日本産以外で大型の オオクワと言うと、タイワンオオクワ、シェンクリンオオクワ、アンタエウスオオクワ等が 有名だが、今回はこの中の頭部に小突起の有るグル−プに付いて書いてみたいと思う。解説等は簡 単にかつ独断と偏見?(産地ラベルは正確に)で書いていく。形態に付いては本来圧倒的な数の個体を見な ければ語れない事で有るし、それにここでは♀については一切ふれていない事も有り限界が有 るが多少でも参考になれば幸いである。 |

真ん中の個体はDorcus curvidens hopeiラベルは中華人民共和国江西省南康 採集73oとなっている。以前は日本産もこのssp.hopei と同じ亜種とされてたいが 現在は別の亜種とする事が多い。江西省産は日本産と非常に良く似ており、不鮮明な写真では区別する 事は無理。文書で違いを明確に書くのも難しいが、強いて書くと、頭部の少突起は日本産よりもより 鋭角(とがる)に見える。それと大型の個体では、大腮の内歯が日本産よりも前方及び上方を向く傾向 が強い様に見える。 一番右は台湾産Dorcus curvidens formosanus、(Dorcus grandis formosanus)でラベルは台 湾南投県仁愛郷萬大採集。この個体は71o有るが中歯型。このタイワンオオには、前胸背板側縁 が前方にあまり狭くならない個体と、ラオスのグランデスに似て前方に狭くなる形態をしたものが いる。これが産地によるのかその他の原因かはまだよく知らないが、色々な図鑑と標本を見ていく と、同産地で両方の型がいる様に見える。台湾の平地に近い産地は殆ど開発でつぶれた様で、平地 産の標本は古いものが殆どで貴重である。平均的に日本産よりも大きくなり、このクワガタの巨大 な個体は横幅が広がり、その重量感は凄く非常に良い。最大型は80oを越える (今だ見た事あらず) と言われる! |

一番右は、中華人民共和国雲南省紅河産の個体。62oあるが中歯型。頭の少突起は他の産地に比 べ尖っていない。この産地はこの個体だけしか見ていないが、少し変わって見える。 |