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2015.5.7mf
弁護士河原崎弘

金銭消費貸借譲渡担保権設定契約書の書式

不動産を担保にする方法は、通常、抵当権設定です。抵当権が設定されていて債務不履行があると、債権者は競売申立をします。
譲渡担保が設定されていて債務不履行の場合は、既に、不動産の名義が債権者にあるので、債権者にとっては有利です。ただし、債権者には、清算義務があります。
これは、 不動産の所有権を貸主に移転する譲渡担保権を設定し、お金を貸す金銭消費貸借譲渡担保権設定契約の書式です。

  
金銭消費貸借譲渡担保権設定契約書

貸主 甲野 太郎(以下、甲と言う)と、借主 乙野 一郎(以下、乙と言う)は、次のとおり金銭消費貸借譲渡担保権設定契約を締結する。

第1条(目的)
甲は、本日、乙に対し、金3000万円を貸し、渡し、乙は、これを借り受ける。
乙は、甲から借用した金3000万円の返還債務履行の担保として譲渡担保の設定を約し、乙の所有する後記物件の所有権を甲に移転する。
後記物件について、その権利移転の登記につき、乙は直ちにその手続きに協力しなければならない。
乙は、平成24年1月31日までに借用した金3000万円を利息を付けて返済する。
利息は年7%とする
乙が次の事由に該当するときは、乙は、甲から催告なくして当然期限の利益を失い即時残債務を弁済する。
a 乙につき、破産、和議の申立がなされたとき
b 乙がその債務につき、差押、仮差押を受けたとき
c 乙が本契約の条項に違反したとき
乙が、本契約に基づく債務の履行を遅滞したときは遅滞の日の翌日から遅滞金額に年30パーセントの割合による遅延損害金を付加して支払う義務を負う。
第2条(使用貸借)
甲は、前条の物件を、無償にて乙に使用させる。
乙は、借用物件を善良なる管理者の注意をもって使用し、借用物に関する通常の必要費は乙の負担とする。
第3条(解除条項)
本契約の履行につき、乙に不信行為があった場合は、甲は、前条の使用貸借契約を解除し得るものとし、乙は借用中の物件の占有を解き、直ちにこれを甲に返還、引き渡す。
第4条(担保物処分法等)
前条の場合、甲は直ちに本物件を任意に売却し、その代金を債務の弁済に充当できる。なお不足あるときは、乙の一般財産に対し強制執行できる。
第5条(債務の完済)
乙が自己の債務を完済したときは、本物件についての甲の権利は当然消滅するものとし、甲は、譲渡担保物件の所有権を、乙に移転するとともに、乙への所有権移転登記ないし甲の登記につき抹消登記の手続をとる。 
第6条(譲渡などの禁止)
甲は、取得したる権利を、債務履行期前に、これを第三者に譲渡する等、担保の目的以外に行使してはならない。
第7条(引渡方法)
第3条の譲渡担保物件の引渡は、占有改定及び、簡易の引渡による。
第8条(実情調査)
甲は、何時でも、乙が使用中の譲渡担保物件の実情につき調査し、または報告を求めることができる。
第9条(担保汚損に対する措置)
担保物件が、原因の如何にかかわらず、毀損滅失したとき、又は、その価額が減少したとき、直ちに、その状況を甲に通知する。
前項の場合、乙は甲の請求に従い、遅滞なく増担保若しくは、替わりの担保の提供をするか、又は、債務の全部若しくは一部を弁済する。
第10条(所有権の最終確認)
甲は、第4条の定めにもかかわらず、適当と認めたときは、担保権の実行に代え、譲渡担保物件の所有権を最終的に取得することができる。
前項による所有権の取得については、甲が目的物件を評価し、その評価額と同額の債権額につき、甲から乙に対し意思表示をなし、その意思表示の到達をもって、乙の甲に対する債務は当該金額だけ弁済されたものとし、所有権は、最終的に、甲に移転する。 
借地権については、乙は、借地権譲渡につき地主の承諾を得るものとし、承諾料については乙の負担とする。
第11条(執行認諾文言)
乙が、本契約上の債務の支払いを怠った場合、甲は、直ちに、催告その他の手続を要せず、譲渡担保物件の処分に先立ち、乙の一般財産に対して、強制執行をなしうるものとし、乙は、何ら異議の申立をしない。
第12条(火災保険)
乙は、甲より請求ある場合は、譲渡担保物件に対し、火災保険を附する。
保険会社、保険金額、保険契約期間、保険金請求権、の取得等については、乙は、甲の指示に従う。
第13条(公租公課等負担方法)
前条の保険料及び、譲渡担保物件に対する公租公課相当額は、乙が負担する。
第14条(公正証書)
甲より請求があった場合は、乙は、何時でも、この契約書の各条項を公正証書にする手続に協力する。

担保物件の表示
所  在  〇〇区〇〇町〇丁目〇〇番地の1
家屋番号 〇〇番
種  類   居宅
床面積   壱階 67.80u 
       弐階 52.54u
構  造  木造瓦葺2階建
所  在  〇〇区〇〇町〇丁目〇〇番
地  目  宅地 
地  積  234.20u
このうち、 87.20uについての借地権
  本契約を証するためこの証書を作り各署名・押印し各その1通を保有する。

平成21年1月10日

        住 所
           氏 名 (甲)   甲野 太郎 

        住 所
           氏 名 (乙)  乙野 一郎 


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