有限会社の出資金の返還要求を受けている

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2013.11.8mf更新
弁護士河原崎弘


質問
私はデザイン会社を経営しております。有限会社で、資本金は500万円です。
500万円の資本金のうち、400万を自己出資し、残り100万円はそれまで勤務していた会社に法人名義で出資してもらいました。その会社をH社とします。
今、このH社から資本金の返還というか、出資金の引き上げを相談(申入れ)されておりまして、H社の経営状態も理解できるので、最終的には、申し入れに応じようとは思っています。こういう場合、出資者の一方的な意見だけで返還を請求したり、返還時期を決められるものなのでしょうか。
また、100万円の資本金の返還をした後の処理として500万円に満たなくなるため、100万円を自己出資などで資本金に届かせ、登記簿の変更を行えばよいのでしょうか。
相談者は、知人に弁護士の紹介され、相談しました。

回答
法人でも有限会社の社員(株式会社で言えば、株主)になれます。そこで、H社が、定款で社員となっていることを前提にお答えします。
H社は、出資金を回収したくても、この返還請求はできません。出資金を回収するためには持分を他に売るしか、方法は、ありません。
「持分(株式会社で言えば、株)を、・・・・に譲渡したいから承認してくれ」と会社に求めることができるのです。会社がこれを承認しない場合は、「・・・に譲渡せよ」と、譲渡の相手方を指定しなければなりません(有限会社法19条)。譲渡の相手方を指定しないと、譲渡を承認したものとみなされます。
従って、H社に持分の買取り請求権がありませんし、あなたの会社に買取り義務はありません。手続きとしては、会社は持分を買うことはできませんので、会社以外の者が持分を買い、その人が新たに社員となります。この場合、資本に変更はありません。取締役に変更があれば、取締役の変更登記をするのです。

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回答
あなたが、社員(株式会社で言う株主)であるなら、あなたが勤務(従業員であることを辞める)をやめても、社員であることは変わらず、会社は出資金の返還義務はありません。
あなたは持分(株式会社で言う株主権)を他に譲渡できます。
あなたが社員でないなら、150万円は出資金ではなく、貸金ですから返還請求できます。 貸金なら、内容証明郵便、次に裁判で請求するとよいでしょう。
自分が出資者(社員)であるか不明の場合は、法務局で会社の登記を調べ、設立申請書の添付書類を閲覧すると、その中に出資者の名前があります。

旧有限会社は、会社法の施行日(H18.5.1)以降、株式会社として存続します。
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