遺体、遺骨は相続されるか、所有権は

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2015.7.27mf更新
弁護士河原崎弘

相談:遺骨を引取りたい

13年間一緒に生活していた内縁の夫が死亡しました。
私と夫は、「一緒の墓に入ろう」と話をしていました。また、夫は、生前、「自分が先に逝ったときは、お前が墓守をしてくれ」と言っていました。葬儀は夫の長男が取り仕切り、夫の遺骨は夫の長男が埋葬してしまいました。
私が、夫の遺骨を引き取って埋葬したいのですが、できませんか。
相談者は、弁護士会の電話相談で、質問しました。

回答:祭祀承継者が遺骨について権利がある

遺体や遺骨は遺産ではなく、相続の対象にもなりません。 遺体や遺骨は、相続とは関係なく、祭祀を主宰すべき者(祭祀承継者)に所有権が認められ、内縁の妻であっても(内縁の妻は相続権はない)、祭祀を主宰すべき者であれば、認められています(民法 897 条)。
祭祀を主宰すべき者は、被相続人の指定で決まります(これは、遺言で指定してもいいですが、遺言でなくてもよいです。書面でなくてもよいです(下記判例参照)。指定がなければ、慣習に従って決まります。
誰を、祭祀を主宰すべき者とするか、意見が対立するなら、家庭裁判所に調停の申立をすることができます。そこで、話がまとまらなければ、家庭裁判所が審判で決めてくれます。 あなたの場合、亡夫が、生前、「お前が墓守をしてくれ」と言っていたのですから、あなたは、亡夫の祭祀を主宰すべき者(祭祀承継者)です。 祭祀承継者であるあなたが、遺骨の引渡の請求が可能です。

参考法律

民法第897条
民法第897条〔祭祀供用物の承継〕
@系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従つて祖先の祭祀を主宰すべき者がこれを承継する。但し、被相続人の指定に従つて祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が、これを承継する。
A前項本文の場合において慣習が明かでないときは、前項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所がこれを定める。

判例

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