披露山公園・大崎公園
木々を揺らす風の通る尾根道を進み、たどり着いたところは披露山公園。目下には逗子の大海原が広がっていた。披露山公園には展望台があり、空気の澄んだ冬晴れの日には、富士山が見えるという。この日は晴れていたものの、気温が高く、水平線はもやっていた。
それでも、高台から眺める海は最高!
どこまでもどこまでも広がる海。心が大きくなり、おもわず叫びたくなる。が、しかし、ここは公園。周囲には人が結構いるため、ぐっとこらえるのだった・・・。
さてさて、本来の目的。そう、ウクレレを弾くことも忘れない。
男はおもむろにケースからウクレレを取り出し、まずは記念撮影。大海原を背景にウクレレをピシャリ。ん、なんか曲がっているぞ!まあいいや。
写真を撮ると、男はウクレレを構え、弦を弾く。周囲の人の注目を浴びるもお構いなし。指は動き音ものっている。いいぞ!
続いて男が訪れたのは、披露山公園の隣の丘にある大崎公園。ここは披露山公園とは違い、閑静な住宅地の先にあった。先端が海に突き出ている形の丘なので、前、そして左右が海となる。風はやや強いが眺めは最高。
ウクレレを弾くことを忘れてしまうほど、その眺めはすばらしく、写真撮影がメインになってしまった。空気が澄んでいれば、もっともっとすばらしい眺めになることだろう。
大崎公園のもう一つの魅力。それは緑。海の見える展望台へ行く途中、どこかハワイを連想させるような、静かな緑のまぶしいエリアがあった。
 おお!これは!
男は足を止める。芝生が一面に生えたこの場所は、まさに緑の絨毯。ウクレレもカメラも投げ出して、思わず寝ころんでしまった。しばしの休息。
春の日差しが降りそそぐ緑の絨毯は、男の体を全て受け止めてくれ、そしてなによりもやわらかい。次第に眠たくなってきた。
 おっといけない!
我に返った男は、ウクレレを取り出し、 緑の絨毯の上で弾く。悪くない。いや、これまた最高だ!たまに風が木々の葉を揺らすと、さしずめ、自分のウクレレに合わせて歌っているように聞こえる。それがまた爽快だった。いつしか、男も歌を口ずさんでいた。
[前へ] [次へ] [ PageTop ]