タイトル 旗本退屈男 謎の七色御殿
公開年 1961年
配給 東映
シリーズ30作中の28作目。天下御免の向う傷、退屈の殿さまが、諸羽流正眼崩しでばったばったと悪を斬る、痛快時代劇。本作はミュージカル調でもある。こまどり姉妹や村田英雄がゲスト出演している

出演:市川右太衛門、月形龍之介、管貫太郎、東千代之介、山城新五、久保菜穂子、村田英雄ほか

ちょっとマイブームな切り絵調(墨絵調?)な右太衛門さん。顔がはっきりしていらっしゃるのでOKだわ

 BSで昼間、旗本退屈男シリーズを放映している。仕事の合間に斜め見をしていたが、本作にちょっとぐっときた。他のシリーズに比べると出来がいい訳ではない。昨日放映された「謎の暗殺隊」(1960年)の方がずっと面白かった。山形勲さんとの対決や、進藤英太郎さんのコメディリリーフ(家光と彦左と一心太助の時のようでグッド)、尾張大納言の山村聰さんや、月形さんの悪役勢、また、若き尾張藩士の里見さんもよかった
 だが、そんな秀作ではなく、本作を紹介するのは…そう、管貫さんのキレまくり演技に心を鷲掴みされたからである(笑)将軍家嫡男(山城さん、若い)の弟で、月照宮で育てられた若様。が、実は月形さん演じる宮司の手によってすり替えられた偽物。こいつが、もうやりたい放題(笑)オーソドックスな「あ〜れ〜、なりませぬ」で帯びくるくると巫女を手込めに。うひゃ〜、なんかこんなの久しぶりに見るぞ。で、退屈の殿さまに詰め寄られると、いきなり開き直って「バレちゃしょうがねえ」(笑)おいおい、すぐに認めるなよ〜。口調もがらりと変わっちゃうし。なんか、すごく管貫さんらしくってわくわくしちゃう!そうそう、管貫さんはこうじゃなくっちゃ。う〜ん、ナイスなんて思いながら、最後までしっかり見てしまった
 ミュージカル仕立てて、こまどり姉妹や村田英雄の歌も堪能できちゃうし…(村田さん、若い頃ってコロッケさんに似てるんだ!)
 平日の昼間、まったりと東映時代劇ってのもいいもんだ。暴れん坊兄弟や、宮本武蔵なんかもこのプログラムで見た。NHKさん、改革も結構だけど、こういった名作をじっくり見せてくれる番組、なくさないでね。できたらハイビジョンでお願いします(笑)(2005.10.6)