タイトル 聖戦士ダンバイン
放映年 1983〜84年
放映話数 全49話
湖川キャラに惚れ込んでいたあの頃(笑)イデオン、ザブングルに続き制作された作品。ファンタジーの要素とシビアな戦いを絡ませたストーリーは重厚

声の出演:中原茂、土井美加、川村万梨阿、速水奨、若本紀昭ほか

好きなのはバーン・バニングス。わたしが描くとちょっと可愛くなっちゃうけど…

 たぶん、わたしが燃えて見た最後のTVアニメが本作<聖戦士ダンバイン>かもしれない(この辺りから興味が映画や洋楽に移りつつあった。というよりも、仕事の関係でアニメを見られる時間には帰れなかったというのもあるのだが…)イデオンでも思ったのだが、あまりにも深い世界を描いている本作も、内容が哲学的で、幾層にも世界が描かれ、やたら難しい(笑)わたしが馬鹿なのかもしれないが、果たしてちゃんと理解できたのだろうか?とクエスチョンマークがつく。まったく、理解したかどうか自信がない(笑)
 本作は原作及び総監督が、当時飛ぶ鳥落とす勢いの富野由悠季氏だったゆえ、アニメ雑誌にはやたら取り上げられていた。家にも別冊のムック本が三冊も残っている。わたしは富野さんのストーリーというより、湖川さんの描く人物に魅かれて見ていたのだが…湖川キャラの特徴か、男より女の方が生き生きとして、また印象深い。マーベル、リムル、キーン、エレ・ハンム、ガラリア、ミュージー・ポー、ジェリル、シーラ・ラパーナ…男がいろんなしがらみでうじうじ悩んでいる間に、女達はそれぞれ愛に、信義に、戦いに一途に突っ走る。戦いの元凶も女、ルーザ・ルフト。夫を唆し、戦いを起こさせ、娘を利用してのし上がり、不義密通までしている。揚げ句の果てに夫を裏切り、実の娘まで手にかけるという悪逆非道さ。イデオンのハルルも悪女で、妹カララを殺したが、実は好きな男の敵を討ちたかったという純情な気持ちからだったから、ルーザの方が質が悪い。良しにつけ悪しきにつけ、世界は女で廻っているのかもしれないと、本作を見てしみじみ思った(男は松、女は藤の喩えがあるが、最近は逆か?)。一人生き残ったチャム・ファウは後世にどのような話を伝えたのだろうか…(2003.9.26)