春の好日、石砂山

 (1995/2/18,神奈川県津久井郡)


(枯れた雑木林の向こうの真っ青な空と
白い太陽が網膜に焼き付いた)

単独行。日帰り。静かな山里から山里を結ぶ低山歩き。西野々でバスを降りる。一年以上前に丹沢主脈の長い縦走のフィナーレとして下山した集落。その時の印象を思いだそうとゆっくりと歩きはじめる。しばらくは車道を行く。道志川の対岸に渡り少し登る。車でも来ない限り静かなもので大きくあくびが出る。すぐに山に入る。里山は人里と山の切れ目が分明でなく山に入って行く雰囲気が馴染やすい。

ふかふかの落葉の積った登山道に雑木林。春近しを思わせる木々の芽吹き。稜線に上がれば尾根のすぐ反対側は眼下にゴルフ場が広がりがっかりするが、これも東京近郊だから仕方ないのだろう。陽だまりの静かな山頂で出会った山好きの男性は風景を肴に独りワインとサンドイッチを楽しんでいた。彼に山椒煎餅をご馳走になる。空は真青で半袖で過ごしても快適な2月とは思えぬ穏やかな日。篠原からピクニックランドまでの車道歩きは長かったがこれで丹沢山塊と奥高尾を歩いてつなぐ事が出来た。野焼きの煙と山仕事の音に包まれ、まさに春の好日だった。 

(終り)



(コースと標高 : 西野々−石砂山・アマ無線−篠原−相模湖ピクニックランド前、石砂山標高578m)


アマチュア無線運用の記録

石砂山 578m神奈川県津久井郡藤野町
無線機: PICO6(1W)、アンテナ: ダイポール、5局交信、最長距離交信 千葉県富津市 JS1MLQ/1(鹿野山)

石老山の南側の静かなピーク。東海自然歩道のコースがここを通っていない限り歩く人も決して多くはないかもしれない。

無線の成果はどうゆう訳かさっぱりだった。が静けさは満喫出来た。

(日溜まりの似合う静かな山頂)
Copyright : 7M3LKF,1997/10/15