衣張山で気づけば100回 

(2000/5/27、神奈川県鎌倉市)


(眼下の材木座海岸から湿った風がヒュウヒュウと飛んできた)
NIKON FM2/T ニッコール50mmF1.8、F11・1/60秒

天気予報では芳しくない一日を告げていたが朝起きてみると晴れてはいないが悪くない。前回の山からはもう3週間近くとなり”何処かへ行きたい虫”が自分の心の中で騒ぎ始めていた。これは全く性質の悪い虫で望みをかなえない限りは決して居なくなってくれないのだから困ってしまう。まぁそんな自分に都合の良い言い訳をつけてしまおう。早い話が出かけたい。ぐだぐだしているともう8時近いので遠くは行けまい。それに自分一人でそうそう出かけるのも気が引けるので例によって家族を無理やり引っ張り出す事にした。彼らにとっては大きな迷惑かもしれないが・・。

この時間から行ける所は限られていよう。三浦半島には山とは到底言えぬ丘陵地があり、もちろんそんな所へいっても山歩きの気分は味わえぬがそれでも折角の休日を家に居るよりはいいだろう・・。手近な、鎌倉市の衣張山に決定だ。

横浜からはさすがに近い。住宅地である鎌倉ハイランドの奥に車を停めると目指す衣張山は指呼の間で、これでは山歩きでも、ハイキングでもすらないが、まあ散歩に毛が生えたところだろう。

中途半端な丘陵地という事もあってか杉や桧の植林が一切されていないというのが気に入った。雑木林は心を和ませるからだ。

今年小学校に上がった長女は制止も聞かずにどんどん先を歩いていく。次女は家内と手を取ってやや遅れて歩く。山が小さい事もありたいしたアップダウンもない。これでは近所の公園と大差無いがそれでも里山にありがちな粗大ゴミが捨てられているわけでもなく雰囲気は悪くない。

似たような登降を数度繰り返すと小広い山頂に出た。眼下の鎌倉の市街地が思いのほか低く標高120mの山頂とはいえなかなかのものだ。風が強く海の湿気がヒュウヒュウと飛んできた。空にトンビだろうか、大きな羽を広げたまま飛ぶでもなく、風に吹かれるまま、風任せに空中を漂っている。

ビニールシートを広げるが風で一苦労。家族が弁当を広げている間こちらもアマチュア無線・50MHzSSB。といってもこんな風ではアンテナも中途半端にしか上げられない。呼ばれるだけラッキーともいえ数局交信して閉局。風に混じって雨粒が飛んできたのを機に帰る事にした。

走り回る2人の手を取り元来た道を戻る。なんとも言えない小さな散歩だったが、まあ疲れ気味の週末の、気分転換には良かったのではないだろうか・・。

* * * *

家に戻りデータを整理していて気がついた。これが100回目の山行だった。なんと、100回か・・。マイペースでののんびり山行ばかりでもいつか来るものだなぁ。たいした山には登ってこなかったけど、でも登った山の山頂を思い出せといわれれば間違いなくそのすべてを思い出せると思う。自分でもよく長続きしていると思うしもっと続けたいとも思う。今度は200回がいつか来る事だろう。楽しみに果てはない。


アマチュア無線運用の記録

衣張山 120m
神奈川県鎌倉市
50MHzSSB運用、4局交信、最長距離 東京都あきる野市
自作4WSSB/CWトランシーバ+釣竿ダイポールアンテナ

Copyright:7M3LKF,Y.Zushi,2000/6/11


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