早春の丹沢前衛、白山をのんびりと |
(1998/3/8、神奈川県厚木市) |
昨秋は家族で何度か丹沢前衛に丘陵ウォークに出かけたか家族もそれなりに楽しんだようである。子育てで日々が忙しいながらも単調になりがちな妻にとっても野山散策はまんざらではなかったようだった。空気も暖かくなってきたのでそれならば再び野山散策に、と家族を誘う。こちらはむしろ家族サービスというよりは山の上でアマチュア無線を楽しめれば良いのだが、そうは公には言えぬ。が、家族からはアンテナと無線機入れた?、とすっかり見抜かれているではないか・・・。
厚木から小鮎川に沿い北上。今日は白山へ行こうと思う。厚木の奥座敷・飯山温泉の裏山である。本当は順礼峠から尾根歩きをしたかったのだが、車利用の出来るコースということで単純往復コースだ。飯山温泉を抜け少し上がった飯山観音の駐車場に止め歩きだす。ザックと4歳の長女の見張りが私、10ケ月の次女のおんぶが妻、という役割分担。ザックはアマチュア無線の機材で結構重いのだ。
参道の手前に甘味処があり妻の食指は大いに動いたようだったが下山後の楽しみということにする。飯山観音(長谷寺)は奈良時代に行基が開山したという古刹で、桜に覆われた参道もあいまり毎年4月8日の本尊開帳日は相当賑うようだった。お堂の上で男坂、女坂と分岐。坂の緩い女坂を行く。しばらくは南斜面を辿る。長女が歌を歌いながら走って先行するが谷へ落込まぬか不安だ。途中に遊具のある広場がありここで遊んでいくという。再び歩き出す。子供のペースは気ままだ。のんびりと歩く。長女がさっきからしきりに「ヤッホー」と叫んでいる。誰が教えた訳でもないが色々な事を身につけてきている。子供の成長のスピードは速く、その成長は親にはとても嬉しいのだが、どこか遠くへ行ってしまうようで寂しくもある。来月から幼稚園にあがる彼女はますます世界が広がっていくのだろう・・。いつまでも手元に小さいままでいて欲しい、と思うのは親のエゴだろうか・・。
道は公園道ともいうべきで非常によく整備されている。見上げる上に逆光を受けた尾根のシルエットが浮んでおりあそこまで登るのだ。枯れた沢の源頭を回り込むように反対側の北斜面に移る。と、日射しが変わり暗く湿った山肌となる。さっきまで歩いていた斜面が早春の太陽を浴びあたたかそうだ。尾根に乗り少し汗をかけば順礼峠から続く稜線に出た。犬を連れた家族連れと行き交う。
(犬連れも訪れる山頂。 展望は素晴らしい) |
「こんにちは!」挨拶を交わす。
「知らない人なのになんで挨拶するの?」と娘。
「お山ではみんなと挨拶するんだよ」
「へぇーみんなと?」
岩の出た短い急登りで山頂に出た。284mの低山ながら眺めは抜群で鉄の展望塔がある。早速弁当を広げながらアマチュア無線の機材をセットする。眺めの良さと電波の飛びは比例しているようで結構楽しめる。太陽は暖かいが空気はまだまだ冷たい。二女に服を重ね着させる。長女は展望台の上からシャボン玉を飛ばしている。三月の風に玉はもてあそばれパチンと弾けた。空は大きく、改めて家族で歩いてきた年月を思いやった。じきに二女も大きくなり家族はもっと賑やかになるのだろう・・。
お店を片づけ下山の途につく。白山神社の小社と白山池を往復し男坂から下る。長女が指人形を落した、と声を出して泣く。全く!しょうがないなぁ。すこし登りかえして無事見つける。妻は下り坂が苦手なようでかなりヘッピリ腰だ。男坂は尾根をダイレクトに下りていく。日は稜線の向こう側に隠れ斜面は暗さが漂い出す。じきに女坂を右手からあわせるともう長谷寺だった。
本堂で参拝し石段を下りる。ところが残念な事に楽しみにしていた甘味処は閉店した後だった。しきりに悔しがる妻をなだめながらハンドルを握り春の気に満ちた山を後にした。
家族で過ごした素敵な半日。今後も行き先を変えまだまだ行こうと思う。
(コースと標高: 長谷寺13:00−白山・アマチュア無線14:00/16:00−長谷寺16:35、白山標高284m)
移動者 | バンド |
7M3LKF | 50MHz |
リグ | アンテナ | 交信局数 | 最長距離交信 |
自作SSBトランシーバ、出力1w (アイテック社のキット、ビギトラ100mwを 100mW、1W切り替え式に改造。1wの終段は2SC1970) |
ヘンテナ (釣竿使用) |
10局 | 埼玉県秩父郡、 7L2SXY/1 |
所感 |
標高284mとは低いが山頂からの東から北東方面の展望はなかなか素晴らしい。山頂には展望台があり、その上に大きなアンテナを設営出来れば楽しめるかもしれないがハイカーが多いのでそれもやりずらい。西方面は丹沢がブロックしているのでロケは良くない。
山は小さい割に雑木林が茂り、雰囲気はとてもよい。私は麓の飯山観音から女坂経由で登ったが、順礼峠方面から尾根づたいに歩けば、冬の日溜まりなどは気持ちいい事と思う。
Copyright : 7M3LKF, 1998/7/15