弁護士の法律相談/民事再生の場合、給料債権も減額されますか
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2011.4.28mf更新
相談:民事再生と給料債権
私の勤めていた会社は、ときどき、給料が遅配し、銀行の返済も利息だけ支払っているそうです。倒産しそうです。
幹部の話だと、民事再生手続きをとるようです。
民事再生では、債権者の債権が9割以上カットされると聞きました。私たち、労働者の給料もカットされるのか、心配です。
- 民事再生の場合、給料もカットされますか。
- 退職金はどうなるでしょうか。
回答:給料債権は優先債権
民事再生手続きでは、会社(債務者)が再生計画案を作ります。その中で、債権者の債権を9割以上減額するのが普通です。
この再生計画案には債権者の数の2分の1以上で、かつ、債権額の2分の1以上の同意が必要です(民事再生法172条の3)。債権者も、ゼロよりはいいと考えて同意するのです。
減額されるのは、一般の再生債権であって、共益債権や、一般の優先債権は、これとは別に弁済されます。給料(賃金)債権とか、退職金債権は、この一般の優先債権に入ります(民事再生法122条)。
- 従って、給料債権とか、退職金が民事再生計画で減額されることはありません。しかし、会社の建て直しのため労働者の同意の下に、将来の給料が減額されたり、給与規定(就業規則)が改定された結果、退職金が減額となることはあるでしょう。
減額されなくとも、会社に資力がなくなれば、給与、退職金は事実上支払われません。倒産の多くの場合は、支払われません。
- 退職金も同様です。
給料不払いの場合、賃金の支払い確保等に関する法律7条の賃金の立替払い制度が適用される可能性もあります。 会社に代わって、国が支払うのです。 給与取立をお読みください。
2009.9.14