バックストーリーはこう作る!

ドラマチカル・キャンペーン・キャンペーンの第2回でございます(笑)
プレイヤー編の続編ですね。

前回はロールプレイ支援システムをどう味方に付けるか、でしたが
今回は、そういうのがない場合の話をします。
そういうのがないシステム、ということだと、「舶来の、全てのファンタジーの
ルーツになったあのシステム」とか「純国産・最古参のあのシステム」とかが
そうですね。
後は、ロールプレイの邪魔にならん様に、システムを簡略化しすぎて、その辺の
社会に対する設定のルールが作ってないシステムなんかもあります。
そういう場合はどうするか。


まあ、例によって「究極的には」駄目なんですけど。

そういう場合には、キャラシートの裏にずらずらとキャラのMy設定を書き込んどく
訳です。
(うわ、急に胡散臭くなってきた)

で、これあんまり思い入れたっぷりに書かれるとGMがひきます。
と、いうことは読んでくれない、ということです。
ということは、効率のよいポイントを絞って的確に書くことが重要になります。


じゃあ何が重要なことなのか。
前回のお話しで、GMにとって一番めんどくさいのがシナリオへの導入だ、みたいな話をしました。
よって、ここでもGMがシナリオの導入に使いやすいネタを散りばめる事を考えます。
ポイントは三題噺です。
キャラクターが冒険をしていく理由を、長期・中期・短期のそれぞれについて
プレイヤー側で考えておいてあげることを考えます。

短期は1〜3セッション程度で消化され得そうなプロット。
中期は3〜5セッション程度で消化され得そうなプロット。
長期は10〜15セッション程度で消化され得そうなプロット。あるいはエピローグにそのまま
持ち込めそうな物。
各一つ、がベストかな……。中期に関してだけ、並列独立してる形で2個くらいまでかな。
(多すぎると読んでもらえないからです!!)
で、スパンが長い物ほど、直近の拘束力は弱くしておく。
さらに、そのシナリオの流れに入ることで、自然とキャラが立つ見せ場が来るような物を
考える。

例えば。

傾向と対策

例によって具体例です。
「母親は亡くなっており、父親は主人公がまだ幼い頃に旅に出たまま、未だ帰ってきていない。
このキャラは父を追っている。(長期の目標)
そんな時、別の大陸で父とおぼしき人物が立てた武勲の噂が伝わってくる。足取りを追うために
まずはそこへ行ってみたい。(中期の目標)
母方の祖父が失踪した父を憎んでいることもあり、未熟な主人公が長旅に出ることを許してくれない。
ひとまずちょっとした手柄を立てて、じいさんに認めてもらいたい。(短期の目標)

ふむ。こんなもんかな。
でですね。
3つの目標は、あまり固く繋がっていない方がいいです。一つこけた時に全滅する
可能性がありますからね。この例の場合だと、じいさんが認めてくれなくても、
闇夜に乗じて家出することもできますし、中期目標を無視しても、「昔父と一緒に旅を
していたという男」に第2話で出会って、そっちで話が進んでも長期目標の方は生き延びる
事ができます。
私がGMをやる場合は、PCが全部上がってきてから、それ見ながらオンデマンドで
話を考えるんですが、GMによってはある程度自分のイメージがあってキャンペーンを
立てる場合もありますから、それとぶつかった時に、すき間に入り込んで生き残れる
設定を考えとくわけですね。

あと、もう一つポイントが、“細部・中身は空白化しておく”事です。
この具体例の場合で言うと、父さんがどんな人間だったのか、今どこで何をしているのか、
等はプレイヤーの側では設定しない方がいいと思います。
その方が、GMがシナリオを作る際に、
「んー、父ちゃん? じゃあ、ラスボス用に考えてたこの将軍が実はこいつの父親
だったというオチにしよう」など、幅広く受けることが可能になるからです。
PCに敵を設定するなら、
「PCの行く先に謎の刺客が現れている。こいつらがどの程度組織立っているのか、
また、組織化しているなら目的はなんなのかPCはまだつかんでいない」
とかの空洞感のある設定にしておく。
その方がGMのビジョンの中でフレキシブルにはめ込みやすいからです。


これは蛇足ですが……
キャラクターの人格のイメージに関する説明が必要だと思われる場合には、1・2行
そんなのを先頭に書いておく方がいい場合があるかも知れません。
「戦士としては臆病で、いつも慎重論を主張する」とか
「騎士とはいっても叙列の末端であり、兄二人が気ままな旅に出てしまったので、
仕方なく家を継いだ。兄にはかなりの対抗意識(とコンプレックス)を持っている」
とか。
そんなイメージの補助になるような説明は確かにGMの側でもありがたいです。
この場合でも、
前回の話と同じで、「一人称と語尾と口癖」などの細部の設定の束を箇条書きする
よりは、抽象的な輪郭引きの方が、設定のバッティングも防げるし、
ロールプレイも楽になります。
設定した決めゼリフを口にするよりは、「くそ、ま…た、あの兄貴は……#」
等の、応用のきく「設定」の方がロールプレイに生かしやすいですから。




続編は書くんだろうか……
まあGM編とかだろうけど衝動的に始めただけだからなー。
要望が多ければって事で。

<2003.05.02>



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