NO.012 国 見 岳( 国見岳:1,738m ) 1994.6.25登山


 祠のある国見岳山頂( 1994.6.25 )
【国見岳について】

【国見岳登山データ】


国見岳について

国見岳は、九州中央に位置する脊梁 (セキリョウ) 山地の最高峰で、 九州本土の中でも数少ない 1,700m峰のひとつである (恐らく九州本土でもベストテンに入る高さであろう)
2,000m以上の山に慣れていた私にとっては、1,000m台の高さしかない九州の山には何となくモノ足りなさを感じ (個々の山はそれなりに魅力的ではあるが)、 極力高い山を求めて登っていたところがあるが、この国見岳もその対象の一つであった。
登山路は、宮崎側の椎葉 (シイバ) から登るルートと、熊本側の内大臣側から登るルートがあるが、山としての手応えを得たいというのであれば、 椎葉から登ることをお薦めしたい。

私がこの山に登ったのは、まず熊本の内大臣側からであるが、とにかく宮崎からはアプローチが長く、 宮崎自動車道からえびのループ橋を経て九州自動車道に入り (今は自動車道がつながり、 直接宮崎から九州自動車道に入ることができる)、松橋 (マツバセ) ICで降りてから、国道218号を矢部町まで行き、 内大臣橋 (かつて東洋一であったらしい) を渡って延々と林道を走ることになる。
林道は本当に長く、間違えたか、見過ごしたのではないか と何回も思いながら進むと、左に国見岳登山口と書かれた大きな標示板が見え、 その前に車が数台止められるスペースがあった。
ガイドブックにはこの登山口より先 1.5kmのところにある杉の木谷の登山口も紹介されていたが、行ってみると林道が所々崩壊しており、 何となく帰りに道を塞がれてしまうかもしれないという気を起こさせたので、また戻って先ほどのスペースに駐車した次第である。

登山口は駐車スペースから少し内大臣側に戻った所につけられており、最初は杉の植林の中を進むことになるが、 左側は開けているので脊梁の山々を見ることができる。
右側がかなり崩壊した所を、新たにつけられたと思われる登山道にて進み、やがて周囲がツガなどの原生林帯に変わると、 いくつかの小さな沢を横切りながら高度を稼いでいくことになる。
天然記念物のベッコウサンショウウオが棲息しているという水場を過ぎると、やがて道もなだらかになり、 大きな木 (あとでイチイの木と分かった) の横を通って暫く進むと、正面に国見岳頂上の祠が見えてくる。
頂上はあまり広くなく、東には神社をかたどった立派な祠があり、西には " 天降日之宮再建の地 " と記した標識が置かれた、 大きなしめ縄を巻いた露岩がある。
展望は、南側が抜群で、山々が遙か先まで続いているのが見えるが、山の名を確定するには冬場の空気の澄んだ時の方がよかろう。

この時、たまたま頂上で会った人が (同じ宮崎市に住んでおり、 しかも同じ単身赴任) 登ってきたコースが椎葉方面からであったため、翌週 早速椎葉側からの登山を試みた。
こちら側は別の意味でアプローチが大変で、日向市から上椎葉まで延々と国道327号を進み、次に椎葉湖左岸沿いの道を尾前へ、 そして尾前から尾手納そして萱野という部落を目指して進むことになるのだが、椎葉というのは平家の落人の隠れ里と言われているのであるから、 その山の深さは想像できよう (但し、萱野まで全て舗装道路)
道の行き止まりに車を止め、" 国見岳・五勇山登山道入口 " と書かれた標識から一旦谷に下り、 谷川の対岸に渡ると、杉林の中をジグザグに登る道となる。
やがて、周囲が杉林からブナ、ミズナラなどの自然林に変わるが、傾斜は急であるものの、緑の中を結構気持ち良く歩け、 あまりキツイと感じることはない。
やがて稜線に飛び出すと、すぐに " 五勇山 " と書かれた黄色い杭のような標識が目に付く。 そこからは南側の展望が開けており、市房山石堂山方面を見ることができる。
実際の山頂 (三角点がある所) は、そこではなくてもっと西よりの薮の中らしいが、見つけることができなかった。

縦走路は、ここから稜線歩きとなるが大きな登下降はあまりなく、 ブナの大木の中の気持ちの良い歩きとなる (恐らく五勇山と国見岳の間は、往路復路とも歩行時間にさほどの違いはなかろう)。
途中、小国見岳への道が縦走路左に現れてくるが、その道を進んでみるとササ (スズタケ ?) が高く伸びてやや歩きにくく、 途中ヤブこぎをするような感覚で進むと、やがて小国見岳頂上となる。
頂上は樹林に囲まれて展望はきかないものの、小さいが立派な標識が置かれていた (S・H・C別府と書かれていた)。
この小国見岳は " こぐるみ " と呼ばれ、国見岳は " おおぐるみ " とも呼ばれているようである。
再び縦走路に戻り、暫く登ると国見岳の頂上で、先ほど述べた " 天降日之宮再建の地 " という標識のある露岩側から頂上に飛び出ることになる。

両方のコースを紹介したが、私のように登り応えを楽しむのであれば、後者の椎葉からのコースの方がお薦めで、 縦走をしたという満足感が得られるであろう。
登山口からの往復時間は、前者の内大臣コース (ゆうがわ谷コース) が私の足で 3時間ちょっとだったので、 4時間も見ておけば十分と思われ、後者のコースは 6時間弱であったので 7時間と考えれば良いと思われる。
私は夏に登ったが、春や秋の方が季節的には良いと思われる (特に、真夏は結構暑いのでやめた方が良いのではと思われる)。
冬も面白かろうが、早朝はアプローチの道路が凍結する可能性があるので要注意であろう。


国 見 岳 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ 登山日:1994.6.25 天候:晴れ時々曇り 単独行 日帰り
登山路:広河原国見岳登山口−小渓谷(サンショウウオ生息地)−イチイの大樹− 分岐点−国見岳−イチイの大樹−小渓谷−広河原国見岳登山口
交通往路:宮崎−えびのIC−えびのループ橋−松橋IC−矢部−内大臣−広河原(車にて)
交通復路:広河原−内大臣−矢部−松橋IC−えびのループ橋−えびのIC−宮崎(車にて)
その他の国見岳登山 (1) 国見岳・五勇山登山口−五勇山−小国見岳分岐 −小国見岳−小国見岳分岐−国見岳−小国見岳分岐−五勇山−国見岳・五勇山登山口(1994.7.3:晴れ)

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