タイトル 河童の三平・妖怪大作戦
放映年 1968〜69年
放映話数 全26話
原作:水木しげるの一風変わった特撮番組。「ゆ〜らりゆ〜らり、ゆ〜ららら」という明るい雰囲気の主題歌とは裏腹に、どんより暗いムードを持っている。子供心にとても怖かった。お母さんに会えそうで会えない…妖力が消えてしまうなど、障害も盛りだくさん

出演:金子吉延、牧冬吉、松井八知栄、潮健児ほか

イタチ男…すてきなメイクだ…地獄大使に負けないくらいイケている

 わたしの実家では、潮健児さんを「イタチ男」と呼んでいた。仮面ライダーの地獄大使を見ても「イタチ男」、時代劇で見ても「イタチ男」…(ちなみに夫の家では彼を「メフィスト」と呼んでいたそうだ)それだけ「イタチ男」の印象が、我が家では強かった
 お母さんに会えそうで会えない。じと〜っとしたモノクロの画面に跋扈する妖怪達。画面が暗い、肌が泡立つような印象が子供心に強烈だった。もし、今見たらきっと別の印象かもしれない。だが、本作は子供時代の怖かった番組のひとつなのだ
 先祖への恨みのせいで、河童の国であやうく「尻子玉の刑」(尻から手を入れて肝を抜き取る…すごい刑だ)に処される寸前、河童の国を妖怪が襲い、その難を救うため、人間なのに妖力を授けられる。それが元で、妖怪世界の掟に触れ、母と離れ離れになってしまった三平は、河童の国の王女カン子と、その侍従甲羅の六兵衛とともに旅に出る…話は、母を訪ねて三千里のようなものだが、それに「イタチ男」や数々の妖怪が絡んでくるので、一筋縄ではいかない…本作と「悪魔くん」がDVD BOXで発売されたら買う、と夫は宣言していた。シュールで、怖くて、モノクロ独特の味わいがある。色がない世界だからこそ、よけいに恐怖心を煽ったのだ
 そういえば、甲羅の六兵衛こと牧冬吉さん。なぜか家では「遁兵衛さん」と呼ばれていた。「隠密剣士」(1962年〜65年)の霧の遁兵衛からきているらしい。物心ついたときには、親が牧冬吉さんをそう呼んでいた。昔はそうやって役名で呼ばれるほど愛される、印象の強いキャラクターが多かったのだ。それは番組の想い出と重なって、いつまでも心に残る。潮さんにしても、人によって思い出す役柄が違うだろう。あなたは何を思い出す?(2002.8.31)