今年も大弛峠でお手軽キャンプを

(2002/8/16,17 長野県南佐久郡川上村、山梨県東山梨郡牧丘町)


(朝日岳山頂手前のガレ場にて。)

昨年のお盆の時期には奥秩父の大弛小屋でテントを張り家族でお手軽なキャンプをしたが、オートキャンパーとも無縁なテント場は快適で、かつ標高2000m以上の高地なのでうだるような夏のさなかも涼しくとても快適で良い思いをした。そんな事もあり今年もお盆の時期に再び大弛峠を目指した。

山は今回は金峰まで行けれは良いが、まだ無理だろう。幸いその途中の朝日岳では無線運用をしていないので、そこまで歩ければそれなりに楽しめるのではないか、とも考えた。キャンプといえども山岳移動の未ポイントが近くにあることが条件なのだ。

お盆の下りの中央道は混むがそれも大月の中野トンネルまでで、あとはスーっと流れていく。勝沼で下りて後は勝手知ったる道を通って塩山市を目指す。途中で買出しをすませ先に進む。

焼山林道を通って大弛峠を目指す。標高が上がるにつれガスに包まれるようになる。金峰牧場のあたりでは昨年はそれほどでもなかったダムの工事が今回はかなり進んでいる。この林道もダムが出来たら湖の底に沈むのだろう。

川上牧丘林道にはいる。ガスは相変わらず回りを包んでいるが一瞬の切れ間から金峰山の五丈岩が覗く。随分と高い。

峠に着いた。先着のテント組は2,3パーティのみで早速幕営申し込みをする。昨年テントを張った場所は先客が居た。近くに張る。ガスが相変わらずなので夜半に多少降るかもしれない。そう思いタープも張る事にした。タープなぞ最低限の荷物を厳選してパッキングする山屋から見ればまさに無用の長物で、自分もその通り。ただ、こういうファミリーキャンプには重宝するものだ。隣の山屋のテントから、我々の装備を見て、あぁオートキャンプの人も来るのね、という声が聞こえる。やはりタープのせいかな?大丈夫、別に花火やカラオケはやりませんから・・。

去年はそれを嫌って行きたがらなかったポットン式トイレではあるが、今年は子供達二人でなんとか行けるようだ。ダテに一年経ったわけではないな、と少し嬉しい。さて今夜のメニューはなんとかの一つ覚えで鉄板焼きとなる。その前にまずはメシを炊かなくては。ひさびさに飯盒を持ってきたので、一丁がんばろう。飯盒は、別にコッヘルでもいいのだがソロ用のものしか持っていないので今回ご登場願った。水の量の見極めが難しい。が大雑把に行っても、生煮えでも芯があっても、結構食べられるものだ。一応定石でストーブの火を小さくしてひたすら攻める。その間に焼肉の具であるピーマンやえのき茸などを手早くカットしていく。キャンプって、何故男手だけで準備するのだろう・・、でもそれが楽しみでもあるし、家族も当然の様にテントの中で遊んでいる。わぁー、今年も、カイコボックス(シュラフのこと)だ!と無邪気この上ない。

独りでの幕営は、燃料の使用量を少なくしたいので簡単に暖めて調理できるものがどうしても多いが、たまにはこんなのも悪くない。準備が出来て家族を呼ぶ。さてと、ビールだ。喉を鳴らしてゴクリとやると同時に飯盒からいい匂いがしてきた。火から外して飯盒をひっくり返し蒸している間にフライパンで片っ端から焼き始める。安売りの味付け牛肉も、えのきも生焼けのピーマンでも美味しいのはいつもどおり。さてと肝心のメシの炊き具合はと・・、まぁまぁいい線ではないでしょうか・・・。時折雨が降ってくるがタープの下は別天地。すっかり気分が良くなって夜もふけていく。

* * * *

我が家の朝は山の世界では、遅い。7時ごろという下界と変わらぬ時間帯にようやくモゾモゾと動き始める。川の字で寝た各々のカイコボックスも随分と好き勝手な方向に動いており、あの状態で動くとはまさにカイコだ・・。

暖かいレモンティーで目を覚まし、手早く朝食を作る。昨夜日も暮れる頃隣にテントを張ったソロツーリングライダーは早くも撤収を終えようとしてる。横浜から来たという彼、甲府近郊の林道を走って、今日は廻り目平から秩父へ抜ける中津川林道経由で横浜に戻るという。中津川林道・・・自分も林道をバイクで走るのが好きだった頃、走ったことがある。整備されていない林道で県境を越える、という事がとても楽しかった・・。林道で峠を越えて反対側に行った時、山間の集落から生活感の匂いを感じた時、とても嬉しかった。そういえば、バイクの旅を最近することもない。一足先に荷物をまとめ去っていく彼に昔の自分を見て、懐かしくも、嬉しくもあった。

さて、朝日岳に登ろう。装備を車に載せてから、歩き始める。峠からの標高差はたいしてないのだが、しばらくは登りが続く。苔むした樹林帯の中はやはり奥秩父らしい。滑りやすい木の根や石の角なども時折出るが、子供達は終始快調に歩いている。拾った木の枝を杖がわりにしている。一方妻は具合が悪いのか終始遅れがちで、まぁのんびり行きましょう・・。

コースタイムはエアリアマップによると1時間だが、なかなか着かない。展望の良いガレ場まで来るともう少しで、かっきり1時間半で朝日岳に着いた。手短に50MHzを運用する。その間に例のバイクのソロライダーが通り過ぎた。軽く挨拶をする。金峰山まで往復したようだ。

無線の成果に満足して、ゆっくりと戻る。昨年と同様に、牧丘町の町営温泉に立ち寄り一風呂浴びる。

今年のお盆休みも、キャンプに山登りを満喫できた。後何年、こんな楽しみ方が家族で出来るのかは分からないけど、また来年も行きたいものだ、と考えながら横浜に戻った。

(終わり)

アマチュア無線運用の記録

朝日岳 2579m 長野県南佐久郡川上村 50MHzSSB運用20局交信 自作4WSSB/CWトランシーバ+釣竿ダイポール


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