●中村嘉葎雄(巳代松)

 このところ、錦之介さんに萌えて昔の作品を見ていたら、弟の嘉葎雄さんといろいろな作品で共演されている。わたしは本来、嘉葎雄さんタイプが好みである。錦之介さんのよさが分かったのは最近のこと。なにせ、渋い人好みだから(笑)。嘉葎雄さんで印象的だったのは手作りの銃をぶっ放す巳代松役。新必殺仕置人はリアルタイムで観ていたので、鉄っあん@山崎努さん、死神@河原崎建三さん、そして巳代松はご贔屓だった。個性的な役者が火花を散らした本作は、わたし的には必殺シリーズの中で最も好きな作品である。シリーズ後半の悲哀に満ちたトーンに流されるように、巳代松も悲しいラストを迎える。ただし、彼にはおていという明るい光も残されていたのだが。それにしても巳代松は最初の頃、暴発するわ、タマは飛ばないわ非常に苦労していた。自分の肉体を使う鉄や、ありものの武器(刀)を使う主水とは違い、一手間も二手間もかかっていたな。でも、いつも嬉しそうに作っていたから、彼は仕置より、仕置があることによって銃器を作れるのが楽しかったのではないだろうか。殺しやお金はオマケみたいなものだろう
 東映時代劇の若くて可愛らしい嘉葎雄さんを観ていると、どうも最近の歳より老けた役を演じている嘉葎雄さんとのギャップを感じてしまう。NTTドコモのケータイ家族のCMでは5歳しか違わない田村正和さんのお父さん役だ。妻役の木内さんのお父さんにしても…若いよな(笑)素顔はお若いと思うが、年寄りの役を嬉々として演じているように見える。最新作は2004年公開の実写版「鉄人28号」、正太郎くんの祖父役である。鉄人の実写といえば、昭和35年TV版でものすごい作品があったが…まさか、当時のように着ぐるみではないだろう(笑)きっとCGも使ってすごい鉄人が飛び立つだろうから、それもちょっと楽しみである(2003.12.28)
名前 中村嘉葎雄(なかむら・かつお)
生年月日 1938年4月23日
主な出演作 <少年猿飛佐助 >(1958)、<殿様弥次喜多>(1960)、<陽炎座>(1981)
<ホワイトアウト>(2000)、<明日があるさ THE MOVIE>(2002)など
TV作品も<新必殺仕置人>、<それからの武蔵>など多数
MEMO 三代目中村時蔵の五男、萬屋錦之助の弟。松竹を経て、兄のいる東映へ
時代劇ばかりでなく現代劇でも活躍