登山NO.0049 雨 飾 山( 雨飾山:1,963m ) 1994.8.1登山


 笹平から見た雨飾山( 1994.8.1 )

【雨飾山登山記録】

【雨飾山登山データ】

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再登山



NO.49 雨飾山登山記録

五竜岳の項から続く。

小谷温泉の太田旅館を朝早く出発し、舗装された鎌池林道を雨飾山に向かった。
村営雨飾荘で大きく左にカーブすると右手に露天風呂があり、早朝からそこに浸かってきたと思われる若い夫婦が、 車でも雨飾山の登山口まで行けますよと言ってくれたが、もともとこちらは歩くしか手段がない。
緩やかな登りとなっている車道をさらに進むと、右に笹ヶ峰への道を分けるようになり、 やがて正面に雨飾山らしき山が見えてきたが、何か周囲の山々とは一線を画すような雰囲気を持っており、 登高意欲がグッと高まってきた。

何台かの車に追い抜かれて、長い車道歩きがいい加減イヤになってきた頃に、 右側に雨飾山登山口への道が現れ、車道と分かれて砂利のような道を進むと、やがて車が数台駐車している広場となり、 小谷温泉休憩舎と書かれた立派な建物が現れた。ここが雨飾山の登山口である。
登山口から暫くは林道を進んだが、やがて登山道に変わり、広河原と呼ばれる大海川の河原へ入っていくと道も木道へと変わった。
木道の下を水が流れる湿地帯を暫く進むと、やがて左の尾根に取り付くようになって、ブナの林の急登が始まった。

昨日までの登山の疲れのためか、身体がダルく、なかなかペースがつかめずに苦労したが、 それでも一汗かく頃には調子も出始め、また道も緩やかになってきたのでペースを上げることができた。
やがて、道は山腹を巻くような感じとなり、何回か登り下りを繰り返した後、大きく下っていくと視界が開けて荒菅沢に着いた。
荒菅沢は広い沢で、まだ大量の雪渓が残っており、その上流に目をやると 雨飾山の稜線が見え、また沢を囲むようにみえる岩峰の手前にフトンビシ (布団菱) と呼ばれる大きな岩壁が立ちはだかっていた。
夏でもここはなかなかの景観であったが、秋ともなれば、白い岩肌を黄色や赤に染まった木々が覆い、 さらに魅力を増すであろうことは容易に想像ができた。

雪渓の上を通って対岸に渡り、そこで少々休憩をとって冷たい水で喉を潤した後、 尾根に再び取り付いたが、ここからはまた樹林帯の中の急登となり、滑りやすい道を喘ぎながら登っていくことになった。
やがて、尾根の上部に出て展望がグッと開けるようになり、トンボが飛び交って周りに草花も見える、 気持ちの良い尾根歩きとなったが、昨日までの軽い興奮 鹿島槍ヶ岳から 五竜岳への縦走) の後では、 なんだか気の抜けたビールのようになってしまい、身体がなかなか言うことをきいてくれず、登りが結構 厳しく感じられた。

それでもゆっくりジグザグに登っていき、やがて気持ちの良いササ原に飛び出すと、そこはもう稜線の一部で、 ササ原の向こうには雨飾山の頂上部がズングリした姿を飛び出させていた。
ササ原を進む途中、荒菅沢を上から見下ろせる場所があったので覗き込んでみると、一旦滑り落ちたら先ほどの雪渓までたどり着くのではないかと思わせる、 急でかつ滑りやすそうな斜面が足下から始まっており、その迫力に圧倒させられた。
雨飾山への最後の登りは、ササ原から見た時には大変急で厳しそうに見えたのだが、実際急ではあったものの、 思ったよりも簡単に登り切ることができた (だから簡単な道というのではない)

頂上は 2つに分かれた形となっており、黄色の立派な標識や三角点、石の祠、ケルンなどがあるのが南峰で、 歴史を感じさせる 4体の石仏と石の祠がある方が北峰であり、最初はやや広い南峰へと向かった。
生憎曇っていたため、頂上からの展望はほとんで得られず、わずかに焼山方面が見えただけで、 北アルプスの山々は全く確認できなかったのは残念であったが、吹く風が心地よく、 頂上に居合わせたもう一人の人と長時間にわたって話込んでしまった。

下る前に北峰に立ち寄ったが、ガイドブックに載っていたように、 置いてある石仏は皆日本海側を向いていた。
下山は往路を忠実に戻ったが、下りとなると何となく元気が出てきて、先ほど喘いだ道も一気に駆け下り、 再び荒菅沢の水で喉を潤した後、一目散に登山口へと向かった。
この雨飾山頂上でもあまり天候に恵まれなかったが、鎌池林道を歩く頃には、何と、雲がなくなって太陽がカンカンと照りだすようになり、 そのタイミングの悪さを大いに嘆いた次第である。
途中、今朝ほどの露天風呂によって汗を流した後、村営雨飾荘からタクシーを呼んで南小谷に向かい、 大糸線・中央本線にて家路についた。


雨 飾 山 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1994.8.1 天候:曇り時々晴れ単独行前日泊
登山路:小谷温泉()−村営雨飾荘− 雨飾山登山口−広河原−荒菅沢−笹平−雨飾山−笹平−荒菅沢−広河原−雨飾山登山口−露天風呂− 村営雨飾荘
交通往路五竜岳の項参照
交通復路:村営雨飾山荘−(タクシー)−南小谷−(中央本線)− 八王子−(横浜線)−橋本−(相模線)−海老名−(相鉄線)−瀬谷
温 泉:小谷温泉
その他:7月31日は小谷温泉泊。翌8月1日に雨飾山登山。
下山後帰宅。
その他の
雨飾山登山
雨飾荘−雨飾山登山口−ブナ平− 荒菅沢−笹平−雨飾山 (往路を戻る)
  (2015年6月10日 : 快晴)     こ こをクリック


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