岐阜城って

 2月3日(水)名鉄犬山遊園駅ここは愛知県らしい。

 前日、用があって愛知県にやってきた。17時に犬山遊園駅近くの名鉄犬山ホテルに集合、そこで一泊する。それまでにどこか観光しておこうと12時、名鉄新岐阜駅に着き岐阜城を目指すことにしたかったのだが、ここからバスということを知らずにそれらしい方向に向かっていると勘違いした路面電車に乗ってしまい危うく知らないところに連れ去られてしまうところだった。不幸中の幸いか、新岐阜に 戻ったときにはそこはもう雨。行きに見えてた山の上の城も帰りには雨雲か霧の中だった。傘を持っていないため城行きを断念、また電車に乗る事にした。
 今度は各務ヶ原飛行場前で降りた。目的は各務ヶ原航空宇宙博物館。駅からバスで行ける所なのだがこれまた残念、火曜日は休館日だった。仕方がないので駅前の役所やら商工会やらの建物に入った。8階建てで上にレストランがあると書いてあった。ここで14時過ぎまで粘っていると空に晴れ間が見えたのでようやく外へ出る。このまま帰るのも悔しいので飛行場の横を歩いてみた。ずっと壁が続いていて面白くも何ともないのだが、半分意地で30分ぐらい歩いた。それでも何もないので引っ返して元の駅に戻ったのだが走る電車の窓から確かめると十分隣の駅まで往復していたことに気がついた。
 17時、犬山遊園駅で数名と逢い徒歩でホテルへと向かった。ホテルの前につくとすぐ横が犬山城。このまま先に犬山城見物に行くかという話になってぞろぞろ連なって坂道をのぼっていくと門が閉まっていて中に入れない。立て看板には16時半までと書かれてあった。門前払いでホテルに戻る羽目に。ろくでもない1日だった。

 愛知県とはこうも雪の多いところであったか。
 一夜明けるとそこは雪国だった。雪はもうやんでいるもののどんよりと曇った空が垂れ下がっている。解けかけの雪に滑らないよう足下に注意しながらまた駅まで歩いて行く。9時過ぎ、早くも駅にて解散。あわてて帰る必要のない私は昨日行けなかった岐阜城に再度挑戦するために新岐阜駅に向かった。
 新岐阜に着くと雪が降っていた。風もきつい。凄く寒い。普通なら絶対に外を出歩いたりしないだろう天候だったが、もうここまで来たら引き返せない。意地で岐阜城に向かう。まず、バス停を探し、バスを探す。何とか正解を見つけだし目的の公園前とかいうバス停で降りると今度はロープウェイ乗り場探し。カンで歩いていくとすぐにみつかる。岐阜城まであともう少し。
 ロープウェイ乗り場の売店でようやく傘を買う。右に大きな荷物、左にはホテルで買ってしまったおみやげ袋があって傘は持ちたくなかったのだけれどここでついにあきらめて買った。外は猛吹雪なのだ。
 ロープウェイが止まるんじゃないかと心配したが定刻に発車。もちろんお客は私1人だけ。それでもちゃんとガイドのお姉さんが1人乗ってくれて、いつもの台詞を機械的にしゃべってくれた。しかし、「ここから見える景色は・・・」と説明してくれても外は猛吹雪でなんにも見えない。唯一見えるものといえば自分を吊り下げているロープが数メートルぐらいだ。窓も雪がびっしりとついて所々からしか見えない。
 ロープウェイを降りると目の前にリス園。「いない、いない。死んじゃうよ」とつっこみを入れてから城に向かう。降りればすぐ城かと思っていたのだが大きな間違いだった。仕方なく歩き始める。するとすぐに向こうから中年夫婦がやって来て挨拶を交わした。すれ違いながら考える。登山靴に大きなリュックに杖。歩いて登ってきたのだろう。対して私は革靴、でっかい鞄と土産の入った紙袋、ビニール傘。ロープウェイで来た観光客の出立ちだとは思うのだが、この豪雪の景色にはとけ込まない。何もこんな日に登山なんかしなくたっていいのにと言いたかったのだがどう考えても私の方が不自然な格好っだったのでそそくさと逃げるように先を急いだ。
 ようやく岐阜城にたどり着く。入城料?200円。ここも他にお客はおらず、貸し切り状態。ただ周りが静かなもので入り口の係りに人たちの会話がずっと聞こえっぱなしで、貸し切り気分には浸れない。一番上まであがると扉が1つ開いていて、(ああいうのを何て呼ぶんだろう、ベランダみたいな所)外に出れるようになっている。角には100円入れて見る展望鏡が置いてあるのだがもちろんいくら入れても今日は何も見えない。そんなところなのでさらに風が強く、死にそうに寒いだけだ。
 苦労して来たわりにさっさと城を出る。下り坂はかなり怖い。ロープウェイの乗り場の近くのお店の上に展望台なんてところがあったので結果はわかっているくせに一応上がってみる。案の定、強烈に寒く、何も見えない。10秒もじっとしていられない。さっさと乗り場にいくべし。
 帰りも1人。また機械的なナレーションを聞きながら降りる。するとこの途中で急に空が晴れ始めた。下に着いたときにはさっきまでの世界が嘘のように日が射し、風は消えていた。岐阜城はそんなに私が嫌いなのだろうか。もう、わざととしか思えない。
 岐阜県もこんなに雪の多い所なのだろうか。それともやっぱり嫌われているのだろうか。ビニール傘は結局、邪魔になっただけだった。

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