タイトル 切り捨て御免!
放映年 1980・81・82年
放映話数 全25・25・22話
斬り捨てご免のお墨付きを持つ、三十六番所。そこに赴任してきた花房出雲は、番所衆とともに悪を斬る。1、2、3と各シリーズテイストが違うのが面白い。個人的には第一シリーズが好き

出演:中村吉右衛門、長門勇、伊吹剛、川崎公明、橋幸夫、岩井友見、伊庭剛ほか

鬼平前の吉右衛門さんが演じる花房出雲。昔からお兄さん(幸四郎さん)より貫録があるなあと思ってた

 第一シリーズの大将は、友人の大目付朝倉丹波(どっちが名前だよ・笑)とともに、世に蔓延る悪を討つ。出雲さん、岩井友見さん演じるはつねの飲み屋に入り浸っていても、結構真面目にお役目をこなしていたっけ。万相談はとっつあんこと長門勇さん担当。結束信二さんが脚本を書いたりして、オーソドックスな造りのドラマだった。第二シリーズは老中からの命を受け、秘かに悪を討つ。お友達の朝倉丹波はどうしたんだ?橋さんのギャラの都合か、はたまたスケジュールか(笑)雰囲気が変わったかも…と思っていたが、第三シリーズではもっと激変。大将は芸者の小蝶の家に入り浸り。おまけに女が言い寄れば「据膳喰わぬは男の恥」とばかりにどんどんいただいちゃう。花房出雲って…ストイックな男だと思ったけどなあ。何があってそんなに変わっちゃったの。そして本作はたった一人の敵[翁の御前]が見え隠れ。もったいぶった御前と、番所衆の戦いという図式だ。敵は外人だし、根城は大坂城という意外な展開。また、番所衆の扱う道具もぶっ飛んでいて、おおおお〜〜〜という感想のまま、斬り捨てご免は終了する
 吉右衛門さんもいいけど、やっぱ長門さんがいいよねえ。人情味ある、また生活感ある男(笑)あの微妙な岡山弁が心地よい。暴れん坊将軍の酔っ払い代官や、赤穂浪士の蜘蛛の陣十郎なんかよかったなあ。シリアス物でもどこかホッとするキャラクター。三匹の侍だって桜京十郎がいなかったらきっとつまんなかったろうし
 鬼平以前のカッコいい吉右衛門さんを堪能できる。右門の時はほんと若くって、痩せていて…だったけど、出雲は大人の男の魅力も持ち合わせていた。[ぐぉめ〜〜ん]と相手をぶった斬る花房出雲を見て、さあ、師走だ(2004.11.30)