急行つやま

〜マナーの悪い客はお断り!
列車空間を大人の手に取り戻す試み(?)〜

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05.2.26-05.3.13の運休について

 岡山-津山間を1日一往復する列車だが、05.02.26発生の斜面崩落災害の影響により、津山線は玉柏〜牧山間が不通となった。岡山-金川間の列車代行バスと、牧山-津山間の列車を、金川駅で連絡させるダイヤとなっていた。時刻は大幅に変更され、全て普通列車での運転となり、急行つやま、快速ことぶきは全列車運休となっていた。05.3.14(月)から津山線は通常ダイヤでの運行となり、急行つやまも復活した。

つやま・ことぶき時刻

 同区間は急行つやまの他に、快速ことぶきが多数運行されているので、比較の意味で一緒に掲示する。

ことぶき つやま ことぶき ことぶき ことぶき ことぶき
岡山 6:42 9:27 11:22 13:22 15:22 19:22
法界院 6:45 11:25 13:25 15:26 19:26
金川 7:06 9:46 11:43 13:44 15:45 19:45
福渡 7:21 9:58 11:55 13:57 15:58 19:58
弓削 7:34 10:09 12:09 14:10 16:11 20:09
亀甲 7:43 10:18 12:18 14:19 16:20 20:18
津山 7:53 10:28 12:28 14:29 16:30 20:28
所要時間 1:09 1:01 1:06 1:07 1:08 1:06

ことぶき ことぶき ことぶき ことぶき つやま ことぶき ことぶき
津山 6:51 9:47 11:49 13:50 15:52 17:47 19:47
亀甲 7:01 9:57 11:59 14:00 16:02 17:57 19:57
弓削 7:10 10:09 12:09 14:10 16:11 18:09 20:09
福渡 7:21 10:21 12:20 14:21 16:22 18:20 20:20
建部 7:25
金川 7:34 10:33 12:32 14:33 16:34 18:32 20:32
野々口 7:39
法界院 7:53 10:52 12:49 14:50 18:50 20:51
岡山 7:57 10:56 12:53 14:54 16:52 18:53 20:55
所要時間 1:06 1:09 1:04 1:04 1:00 1:06 1:08

 こうして並べてみると、快速ことぶきと急行つやまは停車駅、所要時間とも大差ない。使用車両も、同等のキハ47+48。「快速ことぶきがたくさんあるうち、一往復だけは急行料金を取られる」というのが正直な実感である。

運賃・料金

岡山からの営業キロ 19.7 30.3 40.5 49.1 58.7
金川 福渡 弓削 亀甲 津山
運賃 320 570 740 950 1,110
急行料金 530 530 530 530 730
合計 850 1,100 1,270 1,480 1,840

 急行列車は、特急に比べて安い料金が魅力。しかし、この短距離では運賃と比較して、相対的に急行料金は割高に感じる。快速に乗るのに比べて、単純に(実感としては)およそ倍の出費となる。

編成

1 2
自由席 自由席
禁煙 禁煙

1岡山-津山2

 車内販売はない。私が乗ったときは、キハ47と48の2両編成。2ドアで、どちらの車両もデッキがついていた。全車自由席、全車禁煙。セミクロスシート。

つやま号の存在意義

 同区間を走る快速と、車両も停車駅も所要時間も同等、しかも費用は約2倍と、いいことがないように思われる急行つやま。正直、私も時刻表やインターネットで調べても、何のために存在するのかわからなかった。しかし、今回のってみると、客もそこそこおり(一車両20人、合計40人くらい)、しっかりとした需要があることがわかった。

 インターネットで調べたところによると、この列車は津山市側の強い要望で存続しているらしい。もともと急行砂丘が岡山-鳥取を津山経由で結んでいたが、智頭急行の開業により廃止された。しかし、砂丘号がなくなると津山市に全く優等列車が走らなくなるので、津山市の要望で岡山-津山と運転区間を短縮し「つやま」号として存続したとのことである。当時は砂丘時代と同じキハ58という急行用車両で運行し、グリーン車付、普通車もリクライニングシートという優等列車らしい車両だったそうだ。しかし、老朽化の進んだキハ58は既に引退し、現在は快速や普通列車としても走るキハ47,48での運行。これだってかなり古い車両である。

 乗る前は、すぐにでも快速格下げになるような気がしたが、これだけ客がいるのなら、わざわざ料金不要の快速にはしないだろう。逆に言うと、金を払う客がいるから急行のままにしているという殿様商売的ではある。

 こうなってくると、つやま号の存在意義、残しておく価値は1つしかない。それは、「学生の排除」である。

 つやま号は、社会人のための列車なのである。走る時間帯を見ても、通学時間は外れ、岡山から津山に仕事で往復するようにできている。津山市側の強い要望があるというのは、岡山から津山にどんどん仕事で来て欲しいということなのだろう。実は、こういうことは、あまり言いたくはないが、地方のローカル線は学生のマナーは悪いところが多い。乗るメンバーも決まり切っているので、我が物顔で振る舞っている。音を立ててゲームをしたり、携帯電話で話したり。JR側としても、どうせ3年も経てば免許を取ってしまうので、マナー教育にもあまり力を入れないようである。

 逆に、社会人は、あまり列車には乗りたくないということになってしまう。そんな中、高いお金を払ってでも、落ち着いた空間で移動したいという需要は確かにあるのだろう。なんだか消極的な存在意義ではあるが、こういう急行列車の残り方もあるのだな、と思った。
 でも、他の路線では普通列車として走っている車両で急行料金を取るのもどうかとは思う。せっかく乗ってくれる客のために、せめて転換式クロスシート車くらい導入できないものか?という気もする。

(04.07.22)

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