Menu対談・2008茜・新理論研究所存在の器と目的追求組織

          【茜・新理論研究所】                                  未曾有の国難  

    存在の器 目的追及組織 の混同

 
              
組織・権力の・・・・・基本的人権への浸潤 

                     

  トップページHot SpotMenu最新のアップロード             新理論研究員 :   秋月 茜

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プロローグ        ・・・・・ お婆ちゃんの柏餅 ・・・・・ 2008. 5. 3
No.1 〔1〕“存在の器”と、“目的追及組織”の・・・区別/整理を 2008. 5. 3
No.2    <当たり前になった・・・ 組織・権力/経済・権力 の暴走 2008. 5. 3

  

  プロローグ        

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「ええと...【茜・新理論研究所】のアシスタント、鳴沢ユキです。

  このページは前から続いているのですが、また分割し、新しいページを立ち上げまし

た。企画・担当響子さんが、仕方がないわね、と言って認めてくれました。

  ゴールデン・ウイークの真っ最中ですね。この仕事がすんだら、茜さんがみんなで、

鹿温泉に出かけるそうです。響子さん支折さんも来てくれます。あ、弥生さんも来る

そうですよ。私のお婆ちゃんが、楽しみに待っています。これからは小鹿温泉のまわり

は、春の山菜がいっぱいです」

「今日のお茶菓子はよう...」ポン助が言った。「小鹿温泉から届いた、手作りの柏餅

だよな...ヨモギ餅だぞ、」

「うん!」ユキが、うなづいた。「お婆ちゃんの作ったヨモギ餅です。おいしいですよ。私も

ヨモギを摘みしました。小鹿温泉のヨモギの新芽です」

「おう...」ポン助が、柏餅を見ながら、茶碗にお茶を注いだ。

                   wpe56.jpg (9977 バイト)     

  

  〔1〕 “存在の器”と、       

       “目的追及組織”の・・・区別/整理を

                

「すっかり春らしくなりましたね...」茜が、茶碗と皿を押しやり、ノートパソコンに目を移

した。「ええ、では、始めましょうか...

  これは...高杉・塾長の言葉ですが...私たちの社会を構成するシステムは、“存

在の器”と、“目的追及組織”とに大別されます...この2つシステムは、目的性質

大きく異なるものです...

  これらが、“混同”され、経済原理で統一的に運営されている所に、社会の様々な

弊害が生まれています...つまりこれが、東西冷戦構造時代以降の...勝利をお

さめた側の、資本主義/自由主義/経済至上主義...の、社会モデルという事になり

ます...

  ええ...この社会モデルは、“市場万能主義”という側面を持ちます...ある意味で

は、野生のような...非常に“弱肉強食性の強いシステム”です...でも、それがあま

り強くなり過ぎると、私たちは何のために文明社会を形成しているのか、社会を形成して

いる意味が、分からなくなってしまいます。

  私たちは、支配され、奴隷のように奉仕するために、社会を形成しているわけではあり

ません。主権者である国民は、平等に、心豊かに暮らしていくために、社会を形成してい

るのです...」

  茜は、風に目を細め、2階の窓から草原を眺めた。草原は淡い緑の沸き立っていた。

青木が、茜の横顔を見た。茜が、その視線を受けながら、ノートパソコンに目を落とした。

“存在の器”とは...」茜が続けた。「家族教育の場...それから、地域社会

が代表的なものです...

  こうした“器自体”は、何かを“追及するシステム”ではありません。そこに“存在”し、

心豊かに暮らしていくための、“生活基盤/社会基盤”です。この基盤システムが、安定

していて豊かであることが、豊かな文化を育みます。そこが、私たちの理想郷なのだと思

います。

  したがって、この“存在の器”では...経済原理様々な理屈を超えて、穏やかな愛

で包まれ、“人間的エキス=社会慣習法的システムで、万事処理されているのがい

いのだと思います。“人間的不文律/習法”こそ、社会構成のエキスなのですわ。

  特に...野性を離脱して、文明社会を構成している人類社会では、この人間的エキス

/社会構成エキスがとても重要になります...ところが現在の日本では、この“慣習法”

が、故意に破壊されつつあります。

  “慣習法が破壊した社会や文化”は、非常に不快なものですわ。テレビを見ていても、

イライラすることが多いですね。街路の花は首をちょん切られ...公園の水鳥は不当な

虐待を受け...後期高齢者保険は、老人は切り捨てると言わんばかりです...こうした

状況は、さらなる治安の悪化を予感させます...

  日本の社会は、治安が非常に悪くなってきていますわ...これは、社会上流域モラ

ハザードが拡大し、“慣習法”故意に破壊されていることが原因と思われます。

治・行政・マスメディア責任は、非常に大きいという事ですね」

「そうだと思います」菊地がうなづいた。

「私たちは...

  “生活基盤/社会基盤”を豊かにするために、文明を発祥させ、農耕工業を展開

し、あるいは幾多の戦争革命を経験してきました。その全ては、この“存在の器”を、

豊かに保持することが、共通の大目的でした。

  一方...もう1つの、“目的追及組織”というのは...“存在の器”の中で構成する、

軍事組織政党組織行政組織研究組織経済組織群などに、典型的に見られます。

これは、“物事を目的にそって完遂”するための、ハイ・テクノロジー組織です。つまり、

“文明社会の利器/文明社会の高度な道具”と言えますね。

  現在、膨大な市民を吸収している...労働環境/企業組織群も...資本主義経済

では、やはり、利潤追及型“目的追及組織”だと言えますね。こうした組織は、目的

のための、高機能/目的達成型システムなのです...」

「はい...」菊地が、頭を傾げた。

「ええ...

  現在、これらが、ゴチャマゼに...“経済原理で統一的に運用”されている所に、民主

主義社会大混乱に陥っている原因があるようです。このために、“文明社会の高度な

道具”/“目的追及組織”が、逆に“存在の器”支配している状況になっています。こ

れは、民主主義社会として、正しい姿ではありませんわ...

  それから、もう1つ付け加えると...民主主義社会における、“組織の私物化”という

現象です...こちらの方が、むしろ弊害大きいかも知れませんね。治・行政・マスメ

ディアという、社会上流域での社会公器の私物化”は、この国を建国以大混乱

陥れていますわ。

  その人たちは...ハイ・テクノロジー組織/“文明社会の高度な道具”/“目的追及

組織”を、自らの“存在の器”にししようとしています。そこを既得権を囲い込み、巧妙に

“社会公器を私物化”しはじめました。このことが、“慣習法”破壊し、身分差別社会

創出する方向へ流れています。

  それで、一体...当の彼等に...果たして得るものがあるのでしょうか...?」

「まさに、そう思いますね、」菊地が腕を組み、椅子の背に体を引いた。

「くり返しますが...

  原始・共産主義社会=“存在の器”の中で機能する、“目的追及組織”は...ちょう

ど、“文明の利器/便利な機械”のようなものですわ...ところが、そうした組織が、

配階級のように権力を振るい始めたという事ですね...

  組織というものは、命令系統/指示系統が明確ですわ。そのために、必然的に力を

持ち、支配力を拡大する傾向を持ちます。この種の力が、いよいよ増大し、モラルハザー

突破力として、基本的人権を凌駕しつつあるという事です...これは、放置しておけ

る問題ではありませんわ」

「確かに!」菊地がうなづいた。

 

                

「本来...」茜が言った。「“目的追及・機能”は、社会を豊かにしていくためのシステム

/・・・機能です...

  また...その“社会システムの生み出した富/・・・社会的果実”は、“存在の器”

中で、主権者平等に分配されるはずのものです。でも、現在の日本の実態は、全レベ

ルにおいて、“目的追及組織”“組織・権力”を持ち...それを“既得権化/特権階級

化”し...“寡占化(かせんか)/独占化”しています。

  そのことが、そもそも社会に、壮大なモラルハザードを展開する原因となっています。

国家上流域の、政治・行政・マスメディアが特にひどいですね...そして、国家中流

企業組織群で、“大企業が富を寡占化”しています...これも、ひどいものですわ。

  くり返しますが、“社会システムの生み出した富/・・・社会的果実”主権者/国民

に、“正しく=平等”再配分されなければなりません...それが、デタラメになっていま

すわ...

  “社会貢献/努力/勤勉/勇気/まごころ/優しさ/”といった“社会慣習法的・価

値観”が、故意に破壊されて来ています...これでは、国民はが持てません。確実な

将来地図をもち、それに向かって勤勉な努力をすることができません」

「そうですね、」菊地が言った。

社会奉仕もせず、労働もしない人々が...

  富裕階級/資産階級となっているのは、“存在の器”として、正しい姿ではありません

わ。システムがそうなっているとはいえ、“慣習法”に反し、大きな弊害となっています。こ

れは、国民主権民主主義国家としては、非常に問題のある姿です。

  法律的に、それが許容されているというのであれば...私たちは、その法律“社会

的慣習”を、変えて行かなければならないという事です...“ライブドアの株売買の事件”

で、そうした事が一時問題になりましたわね...

  私たち主権者/国民は、そうした事を正していく権利と、民主主義的な力があるとい

う事ですわ。主権者/国民は、その権利と力を、今こそ発動しなければなりません...」

 

「ええと...」菊地が、口に手を当てた。「整理すれば、そういう事になりますね...

  様々な“目的追及組織”が...国民主権とは別の所で...“組織・権力”として機能

しているという事だと思います。行政組織が、その代表的なものですね。公務員というの

は、事実上、非常に優遇されています。“天下り構造”に見られるように、“組織・権力”

して機能しているという事です。

  本来、“目的追及組織”は、“存在の器”のための、奉仕システムでした。それがい

つの間にか、逆に、事実上の支配組織になってしまっています。国家上流域での、“社

会的慣習法”崩壊が、こうした傾向に拍車をかけています。

  これは、“国家OS(基本ソフト)のバージョンアップ”が必要だという事ですね。また、それ

を未然に防ぐためにも、“国家OSの定期バージョンアップ”が必要だという事ですね。

それを受け入れられないのであれば、官僚になる資格がないという事でしょう。そういう

人は、何か他の仕事をすればいいわけです」

「はい...」茜がうなづいた。「そうですね...

  東西冷戦構造が終結し、資本主義体制が勝利をおさめ...世界システムを、資本主

義/自由主義/経済至上主義が席巻しています。

  こうした世界構造の中で、“存在の器”“目的追及組織”は、経済のもとで、統一的

に処理されています。まさに混在・混同して運営されていますわ。厚生行政が、その

となっています。まさに、滅茶苦茶で、それが顕在化しています。

  ともかく、“経済至上主義”のもとで...経済力“1つの権力”として...その力を

させています。これが、日本国家/【日本国憲法】における...基本的人権を侵害

る所まで増大して来ています。

  これは、“文明の折り返し”の中で、解消して行かなければならない課題です。“経済

至上主義”のもとでは、“地球温暖化の危機”は乗り越えられませんわ。そうである以上

は、できるだけ早く緩やかに舵を切り始めることが、良策だと思います。

  それを政治に期待できない以上は、国民が覚醒し、行動に移すことが必要になって来

ました」

「うーむ...」菊地が、手を組んだ。「そうですね...そうした大局的展望はともかく...

  “経済至上主義”というものは、まさに民主主義を凌駕(りょうが)していますね...日本

の実情は、“経済至上主義”が、基本的人権を凌駕しています。経済民主主義凌駕

し、“強大な権力”を持ち始めているようですね。

  こうした権力は、憲法に謳われているものでもなく...正当な民主主義的手続きを経

たものでもありません...しかし、事実上、国家上流域政治・行政・マスメディアの中

枢にも...こうした“経済・権力”が、ガン細胞のように浸潤(しんじゅん)しているのは確かで

しょう。それが、社会を大きく歪めています」

「はい!」茜が、強くうなづいた。「国民は、“自由”という象徴的な言葉に酔ってきました

わ。その裏で、“経済・権力”が、民主主義国家に、ガンのように浸潤しているのに気付

きませんでした。

  日本では、政治においても、行政においても、経団連/財界のような組織が、強力な

“経済・権力”として介入していますわ。政府のもとに、経済財政諮問会議があったり、

共放送・NHK経営委員を送り込んだり...その一方で、国民の人権はないがしろに

されていますわ。

  最近、ようやく消費者・担当部局の話が持ち上がっていますが、あまりはかばかしく

ありませんね。自民党・長期政権の下で、権力の側国民の側に立つという、考えその

ものが無かったからですわ」

「まあ...国民の“命と生活”を預かる厚生労働行政を見ても、あのありさまですね、」

 

「はい...ええ...

  菊地さんのおっしゃるように...そうしたあらゆる矛盾を押さえ、緩やかに国民を納得

させてきたのは、“伝統的・慣習法の機能”によるものだと思います。“世間様”に対す

慮/配慮と、その了解を求める“慣習法”が、古来から日本の文化の中に存在して来ま

した...それが、日本的な社会構成のエキスだったのですわ。

  ところが、その“社会的慣習法”まで破壊された所に、現在の日本の、未曾有の危機

があります。“社会秩序の基盤/文化的なエキス”まで抜き取ってしまった所に、社会上

流域の、真の愚かさ/邪悪の巨大さが反映されていますわ...」

「まさに、茜さんの言う通りですね、」菊地が、大きくうなづいた。

“各個/・・・自分だけ”が...“清濁を併せのむことを許されている”...と思ってきた

果ですわ...そんな事を公言していた政治家もいましたが...そんなバカな事は、

本来成立しないわけです...

  国家上流域が、全レベルで、そんなバカげた哲学を持ってしまったわけですわ。政治・

行政・マスメディアに、非常に大きな責任があります。“世襲政治”“天下り行政”“公

共放送・マスメディアの私物化”に、国家が未曾有の大混乱に陥った原因があります

  何度も、くり返して言って来ていることですが、それを反省している様子はありません

いつまで、こうしたバカなことを続けて行くつもりなのでしょうか...?」

「そうですね...

  国民が、その壁をぶち破って行くしかありませんね。物価高労働格差で、いよいよ

ができなくなってきています...“世襲政治”“天下り行政”“公共放送・マスメディ

アの私物化”を、全てやめさせていく所に、〔21世紀・維新改革〕があります。その先

に、日本の明るい未来がありますね」

「はい!

  そのためにも、〔人間の巣〕を展開していく、【日本版・ニューデール政策】を推進し

たいですね!」

 

当たり前のようになった・・・ 組織・権力/経済・権力 暴走

                

「まあ...」青木が、初めて口を開いた。「話を戻しますが...

  確かに...“経済・権力”というのは存在しますねえ...大企業/経団連などを中核

とした財界は、この国で膨大な権力を持っています。また、そうした大企業による“富の

寡占”が、まさに構造化しています。これは、まぎれもない事実でしょう...

  国民は、そうした“経済・権力の暴走”の下で、とうとう食えなくなる所まで、弾圧されて

います...まあ、こういう言い方をすると、様々な異論もあると思いますが、これは1つ

の客観的事実です。個人の能力努力を超えた所で、“富の寡占”構造化していま

す。

  “組織・権力/経済・権力”等を有していれば、政治行政は接見もしますし、耳を傾

けたりもするわけです。しかし、庶民/市民/国民の側は、その窓口さえないわけです

ねえ。全国各地で、市民と行政組織の対立は、構造化している状況です。このこと自体

が、民主主義社会としては、非常に歪んだものです...」

「はい...」茜が、唇を引き結んだ。

「日本は、国民主権の、民主主義国家です...

  そのことは、【日本国憲法】に謳われています。しかし、資本主義とか経済主義とか、

あるいは、“組織・権力/経済・権力”とかは、憲法には何も記述はないわけです。“経

済・主権”などという言葉も、むろん存在しないわけです。ところが、それに従う政治家

いて、それにつながる官僚が存在します。

  自民党・長期政権下構造化し...現在の福田・政権においても...行政全体が、

経済を中心に動いていますねえ。人権民主主義などは、“しょうがない(福田首相が使った言

葉)という一言で、片隅に追いやられています。これで、果たして、国民主権の国家なの

でしょうか...」

「そうですね...」菊地が言った。「現実には...

  組織・権力/経済・権力”が事実上、“日本を支配”しています...まるで、主権者/

国民の上に、“経済・権力”が存在しているようですね...非常に微妙な問題を内包して

いますが、少し引いて眺めれば...大企業/財界日本を牛耳っている構図は、火を

見るよりも明らかですね、」

「まあ...実質的に、そうでしょう...

  “富を独占”しているわけですからねえ。民主主義国家の中で、この国の主権者/国

はどこへ追いやられてしまったのでしょうか。茜さんの言うように、ルールがそれを許し

ているというのなら、私たちはそのルールを変えていく必要がありますねえ...」

「でも...」茜が言った。「国民も、ようやく、この異常な事態に気付き始めましたわ...

  これほどの、“富の寡占/富の片寄りはおかしいと”...社会システムの生み出した

果実は、財界で独占していいものではありませんわ。それは、国民みんなのものです。

むろん、それなりの努力した部分は認めます。でも、独占していいものではありません。

国民は、実質的に、生活ができなくなっていますわ」

政治家は...」青木が言った。「民主主義代議員というよりは...

  まさに、利益代表のようになっていますねえ...行政は、民主主義の行政組織とい

うよりも、単なる利益配分/利益再配分の組織のようになっています。こうした状況は、

すでに国民は、“組織・権力/経済・権力”の支配下にあって久しいという事です...

  それが、いかにも“当たり前”のようになっている所に...国民の側民度の低さもあ

るわけです...これは茜さんが言うように、“公共放送・NHK責任が、非常に大きい

でしょう。まさに、“民主主義の牙城”を、権力側に明け渡していたのですからねえ...

  “運営委員会”“経営委員会”に変えられているのが、何よりの証拠でしょう。そし

て、国民とのリンクが切られた場所に、財界人が送り込まれていますねえ。この“公共放

送・NHKは、前にも指摘していることですが、“日本国家のミニチュア版”になってい

るという事です。

  “公共放送・NHKは、モラルハザード国家“バロメーター”になっていて、その

てが投影されているという事ですか...」

「はい...非常に精密“バロメーター”になっていますわ...トヨタ方式を移植すると

かしていますが...この方式では、経済効率は追求できますが、もっと大きな民主主義

社会の健全化や、“地球温暖化”の時代は、乗り越えられませんわ...」

国家全体が...“公共放送・NHKのように、“経済・権力”に乗っ取られ...まさに、

“経営委員会”のように、国家経営されているという事でしょう...トヨタ方式で。

  それがいかにも“当たり前”のようになっていますねえ。しかし、この“存在の器”はそ

うしたものではなく、国民の“生活基盤”なのだという事ですねえ...」

「はい!」茜がうなづいた。

「今問題になっている...」菊地が言った。「厚生労働省国土交通省財務省も、

の方を向いているというよりも、まるで“富の支配の舵取り”をしているようですね。そ

れを当然の事のようにやっていますね、」

「うーん...」茜が、首を振った。「だから...

  “地球温暖化対策”などでも、経済原理を超えた大改革が打ち出せないのですわ

のことを第1に考えているとは、言い難いものがあります...“経済・権力”に、構造的

に支配されているから、既得権の殻を打ち破る大改革が打ち出せないのですわ」

豊かな国民生活とは...」菊地が言った。「イコール、富の配分のように考えられて来

たわけですね...しかし、そうではない事が、喫緊の課題として顕在化してきています。

  富のバラマキが、政治であり、行政であるかのように行われてきましたが、それがいよ

いよ行き詰まって来ましたね。国民が、まさに、食えなくなってきています」

「はい!」茜が、強くうなづいた。「物質主義/経済至上主義/“経済主権の政策”の下

で...まさに、“心の豊かさ”も失われて来ましたわ...

  そうした中で...“社会的慣習法”破壊も、公然と進められているわけですね。それ

で、日本の文化全体日本の社会全体が、非常にシラケたものになって来ています。

スメディアの流す文化全体が...1部をのぞいてですが...非常に気分のイラダツもの

になって来ています。こうした事が、様々な犯罪として、顕在化して来ていますわ...」

「そして...」青木が、宙を見上げた。「そうした中で...

  国民に愛国心や、国際的競争心を強要していますねえ...自らが、モラルハザード

社会を創出しておきながら、文部行政の中に、愛国心を盛り込んでいるのは、政治・行

政の茶番ででしょう...案の定、国家体制が、まさに空中分解しようとしています...」

「はい!」茜が、コクリとうなづいた。

 

                     

「ええ、茜です。ここで一区切りとしたいと思います...」