NO.017 双 石 山( 双石山:509m ) 1992.6.6登山


 頂上直下の磨崖仏( 1993.3.7 )
【双石山について】

【双石山登山データ】

フォト


双石山について

双石山は " ぼろいしやま " と読み、宮崎市郊外に位置する標高わずか 509mの山であるが、
その山容は遠くから見てもゴジラの背中、あるいは魚の背ビレのようですぐ分かる。
かといって、その山の形故にこの山が気に入った訳ではなく、この山が気に入った理由は、低山ながらその頂上までの変化に富んだ環境と、 奥の深さが何と言っても魅力的だからである。

登山口は多々あるが、やはり県道沿いの塩鶴から登るのが一番ポピュラーで、付近の道路脇には車を駐車できるスペースもある。
塩鶴といっても、標識があるわけではなく、しめ縄のぶら下がった木の鳥居が目印で、そこを潜るとすぐ左から登りが始まり、 山の高さからは想像できない杉林の中の急な登りとなる。
しかし、それも長くは続かず、途中から林は見事な照葉樹林帯に変わり、やがて正面に針ノ耳神社のお堂が見えてくる。
お堂の前から道は右に折れるが、すぐに左上方に、砂岩が風化して蜂の巣のようになったユニークな岩壁が現れる。 ここが 『 針ノ耳 』 と呼ばれる所で、上部には針ノ耳様を祭った小さな祠も設置されている。

針ノ耳の横を少し登ると、岩のトンネルがあり、そこを潜ると、 人為的に作ったように見事に垂直になった岩に四方を囲まれている、薄暗く陰湿な感じの場所に入ることとなる。
そこから高い岩壁を見上げると、井戸の中から見上げたような感じとなり、上には青い空と緑の木々が見えている (ここは空池という)。
岩を再び潜って空池から抜け出ると、道は左に折れて、登りが始まる。

斜面をジグザグに登っていくと、途中で左右に道は分かれるが、 どちらの道を行っても尾根に辿り着くので心配ない。
但し、左の道を行けば、途中 大岩展望台なる場所があり、ロープを伝わって登る大きな岩の上からは日向灘を見ることができるので、 左の方がお勧めである。
斜面に飛び出している木の根を掴みながら登っていくと、やがて尾根上に飛び出すので、右の方へと進む (左は加江田渓谷)。
何回かの起伏を繰り返しながら進むこととなるが、キツイところは全くなく、木々の間から明るく日が差して気持ちの良いコースである。
途中、左に加江田渓谷への道を分けて坂を登って行くと丁字路となるが、左は先ほどの道と合流して加江田渓谷へと続いており、 右は双石山へと続いているので、道を右に取る。

やがて、立派に新築された双石小屋が見えてくるが、私がこの山に登り始めた頃にはこの小屋は再建中であった。
土日に多くのボランティアが建設参加して、今や立派な小屋に生まれ変わっているのに驚かされるが、個人的な意見を言わせてもらえば、 このような場所に小屋を造る必要はないように思われる。
高山における縦走の宿、あるいは避難場所としての役割を担っているのならともかく、このような低山で恵まれた自然の中に小屋を作れば、 その利用によって意図しなくても、周囲の環境を損なうことに繋がるよう気がするからである。
また、建設途中でも、かなり登山路の木が切られたりしており、計画段階でもっと検討することはできなかったのであろうかと思われる。
とは言え、一旦 建設を決めた中で、土日を中心に一所懸命荷を運び上げて努力された方々には本当に敬意を表したい。
脇を通りながら何もしなかった私には、このように偉そうなことを言える資格はないのだが・・。

道は何回かのアップダウンを繰り返し、途中、少々足場に気を付けなければならない所もあるが、 総じて道は歩きやすく、頂上まであと 5分と書かれた小さな標識を見た後、急な坂を登り、道が平らになったらその先は頂上である。
頂上は大部分が木々に囲まれており、唯一開けた北側から見えるのは山が多いが、北東方面に清武町や宮崎市街、 そして日向灘を見ることができる。
頂上まで私の足で約 1時間、体調を整えるトレーニングコースとしてはもってこいの所である。

下山路はいくつかの選択肢があるが、1つは今来た道を完全に戻るもので、 これは他のコースと違って、車を駐めてある所までの長い車道歩きがないのがよい。
2つ目は、辿ってきたコースを途中まで戻り、双石小屋から先の分岐 (丁字路) で、もとの道を戻らずにまっすぐ進み、 加江田渓谷へ行くものである。このコースは下山後の車道歩きが面倒ではあるものの、加江田渓谷がなかなか素晴らしい所であるので、 一度は行くべきと思う (但し道程は長い)。
最後のコースは、私がトレーニングコースとしていつも使っていたもので、そのまま頂上を通り過ぎて九平権現の方へと下るものであるが、 これも下山してからの車道歩きがかなり長いのでイヤになるかもしれない。
それでも、私の足で塩鶴から頂上まで 1時間、頂上から九平権現経由で塩鶴まで 1時間、正味 2時間で戻れるので、 私にとっては体調を整えるのに丁度良いコースであった。

また、この最後のコースにはバリエーションルートがある。
頂上直下の所でルートからはずれて右に下り、途中 磨崖仏を見て、最後にまた元のルートに合流するものである。
これは頂上で一緒になった老夫婦の登山者に教えてもらったのであるが、その方が磨崖仏までの道に加えて、 そこから先の下山路を切り開かれたそうである。
私もその道を通ってみたが、途中道が分かりにくいところがあり、さらに台風のためか、倒木が多く、 ルートがかなり崩れてしまっている所もあるので、一般の人にはお勧めできない。
ただ、磨崖仏は一見の価値があるので、磨崖仏をピストンすることを是非とも試された。

この双石山は低山であるものの、変化に富む登山道は決して飽きることのないものであり、 登る機会があれば是非登って欲しい山である。


双 石 山 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ 登山日:1992.6.6 天候:曇り時々晴れ 単独行 日帰り
登山路:塩鶴登山口−針の耳神社−象の墓場−三叉路 −双石小屋−双石山−双石小屋−硫黄谷休憩所−ひょうたん淵−丸野駐車場−塩鶴登山口
交通往路:宮崎−清武−塩鶴登山口(車にて)
交通復路:塩鶴登山口−清武−宮崎(車にて)
その他の双石山登山 (1) 塩鶴登山口−針の耳神社−象の墓場 −三叉路−双石小屋−双石山−磨崖仏−奥の院−九平権現−塩鶴登山口(1992.8.22:晴れ)
その他:その他双石山には 10数回登山。

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