2.毎日書いている字を描く。
字を立体に描く。
このコーナーを解説する前にお話しておきたい事があります。わたしが今回「四角で立体にとらえる」という企画を考えたのはNHKのクローズアップ現代で「学習障害」というものがあるということを知ったときからでした。学習障害にはさまざまな症状があります。詳細は省きますが、その一つに文字を上手に覚える事ができない子供さんがいます。そこで字を表面的にとらえないで立体にとらえたら覚え易いのではないかと考えました。つまり字として覚えるやり方では頭に入らないので、一つの絵としてイメージしてしまうやり方です。私はその方面の専門科ではありませんので効果があるかないかわかりかねますが、もし何かのきっかけになればと思います。もちろんモノを想像する力をやしなうことは素晴らしい事ですから普通に絵を楽しむ事もいいでしょう。さあ、はじめてみましょう。

字を立体に描く事がどんなに面白いかもみんなにも味わってほしいんだ。
字はアイデアの宝庫なんだよ。

を描いてみよう。
カタカナのアだよ。簡単でしょ。身近なモノを立体にしてみよう。
アで、サイコロの時のように立体に起こしてみよう。いつも字を書くときよく使うから見なくてもわかるよね。ただ立体に起こすだけだよ。アという文字を頭の中で立体にうつして回してみよう。
ただ普通に描いてても面白く無いよね、メカニックなアを描いてみよう。簡単だよ、字にあわせてデザインするだけ。なんとなく「ア」に見えたらそれでOKさ。
デザインが決まったらそれを立体に起こしてみよう。どうだいとても面白い作業でしょ。君の「ア」はどんなデザインになったかな。

はい、次はカタカナの「イ」だよ。これまた簡単。
イを立体にとらえることができたかな?
下の絵を参考にして「イ」を上下左右にクルクルまわしてみよう。くどいようだけど簡単なものからだよ、毎日よく見ているものを立体に起こす作業には格好の題材だよ。自信を持ってトライしてみようね。
正確に描きたい時は箱をしっかりデッサンしてから中にイを描きおこす方法でトライとてみよう。「イ」という文字をさまざまな角度から描く。すべてが人物画にもつながることなんだよ。
「イ」のモンスターを作ってみよう。ね、面白いって言ったでしょ。

文字の一画を立体に起こす。
文字の一画を立体にしていく作業はとてもおもしろいね。初心者の方も文字なら何も見ないでもだいたいわかるでしょ。ひとつひとつの文字の跳ね上がり等を描いていくうちに立体でとらえるということが次第に身体の中に染み込んでいくよ。立体感のある絵を描くにはちっちゃな立体からスタートしようね。大丈夫だよ。

物をデザインする作業を楽しむ
文字の一画を使って立体におこし、その形を使ってまったく別の想像物をつくりあげてみよう。右の挿し絵をみてみよう。平仮名の「こ」の上の画だけを使い四角の箱におこす。それを基にして小さな宇宙船のデザインをしてみる。そして完成にいたっては原形が何かまったくわからないぐらいに変型させてみる。物をデザインするのはあなたです。そんなつまらないって感じてしまうかな? ちがうよ、絵は自分だけが楽しけりゃいい、自分だけが満足できたらそれでいいんだ。だって絵を描くってそうゆうことでしょ。