登山NO.0069 大 台 ヶ 原( 日出ヶ岳:1,695m ) 1997.4.30登山


  牛石ヶ原付近( 1997.5.1 )

【大台ヶ原登山記録】

【大台ヶ原登山データ】

フォト


NO.69 大台ヶ原登山記録

昨年のゴールデンウィークは、大峰山を3日間かけて縦走したが、 その時来年のゴールデンウィークは大台ヶ原に行くことを決めていた。
ただ、 この大台ヶ原登山については、 1つ引っかかることがあった。
それは頂上近くまでバスが通っており、 大台ヶ原の最高峰である日出ヶ岳には 40分もあれば登れてしまうということで、 登山という名に相応しくなく、 またこれまでの自分の山に対するこだわりから言って、 納得できるものではないということである。

大杉谷から登ることも考えたが、交通の便が良く分からず、結局大台ヶ原駐車場の方から登り、一旦桃ノ木山の家に宿泊し、 再度日出ヶ岳に登り返すことで計画を組むことにした。
横浜発の夜行バスにて大阪阿倍野橋まで行き、 そこから近鉄南大阪線・吉野線で大和上市に直行、 駅で約1時間程待って、大台ヶ原行きのバスに乗った。
ゴールデンウィークとは言え、 5月1日は平日のため、朝8時30分発の休日運行バスはなく、 9時30分まで待たざるを得なかったからである。

空模様は、大阪阿部野橋に着いた時から怪しかったが、バスに乗って 30分ほど経った頃から降り出し始め、 バスが 11時40分に大台ヶ原駐車場に着いた頃には、 本格的な降りになっていた。
何たる不運。
今日の雨を皆予測して来ることを控えたのか、 あるいは今日が平日の為なのか、 駐車場にはあまり車が止まっておらず、 むしろ閑散としているといっても良いくらいであった。

売店でうどんを食べて腹ごしらえをした後、雨具を着て、傘をさしながらまずは尾鷲辻へと向かった。
尾鷲辻から大蛇グラへ行ってから日出ヶ岳へ登ることも考えたが、 宿泊地までの時間がどれくらいかかるか不明だったので、 正木ヶ原経由にて日出ヶ岳へ向かうことにした。

日出ヶ岳までの道は木々の間隔がまばらで、その間に下草が芝のように生え、また倒木や枯れかけた木々があり、 いかにもイメージ通りの大台ヶ原であった。 木々の間から鹿が現れても全く不思議ではなかったが、 この日は生憎の雨のためか、 全く見ることができなかった。

日出ヶ岳の頂上に着く頃には、雨も小降りになり、頂上の展望台からは昨年縦走した大峰の山々を見ることができた。
頂上を1時10分に出発、 暫く進むとシャクナゲの林のが続くことになったが、 花はほとんど咲いていなかった。

私の登山は、気ままに山を選んでいるので、その山域の名物と言われる花を知らず、また知っていても花の時期をはずしてしまうことが多い。 今回も少々早かったようである。
シャクナゲ林を抜け、ひたすら下っていくと車道に出た。 傍らには水飲み場と祠があり、その先が粟谷小屋らしいが、 雨の中で荷を降ろすのも面倒だったので、 そのまま小屋に寄らずに進んだ。

手元の地図とは若干異なっていたので、少々戸惑ったが、車道右上に堂倉避難小屋らしきものが見え、その先から再び登山道が始まった。
一旦登り、 あとは堂倉ノ滝までひたすら下ったが、 快調なペースで下れるものの、 次の日登り返すことを考えるとあまり嬉しくはなかった。

水音が大きく聞こえだし、鉄製の橋が見えてきたが、その横には落差はあまりないが幅の広い見事な滝があった。堂倉ノ滝である。
晴天時はその岸辺で昼食などとれば、 本当に気分が良かったろうと残念に思えた。

いよいよここから大杉谷に入り、滝巡りとなるが、その最初の堂倉ノ滝の見事さから後の滝の見事さは推して知るべしであり、隠れ滝、光滝、 七ツ竈の滝と見事な滝が現れるこの谷は、 是非とも 1度は歩いて見るべきである。
谷は全体に緩やかに下っており、 大きな登下降もなく、 岩場を慎重に進みさえすれば本当に楽しいコースであるが、 少しでも間違えれば絶壁から谷底へ落ちるところもあり、 それなりにスリルも味わえる。
特に雨の日は、岩場が滑りやすいので要注意であった。

そろそろ疲れたなと思う頃、七ツ竈の滝が現れ、滝がよく見える休憩所で暫し休憩、その後少しで鉄製の橋が現れ、桃ノ木山の家に着いた。 3時50分であった。
山の家の宿泊客は 10名程度、 空いていて良かった上に、 風呂にまで入ることができ言うこと無しである。

明日、また日出ヶ岳に登り返すことを山の家のスタッフに相談したところ、私の足なら 4時間程で登り返せるとのことであったが、 どうしてもシシ淵は見ておくべきだと言われたので、 翌日はシシ渕まで行ってから登り返すこととした。

翌日は晴れ、荷を山の家に置き、カメラ一つで更に谷を下った。
見事な岩峰の平等グラを谷を挟んで巻くようにして進み、 ニコニコ滝を過ぎ、やがてシシ渕へと着いた。
ここは切り立った岩が谷川を挟み、 その岩の形がシシの顔のように見えるからそう呼ばれている勝手に解釈したが、 シシ渕の岩の間から見えるニコニコ滝は見事であった。

また往路を戻り、8時には山の家に戻ることができた。
リュックを背負い、 再び昨日来た道を戻り始めた。 今日は苦しい登りがあるが、それでこそ登山である。

堂倉ノ滝までは快調であったが、やはり懸念した通り、堂倉ノ滝より先の堂倉坂の登りは大変きつく、喘ぎながら登らざるを得なかった。
今日は粟谷小屋に寄り昼食をとった後、 最後の登りにかかった。 体が慣れてきたのか、この登りはさほど苦しくなく、 12時30分には日出ヶ岳頂上に着くことができた。

頂上は多くの人でごった返しており、昨日とは全く一変した様子であった。
一旦駐車場まで戻り、 ジュースなどで喉を潤してから再び尾鷲辻へ向かい、 今度はそこを右折して大蛇グラへと向かった。
途中牛石ヶ原では鹿を見ることができ、 また大蛇グラの景観には圧倒されたが、 如何せん人が多いのには閉口した。
また駐車場に戻り、 うどんを食べて時間を潰した後、 バスにて大和上市へと戻った。


大 台 ヶ 原 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1997.4.30 天候:雨(4.30)単独行前日車中泊
登山路:大台ヶ原駐車場−尾鷲辻−正木ヶ原−日出ヶ岳−シャクナゲ坂− 粟谷小屋−堂倉坂−堂倉ノ滝−光ノ滝−七ツ竈ノ滝−桃ノ木山の家()− 平等グラ−ニコニコ滝−シシ渕−ニコニコ滝−平等グラ−桃ノ木山の家−七ツ竈ノ滝−光ノ滝−堂倉ノ滝− 堂倉坂−粟谷小屋−シャクナゲ坂−日出ヶ岳−大台ヶ原駐車場−尾鷲辻−牛石ヶ原−大蛇グラ−牛石ヶ原− 尾鷲辻−大台ヶ原駐車場
交通往路:瀬谷−(相鉄線)−横浜−(夜行バス:車中泊) −大阪阿部野橋−(近鉄南大阪線・吉野線)−大和上市−(バス)−大台ヶ原駐車場
交通復路:大台ヶ原駐車場−(バス)−大和上市−(近鉄吉野線)−橿原神宮前− (近鉄橿原線)−大和八木()−(近鉄京都線)−京都−(東海道新幹線)− 新横浜−(市営地下鉄)−横浜−(相鉄線)−瀬谷
その他:4月29日夜行バスにて出発。翌30日日出ヶ岳登山。
30日は桃ノ木山の家泊。
翌5月1日日出ヶ岳再度登山。1日は大和八木泊。翌日帰宅。


山のメインページに戻る   ホームページに戻る