レックスの・・・ベンヌからのサンプル採取/想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(125) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
言うわよね、」 「そうです…」高杉が、うなづいた。「この装置は… 主として…<サンプル採集ヘッド>と、<多関節ロボットアーム>からなっています」 「はい…」マチコが、うなづいた。
地球近傍小惑星/ベンヌ/・・・想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(126) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
の<レゴリス(/固体の岩石の表面をおおう軟らかい堆積層の総称)を・・・流動化>し…回収容器に 送り込みます。 <ロボットアーム>は…ヘッドの位置を調整し、採集作業後に、ヘッドをカメラの前に引 き上げます。これは撮影して、確認するためです」
地球近傍小惑星/ベンヌ/・・・想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(127) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
セル>に収められます。 予備として…<TAGSAM>の<下部プレートに付いている・・・24の接地パッド> が、着地の際に<小惑星表面から巻き上げられた・・・微粒子>…を、つかまえます」 「うーん…はい、」マチコが、うなづいた。
|
10月20日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(128) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
よね?」 「3年以上です…」高杉が言った。「その大半は、<サンプル収集作業>の準備に費や されます。<カメラ/レーザー/無線アンテナ/分光計>を使い、<ベンヌ全域> …
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(129) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
を作成する事になります」 「うーん…」マチコが、うなづいた。「<お宝マップ>かあ、」 「まあ…」高杉が言った。「実際には、<サンプル収集の・・・第1候補地>と、予備サ イトです」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(130) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
「これは…」高杉が言った。「<安全性>、<サンプル収集の難易度>、<採集資料 に期待される・・・科学的価値>…にもとづいて絞り込んだ、<ベンヌのお宝マップ> です」 「ふーん…これが、地球に激突するわけかあ…」
|
10月24日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(131) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
の自転に、<オシリス・レックス/探査機>の速度を同調させやすい、赤道近くが考え られます。 そして…<科学的価値>を高めるには…<有機物や・・・含水鉱物>などを含む、 <サンプルを得られやすい場所>、の選定です」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(132) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
…」 「これは…」高杉が言った。「大雑把な賭事のようなミッションではないのです。<重力波 望遠/LIGO>が、<GW100914>を観測して<宇宙に・・・重力波の新しい窓> を開いた様に…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(133) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
うかの、手掛かりが得られるかも知れないのです。 そういう意味では…<重力波の実証観測>にも匹敵する、新展開をはらんだミッション なのです。仮に、<NEO/地球近傍天体・・・ベンヌ>の…もう1つの側面をのぞいて もです、」 「うーん…」マチコが、深くうなづいた。「資金も時間もかけて、大雑把なサンプルリターン はできないわけかあ、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(134) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
3年以上の滞在期間の大半をかけ、<場所を選定>すると言ってもいいわけです。そ の上で…綿密な予行演習を行って、本番のタッチアンドゴーに備えるわけです…」 「ふーん…」マチコが、うなづいた。
|
10月26日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(135) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
遠い位置…地球から光速で18分以上かかる場所で、行われると言います」 「太陽の光が…」マチコが言った。「地球に届くのは、約8分20秒よね。それより、10秒ぐ らい遠い距離かあ、」 「そうですね…」高杉が言った。「つまり… 地球から電波で、<サンプル採集開始>の指令を送信して…18分後に<オシリス・ レックス>がそれを受診し…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(136) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
<オシリス・レックス>は…数時間の間にエンジンを3回作動させ、軌道を変え、着地 点の真上に移動してから、ゆっくりと降下するそうです」 「うん…」マチコが、うなづいた。「そのプログラムが、確定しているわけかあ…」
オシリス・レックスの・・・ベンヌからのサンプル採取/想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(137) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
<TAGSAM/タグサム/接地型サンプル収集装置>が、5秒間でサンプルを収集 した後…エンジンをふかしてゴー…高度約10kmまで上昇するそうです」 「うーん…」マチコが言った。「10kmと言うと…旅客機が飛ぶ高度まで上昇かあ…」
|
10月27日 |
オシリス・レックスの・・・ベンヌからのサンプル採取/想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(138) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
<TAGSAM>は3回のサンプル収集を試みる量の、窒素を備えています」 「窒素…?」マチコが、頭を横に沈めた。 「うーむ…これは地表の<レゴリスを・・・流動化>…
オシリス・レックスの・・・ベンヌからのサンプル採取/想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(139) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
「あ、はい…」マチコが、コクリとうなづいた。 「時間はタップリありますが…」高杉が言った。「チャンスは3回…3振するとアウトだと言 います」 「うーん…それじゃ、三振はできないわねえ、」 「そうです、」
オシリス・レックスの・・・ベンヌからのサンプル採取/想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(140) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
★ 帰還・・・ ★ ンジンに点火し、地球への帰途につくことになります」 「はい、」マチコが、背筋を伸ばした。 「そして…2023年後半…<貴重なサンプルを収めたカプセル>を…
地球近傍小惑星/ベンヌ/・・・想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(141) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
その後…<オシリス・レックス>は、再びエンジンを吹かし、太陽を周回する安全な投 棄軌道に入ります」 「うーん…」マチコが言った。「それは、太陽に落ちて行くという事かしら?」 「まあ…その様ですねえ、」
|
10月29日 |
地球近傍小惑星/ベンヌ/・・・想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(142) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
で、地球上層大気に再突入します。 耐熱シールドは、大気との摩擦熱の99%以上を遮断すると言います」 「うーん…」マチコが、うなづいた。「耐熱シールドは、完全なんだあ…」
地球近傍小惑星/ベンヌ/・・・想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・/(143) ★ 米国版・はやぶさ/・・・オシリス・レックス小惑星探査機 ★
高度3kmでパラシュートを展開します。回収したカプセルは、NASA/ジョンソン宇宙セ ンターに移送されます。これで、7年間の旅が完了します…」 「はい…」マチコが、うなづいた。
はやぶさ・2/打ち上げ (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(144)
★★★
はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中!
★★★ 日本の…<はやぶさ・2/探査機>は、<オシリス・レックス>に先行し…<小惑星 /リュウグウ>に向かって、順調に飛行中です…」 「あ、はい…」マチコが、大きくうなづいた。
はやぶさ・2/・・・想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(145)
★★★
はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中!
★★★
しょうか?」 「うーむ…」高杉が、モニターをスクロールした。「2018年の、6月~7月の予定です…」 「じゃあ…2020年の東京オリンピックの前よね、」 「まあ…<オシリス・レックス>の…<小惑星/・・・
|
10月30日 |
はやぶさ・2/・・・想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(146)
★★★
はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中!
★★★
で同時に、<リュウグウ>と<ベンヌ>の、小惑星探査が開始されます。 <はやぶさ・2>は…約1年半、<リュウグウ>上空で観測を行った後、2020年々の 暮れに地球に帰還します…」
はやぶさ・2/・・・想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(147)
★★★
はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中!
★★★
「<オシリス・レックス>は…」高杉が言った。「約3年間、<ベンヌ>の上空に留まる わけですが…2023年の後半には、前述の<科学的なお宝>をカプセルに収め、地 球に帰還します」 「はい、」マチコが言った。
はやぶさ・2/・・・想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(148)
★★★
はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中!
★★★
うか?」 「はい…」高杉が、うなづいた。「これは、文字通りに…<はやぶさ>の後継機です。 <はやぶさ>が地球に帰還したのは2010年です。<はやぶさ・2>は2014年に打 ち上げられ…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(149)
★★★
はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中!
★★★
て飛行しています。 その後…2016年3月~5月にかけて、主エンジンを連続運転し、予定通りの加速が完 了しています」 「はい…」マチコが、うなづいた。 「次の連続運転は…
|
10月31日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(150) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
「<はやぶさ・2>の…」マチコが言った。「ミッションの特徴は、何でしょうか?」 「<オシリス・レックス>は、<はやぶさ・1>と同様に小惑星表層のサンプルリターン ですが、<はやぶさ・2>は…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(151) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
「小惑星の…」マチコが言った。「深部ですかあ…どうやって、採取するのかしら?」 「まず…」高杉が言った。「小惑星の直上で、爆薬を爆発させ、約2kgの純銅板を打ち込 み…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(152) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
「うーん…」マチコが、しっかりうなづいた。「それで、<小惑星深部>をえぐり出すわけ かあ、」 「そうです…」高杉が言った。「<露出した・・・小惑星内部>を観測し、地下構造を探 り…それから<はやぶさ・2>をクレーター内に着陸させ、サンプルを採取します」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(153) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
「それから…」高杉が言った。「もう1つ… <はやぶさ・2>は<オシリス・レックス>が搭載していない、<小型着陸機>を4機 持っています…」 「はい…4機もですか?」 「そうです。3機は日本製/…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(154) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
「あ…」マチコが言った。「ドイツとフランスが共同開発した着陸機も、搭載しているんだ あ、」 「そうです…」高杉が言った。「世界で最先端ですから… <ミネルバ・2>は、<はやぶさ・1>が搭載していた着陸機…
|
11月 1日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(155) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
「うーん…」マチコが言った。「それで、<ミネルバ・2>ですか、」 「<ミネルバ・1>は…」高杉が言った。「着陸に失敗しているので、<ミネルバ・2> による再挑戦となります」 「あ、失敗しているんですか?」 「うーむ…そうです、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(156) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
ローバー(/ローバー・・・自動車/かつて存在したイギリスの自動車メーカー)>ですが… <はやぶさ・1>では、予定より高い高度での投下となった上に、<ミネルバ・1>に 上向きの力がかかったため…着陸に失敗した様です…」 「ふーん…」マチコが言った。「そうなんだあ、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(157) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
うよね?」 「まあ…」高杉が、顎に手を当てた。「2度目です。今度は成功するでしょう」 「塾長…」マチコが言った。「<リュウグウ>というのは、どういう小惑星なのかしら?」
|
11月 2日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(158) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
まず…<暗く炭素質の・・・C形小惑星>、<岩石質の・・・S型小惑星>、<C型・S 型に当てはまらない・・・U型小惑星>です」 「うーん…」マチコが言った。「それは、どうやって調べるのかしら?」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(159) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
トル(/光スペクトル: 光を分光器によって分解したとき、波長または振動数の関数として与えられた光の強度分布をい う。ニュートンが、プリズムを通した太陽光が赤、だいだい、黄、緑、あい、紫の色光に分解されるのを観測し、これをスペク トルと名付けたのが最初。)から、様々な情報が得られるのです」 「うーん…」マチコが言った。「遠い星も、そうなのかしら?」 「まあ…」高杉が言った。「基本的には、そうだと思います」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(160) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
S型は、小惑星帯/アステロイドベルトの中で、火星・地球に近い内側に多く…地球の 公転軌道の近くまで来ます。<NEO/地球近傍天体>の多くはこのタイプです」 「はい…」マチコが言った。 「そして…<はやぶさ・1>が探査した<イトカワ>は…このタイプです」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(161) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
「一方…」高杉が言った。「小惑星帯の外側の方/木星軌道に近い側の小惑星に多い のは…太陽光反射スペクトルがC型のものです」 「確認するけどさあ…」マチコが言った。「小惑星帯は、火星と木星の間にあるのよね?」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(162) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
<はやぶさ・2>が向かっている<リュウグウ>は、<C型小惑星>になります。<C 型小惑星>は…<炭素質コンドライト>という隕石に対応する様です」 「あ…」マチコが言った。「<S型小惑星>は、どんな隕石に対応するのかしら?」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(163) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
イト>と考えられていました。それが、<イトカワの・・・塵の・・・直接分析>によって、 今回、実証された様ですね、」 「うーん…」マチコがうなづいた。「何か、そんな事を言っていたわよね、」 「<はやぶさ・1>の、成果の1つですね、」
|
11月 3日 文化の日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(164) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
ルールという球粒状構造を持つ隕石)>は…」高杉が言った。「<S型/普通コンドライト>よりも、 かなり、数が少ない様です。 これは…<炭素質>と冠されている様に、<有機物>や<含水鉱物>、さらに<気 化しやすい成分>を多く含んでいる点が…<普通コンドライト>とは異ります、」
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(165) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
「この…」高杉が言った。「<C型・小惑星/リュウグウ>については… 今年/3016年7月12日…南米チリ/ヨーロッパ南天天文台/超大型望遠鏡・VLTに よる、観測が行われました。 <リュウグウ>の自転…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(166) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
のデータが得られています」 「あ、はい…」マチコが言った。 「この解析結果は…<はやぶさ・2>の、運用計画に生かされる予定です」 「塾長…」マチコが、顎に手を当てて言った。「それじゃあ、<オシリス・レックス>の…
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(167) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
?」 「そうです…」高杉が、ゆっくりとうなずいた。「<C型>に属しますが…さらに詳しく言え ば、反射スペクトルは<B型>なのです、」 「うーん…」マチコが言った。「<B型>なんてのも、あるんだあ…」
|
11月 6日 |
《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(168) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
<C型/小惑星>に属するのですが、一般的な<C型>の反射スペクトルとは異なり、 小惑星表面での、<紫外線領域の・・・吸収が少ないか、全く無い>…のが特徴だと いうことです」 「うーん…」マチコがうなづき、コブシを握った。
オシリス・レックスの・・・ベンヌからのサンプル採取/想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(169) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
<揮発性物質>に富んでいる、と考えられています」 「はい…」マチコが、うなづいた。「それで…<リュウグウ>の方は?」 「<リュウグウ>の方は…まあ、<C型/小惑星・・・直径約900m>…ですね、」
はやぶさ・2/リュウグウ・・・想像図 (ネットより、画像借用) 《地球近傍小惑星/ベンヌ》・・・(170) ★★★ はやぶさ・2/探査機・・・小惑星/リュウグウへ飛行中! ★★★
<リュウグウ>は、直径で2倍ほどの大きさになりますね」 「はい…」マチコが、大きくうなづいた。「ええ… 2018年の、2つの小惑星での同時探索へ、期待が大きく膨らみます。今回は、これで 終了とします。」
|