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2024.11.20 mf
弁護士河原崎弘
主婦の休業損害の計算方法
相談:家事労働
昨年12月に交通事故に遭い、右腕を骨折しました。保険会社から、本年10月に一方的に治療を打ち切られてしまい、ご相談させていただきます。
保険会社から、「休業損害(主婦)として40万円」と言われたのですが、実通院日数は90日程あります。実通院日数に¥5,700をかけた金額が休業損害額になるでのではないのでしょうか。
弁護士の説明/家事労働の場合
- 自賠責保険
\5,700に休業日数をかけて休業損害を計算するのは、自賠責保険の方法です。2020年4月1日からは、\6,100に、休業日数をかけます。
自賠責保険での休業損害=休業日数×\6,100
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裁判の場合、
家事労働に従事していた女性の休業損害の計算には平均賃金を使います。働けない期間は通院期間とは同じではありません。働けない期間は、怪我のために現実に働けない期間です。
休業損害=主婦として働けない期間(日数)×女子平均賃金÷365として休業損害を計算するのが普通です。
平成27年における女子平均賃金は372万7100円ですので、家事労働ができなかった期間が50日とすると、計算は次のようになります。
372万7100円 | ÷ | 365 | × | 50 | = | 51万0561円 |
平均年収 | ÷ | 365 | × | 働けない期間(日数) | = | 休業損害 |
判決 | 年齢 | 平均余命 | 家事労働可能年数 |
横浜地裁令3年3月15日判決 | 男85歳 | 6年 | 3年 |
大阪地裁平31年3月19日判決 | 女60歳 | 28年 |
14年 |
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神戸地裁平23年11月30日判決 | 女64歳 | 21年 | 9年 |
判決
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東京地方裁判所令和5年1月13日判決
エ 休業損害 41万4078円
前記アのとおり原告X1が本件事故により頚椎捻挫及び腰椎捻挫の傷害を負い、令和2年3月17日まで治療を受けていたと認められることに加え、証拠(甲14、原告X1)及び弁論の全趣旨によれば、原告X1は本件事故当時44歳の兼業主婦であったが、本件事故による負傷で家事労働に制限が生じたと認められる。もっとも、基礎収入は、事故前年の平成30年女性学歴計全年齢の平均賃金である382万6300円を365で除した日額1万0483円とするのが相当であり、後遺障害が残存したとは認められないことなどからすれば、休業率を50%とするのが相当である。休業損害は以下のとおりである。
1万0483円×50%×79日=41万4078円
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東京地方裁判所平成28年4月26日判決
原告は,基礎収入を平成14年の女性労働者・学歴計・全年齢平均賃金である年額351万8200円とすべきと主張する。
しかし,本件事故は平成16年に発生したのであるから,基礎収入は平成16年の女性労働者・学歴計・全年齢平均賃金である年額350万2200円とす
るのが相当である。
【参考】
損害額の集計シート
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登録 2007.12.3
弁護士宛メール
神谷町 河原崎法律事務所 弁護士河原崎弘 03-3431-7161