買った土地の面積が少ない/代金減額請求ができるか

2015.12.19mf更新
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相談:不動産
不動産業者の仲介で、土地付き住宅(中古)を買いました。売買契約のときにはわからなかったのですが、測量(実測)をしたところ、実際には不動産登記簿上の面積と比べて2.75u少ないことがわかりました。
契約の際、建物は古いので評価せず、代金として、「土地138.24u、代金7464万円(約54万円/u)」と、契約書に書いてあります。私は、不足面積に相当する代金148万5000円の返還(減額)請求をすることができますか。

弁護士の回答
数量を指示して売買をした物が、不足していた場合は、買主は、代金減額請求できます(民法565条)。「数量を指示して売買する」とは、当事者が、売買の目的である特定の物が一定の数量を有することに主眼を置き、代金もこの数量を基準として決めた場合です。
土地の売買では、土地の面積が表示されますが、それだけでは、数量を指示したことになりません。面積の表示は、土地を特定するためのものであり、登記簿上の面積は、実際の面積とは違うからです。
土地を分譲する際、面積および単価を表示し、各区画の価格を決めた場合は、原則として、数量指示売買となります。契約書中で、数量および単価を表示し、後で、実測し、数量に増減があった場合は、代金を増減して清算するとの条項がある場合も、数量指示売買に当たります。
以上の場合以外は、数量指示売買と解釈することは難しいです。通常、数量は目的物を特定する手段と見られているのです。
相談者の場合、「土地138.24u、代金7464万円(約54万円/u)」との表示は、目的物を特定し、一応の代金計算の根拠を示したのです。数量指示売買とはならないでしょう。

農地、あるいは元農地の宅地では、逆に、実測すると面積が増えることがよくあります。これは、大昔の検地の際に、農民が年貢の賦課に抵抗して、農地の面積を少なくしたことに原因があるといわれています。

なお、実測の結果、面積が増えた場合に、代金増額請求ができるかは、当事者がそのような意思を持っていたかによるとして、面積が減った場合とは別に考えることが多いです。下記判例を参照。
参考:坪換算機

判例

港区虎ノ門3丁目18-12-301(神谷町駅1分)河原崎法律事務所 弁護士河原崎弘 03-3431-7161
2004.8.27