大山三峰山 - 梅雨の合間に

(1998/7/5、神奈川県愛甲郡清川村)


ここのところ梅雨のさなかのはずなのに好天が続く。ジメッとしていないのはいいがたまらない暑さだ。寝苦しく、また朝も早くから目が覚めてしまう。今日も暑くなりそうな日曜日、暑さで4:30には目が覚めパッキング。約1ケ月前にジョギング中に右膝を痛めてしまい、山に登れるか心配だった。それでは、と行程の短い山に。丹沢へ向かう。低山は考えただけでもむし暑そうだが・・。

不動尻キャンプ場から大山への登路を左手に分け沢沿いに進む。「大山三峰は峻険なコースで熟練者向け、注意」の旨の看板があり心配ではある。礫岩で出来た大山三峰は侵食による岩場が多く鎖場が続く、とは聞いていたが。

沢道は音が快く軽快に歩ける。いくつか木道を渡り高度をあげる。沢水を手ですくえば思いのほか冷たくおもわず喉が鳴った。この水温、丹沢でもかなり冷たい沢ではないだろうか。

(ごろんと横たわると緑色の空が広がった)

本格的な登りとなる。期待通り(?)蒸し暑くシャツが濡れ額から滴が垂れる。何個所か短い鎖場もある。やがてつづら折れとなり見上げる空が近づいてくる。暑い。サウナのような山の中。気になる右膝の痛みは今のところ感じない。意識すれば少し違和感があるか、といった程度だ。稜線にあがりベンチで一休み。風はないが日が陰って少ししのぎやすい。空を見上げるとブナの葉が視界いっぱいに重なる。緑色の、空だ。

尾根道を進む。アップダウンが続く。確かに狭くもろそうな箇所もある。高度感もそれなりにある。最近付け替えられたのか鎖はどれも真新しくピカピカ光っている。が鎖に頼らなくても行けそうではある。

しばらく上り下りでようやく山頂に。50メガのアンテナ(ヘンテナ)を設置し無線機をつなぎながら昨晩凍らせて持ってきた缶ビールを取り出す。濡れ布巾にくるめば気化熱でなかなか中身が溶けないと何処かで読んだ記憶があるが、まさにその通り。凍った布巾が固まってビールからはがれない。パリパリとはがして顔を拭く。バンドはEスポが開いているようだった。これじゃぁ無線は楽しめないか、と諦め半分でCQを出し始めるとのっけから7M1XPR,JG1OPH/1,7K3OMS/1とローカル各局に呼ばれ心が弾む。JI1TLLは今から高校山岳部のOB会で中華街へ行くという。しばらく話し込んでしまったが出かける前というのに悪い事をしてしまった、と後で反省。このあとも好調に呼ばれ意外な気分だ。

ようやく溶けたらしいビールを開け喉の奥に放り込む。冷たくて美味い。夏はこの手だな・・。このあとEスポ局に声を掛け北海道2局と岩手1局。ついでに1200MHzも聞いてみる。たまには他のバンドもやってみようとは思っているのだがなかなか50で手いっぱいだ。1200はマナーが50に近そうで最近興味を持ちはじめているのだ・・。

下山はもと来た道を戻る。下山はぐんぐん高度を下げるので膝が心配だったがあまり問題無いようだった。これなら夏山も多分大丈夫だろう・・。沢にからみはじめ、じきに大山からの下山者をあわせるとキャンプ場。バンガローの中をぬけて車までアスファルトが照り返す道を歩いた。

(終り)


(コースと標高:不動尻キャンプ場8:15−稜線のベンチ9:10−山頂・アマ無線9:50/12:40−稜線のベンチ12:55−キャンプ場13:35、三峰山標高934.6m)


アマチュア無線運用の記録

三峰山 神奈川県愛甲郡清川村・934.6m
1998/7/5 移動者 :7M3LKF
HT750(2W)+釣竿ヘンテナ
C701+ホイップ
17局交信(50MHzSSB)、1局交信(1200MHzFM)

最長距離交信
−福島県石川郡 JF7NNX/7 (50MHzSSB、グランドウェーブによる)
−北海道厚岸郡 JA8LON/8 (50MHzSSB,Eスポによる)
山頂は狭くテーブルがあるのみ。大きなアンテナは難しいだろう。ロケは関東平野向けには悪くないが西方面は丹沢主脈がブロックしていてNG。岩場があるとはいえ手ごろなのか訪れるハイカーは多い。

この日は小さなブヨのような羽虫が多く何個所か刺されてしまいその後数週間かなり痒い目にあってしまった。この時期の低山移動には虫に注意が必要であることを実感。


Copyright:7M3LKF,1998/7/5