登山NO.0084 平 ヶ 岳( 平ヶ岳:2,141m ) 2000.09.02 登山


 雨とガスの中の玉子石( 2000.09.02 )

【平ヶ岳登山記録】

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NO.84 平ヶ岳登山記録

カレンダーはもう既に 9月に入っているにもかかわらず、何だかんだで山に行くチャンスを逸し続け、 今回の平ヶ岳が今年初めての百名山(未踏分) である。
9月2日の早朝、3時15分に起床。実は目覚ましは 2時半にかけていたものの、 睡眠時間が 3時間位では起きられず、一旦目覚ましを止めてしまってこの時間になってしまったのであった。
慌てて身支度をし、家を出たのが 3時40分。本日の天気は良さそうである。

東名高速道 − 首都高速 − 外環道 を経て東北自動車道に入り、 西那須野塩原ICで高速道を降りて塩原温泉街を抜けるというルートを通るのは今回でもう 4回目であり慣れたものであるが、 さすがに睡眠不足と高速道路の単調さには耐えられれず、矢板北PAにて車を止め少し休んでしまったのであった。
休憩は 10分位と思っていたのだが、目を覚ますと 30分ほど眠っていたことになり、またまた大きなロスである。

天候の方は途中雲が多かったものの徐々に青い空が広がりだし、塩原温泉街を抜ける頃には太陽も輝き始めていたのであった。
問題は尾頭トンネルの通過後の空模様であるが、嬉しいことに今回はトンネルを抜けても天候が変わることはなく、 青い空が広がっていてくれたのであった。
ただ、会津高原駅を過ぎる頃から目指す尾瀬方面に雲が多いことが目につき始めたのだが、 それも時間が経つにつれて消え始め、檜枝岐村を過ぎ、七入に近づいた頃には青空に浮かぶ
燧ヶ岳の姿をハッキリ見ることができたのであった。

七入から平ヶ岳登山口までの距離は結構あり、燧ヶ岳への登山口である尾瀬御池への分岐を左に過ごしてからは、 行けども行けども山の中で少々不安に思い始める位であったが、やがて右手に尾瀬口山荘が見えホッとさせられたのであった。
そして山荘からは道もほぼまっすぐになって、民家もチラホラ見え始めるようになり、橋を渡って新潟県に入るとすぐに平ヶ岳登山口が左に見えてきたのであった。

登山口の駐車場には車が 6台ほど駐車していたがまだ十分に空きがあり、 駐車場が満杯ではないかと密かに恐れていただけにホッとさせられた次第である (8時7分着)
身支度をして駐車場を出発したのが 8時14分
駐車場脇から林道を進み、下台倉沢を渡ってやがて右側に木の伐採をする人たちの休憩場所を見ると、 すぐに山の取り付き口であった (8時25分)

暫くは杉 ? の植林帯の中を進むと、すぐに左側斜面を伐採した中の登りとなる。
風は全くなく、ムッとする感じで、今日の暑さが予想される。
低木帯の中、赤土の道を登るとすぐに尾根上に出ることになり、後は下台倉山まで延々と登りが続くことになる。
この尾根道は、砂礫の混じった灌木帯で、ここまでほとんど高度を稼いでいないにもかかわらず、 あたかも森林限界に到達したかのような錯覚に陥る。

太陽は後方から首筋をジリジリと照らし、頭上には青空が見える。
しかし、左方に見える燧ヶ岳の双耳峰には雲がかかり出し、 目指す下台倉山方面はガスでがかかった状態であった。

ほとんど裸尾根に近い岩稜帯の道は、一つピークに登るとさらに先にもっと高いピークが見えるといった状態で、 日差しが強い中、久々の登山の身には辛いものがあった。
1時間ほど登り、ピークの一つで小休止。上を見上げると下台倉山への登りがきつそうである。
見晴らしの良い尾根道と離れ、土がえぐれた道をひたすら登り続けると、再び見晴らしの良い場所に出たが、 振り返るとこれまで登ってきた尾根道が延々と下方に続いているのが見える。

喘ぎ喘ぎしながら急斜面を登っていき、ようやく平坦な場所に飛び出すと、 そこには下台倉山と書かれた標識が立っていた (9時53分)
しかし、ここは山と言うよりは尾根道の一部という感じである。

この下台倉山から台倉山へかけては、左側が開けて見通しの良い道が続き気分が良い。
また、アップダウンはそれなりにあったものの、総じて歩きやすい道が続いていて足が快調に進む。
時々樹林帯に入って尾根の右側を見ることができるが、こちら側の方は予想以上に強い風が吹いていたのでビックリである。
左手には雲に隠れたりしてはいるものの燧ヶ岳の双耳峰が常に見え、 途中からは所々の高見から目指す平ヶ岳を右手に見ることができた。

景色を楽しみつつ、快調に足を進めていたのであったが、ふと足下を見ると体調 80センチほどのマムシが登山道脇の草むらに逃げ込んで行くのが目に入った。
景色に見とれて足下を見ていなかったのであったが、もしマムシを踏んでしまったらと思うとゾッとする。
この日は、このマムシのほかに数匹の蛇に出会い、また帰りは蝦蟇ガエルに何回も驚かされるなど、 山上で思わず悲鳴を上げることが数回あったのである。どうも、蛇、カエルの類は苦手である。

やがて、小広い場所に三角点だけが置かれた場所を通過したが、どうやらここが台倉山らしい。
しかし、三角点がポツンとあるだけで標識も何もなく、しかも調子よく歩いていたため、休まずに通過してしまった。

この台倉山からは道を右に折れて、これまでの尾根道とはおさらばである。
ガイドブックではここからはぬかるんだ道が続くとあったが、ここのところの晴天続きのためであろうか、 道はほとんど乾いており、歩くのに何の支障もない状況であった。

笹を切り開いた道をドンドン下っていくと、所々に木道が現れるようになり、 やがて着いた鞍部が台倉清水であった。
水場は登山道から離れて約 3分ほど下った所にあるのだが、どうも寄り道する気になれず、 またこの先には白沢清水もあるはずと思い、水がやや心許なくなっていたにもかかわらず台倉清水はパスしたのであった。

台倉清水からは笹に囲まれた中を登るようになり、いくつかのアップダウンを繰り返していくと、 小さな広場のような場所に飛び出したのであったが、ここが白沢清水であった (11時17分)
ガイドブックでは、この広場の端の方に水が湧き出ている場所があるとのことであったが、そこには小さな水溜まりがあるだけで、 とても飲めるような雰囲気の水ではないのであった。
やはり、不確かな情報をあてにせずに、先ほどの台倉清水で水を汲むべきだったと大いに反省させられた次第である。

ところで、空模様の方であるが、この白沢清水に至るまでに青い空は雲に完全に覆われてしまい、 先行きを少し心配し始めていたところ、遂にというか、白沢清水で休憩している間にポツリポツリと雨が降り始めたのであった。
それでも雨の量は少なく、また降ったりやんだりだったので安心していたのだが、視界の利かない笹の中を抜け、 池ノ岳の斜面が正面に見え始めた頃から雨足が強まり、笹の斜面の厳しい登りに取り付いた頃には完全に雨に変わっていたのであった。

カメラに雨が当たらないように傘をさしながら登り続けていくと、 それでも池ノ岳の岩稜地帯を歩く頃には時々雨もやみ、左手には平ヶ岳の姿も見えてくれたのであったが、 喘ぎながらたどり着いた池ノ岳頂上では再び完全なる雨降り状態であった (12時31分)
しかも、そこは強風とガスの世界で、本来見えるはずの池塘群はほとんど見えない。

すぐに木道を辿って平ヶ岳を目指したが、周囲の笹が煩い所が何ヶ所もあり、 濡れた笹にこすれてズボンはビショ濡れの状態であった。
この池ノ岳から平ヶ岳の間は思った以上に距離があり、ビショビショになりながらようやく樹林帯を抜けると、 目の前には開けた湿原が広がっていたのであったが、何せガスで視界が利かず、木道がガスの中に消えていくといった感じである。

この木道を緩やかに登って行くとすぐに平ヶ岳頂上で、頂上に着いた時は横殴りの雨と風が強く、 最悪の状況であった (12時54分)
そして、頂上には誰もおらず、また雨をしのぐ場所もないことから、三角点を撮影してそのまますぐに玉子石へと向かうことにしたのであった。
当然、セルフタイマーを使っての記念写真もままならないといった状況で、頂上にいた時間はわずか 5分程である。

少し木道を戻り、玉子石への分岐で道を左にとったが、この時は玉子石などに寄らず、 このまますぐに下山してしまいたいという気持ちであった。
しかし、平ヶ岳に登りながら玉子石を拝まねば画竜点睛を欠くことになる訳で、嫌々ながら玉子石へと向かった次第である。

狭い山間の道を一旦下って水場を通り過ぎると再び開けた湿原が広がっているような感じの場所に出たが、 ガスで遠くは見えなかったため私の推測に過ぎない。
木道を暫く進むと、再び分岐点で、右は姫ノ池経由で池ノ岳へと戻る道であり、玉子石へは左へと進むことになる。
強風に傘を揺らされながら滑りやすい木道を進んでいったのだが、ガスの中、行けども行けども玉子石に着かない。
よくもまあこのような広い山の中で玉子石を発見したものだと感心しながら歩いたのだが、 もしかしたらガスがなければいろいろな所から玉子石は見渡せるのかもしれない。

ようやく玉子石に着いたのが 13時31分
玉子石は噂通りの奇岩で、台座となる岩の上にたまご型の岩がのっかっており、しかも、上と下の岩は一つの岩なのである。
つまり、1つの岩の真ん中が浸食されてこの不思議な形になっているのであるが、 誠に自然の成せる技には驚かされる。

この玉子石もガスの中であり、ハイマツの林を除いては周囲は全く見えなかったのだが、 一瞬ガスが晴れ、玉子石の後ろに広がる池塘群が目に飛び込んできたのであった。
そこには鏡のような池塘が点在してきらめき、写真で見るいつもの景色が見えたのだが、 残念ながらカメラを構えた時には再びガスのカーテンが下りてしまったのであった。
そしてその後 5分ほどシャッターチャンスを待ったものの、雨風は強くなる一方で、結局あきらめざるを得なかったのであった。

さて、玉子石を見ればこれでノルマは果たしたことになり、後はもうひたすら下山である。
このような気持ちになってしまうのは平ヶ岳に申し訳ないのだが、ガスで視界は利かないため頂上の景色は全く見えず、 また雨が強くて休憩もままならずといった状態では致し方あるまい。
カメラをザックに押し込み、傘だけさしたまま、後は駆けるようにして往路をそのまま戻ったのであった (13時36分発)

雨はその後も降り続いたが、どうやら新潟側 (あるいは群馬側) = 平ヶ岳頂上 に近づくほど雨は強く、 逆に福島側の方はそれほどでもないようで、往路を戻るたびに雨はドンドン小降りになったのである。
そして、再び白沢清水に至る頃からは雨は時々パラつく程度までになり、時には青空も雲の切れ間にのぞき始めたのであった。

ここまで休まずに一気に下り続けたものの、さすがに疲れが出始め、白沢清水で大休止したのだが、 ここで水を全部飲み干してしまい、結局 台倉清水では水を求めて水場まで下ったのであった (14時56分)
台倉清水の水場は、かなりの急坂を下った所にあり、水も細々とした流れであったが、 その水は冷たく、久々にうまい水を飲んだ気がした。

さて、同じ道を戻る場合は、結構早く感じることが多いものなのだが、 今回は下台倉山からの下りが本当に長く辛かった。
少し下って下方を見ると、これから下る尾根が延々と続いているのが見えるのである。
下っても下ってもまだまだ長い下り道が先に見え、さらに平ヶ岳頂上の状況が不本意だったためテンションが下がり気味であるだけに、 この下りは大変辛いものがあった。

それでも、16時50分、今朝ほどの林道からの取り付き口にたどり着き、 そこから歩くこと 10分。ようやく駐車場に戻ることができたのであった (17時ジャスト)

さて、本来ならばこのまま檜枝岐村近辺に一泊し、翌日は会津朝日岳にでも登ろうと考えていたのであるが、 天気予報では翌日の天候も悪そうで、しかも登山靴にもかなり水が入り込んできていたため、そのまま家に帰ることにしたのであった。
檜枝岐歌舞伎の開催日であったこの日、人々が村の道を歌舞伎に向かう中、18時過ぎに檜枝岐村を出発し、 家に着いたのが 22時30分であった。

雨の日の登山もそれなりに登山ではあるが、やはり頂上の景色が大きなポイントである平ヶ岳で雨の状態ではガックリで、 疲れも倍といった感じである。とにかく疲れた 1日であった。


平ヶ岳登山データ

上記登山のデータ登山日:2000.09.02 天候:晴 後 雨 後 曇り単独行日帰り
登山路:平ヶ岳登山口−下台倉山−台倉山−台倉清水−白沢清水−池ノ岳−平ヶ岳−玉子石− 池ノ岳−白沢清水−台倉清水−台倉山−下台倉山−平ヶ岳登山口
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道)−用賀料金所−(首都高速)−川口JCT−浦和IC−(東北自動車道)− 西那須野塩原IC−塩原温泉−檜枝岐村−平ヶ岳登山口 (車にて)
交通復路:平ヶ岳登山口−檜枝岐村−塩原温泉−西那須野塩原IC−(東北自動車道)−浦和IC−(外環道・首都高速・東名高速道路)−横浜IC−瀬谷 (車にて)
その他の
平ヶ岳
登山
(1) 平ヶ岳登山口−下台倉山−台倉山−台倉清水−白沢清水−池ノ岳−平ヶ岳−(山頂散策)−玉子石− 池ノ岳−白沢清水−台倉清水−台倉山−下台倉山−平ヶ岳登山口
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(2) 平ヶ岳登山口−下台倉山−台倉山−台倉清水−白沢清水−池ノ岳−平ヶ岳−(山頂散策)−玉子石− 池ノ岳−白沢清水−台倉清水−台倉山−下台倉山−平ヶ岳登山口
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