電子納品の役に立つかどうかわかりませんが、ワードで報告書の調査位置案内図を作成する方法を紹介します。手作業で作って、丸々スキャンニングという方が早いかもしれませんが(最近のコピー機にはPDF作成機能があったりする)、ここではすべてPC内で作成する方法を紹介します。
大まかな手順
(1) ワードに貼り付けるための地図画像データを準備する。
(2) ワードに貼り付けるためのスケールや方位などの画像データを準備する。
(3) ワードに作成した画像データを貼り付ける。
(4) 調査位置などをオートシェイプで書き加える。
(1) ワードに貼り付けるための地図画像データを準備する。
カシミール3Dを使います。あらかじめカシミール3Dに数値地図25000を登録させ、そこから、必要な部分を切り抜いて使います。数値地図を登録する際は、ハードディスクの容量を多く必要としますが、「3070×2540(大きくて見やすい)」を選択して登録させた方が綺麗な地図画像を作成できます。登録方法はここでは省き、必要部分の切り抜き方法を紹介します。
切り抜き方法
(1.1)対象エリアが画面中央にくるような状態で、ZOOM/縮尺の設定を「1/2」又は「1/4」に設定します。(画質は落ちますが広いエリアが表示されます)
(1.2)「編集(E)-選択範囲を決める」で、切り抜く範囲をマウスで選択します。画面左下のバーに選択範囲がkm単位で表示されます。1/25000の地形図を横16cm、縦20cmで切り抜く場合は、4.00×5.00kmとなるように、マウスを操作します。(ちょっと難しい)
(1.3) 選択範囲が決まったら、ZOOM/縮尺の設定を「1x」に戻します。(ここが味噌)
(1.4) 「ファイル(F)-表示範囲を保存(G)-選択範囲を保存(S)」で、選択範囲の地図をビットマップファイルで保存できます。
なお、数値地図を表示させたり切り抜きできるソフトに数値地図ビュワーという有料ソフトもあります。私も以前使っていましたが、複数の地図を合成した場合、地図の上の方に隙間ができてしまいます(バージョンアップで改良したかどうか不明)。カシミール3Dはフリーソフトで、しかも地形図の結合部分に隙間ができません。また、カシミール3Dでは、山地に影を付けられるので、山地の場合、地図が立体的に見えるという効果もあります。
(2) ワードに貼り付けるためのスケールや方位などの画像データを準備する。
お好みのソフトで作成し、ワードの「挿入-図-ファイルから」で読み込み可能なファイル形式で保存します。画像ソフト(あるいはCAD)からコピーしてワードに直接貼り付けができる場合もあります(ソフトによって異なる)。注意点としてはスケールの場合、ワードに貼り付けた後、サイズの設定で、正確な大きさに調整できるよう工夫して作成する必要があります。
サンプルのEMFファイルを置いておきます。
スケール(1/25,000専用) ワードに貼り付けた後で、縦20mm、横70mmに設定して使用する。
(3) ワードに作成した画像データを貼り付ける。
ワードの「挿入-図-ファイルから」を選んで、作成したビットマップの地形図や方位・スケールなどの画像データをワードに貼り付けます。また、必要な文言を書き加えます。画像データはテキストボックス内に貼り付けすれば、後で自由なレイアウトができます。テキストボックスの枠線は、必要に応じて非表示(線なし)にします。貼り付けた画像のうち、地図は、切り抜いたときのサイズに合わせます。(1)の例の場合、「図の書式設定-サイズ」で、縦を200mm、横を160mmとし、「縦横比を固定する」を解除します。スケールも同様に、正しいサイズで印刷されるよう調整します。
(4) 位置などをオートシェイプで書き加える。
ワードに標準で搭載している機能なので、説明を省略します。注意点としては、グリッド線の間隔が粗いと位置の微調整が利かない場合がありますので、「ファイル-ページ設定-グリッド線」でグリッド線の間隔を狭くするか、「表画オブジェクトをグリッド線にあわせる」を解除してください。
作成した結果のサンプルをおいておきます。(WORD2002) (PDF)