○みよし(広島-三次)

〜質実剛健・実用本位
積極運行の実力派〜

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 急行みよしは広島-三次間を一日4往復する。そのうちの一往復は、備後落合まで延長運転するが、三次-備後落合間は普通列車となる。

時刻

号数 1 3 5 7
備後落合 7:00 --- --- ---
三次 8:15 10:33 15:13 17:56
甲立 8:32 10:50 15:29 18:17
向原 8:42 11:00 15:39 18:28
志和口 8:52 11:10 15:49 18:38
下深川 11:29
安芸矢口 11:35
矢賀 11:44
広島 9:24 11:48 16:24 19:14
所要時間 1:09 1:15 1:11 1:18

号数 2 4 6 8
入線時刻 8:32 11:48 16:24 20:51
広島 8:39 12:21 17:07 21:00
矢賀 12:26
安芸矢口 12:34
下深川 12:40
志和口 9:18 13:02 17:40 21:33
向原 9:30 13:13 17:51 21:44
甲立 9:42 13:23 18:01 21:54
三次 9:58 13:39 18:17 22:10
備後落合 --- --- 19:39 ---
所要時間 1:19 1:18 1:10 1:10

 全区間、定期券と急行券で乗車できる。同区間には「みよしライナー」「通勤ライナー」といった快速も走り、速い物だと1時間20分程度で結んでいる。それでも急行しか走らない時間帯もあり、優等列車の風格を漂わせている。
 入線時刻が早く、みよし6号などは広島駅に43分も早く入線する。昔ながらの汽車旅を思い出させてくれる。

運賃・料金

33.1 43.0 52.6 68.8
広島からの営業キロ 志和口 向原 甲立 三次
運賃 650 950 1,110 1,450
急行料金 530 530 730 730
合計 1,180 1,480 1,840 2,180

 定期券と急行券で乗れるので、気軽に乗れる範囲内であろう。三次市としても急行運行に積極的で、「環境の良い三次に住み、急行に乗って便利な広島に通勤する」というのをアピールしている。志和口には快速みよしライナーが停まらないため、急行みよしに乗るしかないことになる。

編成

1 2
自由席 自由席
禁煙 喫煙

1広島-三次2

 車内販売はない。広島側が1号車で、キハ28禁煙車。三次側が2号車で、キハ58喫煙車。この編成で普通列車で走る場合は、2号車も禁煙車となる。2両ともトイレ、洗面所付。2ドア車で、デッキがある。急行型クロスシートといい、全車ボックスシート。ロングシート部分はない。リクライニングはしないが、つり革がないので、通勤車両とはまた違う良い味を出している。
 かなり古い車両のはずだが、私が04年1月に乗った旧急行くまがわで乗ったキハ28+58に比べれば、それほどくたびれた感じはしない。くまがわ号では、リクライニングシートに変えられてはいたものの、揺れは激しく、オンぼろ車が無理して速く走っている感じだった。窓からすきま風も差し込むし、もう寿命と言われても納得できた。この「みよし」号は、確かに古いが、まだまだ現役であると感じた。

管理人のみよし号との出会い

 もともと私がみよし号に興味を持ったのは、旅行ガイドのこの一文であった。少し長いが引用させていただく。神戸寧彦「国内旅行を安くする!2002おトクなきっぷトラベルガイド」(イカロス出版)である。この本は、2003年版も刊行された。現在ではタイトルを変え、「お得な「きっぷ」完全利用術国内格安旅行ガイド2004」として発売中であるが、文章はほぼ同じである。引用文は2004年版。

 一方、広島から中国山地へ伸びる芸備線では、現在数少なくなったローカル急行が快走している。広島〜三次間で何と1日4往復、急行「みよし」が運転中だ。一昨春3月のダイヤ改正で「ちどり」「たいしゃく」の2系統は廃止されたものの、芸備線は今なお急行街道。全国的に見て今や風前の灯火となった、JRのローカル急行は必見・乗車の価値ありだ。

 2002年にこの文を読み、気になってはいたのだが、当時の私は青春18きっぷ旅行に足を踏み入れたばかりで、その魅力に取り憑かれていた。今でも青春18きっぷは好きだが、急行列車を中心に据えているので青春18きっぷを使えず、ご無沙汰しているが。昨年、広島に青春18きっぷで行ったときも芸備線快速にのったが、急行みよしとすれ違い、「あれに乗りたいものだ」と思ったのだ。今回ようやく乗ることができた。

急行みよしの魅力

 私は急行列車が日本中を走っていた時代を知らないが、このみよし号は、昔ながらの急行列車の姿を今に伝える最後の列車となっている。みよしの他の急行も、個性溢れ魅力的なものばかりだが、特急用車両や近郊型車両が使われており、もともと急行用に作られた車両で運行されているのは、この「みよし」号だけである。急行用車両の新造の予定はないらしいので、将来いつか、このみよし号のキハ58+28の寿命が来たときは、完全に姿を消すことになる。
 また、このみよし号の魅力は、単に珍しい列車であることだけではない。これは03年に引退した小野田線本山支線のクモハ42という旧型電車に乗ったときも感じたことだが、毎日運転の定期列車であることが、魅力を倍増している。これが、「懐かしの急行xx号リバイバル運転」であっては、ここまでの価値はないと思う。地元民の需要に応えてこその鉄道であり、客寄せパンダにはない魅力がある。
 乗っているのは地元の通勤通学客ばかり。観光客が乗るような列車ではない。みよし号を使えるトクトクきっぷも皆無。いちおう、周遊きっぷ広島・宮島ゾーンは一部使えるものの、「みよしには乗るな」と言わんばかりのゾーン設定。格安派の鉄道ファンにとってはやや敷居が高い。でも、そこがいいのだ。
 鉄道ファンの意見で、「旧国鉄色の朱色+クリーム色に塗り直せば、客を呼べるのではないか」という声を目にするが、私はその必要はないと思う。そのような、いわばファンサービスをしない、あくまで通勤通学用の列車であることが、このみよし号の最大の魅力なのだと思う。

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