7月の山 大山と箱根外輪山 (大山・春岳山、火打石岳・明神ケ岳) 

(2012年7月15日、28日 神奈川県伊勢原市、南足柄市)


(イタツミ尾根が直角に曲がる箇所、
指導標横からから枝尾根で春岳山。)
(春岳山には立派な
山名標識まであった)

1・丹沢・大山、春岳山

GWの吾妻の山スキー以来山に行っておらず、このままでは足が退化するという危機感がありました。リハビリがてら近場狙い。

本来は箱根外輪山歩きを予定したのですが朝7時半の時点で御殿場では大雨。一時間半待ちましたが好天の兆しなくヤビツ峠へハンドルを向けます。記録によると最後に大山に登ったのが1994年でしたので15年近くご無沙汰でした。

近年の自転車ブームは凄い。ヤビツ峠への県道もパスハンターのロードバイクばかりで驚きです。ヤビツに着いたら山ガールの大群にこれまた びっくり。隔世の感があります。

大山山頂は霧と風がすごく、ヘンテナを上げる気もなく木の枝に張ったワイヤーダイポールに自作リグのQRP運用でしたがそれでも45分間で18局とは久々のパイルを味わいます。山岳移動局の天敵ともいえるEスポが出ていなかったようでなによりでした。

下山の途中で春岳山へ立ち寄り山ランポイント稼ぎしていきます。イタツミ尾根から分岐してすぐなのですが登りの時点ではその分岐が分かりませんでした。高度計を見ながら注意しながら下りていきます。海抜990mあたりで注意すると、下りから見て登山道が左に直角に曲がる地点がありそこにはヤビツ峠と大山の方向を示す指導標があります。その奥にむけて踏み跡があります。果たしてそれをたどること3分で立派な山頂標識の立つ春岳山。430MHzで山ランポイントを無事稼ぎます。

山行日: 2012年7月15日


2・箱根外輪山 (火打石岳、明神ケ岳)

2週間後、すっかり梅雨も明けた7月最終週末、今度は箱根外輪山を歩いてきました。

今回は久々にKさん(JK1RGA局)とご一緒させていただきました。仙石原の金時山登山口から火打石岳−明神ケ岳−宮城野という計画です。

金時神社の駐車場(@500円)に駐車。金時山登山でしょうか、こちらも山ガールが多い。金時山に登らない自分達は300m程度仙石方面に戻ったコンビニの脇から外輪山の稜線目指して登り始めます。矢倉沢峠まではしばらく車道で登山道に入ってからもじめじめした道を進みます。

湿っぽく暗い登りでは早くも汗が吹き出ます。箱根は海抜も高くないのでこんなもんでしょうか。ようやく登りついた矢倉沢峠・860mはからりと明るい笹の原。ここからは笹原の中防火帯のような切り開きのルートとなりました。以降明神岳までは基本的に笹の中の登山道です。沢山居た山ガールも稜線を東に進み始めると誰もいません。静かな稜線歩きです。

矢倉沢峠からはじわじわと標高をあげていきますが容赦ない夏の日差しにあぶられて汗が滴り落ちます。この暑さ、たまりません。むっと来る炎熱に包まれて息も上がります。963mピーク、946mピークと地形図に標高が記載されたピークを踏んでいきますがそれぞれの間のアップダウンが恨めしい。時折山岳ランニングの人も駆け抜けていくが元気がある。一方私もKさんも暑さに朦朧として亀の歩みです。

今日の目的は地形図上の988.5mピーク(火打石岳)です。ここでの山ランポイントを私もKさんも未だ稼いでいないのです。ただしこのピーク、登山道はその北側を巻いているので自分達は登山道を外して上手くピークに達しなくてはいけません。2.5万分の1地形図を片手に進みます。しばらく歩くと笹の登山道が一転し鬱蒼とした林に転じました。高度計を睨みながら登山道が北に巻き始める箇所を探してきます。海抜950mあたりから上手く尾根に乗ろうと考えていました。とちょうどカーブで登山道が左手の北側に折れる箇所で南東方面の沢上の地形に目が行きました。その沢筋を追うとかすかですが踏み跡もあります。更に目を上に泳がせると木の枝からぶら下がっている赤テープを発見しました。間違えなくここからがアプローチでしょう。足元には小さな看板「歩道管理No.212 箱根町」という5cm程度のプラ標識が刺さっています。倒木のとおせんぼを跨いで、沢状の地形を進みます。湿った黒土に足がもぐります。パキパキと枝を踏みながら登っていきます。100m近く登ると稜線が近くなり地形が明瞭ではなくなりました。はっきりしていたかのように思えた踏み跡も途絶え、あとは獣道のようなか細い跡がいくつか。このあたりで再び笹原になります。膝下程度の笹。目指すピークは東側なので、左手の高みに向けて笹原を分けて登っていきます。稜線が一番高くなっている箇所が望見され、あれが火打石岳のピークでしょう。高みに向けて一気に気合を入れて藪を分けていきます。倒木と下草が凄い。登れるところまでいくと平坦となり更に東に行こうとしてももうその先はこれまで以上の密な笹薮、それも身の丈程度のモノでそれ以上の侵入は不可能となりました。しかし標高自身は今自分達が立っている場所と変わりません。Kさんと顔を見合わせ、ここ山頂と判断して良いよね、と頷きあいます。430MHzでのKさんとの奥の手交信でポイント成立。

(笹の稜線に上がると金時山が立派であった) (212番標識から分け入る) (火打石山山頂部。密藪に進路を閉ざされた)

下山にかかりますが登りに夢中で漕いできた藪の中、果てどうして降りよう、と思案に暮れます。視線をまわしてそれらしい箇所に目鼻をつけて分け進みます。行きに取った沢状の地形に戻り、登山道に「着陸」したときはホッとしました。「独りだったら絶対入らなかったナー」とKさん。確かに独りの目だと進退窮まる箇所もありました。この山は下草の枯れる晩秋以降が本来なのでしょう。それでも好事家のピークを訪れることが出来て気持ちよいものです。

ここからは再び登山道。果たしてルートは火打石岳をぐるぐる巻いて、まききった箇所、火打石岳からの稜線と合流した地点に「火打石岳」の山名標識が立っていました。なんだか疲れきったのでその先のカヤトの路肩で昼食をかねての休憩です。汗が滴りおちます。休憩のたびのごくごく飲むスポーツドリンクが空っぽになります。

下山はこの先15分程度の場所から宮城野に下りる作業道があるようです。疲れたので楽をしようとその作業道を降りようか、とKさんと話します。エアリアマップでは「エスケープルートとして利用可」と書かれているルートで、かつ地形図にも破線表示されてはいますが何せ持参したエアリアマップはもう20年近く前のものですのでどんなものでしょう。しばらく進む鞍部となります。950m地点。それらしい分岐がありますが上から見る限りかなり荒れている様子で下界まで無事つながっているのかも不明です。これは無理だねー、と二人。藪こぎ、ルートファインディング用のエネルギーはすっかり先ほど出し切ってしまったのやはり明瞭なコースがよいでしょう。当初の予定通りこのまま稜線を歩いて明神ケ岳に行くことにします。

ここから明神ケ岳までは標高差200m。猛暑と藪こぎですっかり廃人同様になった私もKさんもよろよろと高みを目指します。途中松田方面を遠望するガレの上に立ち、稜線を吹く風に体を冷やして二人してホッとします。Kさんとの山は昨秋に短時間ご一緒したものの、二人でゆっくりと歩くのは実に久しぶりです。自分が欧州へ転勤した2005年の夏まではそれこそ毎月何処かへつるんで歩いていたのですが、6年後に帰国してからはお互いもそれぞれ忙しく山から遠ざかっており、なかなかご一緒していただく機会もありませんでした。ですがこうしてともに歩くとこれまで歩いていたように山の中の四方山話や歩くペースなど昔同様に楽しむことが出来ます。以前と同様にKさんと山を歩くことが出来て、自分はとても嬉しいものです。

明神ケ岳の山頂では短時間の50MHz 運用を行いそのまま明星ケ岳方面に進み、宮城野を目指します。石がごろごろする荒れ気味の下山路。別荘地裏手の湿ったルートは滑りやすいぬかるんだ土で難儀します。車道に下りたときは気が遠くなりそうでした。

宮城野バス停からバスで仙石に戻り車を回収します。今日はとにかく暑くて、軽く10リットルは発汗したのでは、と思うほどでした。Kさんも私もバテバテで、宮城野集落で見つけた最初の自販機で、仙石のコンビニで、温泉(御殿場市営温泉会館(500円)のあとで、と それぞれ水分がぶ飲みでした。

久々に、歩いた、と思える一日で体に残る疲労にも充実感がありますが、なによりもKさんと山を一緒できたことが一番の喜びでした。

山行日 2012年7月28日  
コースタイム 8:35金時神社駐車場 - 8:50登山道分岐 - 9:18/9:25矢倉沢峠 − 10:25 212番標識から火打石岳へ分け入る - 10:40/10:42 火打石岳 - 10:52 212番標識 − 11:10/11:15 火打石岳標識 - 12:30/13:15明神ケ岳 - 13:50宮城野方面分岐 − 14:45宮城野 - 15:10宮城野バス停


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