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【第2回】キノコと小説・アニメ・漫画


 キノコの魅力についてはそれぞれ人によって違うと思うが、私に限って言えばやはりキノコの多様な色彩とデザインである。もしあなたがまだキノコ図鑑というものを見たことがないのであれば、ぜひ一見を勧める。その際は、カメラマンの名前が「伊沢正名」のものを特にお勧めする。キノコ写真家の中ではピカ一だ。本当に驚くほどの多様性である。しかも、動物図鑑などと違い、キノコ図鑑はその殆どが国内のキノコしか紹介していないので、実際に森などで見ることが出来る可能性が大である。しつこいようだが一見を勧める。

 色、まさしく虹のごとくあらゆるスペクトルで存在し、陳腐な表現だがまるで森の宝石のようである。なかには一生のうちで次第に衣を替えるかのごとく色を変えていくものさえいて、全く飽きることがない。ディズニーのアニメにはよくキノコが登場するが、非常に鮮やかで可愛らしく描かれている。あれなどは猛毒なベニテングタケやその近種のものであるといわれているが、アニメの中では毒々しくは描かれていない。ただ、人間に夢を売る企業であるウォルトディズニー社の作品に絶対的な悪=マイナスイメージの登場物は全くといってよいほど出てこないので、当然といえば当然のことだが。「白雪姫」では、七人の小人の背景に描かれている。「不思議の国のアリス」では、アリスがキノコを食べるとアリスに変化が現れる。楽しく描かれているが、変化=アリスの幻覚=神経系に働きかける毒キノコである事は容易に想像がつく。原作者自身が少女嗜好趣味のイギリス人家庭教師チャールズ・ドジソン(本名)であるが、彼の内に閉じこもった精神と、精神の開放の意味を持つ神経系の毒キノコの関連は興味深い。

 その半面、独特なタッチで有名な挿し絵画家であるアーサー・ラッカム(イギリス人ではなかったか)のイラストには、そのおどろおどろしい作風にマッチした毒々しいキノコが描かれている。ラッカムのイラストではディズニー以上にさらに多くの種類のキノコが登場する。これは、ディズニーの作品がキノコ文化についてはあまり進んでいないアメリカと、キノコ文化に長い歴史のあるヨーロッパとの違いであろうか。残念ながら日本にはそのような有名な作品中にキノコが登場するものがあまり無いようである。知っている方はメールを頂きたい。

 ただ、手塚治虫の作品中には「ヒョウタンツギ」という非常にユーモラスなキャラクターが登場する。瓢箪のような形の継ぎ接ぎだらけのキャラクターなのだが、顔は豚の顔をしている。よく登場人物たちのストレス発散の場になっていて、殴られたりしている。そして、殴られると胞子のようなほこりを口から吐き出して潰れてしまう。また、ムーミンに出てくる「ニョロニョロ」はキノコ愛好家の間で「ササクレヒトヨタケ」ではないかと言われている。

−つづく−




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