名鉄廃止予定線を回る 後編

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日曜日・名鉄路面区間制覇を目指す

 さて、日曜日の朝である。G14氏も出てきて、3人で喫茶店のモーニングセットを食べる。コーヒーの値段でトーストや卵が付くのでお得である。喫茶店にこれをやられてしまうとファーストフード店も苦しいだろう。

名鉄名古屋本線 新名古屋-新岐阜

 転換式クロスシートの快適な特急で新岐阜まで。車内は空いている。車窓から見えたJRの尾張一宮駅では行列していた。一方名鉄の新一宮駅はそれほど客は多くない。JRの攻勢に私鉄が苦戦する図式が垣間見えた。新岐阜でG14氏が離脱。新岐阜から岐阜まで歩く。徒歩7,8分といったところか。

名鉄岐阜市内線 岐阜駅前-(忠節)直通
名鉄揖斐線 (忠節)-黒野

 さて、今回の旅行のもう一つの目的は、名鉄の路面電車区間が廃止の可能性があるので、これに乗りに来たのだ。一両の路面電車が都電のように道路の真ん中を走るが、忠節からは専用軌道に入る。つまりは普通の鉄道路線である。忠節までは複線だが、忠節から先、揖斐線内は単線。終点は黒野だが、最近ここから先が廃止された。廃線を研究しているxeet氏と勤勉を歩く。さすがxeet氏は目ざとく廃線の痕跡を発見する。私1人だったら見逃している所だ。さて、これは何でしょう?道路の回りに茂みと立入禁止の表示がある。何だ?

 答えは踏切の跡。ここを列車が走っていたのだ。

名鉄揖斐線 黒野-(忠節)直通
名鉄岐阜市内線 (忠節)-新岐阜駅前
名鉄各務原線 新岐阜-犬山

 犬山で昼食。喫茶店で中華料理。

名鉄広美線 犬山-新可児
名鉄広美線 新可児-御嵩
名鉄広美線 御嵩-明智

 広美線を往復するが、帰りに明智で途中下車。昔ここから明智線という支線が分岐していたそうで、廃線跡を調べに行く。

 これは、広美線電車。警察の広告。なかなか面白い。

名鉄広美線 明智-新可児

 ここでxeet氏と別れる。JR太多線の可児駅に乗り換えるのだが、xeet氏は多治見に南下、私は美濃太田に北上するのである。

JR太多線 可児-美濃太田
長良川鉄道越美南線 美濃太田-関

 xeet氏と別れ、単身関に向かう。長良川鉄道は車窓が美しい人気ローカル線だが、私が乗った区間は住宅地で特に綺麗ではない。2両で運行しているが、一両は鍵を閉めて入れなくしており、実質的には一両で運転されている。この鍵がかかっている方の車両は回送車ということのようだ。しかし、「ご乗車になれません」との案内もない。乗り込んだ車両は高校生達がボックスシートをたくさん占領していて、詰めれば座れるが荷物など置かれてしまっており、よそ者の私は立つしかない。途中で座れたが。運転手の態度も今ひとつ。正直、長良川鉄道にはあまり良い印象を持てなかった。黙っていても客が来ると、なかなか接客は向上しないものだ。

名鉄美濃町線 関-競輪場前(直通)
名鉄田神線 競輪場前-新岐阜

 さて、岐阜市内線に続き、もう一つの路面区間である美濃町線にやって来た。これも将来は廃止されてしまう。今のうちに乗らねば。
 車内は横幅が妙に狭い。先ほど乗った岐阜市内線よりずっと狭い。ナローゲージみたい。理由は後で分かる。走り出すと揺れる揺れる。まるでバスみたい。そういえば、2月に行った山口県の小野田線本山支線で引退直前の旧型車両、クモハ42もこのくらい揺れたな。。。しかし、クモハ42は何と言っても1933年製造の車両だ。古いから揺れるのも仕方ない。しかし、この美濃町線はまだ新しい。なぜこんなに揺れるのか?きっと、加減速性能が非常に良いのだろう。
 さて、この美濃町線、路面区間を含めて全線単線である。と、さらっと書いてしまったが、皆様、目を閉じて(閉じなくても良いけど)これが何を意味するかイメージしていただきたい。都電もそうだが、大抵の路面電車は複線のはず。単線の路面電車というのは珍しいのではないか。。。
 複線だと、左隣の道路は車が同じ向きに走っている。抜かれる事もあるし、抜くこともある。右側は対向電車が通る。すれ違いざま、運転士どおしが手を挙げて挨拶をしたりする。のどかである。。。
 単線だとどうなるか?こんな感じ。


 左側の道路は複線の場合と同じ。車が同じ方向に走っていく。では、右側は?車がこちらに向かって次々と走ってくるのである。運転士は左側だけではなく、右側の車線にも気を配らなくてはならない。恐ろしいのは、右側の反対車線の車が車線をはみ出してきた場合。例えば反対車線に駐車車両がいる時。駐車車両を追い抜こうとして中央に次々とはみ出してくる。中にはこちらに電車がいるのに、無理して追い抜こうとする車もいる。こちらが車なら、少し左に寄るなどすれば良いが、あいにく電車である。線路があるために真っ直ぐしか走れない。このため、危険を避けるためにしゅっちょう急ブレーキをかける。このために減速性能を非常に強く作ってあると推測される。危ない車があると、ブレーキの大きく軋む音、そして運転士は対向の車のドライバーを睨み付けながらクラクションを鳴らす。一番前に座って見ていたが、ハラハラドキドキした。
  さて、終点の新岐阜に着いたが、路面電車区間がまだ残っている。少し面倒だが、引き返す。

名鉄田神線 新岐阜-競輪場前(直通)
名鉄美濃町線 競輪場前-日野橋

 ここで、徹明町行きに乗り換え。

名鉄美濃町線 日野橋-徹明町

 運転系統としては、新岐阜-関または新関、徹明町-日野橋の2つがあることになる。

徒歩 徹明町-新岐阜
名鉄名古屋本線 新岐阜-新名古屋
 
 これで本日の行程は終わり。G14氏と落ち合い,ビヤガーデンに案内していただきビールを飲んだ。またまたあいにくの雨だった。

日曜日の晩・帰京

名古屋駅から快速ムーンライトながら92号で東京に行く。車内でおしゃべりを続けるおばさん2人組がいた。そのおばさん達は車両の一番前に座っており、他の乗客の様子が見えない。周囲のモニター能力が高い人間であれば、皆寝静まっているのだから、自分も静かにしなくてはならない事が分かるが、この人達は分からない様子。子供を持っても働く女性と、専業主婦の不公平さについて論じていらっしゃる。うむ、大事な問題であるのでしっかり議論して認識を深めていただきたい。しかし、もう午前1時である。やめてもらうしかない。話しかけるタイミングを計る。。。
 こういった場合、爆笑して手でも叩いてくれれば、その瞬間を逃さず「ちょっと・・・」と言える。たんたんとおしゃべりを続けられるのが一番困る。しかし、1時半になった時点で声を掛ける。普通は「すいません・・・」と声を掛けられた瞬間に悟り、「あっすみません」と黙るまのだが、この人達は自分たちが何故話しかけられたのか分からない様子。馬頭来旨パターンである。「ちょっともう夜なんで・・・」と言うと、ようやく分かってくれた模様。その後は黙って本を読んでいた様子。ようやく寝ることが出来た。こんな事ばかりしているとそのうち刺されるかも知れない(笑)。まあ、満員電車で目撃者も大勢いるし、滅多なことはしないだろうと確信した上でやっているし、相手が見るからにヤバそうな人だったら声は掛けないので、皆様、ご安心を(たぶん)。

 最後に、今回乗った名鉄線の運賃を合計すると7600円。3000円のフリーパスで元が取れて良かった。

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