金時山に登る

(2000/3/26、神奈川県南足柄市)


(標高差200mの山頂。結構キツイ)

すっかりアウトドアの季節がやってきた。風も日に日に柔らかくなってくる。今日は富士・御坂あたりの山か奥武蔵の山を目的にして朝5時に起床するもどうも体が動かない。5,6時間歩くぞ!というファイトが沸いてこないというべきか、布団があまりにも恋しくて外に出る気がしないというべきか・・。

ならば家族を無理やり引っ張り出して手近な山にいくとするか。家族サービスとは名ばかりの実は彼らには何にも面白くも無い一日の始まりだ。幸いこのような事もあろうかと家族同行用にいくつか山の案のストックは持っている。今日は箱根の金時山だ。東名を御殿場で下りて南足柄峠をめざす。富士が純白で大きいがその山頂は雲の中だ。車の窓を開けると北風がビュンビュン吹いてきて寒い。天気は良いのだが。

南足柄峠から詰められるまで林道を詰める。10:00、歩き始める。しばらくは車道歩きだが前方に異様に高い三角形のピークが盛り上がっている。あれが金時山だ。子供たちにあれが金時山だよというとエーあれに登るの?という。妻も大きく口をあけてしまう。といっても行くしかない。

車道が終わると山頂の茶店の荷揚げ用のケーブル施設があり木の鳥居をくぐるといきなり急登が始まった。ステンレス製の階段が連続する。岩場にステップを切った階段道もある。ガレ気味で、おまけに土は霜が解けてぐちゃぐちゃで滑りやすいときている。さすがに2歳の娘はギブアップして抱っこ、ときた。仕方なく肩車をして進む。これはこたえる。やや遅れて妻と登る6歳の長女はなんとか頑張っている様だ。入山者が多く下山者も現れ始め狭い登山道に随所に渋滞が発生する。見下ろすとかなりの高度感があり、見ようによっては絶壁に近い箇所もある。これは山慣れない我が家族にはかなりきつかったかもしれない。金時山という親しみやすい山の名前につられてくるとうまくないかもしれない。

ビシバシ張られた黄色と黒のプラスチックロープだが握ろうにも頼りない。滑らぬように足の裏を目一杯地面にグリップさせながら歩くとようやく傾斜が緩み先が見えた。

疲れきった感のある長女も妻とややあって到着。おーよくやった!

山頂は人が落ちても不思議ではないほどのすごい人だかりで、座る場所すらみつからない。なんとか見つけ、お弁当タイムだ。ジュースを飲み食べ物を胃に収めて子供たちもようやく人心地ついた感じだ。

弁当タイムの家族を横目にこちらは一仕事せねばならぬ。50MHz運用。丹沢の辺室山からJF2HBH、富士川沿いの高ドッキョウからJS1MLQ、と相変わらずアクティブな面々とつながる。40分程度の運用で15局交信とはなかなか良い感じだ。

子供たちも飽きはじめたのかむずむずしているようでここが潮時と無線機の電源を落とす。本当はもう少し無線を続けたいのだがそうもいかない。

(つんと尖った山頂が金時山。家族にはきつかったようだ)

茶店に顔を出してみるがすごい人手だ。ヒューストンから来たという20歳代の韓国系アメリカ人女性ととスイスから来たという女性と同席になる。彼らは美味そうにうどんを食べている。妻はお汁粉だ。外国人の彼らがどうしてこんな山の上までわざわざ来たのか疑問であったが、聞いてみるとHAKONEは外国人にとっても結構メジャーな観光地のようだった。普通なら大沸谷止まりだろうけど・・。スイス女性は明日は京都に行くという。ハロー程度しかしゃべれぬ長女に「話しかけろよ」とけしかけると神妙な顔をして「ハロー」という。かれらはいたく感動したようで歳や名前を聞いてくるがそれ以上の意思疎通はちと無理だ。日本人はなかなか外国人には話し掛けないから彼らも言葉に、いや人とのコミュニケーションに飢えているのかもしれなかった。GOOD LUCK and TAKE CARE ! と富士山をバックに彼らと別れ、こちらは下山の途に着く。

下山は登りよりも心配だったがゆっくりと下りることでなんとか無事に戻ってきた。登り1時間、下り50分の行程をどちらも1時間40分掛けて歩いたのだ。

一度御殿場市に下りて少し乙女峠方面に上り返して御殿場市の市営温泉がある。ここで汗を流してから渋滞の待つ東名高速に向かった。麓から見ると成る程金時山の山頂部はボコッと突出しているのがよくわかる。あれに登ったのか・・。家族にあれが金時山だよと指差すが彼らは後ろのシートですでに眠ってしまった。今日の山は家族にはちょっときつかったかな。それでもなんとか往復したし・・・。三人とも今日一日ありがとう。


(足柄峠の先・林道ゲート10:00−金時山・アマチュア無線11:40/13:05−ゲート14:50)


アマチュア無線運用の記録

金時山 1212m
神奈川県南足柄市

50MHzSSB運用、15局交信、最長距離 千葉県四街道市
自作SSB/CWトランシーバ(出力4W)+ダイポール
箱根外輪山の中の最も高いピーク。山頂からは富士が殊のほか立派だ。丹沢も西から眺める事になりなかなか新鮮な光景。山頂には2軒の茶店がありうどんやラーメン、飲み物などが手に入る。

金時山、といえばファミリー向け・子供向けというイメージがその名前から想像できるが,実際は山頂直下の登りは急で全くの初心者にはきつそうだ。

無線は関東平野にはそこそこ飛んでいく。時間を変えれば2,3エリアも楽しめるかもしれない。

Copyright:7M3LKFY.Zushi,2000/3/26


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